JP3091025U - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラブヘッドがボールを打った後のクラブヘ
ッドとボールとの接触時間を増加させ、コントロール性
を増すことが可能なゴルフクラブヘッドを提供する。 【解決手段】 打撃面プレート２０とクラブヘッド１０
本体との間を弾性のある衝撃吸収層３０により接合し、
この弾性のある衝撃吸収層３０は適度な硬度および弾性
を持ち、クラブヘッド１０がボールを打った後のクラブ
ヘッド１０とボールとの接触時間を増加させ、コントロ
ール性を増すことが可能なゴルフクラブヘッドである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はゴルフクラブヘッドに関し、特に一種のゴルフクラブヘッドと打撃面 プレートとの結合方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ゴルフクラブヘッドは打撃面に溝を有し、その目的はボールを打った後、後ろ 向きの回転（バックスピン）を生み出すことであり、ボールが地面に落ちた後遠 くに転がさず、これによりボールコントロール性を増加させる。溝を比較的耐久 性のあるものにするため、常用される方法としては硬質の金属或いはセラミック 等の材料により面板を製作し、面板上に溝を設け、面板をクラブヘッド本体の打 撃面位置に固定する。よくある固定方法としてはネジによる固定、溶接、はめ込 み、金属結合接着剤或いはエポキシ樹脂接着或いは繊維により補強されたエポキ シ樹脂材料（Ｂ.Ｍ.Ｃ）による接合がある。ネジによって固定、溶接したり或い は直接クラブヘッドにはめ込む場合、その打撃面とクラブヘッド本体の接合面は 加工処理が必要となり、さもなければ十分に密着せず、ボールコントロール機能 に影響を及ぼし、かつ面板の変形、裂けるなどの破損が発生しやすい。金属結合 接着剤或いはエポキシ樹脂或いはＢ.Ｍ.Ｃ材料による接合の場合は前述したよう な破損はみられないが、その結合層の硬度は若干高めであり、ＡＳＴＭ Ｄ ２ ２４０Ｃ（“Ｃ”はタイプ０〜１００）テストによれば、金属結合接着剤の硬度 は９２~９６であり、エポキシ樹脂の硬度は８０~８２であり、Ｂ.Ｍ.Ｃ材料の硬 度は９６~９８の間である。硬度が高いほど、ボールを打った後ボールとクラブ ヘッドとの接触時間が短くなり、ボールコントロールが難しくなる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の主要な目的は、クラブヘッドがボールを打った後のクラブヘッドとボ ールとの接触時間を増加させ、コントロール性を増すことが可能なゴルフクラブ ヘッドを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案の請求項記載のゴルフクラブヘッドは、打撃 面プレートとクラブヘッド本体との間を弾性のある衝撃吸収層により接合し、こ の弾性のある衝撃吸収層は適度な硬度および弾性を持ち、クラブヘッドがボール を打った後のクラブヘッドとボールとの接触時間を増加させ、コントロール性を 増すことが可能である。

【０００５】

【考案の実施の形態】

ここに本考案の３つの実施例を挙げ、以下の通り説明する。 本考案の第一実施例によるゴルフクラブヘッドとして、アイアンクラブヘッド を挙げ説明する。しかし本考案の第一実施例によるゴルフクラブヘッドはアイア ンヘッドに限らず、例えばウッドクラブ、パター、サンドエッジ等にも適用可能 である。

【０００６】 図１から図４に示すように、本考案の第一実施例によるゴルフクラブヘッドは 以下のものを有する。クラブヘッド本体１０、これは軟鉄により製作され（もち ろんその他の材料でも可）、アイアンクラブヘッドの基本形状を有し、打撃面の 位置に凹状のへこみ１１が設けられている。打撃面プレート２０、これはクラブ ヘッド材質と比較して硬い硬質材料、例えば金属或いはセラミック或いは金属セ ラミック等により製作され、その硬度はＨＲＣ４５以上であり、その表面には溝 ２１（凹凸紋様でも可）が設けられ、このプレート２０はへこみ１１の開口端面 にはめ込まれる。弾性のある衝撃吸収層３０がプレート２０とクラブヘッド本体 １０との間に設けられ、プレート２０でクラブヘッド本体１０に貼り付けられて いる。この弾性のある衝撃吸収層３０の材料は室温においては硬化前にのり状を 呈している。作業をしやすくするため、本実施例においてはこの弾性のある衝撃 吸収材料をやわらかいゴム片３２の両面に塗布し（もちろん紙或いは布などとい ったやわらかい材料上でも可）、このゴム片をへこみ１１の大きさに切断し、プ レート２０でこの接着剤層３１をクラブヘッド本体１０のへこみ１１の中にはさ み込み、その表面とクラブヘッド表面とを面一にさせる。そしてこのクラブヘッ ドを加熱し、接着剤３１を硬化させる。加熱温度は１２０〜１８０℃の間とし、 本実施例では１５０℃にて２０分ほど加熱する。接着剤３１が硬化（カーリング ）したあとの硬度は、ＡＳＴＭ Ｄ ２２４０Ｃ（“Ｃ”はタイプ０〜１００） テストにおいては、その硬度は６０〜７５の間（ゴム層の厚さによって定まる） で、その打撃面プレート２０とクラブヘッド本体１０との間の重なり剪断応力は ０．６〜０．９ｋｇｆ／ｍｍ²の間で、すなわち打撃面プレートをクラブヘッド 本体１０に固定し脱落しない十分な接合力を持ち合わせている。この弾性のある 衝撃吸収層の硬度は比較的やわらかく、したがってボールと打撃面プレートの接 触時間を長くすることが可能で、ボールコントロール性が増加する。弾性のある 衝撃吸収層本体の弾性力はまた硬度が比較的低いため発生する距離の損失を補う 役割も果たす。

【０００７】 図５に示すように、この弾性のある衝撃吸収層３０はへこみの底面に設けられ る以外に、へこみの側壁に設けることも可能で、貼り合わせ面積を増加させ、か つプレートとクラブヘッド本体との間の隙間を埋めることが可能である。図６に 示すように、クラブヘッド打撃面において埋め込み用の溝４０を設けることも可 能で、その中に打撃面プレート２０を埋め込む。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例によるゴルフクラブヘッド
を示す分解斜視図である。

【図２】本考案の第一実施例によるゴルフクラブヘッド
を示す外観斜視図である。

【図３】図２の３−３線の断面図である。

【図４】図２の４−４線の断面図である。

【図５】本考案の第二実施例によるゴルフクラブヘッド
を示す図４と同類の断面図である。

【図６】本考案の第三実施例によるゴルフクラブヘッド
を示す図４と同類の断面図である。

【符号の説明】

１０ クラブヘッド １１ へこみ ２０ 打撃面プレート ２１ 溝 ３０ 弾性のある衝撃吸収層 ３１ 接着剤層 ３２ 軟質ゴム片 ４０ 埋め込み用の溝

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 硬度ＨＲＣ４５以上の打撃面プレートを
   有し、前記プレートが弾性のある衝撃吸収層によってク
   ラブヘッド本体の打撃面位置に貼り付けられ、前記弾性
   のある衝撃吸収層は成形前はやわらかいゴム質であり、
   加熱硬化処理後、その硬度はＡＳＴＭ Ｄ ２２４０Ｃ
   “Ｃ”タイプ６０〜７５の間であることを特徴とする
   ゴルフクラブヘッド。
2. 【請求項２】 前記クラブヘッド本体は打撃面位置にへ
   こみを有し、前記打撃面プレートが前記衝撃吸収層によ
   って前記へこみの中に接着され、その外表面ならびに前
   記クラブヘッド本体の外表面は面一であり、前記クラブ
   ヘッドの打撃面を形成することを特徴とする請求項１記
   載のゴルフクラブヘッド。
3. 【請求項３】 前記衝撃吸収層はまず一枚の紙或いは布
   或いはゴム片の両面に塗布され設定された厚さを呈し、
   さらに前記打撃面プレートと前記クラブヘッド本体とを
   貼り合わせ、前記衝撃吸収層の厚さを調整していること
   を特徴とする請求項１記載のゴルフクラブヘッド。