JP2005270321A - ゴルフクラブヘッド及びその設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バックスピン量を低下させて飛距離を増大させる。
【解決手段】 ボールを打撃するフェース面2を含むフェース部3を具えたゴルフクラブヘッド1である。フェース面2の少なくとも一部に、フェース面2と垂直方向の剛性である垂直剛性よりも、フェース面と平行かつクラウン−ソール方向の剛性であるせん断剛性を小さくしたせん断剛性低下部9が設けられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ボールの打ち出し角度を大きくし、かつバックスピン量を低下させて飛距離を増大させるのに役立つゴルフクラブヘッド及びその設計方法に関する。
従来より、打球の飛距離の向上を目指したゴルフクラブヘッドの開発が種々行われている。現在、打球をより遠くに飛ばすためには、第一にフェース面から打ち出されたボールの初速を高めること、第二にボールの打ち出し角を大きくしかつバックスピン量を減らすことが有効と考えられている。なお後者のものは、飛距離が伸びない原因として、打球のバックスピン量が多く、その結果、ボールが高く上がりすぎるいわゆる吹け上がりが生じていることを前提としている。
フェース面から打ち出されたボールの初速を高める(言い換えれば、ヘッドの反発係数を高める)には、フェース部のフェース面に対して垂直方向の剛性である垂直剛性を低下させることが有効である。フェース部の垂直剛性が低下すると、ヘッドの周波数伝達関数における一次の極小値を示す周波数がボールのそれに近似し、この結果、ヘッドの運動エネルギーがボールに効率良く伝達される。これはインピーダンスマッチング理論として知られており、例えば下記特許文献1に詳しく述べられている。
フェース部の垂直剛性を低下させるために、強度を損ねない範囲でフェース部の厚さを薄くすることや、弾性率の小さい材料をフェース部に用いること等の試みがなされている。しかしながら、現在の技術水準ではこれらの改善手法もほぼ限界に達しつつある。
またボールの打ち出し角を大きくしかつバックスピン量を減らすためには、一般にヘッドの低重心化が有効と考えられている。重心が低いヘッドは、スイートスポットがフェース面のより下方に位置する。言い換えれば、フェース面においてスイートスポットよりも上側の領域が広くなる。このため、ゴルファは、フェース面のスイートスポットよりも上部側でボールを打撃し易くなり、その結果、ボールには縦方向のギア効果が作用して打ち出し角が大きくかつバックスピン量が低減する。
特開平4−56630号公報
しかしながら、飛距離向上に対するゴルファの要求は尽きることが無く、さらなる改善が望まれている。本発明は、このような実情に鑑み案出なされたもので、フェース面の少なくとも一部に、フェース面と垂直方向の剛性である垂直剛性よりも、フェース面と平行かつクラウン−ソール方向の剛性である上下せん断剛性が小さいせん断剛性低下打撃部を設けることを基本として、従来とは異なる手法により打球の飛距離を向上しうるゴルフクラブヘッド及びその設計方法を提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、ボールを打撃するフェース部を具えたゴルフクラブヘッドであって、前記フェース部の少なくとも一部に、フェース面と垂直方向の剛性である垂直剛性よりも、フェース面と平行かつクラウン−ソール方向の剛性である上下せん断剛性が小さいせん断剛性低下部が設けられたことを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、ボールを打撃するフェース部を具えたゴルフクラブヘッドであって、前記フェース部に、前面がフェース面の少なくとも一部を構成する打撃板が設けられてなり、かつ該打撃板は、クラウン部、ソール部、前記クラウン部と前記ソール部との間を継ぐサイド部、及び前記クラウン部とソール部とサイド部との各前縁と一体をなすフェース基部を有するヘッド本体の前記フェース基部に、継ぎ部材を介してクラウン−ソール方向に変位可能に支持されたことを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
また請求項3記載の発明は、前記打撃板は、前記フェース基部と非接触に支持されていることを特徴とする請求項2記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項4記載の発明は、前記フェース基部は、ヘッド内方へ凹む凹部と、この凹部に周囲に設けられた縁部とを含むとともに、前記打撃板はその前面を前記縁部の前面に揃えて前記凹部に配されたことを特徴とする請求項2又は3に記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項5記載の発明は、前記継ぎ部材は、前記打撃板と前記フェース基部との間をトウ−ヒール方向にのびかつクラウン−ソール方向に隔設された複数本のリブ状体を含むことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項6記載の発明は、前記継ぎ部材は、前記打撃板と前記フェース基部との間隙に実質的に等しい外径を有する複数個の球体と、前記間隙に満たされ前記複数個の球体を連結する弾性材からなる保持体とを含むことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項7記載の発明は、ボールを打撃するフェース部を具えたゴルフクラブヘッドを設計するゴルフクラブヘッドの設計方法であって、フェース面と垂直方向の剛性である垂直剛性よりも、フェース面と平行かつクラウン−ソール方向の剛性である上下せん断剛性が小さくなるように設計したことを特徴としている。
本発明では、フェース面の少なくとも一部に、フェース面に対して垂直方向の剛性である垂直剛性よりも、フェース面に対して平行かつクラウン−ソール方向の剛性である上下せん断剛性が小さいせん断剛性低下部が設けられる。このようなせん断剛性低下部は、ボール打撃時において垂直方向の撓みに比して上下せん断方向へと大きく撓むことができる。このような作用は、ボールのバックスピン量を低減させる。従って、打球の吹け上がりが防止され飛距離がのびる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態のゴルフクラブヘッド1を規定のライ角及びロフト角(リアルロフト角)の保持して水平面に接地させた基準状態の全体斜視図、図2はその縦断面図、図3は図2の部分拡大図がそれぞれ示されている。
本実施形態のゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1は、ボールを打撃する面であるフェース面2を有するフェース部3と、前記フェース部3に連なりヘッド上面をなすクラウン部4と、前記フェース部3に連なりヘッド底面をなすソール部5と、前記クラウン部4とソール部5との間を継ぎかつ前記フェース部3のトウ3aからバックフェースを通りヒール3bに至ってのびるサイド部6と、クラウン部4のヒール側に設けられかつシャフト(図示せず)の一端が装着されるネック部7とを具え、内部に中空部iが設けられた金属材料からなるドライバー(#1)又はフェアウェイウッドといったウッド型のものが例示されている。そして、本発明のヘッド1は、フェース部3の少なくとも一部に、フェース面2と垂直方向の剛性である垂直剛性よりも、フェース面2と平行かつクラウン−ソール方向の剛性である上下せん断剛性が小さいせん断剛性低下部9が設けられたことを特徴としている。
先ず、フェース部3にせん断剛性低下部9を設けることによって飛距離が増大する理由について述べる。図6に示されるように、ロフト角を有する例えばドライバー等のヘッド1でボールBを打撃すると、フェース面2がボールBを打撃する力Fは、フェース面2と垂直方向の垂直力Faと、フェース面2と平行(正確にはボールとフェース面との接触点におけるフェース面2の接線方向)かつクラウン−ソール方向に沿った上下方向のせん断力Fbとに分力でき、垂直力Faはボールを飛球させる力として、またせん断力Fbはボール水平軸周りのバックスピンを与える力としてそれぞれ作用する。
図7には、ヘッド1でボールBを打撃したときの前記垂直力Faと前記せん断力Fbとの時刻暦が示される。破線は垂直力Faを示し、3本の実線はせん断力Fbを示す。せん断力については、ロフト角は同じであるがフェース面2の摩擦係数が大、中及び小の3種類のヘッドについての結果であり、それぞれ符号Fb1、Fb2及びFb3で示されている。また正(+)のせん断力は、ボールにバックスピンをかける方向に働き、負(−)のせん断力はそれとは逆向き(トップスピン方向)に働くことを示している。
先ず垂直力Faは、打撃後、放物線状に滑らかに上昇してピークに達した後、滑らかに減少して0になる。垂直力が0になったときに、ボールはフェース面2から離れる。従って、せん断力も0となる。フェース面2の表面状態が異なっていても垂直力Faは殆ど変化がない。これは、垂直力Fa及び接触時間が、ボールとヘッドとの各垂直方向の剛性に依存しているためである。
しかしながら、せん断力Fbの作用はフェース面2の摩擦係数によって著しく異なったものになる。ヘッドのロフト角が例えば5゜以上かつ35゜よりも小の場合、一般的な摩擦係数を持ったフェース面2でボールBを打撃すると、該ボールBに作用するせん断力Fb1、Fb2は、一旦バックスピンをかけようとする正の方向に働いた後、これとは逆にバックスピンを止めようとする負の方向へと変化する。打ち出されたボールのバックスピン量は、正のせん断力の時間積分(力積に相当)と、負のせん断力の時間積分との差にほぼ比例したものになることがシミュレーション及び実験の結果確かめられている。
また、フェース面2の摩擦係数が大きくなると、ボールBとフェース面2との接触初期の滑りが小さくなる。これは、図7にせん断力Fb1で示されるように、ボールBにバックスピンをかけようとする正のせん断力のピーク値が大きくなると同時に0になるまでの時間Tを小としうる。そして、そこから接触終了までの間にバックスピンを止めようとする負のせん断力が作用する。このため、負のせん断力の力積が大きくなり、ひいては打ち出しされるボールのバックスピン量を低減させる。
これに対し、フェース面2の摩擦係数が小さくなると、ボールBとフェース面2との接触初期の滑りが大きくなる。滑りが大きくなると、図7にせん断力Fb3で示されるように、ボールBにバックスピンをかけようとする力が殆ど大きくならず、かつ正のせん断力が0になるまでの前記時間Tを大とする。この結果、負のせん断力の力積はほとんど発生しないにもかかわらず、正のせん断力のピーク値自体が小さいため、結果としてボールのバックスピン量も少なくなる。
従って、ボールのバックスピン量を減らすためには、フェース面2の摩擦係数を従来に比して大きくすること、又はこれとは逆に小さくすれば良いが、これらにはいずれも実用上の製品としては限界があり、実用的な効果を得ることは難しい。本発明では、これらに鑑みて、上述のようにフェース部3の少なくとも一部に垂直剛性よりも上下せん断剛性が小さいせん断剛性低下部9を設けることで、あたかも摩擦係数を低めたかのようなせん断力の挙動を得ることができる。
即ち、図8に拡大して示されるように、フェース面2はボールBの打撃の反作用として上向きのせん断力Fb’を受ける。せん断剛性低下部9は、上下せん断剛性が小さいため、そのせん断力の方向に従来に比してより大きく変位することができる。このようなせん断方向の変位は、ボールBがフェース面上で動こうとする方向に合致するため、ボールBはフェース面とともに動くことになり、ひいてはボールBに作用するせん断力Fbは、その立ち上がりが遅くなってフェース面2の摩擦係数を小さくした場合と同様の挙動を示す。つまり、打球時においてせん断剛性低下部9をボールBの滑り方向に同期させこれに追随するように変位させることによってボールBのバックスピン量を低減しうる。
なお打撃時におけるボールBとフェース面2との接触時間は、ボールが同一の場合、フェース面2の垂直剛性により支配される。従って、上下せん断剛性のみならずフェース面2の垂直剛性も同時に低下させてしまうと、せん断力Fb1ないしFb2のように符号が反転する挙動を示し、バックスピン量を低減させる効果は十分に得られない。
フェース部3において、特定部分の垂直剛性については、該特定部分に規定の大きさの垂直力を作用させるとともにその垂直方向の最大変位を垂直力で除した単位垂直力当たりの変位量として求めることができる。同様に、フェース部の特定部分の上下せん断剛性については、該特定部分に前記規定の大きさのせん断力を作用させ、該せん断方向の変位量をせん断力で除した単位せん断力当たりの変位量として得ることができる。
本発明のせん断剛性低下部9による上述の作用は、フェース面2の摩擦係数を従来の値と変えることなく得ることができし、摩擦係数の大小に拘わらず上述の作用を得ることができる。よって、フェース面2の摩擦係数を小さくする手段も併用しても良いのは言うまでもない。以下、このような作用を得るせん断剛性低下部9の具体的な構成のいくつかの例について述べる。
本実施形態のせん断剛性低下部9は、図1〜図3に示したように、前面がフェース面2の中央部2Aを構成する矩形状の打撃板10から構成されたものが示される。該打撃板10は、ヘッド本体11のフェース基部12に継ぎ部材13を介してクラウン−ソール方向に変位可能に支持される。
前記ヘッド本体11は、前記クラウン部4、前記ソール部5、前記サイド部6及び前記フェース基部12が一体に構成されている。フェース基部12は、前記クラウン部4の前縁4aと、ソール部5の前縁5aと、サイド部6の前縁6b(トウ側の前縁6b1と、ヒール側の前縁6b3とを含みいずれも図1に略示する。)とに連なり前記中空部iをフェース面側で閉じる壁状体からなるものが例示される。
また本実施形態のフェース基部12は、そのほぼ中央部において、前記中空部i側であるヘッド内方に段差を有して凹む凹部12Aと、この凹部12Aの周囲に設けられた縁部12Bとを含んで構成されたものが例示される。前記凹部12Aは、略矩形状で形成されており、図3に示されるように、最も凹んだ面をなす底面12A1と、該底面12A1と縁部12Bとの間を継ぐ四周の側壁面12A2とを含んでいる。またフェース基部12の縁部12Bは、その前面がフェース面2の周縁部2Bを構成している。
前記打撃板10は、フェース基部12の前記凹部12Aに継ぎ部材13を介して配されている。打撃板10の前面は、フェース基部12の前記縁部12Bの前面に実質的に揃えられて配されるのが望ましい。これにより、フェース面2に大きな段差が形成されるのを防止できる。また本実施形態の打撃板10は、フェース基部12の凹部12Aの底面12A1及び側壁面12A2と非接触の状態で支持されている。これにより、打撃板10は、ヘッド本体11に対して、少なくとも上下のせん断方向に対しての変位が許容される。また打撃面10の前面は、本実施形態では、ロール及びバルジを形成する凸曲面として形成されたものが例示されるが、平面で形成することもできる。
本実施形態の継ぎ部材13は、打撃板10とフェース基部12との間をトウ−ヒール方向にのびかつクラウン−ソール方向に隔設された複数本のリブ状体14…を含んで構成されたものが示される。図3に示される断面において、各リブ状体14はいずれも打撃板10の前面(スェース面2の中央部2A)から実質的に垂直方向にのびるものが例示される。またリブ状体14は、打撃板10の背面と、凹部12Aの底面12A1との間を継ぐ継ぎ長さLよりも、該継ぎ長さLと直角方向のリブ厚さtが小さく構成されたものが例示される。
このようなリブ状体14は、図4に示されるように、ボールBの打球時において、垂直方向の力Faの方向に対しては変形しにくい強い剛性を示す一方、せん断力Fbに対してはせん断方向に変形しボールBの滑り方向に追随する。従って、このような継ぎ部材13は、打撃板10を、垂直剛性よりも上下せん断剛性が小さいせん断剛性低下部9として機能させ得る。このため、打撃板10は、ボールBを打撃した場合、フェース基部12に対して垂直方向よりもクラウン部側へのせん断方向に大きく変形する。これは、上述のように、あたかもフェース面2の摩擦力を小さくした場合と同様、ボールBに作用するせん断力を小さくできる。これにより、ボールBは高く打ち出され、かつバックスピン量が減少するため、吹け上がりを抑制でき飛距離を増大させることができる。
本実施形態の継ぎ部材13は、トウ、ヒール方向にのびる複数個のリブ状体14で構成されたものが例示されるが、これに代えて、またこれとともに打撃板10の背面からフェース面2に対してほぼ垂直にのびる角柱体や円柱体などの柱状体を用いることもできる。
図9、図10には本発明の他の実施形態として、ヘッド1の全体斜視図及びそのフェース部3の縦断面図がそれぞれ示されている。この実施形態では、フェース基部12の前面が、凹部を有することなく平滑に形成されたものが例示される。また打撃板10は、その前面が実質的にフェース面2の全域を形成するものが例示されている。継ぎ部材13は、前記実施形態と同様にトウ、ヒール方向にのびるリブ状体14の複数個で形成されたものが例示される。このような実施形態のヘッド1は、さらに広い範囲でせん断剛性低下部9を設けることができる。なお本実施形態や前記図1の実施形態において、打撃板10とフェース基部12との間の隙間jに、打撃板10の上下せん断変位を妨げないゴムないし樹脂等の弾性材(図示せず)を配して前記隙間を埋めることも好ましく実施できる。これにより、ヘッド1に塗装等を施せば、従来のものと何ら遜色ない外観を持たせることができる。
さらに図11には、継ぎ部材13の他の実施形態が示される。本実施形態の継ぎ部材13は、複数個の球体16と、該複数個の球体16を連結する弾性材からなる保持体17とを含んで構成されたものが例示される。
前記球体16は、硬質の材料により形成され、好ましくは金属材料ないしセラミックスなどで構成される。本実施形態では、玉軸受用の鋼球が用いられている。鋼球の外径Rは、打撃板10とその背面側に位置するフェース基部12(この例では底面12A1)との間隙に実質的に等しく設定されている。図示はしていないが、球体16は、上下左右に例えば5mm程度の間隔をそれぞれ設けて格子状に配置されることが望ましい。また前記保持体17は、本実施形態ではゴム材が用いられており、前記打撃板10とフェース基部12との間の間隙に満たされ複数個の球体16を相互に連結保持している。
このような継ぎ部材13は、打球時の垂直力に対して球体16が大きな耐圧縮剛性を発揮する。これにより打撃板10の垂直剛性を高く維持することができる。他方、打撃板10は、球体16とは点接触しているに過ぎず実質的にゴム材からなる保持体16と接着されているため、上下方向のせん断力に対してはこの保持体16の低いせん断剛性によって支配される。つまり、打撃板10の垂直剛性よりも上下せん断剛性を小にできる。このような継ぎ部材13は、例えばフェース基部12の凹部12Aに先ず未加硫の液状ゴムを流し込み、しかる後、複数個の球体16をその中に適宜間隔を設けて埋設して外側から打撃板10で覆うとともに、前記液状ゴムを加硫することで容易に形成しうる。
以上本発明のいくつかの実施形態について詳述したが、本発明は、フェース部2の一部に、垂直剛性よりも上下せん断剛性が小さいせん断剛性低下部9が設けられていれば、その具体的な態様については上記実施形態に限定されることなく種々の形状で実現することができるのは言うまでもない。例えば、建造物に用いられる積層ゴムからなる免震支承の構造、即ち薄いゴムシートと鋼板とを積層した構造を用いることができる。この構造も、垂直荷重に対しては高い剛性を示す一方、せん断荷重に対しては剛性が低いものになる。
(実施例1)
図1に示したウッド型のゴルフクラブヘッドを試作した。Ti−6Al−4Vのチタン合金を用いて、図12に示されるようにヘッド本体11の主要部をなすヘッド基体11aを一体鋳造成形した。ヘッド基体11aは、ソール部5に開口部O1が設けられており、そこには別成形された同一材料のソール板(図示省略)を溶接により固着した。またヘッド基体1aは、フェース部3に矩形状の凹部12Aが設けられており、かつその底面には開口部O2が設けられている。開口部O2は縦横それぞれ30mmの正方形状とした。この開口部O2には、予め別成形した打撃ユニットUを溶接により固着した。
打撃ユニットUは、前記せん断剛性低下部9を構成することになる打撃板10と、一端がこの打撃板10の背面に連なるリブ状体14からなる継ぎ部材13と、前記リブ状体14の他端が連なる基板18とを一体に形成したものである。打撃ユニットUはTi−6Al−4Vの板材から機械加工した部品を溶接して作製した。また打撃板10は厚さ2.0mmで30mm角の正方形状で構成し、基板18は厚さ3.0mmで30mm角の正方形で構成した。またリブ状体14はクラウンーソール方向に5mmピッチで6本設けた。リブ状体14のリブ厚さtは0.5mm、継ぎ長さLは2mmとした。そして、図1に示される各隙間t1、t2、t3及びt4を全て2mmとし、打撃ユニットUの基板18と開口部O2とを前記開口部O1から溶接した。しかる後、ソール板を開口部O1に溶接して図1のヘッドを得ることができた。
(実施例2)
図11に示したウッド型のゴルフクラブヘッドを試作した。先ず、図11に示した凹部12Aを有するヘッド本体11が、Ti−6Al−4Vのチタン合金を用いて一体鋳造成形された。凹部は縦横いずれも34mmとした。そして、前記凹部12Aに、日本ゼオン社製の液状ブタジエンゴム「POLYOIL130」100重量部に対してアクリル酸亜鉛20重量部とジクミルパーオキサイド1重量部とを加えた未加硫の液状ゴムを流し込むとともに、その中に外径2mmのクロム球(玉軸受用鋼球)を上下左右にほぼ5mmピッチで36個格子状に位置決め配置した。しかる後、厚さ2.0mmかつ30mm角のTi−6Al−4Vからなる打撃板10をその外側から押し付けて仮接着した。このとき、打撃板10と凹部12Aの側面との間に上下左右それぞれ2mmの隙間が形成されるように打撃板10を配置した。そして、150℃のオーブンで液状ゴムを30分間加硫することにより、ヘッド1を製造し得た。
本発明の一実施形態を示すヘッドの基準状態の斜視図である。 その縦断面図である。 図2の要部拡大図である。 せん断剛性低下部の打球時の作用を説明する拡大図である。 本発明の一実施形態を示すヘッドの基準状態の斜視図である。 ボールとヘッドとの打球時の力を説明する略図である。 ボールに働く力と時間との関係を示すグラフである。 その作用を説明する略図である。 本発明の他の実施形態を示すヘッドの基準状態の斜視図である。 そのフェース部の部分断面図である。 本発明の他の実施形態を示すフェース部の部分断面図である。 本発明の具体的な設計ないし製造方法を説明する分解斜視図である。
符号の説明
1 ゴルフクラブヘッド
2 フェース面
3 フェース部
4 クラウン部
5 ソール部
6 サイド部
7 ネック部
9 せん断剛性低下部
10 打撃板
11 ヘッド本体
12 フェース基部
12A フェース基部の凹部
12B フェース基部の縁部
13 継ぎ部材
14 リブ状体

Claims (7)

  1. ボールを打撃するフェース部を具えたゴルフクラブヘッドであって、
    前記フェース部の少なくとも一部に、フェース面と垂直方向の剛性である垂直剛性よりも、フェース面と平行かつクラウン−ソール方向の剛性である上下せん断剛性が小さいせん断剛性低下部が設けられたことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. ボールを打撃するフェース部を具えたゴルフクラブヘッドであって、
    前記フェース部に、前面がフェース面の少なくとも一部を構成する打撃板が設けられてなり、
    かつ該打撃板は、クラウン部、ソール部、前記クラウン部と前記ソール部との間を継ぐサイド部、及び前記クラウン部とソール部とサイド部との各前縁と一体をなすフェース基部を有するヘッド本体の前記フェース基部に、継ぎ部材を介してクラウン−ソール方向に変位可能に支持されたことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  3. 前記打撃板は、前記フェース基部と非接触に支持されていることを特徴とする請求項2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記フェース基部は、ヘッド内方へ凹む凹部と、この凹部に周囲に設けられた縁部とを含むとともに、前記打撃板はその前面を前記縁部の前面に揃えて前記凹部に配されたことを特徴とする請求項2又は3に記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記継ぎ部材は、前記打撃板と前記フェース基部との間をトウ−ヒール方向にのびかつクラウン−ソール方向に隔設された複数本のリブ状体を含むことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記継ぎ部材は、前記打撃板と前記フェース基部との間隙に実質的に等しい外径を有する複数個の球体と、前記間隙に満たされ前記複数個の球体を連結する弾性材からなる保持体とを含むことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  7. ボールを打撃するフェース部を具えたゴルフクラブヘッドを設計するゴルフクラブヘッドの設計方法であって、
    フェース面と垂直方向の剛性である垂直剛性よりも、フェース面と平行かつクラウン−ソール方向の剛性である上下せん断剛性が小さくなるように設計したことを特徴とするゴルフクラブヘッドの設計方法。
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