JP3090946U - コーヒーポット用ふた - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器へのコーヒーの注入、注出が容易で、ガ
ラス容器に合理的に適用でき、フロートボールが漏斗に
付着せず、注入時にコーヒーが溢れても外部へ流れ出な
いコーヒーポット用のふたを提供する。 【解決手段】 ふた１の嵌合部１８は、注出用の切欠２
０を有し、容器２の開口３に嵌合する。鍔部１７は、切
欠１９を有し、開口３を閉じる。中空の膨出部１５は、
容器２内の空間を縮小して保温効果を高める。漏斗２１
は、コーヒーを受け、流入管１１から容器２内に流入さ
せる。上部キャップ１０は、滴下通路２７と、通気路２
９とを有し、螺合させてフロート室１２の上部を閉じ
る。フロートボール３１は、ボール座２２上に置かれ、
常時は流入管１１を閉じて容器２内を保温し、コーヒー
が入ると浮いて流入管１１を開く。カラー部材４はキャ
ップ１０から溢れたコーヒーを受けて切欠１９，２０か
ら容器２内へ導入する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、コーヒー抽出器等から注ぎ出されたコーヒーを受け入れて、ヒ ーターで保温しつつ保存するコーヒーポット用のふたに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば米国実用新案登録第５６５３３６２号の特許明細書に記載された 魔法瓶用のふたが知られている。このふたは、容器から取り外さずに内部にコー ヒーのような液体を注ぎ込み、また注ぎ出すことができるもので、注ぎ込み用の 漏斗部内にフロートボールが挿入され、このフロートボールが、常時は漏斗の開 口を塞いで保温するが、注ぎ込み時には浮かんで開口を開くようになっている。 漏斗は上部キャップに覆われ、上部キャップには滴下通路が設けられている。液 体は上部キャップの凹んだ上面に注がれ、滴下通路、漏斗を通って容器内に流入 する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のものは、魔法瓶用であって、ガラス容器からなるコーヒーポットに そのまま適用することができない。フロートボールが漏斗に接する面積が大きい ために、コーヒーの油分によって漏斗に付着して動かなくなったり、漏斗の上の 上部キャップから溢れた液体が外部へ流れ出る難点がある。 従って、この考案は、容器から取り外さずに内部にコーヒーを注ぎ込み、また 注ぎ出すことができるふたであって、ガラス容器からなるコーヒーポットに合理 的に適用でき、フロートボールの漏斗への付着が生じず、上部キャップから溢れ た液体が外部へ流れ出ることがないコーヒーポット用のふたを提供することを目 的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案においては、上記課題を解決するため、嵌合部１８、鍔部１７、膨出 部１５、フロート室１２、上部キャップ１０及びフロートボール３１を具備させ てコーヒーポット用のふた１を構成した。環状の嵌合部１８は、容器２内のコー ヒーをふたを取らずに注ぎ出すための切欠２０を一部に有し、容器２の開口３の 内周に弾性的に嵌合する。嵌合部１８の上縁に広がる鍔部１７は、嵌合部１８の 切欠２０に通じて容器２内のコーヒーを注ぎ出すための切欠１９を有し、容器２ への装着時に下面が開口３の周縁に当接して開口３を密閉する。中空の膨出部１ ５は、容器２への装着時に開口３内に挿入され、容器２内の上方空間を縮小して 保温効果を高める。フロート室１２は漏斗２１と流入管１１とを具備する。漏斗 ２１は上方から供給されるコーヒーを受け入れ、膨出部１５を上下に貫通する流 入管１１を通してコーヒーを容器２内に流入させる。上部キャップ１０は、上方 から供給されるコーヒーをフロート室１２に滴下させるための滴下通路２７と、 フロート室１２内の空気を排出するための通気路２９とを有し、フロート室１２ の上部を閉じる。フロートボール３１は、漏斗２１上に配置され、常時は流入管 １１の上端を閉じて容器２内のコーヒーの保温を図り、漏斗２１内にコーヒーが 注がれたときには、浮き上がって流入管１１の上端を開く。上部キャップ１０は 、上方から供給されるコーヒーを受けるための凹んだ上面を持つ受け皿部２３と 、フロート室１２の上部円筒部１４に螺合させるためのねじ部２６とを具備する 。

【０００５】

【考案の実施の形態】

図面を参照して本考案の実施の形態を説明する。図１は容器とふたの断面図、 図２は容器とふたの分解斜視図、図３はふた本体の断面図、図４はふた本体の分 解斜視図である。

【０００６】 図１、図２に示すように、コーヒーポットは、容器２と、ふた１とを具備する 。合成樹脂製のふた１は、ガラス製の容器２の上部開口３を覆うために、当該開 口３に装着される。ふた１は、容器２に固着された合成樹脂製のカラー部材４と 容器２の開口３に着脱自在に装着される合成樹脂製のふた本体５とを具備する。 カラー部材４は、容器２の開口３の周囲に上広がりに立ち上がる側壁６を有し 、開口３の外側を囲むように、取っ手７と一体に容器２に固着される。ふた本体 ５は、カラー部材４の側壁６の内側において、容器２の開口３に着脱自在に嵌合 される。ふた本体５は、相互に係合する３つの主要な部材、漏斗ハウジング８、 底部キャップ９、上部キャップ１０を含む。この３つの主要な部材は、洗浄のた めに互いに分離可能に係合している。

【０００７】 図１、図３に示すように、漏斗ハウジング８は、下方に伸びる流入管１１で終 結する円錐形のフロート室１２と、流入管１１を囲んでフロート室１２の下方へ 伸びる円筒部１３と、上方に伸びる円筒部１４とを有する。下部円筒部１３の下 端は、底部キャップ９で閉鎖され、中空の膨出部１５が形成されている。中空の 膨出部１５は、容器２への装着時に開口３内に挿入され、容器２内の上方空間を 縮小して保温を図ることができるように容器２内へ膨出する。底部キャップ９の 中央には流入管１１の下端が開口している。上部円筒部１４の内周にはねじ１６ が形成されている。

【０００８】 上部円筒部１４の外周には、外側へ広がる鍔部１７と、鍔部１７の下面から下 方へ伸びる環状の嵌合部１８とが形成されている。嵌合部１８は、容器２の開口 ３の内周に弾性的に嵌合する。鍔部１８の外縁部は、嵌合部１７の上縁からさら に外側へ広がり、容器２への装着時に、下面が開口３の周縁に当接して開口３を 密閉する。鍔部１７と嵌合部１８には、容器２内のコーヒーをふたを取らずに注 ぎ出すための切欠１９，２０が形成されている。

【０００９】 漏斗ハウジング８の漏斗２１は、上方から供給されるコーヒーを受け入れ、流 入管１１を経て容器２内に流入させる。流入管１１は、膨出部１５を上下に貫通 している。流入管１１の上端周縁には、漏斗２１上へ突出する複数のボール座２ ２が円周方向に等間隔で設けられている。

【００１０】 上部キャップ１０は、上方に配置されたコーヒー抽出器等から供給されるコー ヒーを受けるための凹んだ上面を有する受け皿部２３と、受け皿部２３の外周部 上面から立ち上がった円筒状の上部側壁２４と、外周部下面から下方へ伸びる円 筒状の下部側壁２５とを具備する。下部側壁２５は、フロート室１２の上部側壁 １４に受け入れられ、これに螺合させるためのねじ部２６を外周に有する。受け 皿部２３で受けたコーヒーをフロート室１２へ滴下させるために、受け皿部２３ の中央部に、フロート室１２に通じる滴下通路２７が設けられている。受け皿部 ２３の下面、滴下通路２７の外周には、円周方向に等間隔に配置された複数の突 起２８が下方へ突出している。また、受け皿部２３には、フロート室１２内の空 気を外部へ排出するための通気路２９が設けられている。受け皿部２３の上面、 通気路２９の外周には、これを囲む長円筒状の隔壁３０が上方へ突出している。 隔壁３０は、上部側壁２４の上端よりわずかに上方へ突出している。

【００１１】 フロート室１２内には、フロートボール３１が挿入される。フロートボール３ １は、常時は漏斗２１上に開く流入管１１の上端を閉じて容器２内のコーヒーの 保温を図り、漏斗２１内にコーヒーが注がれたときには、浮き上がって流入管１ １の上端を開くように漏斗２１上に配置される。なお、フロートボール３１は、 常時はボール座２２上にあって、流入管１１の上端周縁への付着が防止される。 また、コーヒーが漏斗２１内に満ちてフロートボール３１が高く浮き上がっても 、突起２８に当接して通路２７を塞ぐことがない。

【００１２】 そして、上部キャップ１０を含むふた本体５は、図１に示すように、カラー部 材４の側壁６の内側において容器２に装着される。従って、上方から供給される コーヒーが、受け皿部２３から溢れても、カラー部材４の側壁６で受けとめて、 切欠１９，２０から容器２内へ流入させることができる。このとき、隔壁３０の 上端が側壁２４の上端より高い位置にあるので、コーヒーが通気路２９内へ進入 して通路を塞ぐのを阻止する。

【００１３】 この実施形態のコーヒーポットは、図示しないコーヒー抽出器と共に用いられ る。コーヒー抽出器は、コーヒーポットに収容されたコーヒーを加熱保温するヒ ーター部を備えている。コーヒーポットは、コーヒー抽出器におけるコーヒー滴 下部の下方のヒーター上に配置され、抽出されたコーヒーを受け入れて、保温し つつ収容する。コーヒー抽出器によって抽出されたコーヒーは、受け皿部２３の 凹んだ上面に受けられ、滴下通路２７からフロート室１２内に導入される。フロ ート室１２内の空気は通気路２９から抜けるので、コーヒーの流入が阻害される ことはない。漏斗２１上にコーヒーが溜まると、フロートボール３１が浮き上が って流入管１１の開口を開き、コーヒーを容器２内へ流入させる。抽出時に、コ ーヒーが受け皿部２３の側壁２４を超えて溢れると、カラー部材４の側壁６で受 けとめて、切欠１９，２０から容器２内へ流入させる。

【００１４】 コーヒーの抽出が終了すると、フロートボール３１はボール座２２上に復帰し て流入管１１の開口を閉じる。これによって、容器２と外気とを通じる開口の１ つが閉鎖されることになり、保温効果が高められると共に、コーヒーの蒸発が抑 制され、また容器２内のコーヒーと外気との接触が制限される結果、風味が保た れる。フロートボール３１は、ボール座２２に対してその全周で接触していない ので、粘着性のコーヒーの油分等が析出しても、それによって漏斗２１上へ貼り 付けられることがない。膨出部５の中空部内の空気は暖められて、その温度が維 持され、またエアジャケットとして断熱作用を行うので、コーヒーの保温効果が 高められる。

【００１５】 コーヒーを注ぎ出すときには、取っ手７を持って傾けるだけで、コーヒーが切 欠１９，２０を通って容器２から流出する。このとき、フロートボール３１はボ ール座２２から転落して流入管１１の開口を開いており、外気が通気路２９から 流入管１１を介して容器内に流入し、コーヒーをスムーズに流出させる。

【００１６】 上部キャップ１０は、工具なしで漏斗ハウジング８から容易に分離することが でき、フロート室１２内を容易に洗浄できるから衛生的である。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように、本考案は、嵌合部１８、鍔部１７、膨出部１５、フロート室１ ２、上部キャップ１０及びフロートボール３１を具備させてコーヒーポット用の ふた１を構成したため、ガラス容器２からなるコーヒーポットに合理的に適用で き、フロートボール３１の漏斗２１への付着が生じにくく、上部キャップ１０か ら溢れたコーヒーが外部へ流れ出ることがないコーヒーポット用のふたを提供す ることができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】容器とふたの断面図である。

【図２】容器とふたの分解斜視図である。

【図３】ふた本体の断面図である。

【図４】ふた本体の分解斜視図である。

【符号の説明】

１ ふた ２ 容器 ３ 開口 ４ カラー部材 ５ ふた本体 ６ 側壁 ７ 取っ手 ８ 漏斗ハウジング ９ 底部キャップ １０ 上部キャップ １１ 流入管 １２ フロート室 １３ 下部円筒部 １４ 上部円筒部 １５ 膨出部 １６ ねじ部 １７ 鍔部 １８ 嵌合部 １９ 切欠 ２０ 切欠 ２１ 漏斗 ２２ ボール座 ２３ 受け皿部 ２４ 上部側壁 ２５ 下部側壁 ２６ ねじ部 ２７ 滴下通路 ２８ 突起 ２９ 通気路 ３０ 隔壁 ３１ フロートボール

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器の上部開口を覆うために、当該開口
   に着脱自在に装着される合成樹脂製のふたであって、 前記容器の開口の内周に弾性的に嵌合し、容器内のコー
   ヒーをふたを取らずに注ぎ出すための切欠を一部に有す
   る環状の嵌合部と、 この嵌合部の上縁に広がるように形成され、前記嵌合部
   の切欠に通じて前記容器内のコーヒーを注ぎ出すための
   切欠を有し、前記容器への装着時に下面が前記開口の周
   縁に当接して開口を密閉する鍔部と、 前記容器への装着時に前記開口内に挿入され、容器内の
   上方空間を縮小するために容器内に膨出した中空の膨出
   部と、 上方から供給されるコーヒーを受け入れる漏斗と、この
   漏斗内のコーヒーを前記容器内に流入させるために上端
   が漏斗に通じ前記膨出部を上下に貫通して下端が前記容
   器内に通じる流入管とを具備したフロート室と、 このフロート室の上部を閉じ、上方から供給されるコー
   ヒーを前記フロート室に滴下させるためにフロート室に
   通じる滴下通路と、フロート室内の空気を排出するため
   の通気路とを有する上部キャップと、 常時は前記漏斗上に開口する前記流入管の上端を閉じて
   容器内のコーヒーの保温を図り、漏斗内にコーヒーが注
   がれたときには浮き上がって流入管の上端を開くように
   前記漏斗上に配置されたフロートボールとを具備し、 前記上部キャップは、上方から供給されるコーヒーを受
   けるための凹んだ上面を有する受け皿部と、フロート室
   の上部側壁に螺合させるためのねじ部とを具備すること
   を特徴とするコーヒーポット用ふた。
2. 【請求項２】 前記流入管の上端周縁に、漏斗上へ突出
   する複数のボール座が円周方向に等間隔で設けられ、そ
   れによって、フロートボールの漏斗への付着を防止する
   ことを特徴とする請求項１に記載のコーヒーポット用ふ
   た。
3. 【請求項３】 容器の上部開口を覆うために、当該開口
   に装着される合成樹脂製のふたであって、 前記容器の開口の周囲に上広がりに立ち上がる側壁を有
   し、開口の外側を囲むように容器に固着されたカラー部
   材と、 このカラー部材の側壁の内側において、前記容器の開口
   に着脱自在に装着される合成樹脂製のふた本体とを具備
   し、 前記ふた本体は、容器の開口の内周に弾性的に嵌合し、
   容器内のコーヒーをふたを取らずに注ぎ出すための切欠
   を一部に有する環状の嵌合部と、 この嵌合部の上縁に広がるように形成され、前記嵌合部
   の切欠に通じて前記容器内のコーヒーを注ぎ出すための
   切欠を有し、前記容器への装着時に下面が前記開口の周
   縁に当接して開口を密閉する鍔部と、 前記容器への装着時に前記開口内に挿入され、容器内の
   上方空間を縮小するために容器内に膨出した中空の膨出
   部と、 上方から供給されるコーヒーを受け入れる漏斗と、この
   漏斗内のコーヒーを前記容器内に流入させるために上端
   が漏斗に通じ前記膨出部を上下に貫通して下端が前記容
   器内に通じる流入管とを具備したフロート室と、 このフロート室の上部を閉じ、上方から供給されるコー
   ヒーを前記フロート室に滴下させるためにフロート室に
   通じる滴下通路と、フロート室内の空気を排出するため
   の通気路とを有する上部キャップと、 常時は前記漏斗上に開口する前記流入管の上端を閉じて
   容器内のコーヒーの保温を図り、漏斗内にコーヒーが注
   がれたときには浮き上がって流入管の上端を開くように
   前記漏斗上に配置されたフロートボールとを具備し、 前記上部キャップは、上方から供給されるコーヒーを受
   けるための凹んだ上面を有する受け皿部と、フロート室
   の上部側壁に螺合させるためのねじ部とを具備し、 前記受け皿部から溢れたコーヒーを前記カラー部材の側
   壁で受けとめて前記切欠から前記容器内に流入させるこ
   とができるように、カラー部材の側壁の内側に配置され
   ることを特徴とするコーヒーポット用ふた。