JP3090684B2 - 副腎皮質刺激ホルモン放出因子結合性蛋白質(CRF−bp) - Google Patents

副腎皮質刺激ホルモン放出因子結合性蛋白質(CRF−bp)

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    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、哺乳動物におけるCRFの生物学的作用を制
御すること、より詳細にはCRFとコンプレックスを形成
し、これにより哺乳動物におけるCRF作用を調節しうるC
RF結合性蛋白質、およびこれらの結合性蛋白質に対する
抗体に関するものである。
発明の背景 副腎皮質刺激ホルモン放出因子、CRFは、人体におけ
る各種ペプチドの合成および分泌の極めて有効な刺激物
質である。ヒトの末梢循環におけるCRF水準は普通は低
いが、母体の循環においてはCRF水準が高くなることが
しばしばあり、妊娠期間全体にわたってこの水準が漸増
する。この母体血漿CRFは、それが傍分泌の役割を果た
す胎盤に由来する可能性が最も高いと考えられる。胎盤
細胞はCRFに反応し、CRFおよびそのmRNAを産生すること
が示されている。妊娠後期の母体血漿において測定され
たCRF濃度は、ラット視床下部門脈血において報告され
た水準−−この水準がインビトロでACTH放出を刺激しう
る−−と類似するが、妊娠期間中に普通の場合にACTH過
剰産生があるとは思われない。ただし確かに母体血漿AC
TH濃度は妊娠の進行に伴ってわずかに増大する。
CRFを生物学的に失活させうる、ヒト血漿中の蛋白質
が報告されている。たとえばリントン(Linton,E.A.)
ら,Clin.Endo.28,315−324(1988)およびビーアン(Be
han,D.P.)ら,J.Endo.122,23−31(1989)。後者には部
分精製法が示され、その場合単離された蛋白質の純度は
のちに測定されたものより実質的に高いと推定されてい
る。この蛋白性物質の役割は、妊娠期間中の不適当な脳
下垂体−副腎刺激の防止であると提案された。
発明の概要 この蛋白質(以下、CRF−結合性蛋白質をCRF−BPと呼
ぶ)を均質になるまで精製し、次いでアミノ酸配列分析
によって部分的に解明した。次いでそれをヒト肝臓およ
びラット脳からクローニングし、完全に解明した。組換
え分子はCOS細胞において発現され、CRFを高い親和性に
おいて結合することが認められた。この組換え蛋白質は
CRF抗体に対するCRFの結合を阻害し、かつインビトロで
脳下垂体細胞によるCRF誘導−ACTH放出を阻害しうる。
これらのヒトおよびラット蛋白質は、ラット/ヒトCR
F(r/hCRF)を構成する41−残基ペプチドに結合する。
ラットおよびヒトの各種は同じCRF分子を有し、その構
造は米国特許第4,489,163号明細書に示されている。従
ってラットおよびヒトCRF−BPを投与して、過剰のCRFに
より生じた哺乳動物の高いACTH水準を低下させることが
でき、クッシング病などの処置に使用しうる。これらの
CRF−BPは、CRFを産生する脳下垂体腫瘍に対処するため
にも有用である。さらにそれらは脳下垂体ACTH分泌を低
下させ、従ってコルチゾール水準が異常に高いいずれか
の条件下で、たとえば慢性ストレスに際して、または神
経性食欲不振もしくはアルコール中毒を患う患者におい
てコルチゾール水準を低下させるためにも利用しうる。
CRF−BPは静脈内(IV)投与した場合にCRF誘導−ACTH放
出の防止に効果を示したことが認められている。さら
に、CRF−BPのIV投与は血圧を高め、この方法で低血圧
に対処するために利用しうると考えられる。組換え法に
よるCRF−BPの産生は、以上の様式におけるそれらの利
用を可能にする。これらの蛋白質に対する抗体が形成さ
れ、これらの抗体はCRF−BPの水準を測定するための診
断アッセイに有用であり、その蛋白質を精製するために
も利用しうる。さらに、これらの抗体はインビボでCRF
−BPの生物学的作用に対抗するために有用であると考え
られる。
好ましい形態の詳細な説明 ヒトCRF−BPをコード化する遺伝子をクローニングす
ることによりこの蛋白質の組換え発現が可能となり、そ
の結果組換え蛋白質の末梢投与により処置法を実施する
ことができる。ヒトDNAのクローニングは、ヒト胎盤か
らの37kD蛋白質をミクロ調製用SDSポリアクリルアミド
ゲル電気泳動(PAGE)によって精製された形で単離する
ことにより得られたアミノ酸配列データを利用して達成
された。この分離により約37kDの予想サイズの主バン
ド、およびこれより高いか、または低い分子量の不純物
の多数のバンドが得られた。分離された蛋白質をニトロ
セルロース濾材に移したのち、このバンドを選び、それ
から切り取った。それに結合した精製蛋白質をトリプシ
ン処理し、得られたトリプシン処理フラグメントを逆相
HPLCにより互いに分離した。次いでこれらのフラグメン
トを別個にエドマン(Edman)分解し、37kDヒト蛋白質
から得られた別個のトリプシン処理フラグメント7個か
ら配列情報を得た。322残基の前駆蛋白質をコードする
クローンを完全に解明することにより、現在では最初に
配列決定されたこれらのトリプシン処理フラグメント7
個が残基30−45、残基47−55、残基112−119、残基123
−135、残基152−162、残基163−175および残基294−29
9を構成することが知られている。
ごく一般的に、クローニングの第1工程として残基30
−45および残基152−162に基づいてオリゴヌクレオチド
を設計した。種々の組み合わせのこれらオリゴヌクレオ
チドをプライマーとして用いるポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)の鋳型として、成人肝臓cDNAライブラリーから
のDNAを用いた。肝臓cDNAライブラリーは、多数の血清
結合性蛋白質が肝臓により合成されるという一般的知識
に基づいて選ばれた。
より詳細には、初期分析の一部として上記のヒト蛋白
質をhCRF−セファロースアフィニティカラムにより血漿
から部分精製したのち、ゲル濾過した。次いでミクロ調
製用SDSゲル電気泳動の最終工程を、このミクロ調製用
精製法につき標準的な条件下で実施し、得られたバンド
をニトロセルロースに移した。結合性蛋白質に相当する
主蛋白質バンドを切り取り、次いでこの技術分野におい
て一般に周知のように、トリプシンでインサイチュー処
理した−−P.N.A.S.84,6970−6974(1987)参照。上澄
み液から種々のトリプシン処理フラグメントを回収し、
RP−HPLCにより分離した;次いでそれらを別個にエドマ
ン分解して、それらのアミノ酸配列を求めた。さらにSD
Sゲル電気泳動工程による精製ののち、分離されたバン
ドをポリビニリデンジフルオリド濾材に結合させ、適宜
なバンドを切り取り、次いでこの純粋な物質をそのまま
配列決定することにより、全蛋白質のN−末端配列分析
を行った。
7個のトリプシン処理フラグメントの配列決定のの
ち、トリプシン処理フラグメント30−45およびトリプシ
ン処理フラグメント152−162に対応する2組の縮重オリ
ゴヌクレオチドプライマーを形成した。第1トリプシン
処理フラグメントの残基33−43に基づき、第1の縮重オ
リゴヌクレオチドプライマーを設計した: 選ばれた他方のトリプシン処理フラグメントの残基154
−161に基づき、第2の縮重オリゴプライマーを設計し
た: 成人肝臓cDNAライブラリーからのDNAを、25サイクル
のPCR−−94℃で1分の変性、45℃で2分のアニーリン
グ、および72℃で3分の連鎖延長−−における鋳型とし
て用いた。PCR生成物を1%(w/v)TBEアガロースゲル
上で分析し;387bpフラグメントをIBIモデルUEAバイオ−
ラドエレクトロエルーターにより12M酢酸アンモニウム
溶液中へ電気溶出した。387PCRフラグメントをブルース
クリプト(Bluescript)KSベクターのSma I部位へサブ
クローニングし、次いでシークエナーゼ(Sequenase,US
B)を用いるサンガー(Sanger)ジデオキシ連鎖停止法
によりヌクレオチド配列決定を行った。配列決定された
DNAフラグメントは、トリプシン処理フラグメント47−5
5、112−119、および123−135、ならびに5′および
3′末端のオリゴヌクレオチドプライマーに対応するペ
プチドをコード化するオープンリーディングフレームを
含んでいた。
このPCRサブクローンからのコーディング領域をラン
ダムプライミングし、次いで原ヒト肝臓cDNAライブラリ
ーのスクリーニングに用いた。
2組のニトロセルロースフィルターを50%のホルムア
ミド、5部のSSC緩衝液、1部のデンハート溶液、0.1%
のSDS、100μg/mlの剪断サケ精子DNA、および32P標準挿
入断片(1×106cpm/ml)中、42℃で18時間ハイブリダ
イズした。フィルターを60℃で2×SSC中において洗浄
した。それぞれ挿入断片650bpおよび570bpを含む、hCRF
−BPコーディング領域に関する2種類の部分オーバーラ
ップクローンを単離した。これらの挿入断片をサブクロ
ーニングし、配列決定して、ヒトCRF−BPに対する部分c
DNA配列を含むことが示された。
全長cDNAクローンを得るために、成人肝臓RNAを用い
て新たなライブラリーを構成した。mRNAはグアニジウム
イソチオシアネート−塩化セシウム法およびオリゴdTク
ロマトグラフィーにより単離された。10μgのmRNAをλ
−Zap IIクローニング系(ストラタジーン)に用い、こ
れにより5×106塩基を含むライブラリーを作成した。
上記2種類の部分オーバーラップクローンからの挿入断
片を含む1×106個のプラークをスクリーニングした。
7クローンが同定され、そのうち1つの精製hCRF−BPの
トリプシン処理フラグメントからのアミノ酸配列すべて
を含む322アミノ酸蛋白質をコードするオープンリーデ
ィングフレームを備えた1.8kb挿入断片を含んでいた。
N−末端配列分析により決定された24残基シグナル配列
であると考えられるものを含むこの322残基のアミノ酸
配列を下記にSEQ ID NO:1として記載する: このクローンからヌクレオチド配列を下記にSEQ ID
NO:2として記載する(コード化されたアミノ酸配列を
各コドンの直下に示す): 精製hCRF−BPのN−末端配列決定に基づいて、上記の
ように成熟蛋白質は残基25において開始し、N−末端24
残基はシグナル配列を構成すると判定される。推定N−
グリコシル化部位はこの予想配列において残基180に見
られ(298残基配列に基づく)、これは天然hCRF−BPに
おけるアスパラギン結合糖部分の存在と一致する。カイ
トおよびドゥーリトル(Kyte,Doolittle)プログラムを
用いた疎水性に関する全長配列の分析により、可溶性蛋
白質のランダムに分布した疎水性および親水性セクショ
ンのパターンが解明された。分子内分布したシステイン
残基10個があり(24残基のシグナル配列を除く)、これ
は分子内ジスルフィド結合5個が存在する可能性を示唆
する。これは、還元した形の精製hCRF−BPがSDSゲル上
で試験した場合に非還元形のものより高い見掛け分子量
を示すという実験データと一致する−−これはジスルフ
ィド結合を含む蛋白質の特性である。
前記のように、ヒトのCRF蛋白質はラットのCRF蛋白質
と全く同じ41アミノ酸配列を有し、この事実からこれら
の結合性蛋白質の重要な領域間の相同性をかなり予想す
ることができる。ラット脳からのmRNAをCRF−BPに対す
るmRNAにつきスクリーニングし、ターゲットmRNAを検出
した。次いでヒトcDNAをハイブリダイゼーションプロー
ブとして用いてラット皮質cDNAライブラリーをスクリー
ニングし、数種のクローンを単離した。1クローンは1.
85kbの挿入断片を含み;これはヒトCRF−BPに84%一致
する322アミノ酸の前駆蛋白質を予想させた。このラッ
トの推定アミノ酸配列を下記にSEQ ID NO:3として記
載する: この配列がそれから予想されたクローンのヌクレオチ
ド配列を下記にSEQ ID NO:4として記載し、アミノ酸
配列を各コドンの直下に示す: 10個すべてのシステイン残基および推定N−グリコシ
ル化部位はラット配列においてヒト配列と全く同じ残基
にある;ヒトとラットのCRF−BP間のこの保守性は、こ
れらの残基がCRF−BPの構造/機能において重要な役割
を果たす可能性を示唆する。
全長rCRF−BPクローンはオカヤマ−バーグ(Okayama
−Berg)ライブラリーから単離されたので、それはSV40
プロモーターおよびポリアデニル化シグナルを含み、こ
のためそれはCOS細胞中へのトランスフェクションに適
したものであった。Mol.Cell.Biol.,161−170(198
2)を参照されたい。hCRF−BPの全長cDNA挿入断片を、S
V40プロモーター、β−グロブリンスプライス部位、お
よびSV40ポリアデニル化シグナルを含む類似ベクターpS
G5(ストラタジーン)中へサブクローニングした。ラッ
トおよびヒトCRF−BP双方に対する発現構造体をCOS細胞
中へトランスフェクトし、それらの細胞からの培地を採
取した。hCRF−BPまたはrCRF−BPのいずれかに対するcD
NAでトランスフェクトされた細胞は、抗−CRF抗体へのC
RFの結合阻害に有効な蛋白質を分泌した。より詳細に
は、上記のヒト蛋白質をコードするヌクレオチド配列を
含む1.8kb挿入断片をXho I(フィルドイン)−Bam H I
で切り取り、pSG5ベクター(ストラタジーン)のBgl II
(フィルドイン)−Bam H I部位へサブクローニングし
た。DEAE−デキストランを用いて、ヒトおよびラットCR
F−BPに対するcDNA挿入断片を含むSV40発現ベクターに
よりCOS7細胞を一過性トランスフェクトした。トランス
フェクションの72時間後に培地を採取した。調整培地の
種々の希釈液を、125I−rCRFトレースおよびウサギ抗−
CRF抗体の1:6000希釈液と共に室温で30分間インキュベ
ートした。試料をヒツジ抗ウサギ−ガンマグロブリンお
よび10%ポリエチレングリコール(PEG)で沈殿させ
た。SPEA緩衝液(50mMリン酸ナトリウム、100mM塩化ナ
トリウム、25mM EDTA、0.1%ナトリウムアジド)で洗
浄したのち、沈殿を遠心分離し、ペレットを放射能測定
した。
COS細胞から得たCRF−BP蛋白質は、初代ラット脳下垂
体細胞からのCRF誘導−ACTH放出を競合的に阻害する生
物活性を示した。この実験データの結果は、ラットCRF
−BPとヒトCRF−BPがCRF誘導−ACTH放出の阻害において
実質的に等しい効果をもつことを示す。これら2種類の
天然CRF蛋白質が同じアミノ酸配列をもつので、これは
予想外ではない。これらの実験においては、調整された
培地を先にベイル(Vale,W.)ら,Methods in Enzymol
ogy−Hormone Action:Neuropeptides(アカデミック・
プレス)124,389−401(1986)に記載された既知の方法
で初代およびキャリヤー脳下垂体細胞培養物上に装入し
た。この培地に種々の濃度のrCRFを添加し、培養物を3
時間インキュベートした。次いで培地を取り出し、2重
抗体RIA(ダイアグノスティック・プロダクツ社)によ
りACTHにつきアッセイした。これらの試験の結果、CRF
の生物活性がCRFとCRF−BPとの結合の結果失われると思
われ、従って妊娠誘導性高血圧の場合のように上昇した
CRF水準により引き起こされると考えられる高血圧を処
置するために投与することができると思われる。50μg
のCRF−BPを雄ラットにIV投与し、次いで1分以内に5
μgのr/hCRFを投与しても30分以上にわたって血漿ACTH
の増大は示されず、これはCRF−BPのインビボ投与の有
効性を提示する。
ヒトおよびラットCRF−BPの分析は、組換え法によっ
て産生された結合性蛋白質がヒト/ラットCRFに対し
て、精製されたヒトのCRF−BPが示すもの(Kd=0.1±0.
2nM)と同じ高い親和性を有することを示す。しかし組
換えCRF−BPはヒツジCRFとはこれよりはるかに低い親和
性において結合することを実験データは示す。これは結
合性蛋白質と脳下垂体CRFレセプター−−h/rCRFへの結
合とoCRFへの結合とを有意に区別しない−−との相異を
表す。さらにCRF−BPはh/rCRFに対して、CRFレセプター
が有するのと同じ高さの、またはより高い親和性を有す
ると思われる。CRFおよびそのターゲット細胞レセプタ
ーは中枢神経系全体、ならびに胎盤、副腎、交感神経
節、リンパ球、胃腸管、膵臓および生殖腺を含めた多数
の末梢組織に広く分布する。一般にCRFは経シナプス
性、傍分泌性または神経内分泌性の様式で産生され、作
用する。血漿CRF−BPは、特に妊娠期間中にヒトをホル
モン的に有意の濃度のCRFから保護し、これによりこの
制限された系のインテグリティーを保護するメカニズム
を提供すると思われる。霊長類およびラットの脳にCRF
−BPに対するmRNAが存在することは、この蛋白質がある
CRF経路と同時局在し(co−localize)、神経ペプチドC
RFの神経性役割を調節することを示唆する。
これらのCRF−BP蛋白質に対するモノクローンまたは
ポリクローンの形の抗体を当技術分野で現在知られてい
る方法により産生させることができ、CRF−BPの作用に
対抗するのに有効な抗体はヒトまたはラット蛋白質の合
成N−末端セグメントのみを用いて誘導することができ
る。たとえばウサギにおいて、ヒトCRF−BPのアミノ末
端配列を表す合成ペプチドに対して形成された抗体は、
その合成ペプチドおよびCRF−BPを等モル基準で認識
し、それらは天然蛋白質の活性をインビトロで阻害しう
る。CRF−BPに対する対アミノ末端抗体は、4℃で2時
間の反応によってビスジアゾ化ベンジジン(BDB)結合
により抗原としてBSAに結合させるためにC−末端にTyr
を付加した合成ペプチドを用いて、3か月齢の雄および
雌ニュージーランドシロウサギを免疫処置することによ
り得られる。反応混合物を透析して低分子量物質を除去
し、保持物質を液体窒素中で凍結させ、−20℃に保存す
る。ベノア(Benoit)ら,P.N.A.S.USA,79,917−921(19
82)の方法に従って1mg当量のペプチド抗原により動物
を免疫処置する。4週間の間隔で抗原200μgの注射に
よりブースター処置し、10−14日後に採血する。3回目
のブースター処置後に、クロラミン−T法により調製さ
れ、次いでCMC−イオン交換カラムクロマトグラフィー
により精製された放射性ヨウ素化抗原ペプチドを結合す
る能力につき、抗血清を試験する。
同一のウサギからの後続採血による抗血清および血清
を用いてラジオイムノアッセイを行う。天然蛋白質は、
合成ペプチド抗原と比較して等モル量で抗体により認識
される。これらの抗体はCRF−BPの生物活性を少なくと
も部分的に中和しうると考えられ、より多量の抗体を用
いた場合はこの活性を実質的にすべて中和しうると思わ
れる。CRF−BPを血清または他の生物材料から精製する
ために、イムノアフィニティまたはアフィニティ−クロ
マトグラフィーも適用しうると考えられる。
これらの抗体は哺乳動物、特にヒトにおいてCRF−BP
の水準を検出するアッセイに利用しうる。これらの抗体
は哺乳動物においてCRF−BPの作用を中和する処置にも
利用することができ、診断試験用キットなどに極めて有
用であることも証明されるであろう。
前記のように、連鎖のシステイン残基間に分子内ジス
ルフィド結合のある可能性が極めて高い。組換えDNA法
により産生された哺乳動物CRF−BPポリペプチドは本来
生物学的に活性である。これは恐らくCRF−BPが細胞内
でとる三次元構造が天然CRF蛋白質への結合に適した構
造であるからであろう。分子が自然な折りたたみによ
り、ならびに水性媒質との疎水性および親水性相互作用
によりとる三次元構造は、システイン残基間の目的とす
る結合または非結合を促進すると思われる。同様に細胞
内の酵素による調節メカニズムも、個々のシステイン残
基間の結合を阻止することにより、またはジスルフィド
結合を指示することにより、目的とする結合または非結
合を保証すると思われる。また酵素は“不適性な”結合
を開裂させて、分子が自身で再配向し、適性な天然構造
をとるのを可能にすると思われる。分子内結合していな
いシステイン残基は遊離システイン部分にジスルフィド
結合する可能性がある。また分子の三次元構造は、相互
の、または遊離システインとのシステイン残基のランダ
ム結合または非結合が蛋白質分子の生物学的構造に実質
的に影響を及ぼさないものであろう。
哺乳動物CRF−BPアミノ酸残基配列を有する蛋白質を
組換えDNAにより合成するために、CRF−BPをコード化す
る2本鎖DNAを合成により構成することができる。DNA鎖
を調製するためには今日PCR法が優れた方法であると考
えられるが、特定のタイプの生物におけるポリペプチド
発現のためにより有効なある特定のコドンを用いて、CR
F−BPをコードするDNA鎖を設計することもできる。すな
わち選択により、その組換えベクターの宿主として用い
られるタイプの生物における発現のために最も有効なコ
ドンを採用しうる。しかし恐らくこれよりわずかに有効
性が低いであろうが、適正なコドンの組はいずれも目的
生成物をコード化するであろう。コドンの選択は、ベク
ター構成の考慮にもよるであろう。たとえば合成DNA鎖
を挿入したのちベクターを特定の部位において開裂させ
る制限酵素で操作する場合は、DNA鎖中にその制限部位
を置くことを避ける必要があろう。同様にそのDNA鎖を
含む組換えベクターにより形質転換すべき宿主生物がDN
A鎖中のその部位で開裂させる制限酵素を産生すること
が知られている場合、DNA鎖内に制限部位を置くことを
避けるべきである。
合成のCRF−BPコード化DNA鎖を組み立てるためには、
オリゴヌクレオチドを常法により、たとえばマニアチス
(Manitis)ら,Molecular Cloning,A Laboratory Ma
nual,第2版,コールド・スプリング・ハーバー・ラボ
ラトリー・プレス,ニューヨーク(1989)(以下MCLM)
に記載の方法により構成しうる。最高約70ヌクレオチド
残基長さのセンスおよびアンチセンス−オリゴヌクレオ
チド鎖を、好ましくは自動合成装置、たとえばアプライ
ド・バイオシステム社、モデル380A DNA合成装置によ
り合成する。オリゴヌクレオチド鎖は、センスおよびア
ンチセンス−オリゴヌクレオチドの各部分が互いに相補
的塩基対間で水素結合により結合し、これにより大部分
の場合は連鎖内にギャップを有する2本鎖を形成した状
態でオーバーラップするように構成される。次いで連鎖
内のギャップが充填され、各連鎖のオリゴヌクレオチド
が末端同志で、適宜なDNAポリメラーゼの存在下でヌク
レオチド3リン酸により、および/またはリガーゼによ
り結合される。
このような段階的な合成DNA鎖の構成法に代わるもの
として、CRF−BPの完全な構造を推定するためにクロー
ニングされたCRF−BPに対応するcDNAを用いる。周知の
ように、cDNAライブラリーまたは発現ライブラリーは目
的とする哺乳動物種に適したCRF−BP産生細胞系または
組織から得たメッセンジャーRNA(mRNA)から逆転写に
より調製される。CRF−BP配列を含むクローンを選択す
るためには、PCR法により得られたハイブリダイゼーシ
ョンプローブ(または遺伝子コードの縮重に適応し、CR
F−BP蛋白質の選ばれた部分に対応する混合プローブを
調製する)を用いて、これらの配列を含むクローンを同
定する。CRF−BP抗体によるこのような発現ライブラリ
ーのスクリーニングを単独で、またはハイブリダイゼー
ションプローブ処理と組み合わせて用い、CRF−BPを発
現しているcDNAライブラリークローン中のCRF−BPコー
ド化DNA配列の存在を同定または確認することもでき
る。これらの方法は、たとえば前掲のMCLMに教示されて
いる。
CRF−BPコード化配列のほかに、DNA鎖はベクター構成
を考慮した追加配列を含むべきである。一般に合成DNA
鎖はその両端に、クローニングベクター内の制限部位へ
の挿入を容易にするためのリンカーを含む。DNA鎖はCRF
−BPアミノ酸配列を融合ポリペプチドの一部としてコー
ド化するように構成されてもよく;その場合それは一般
に蛋白質分解処理部位として作用するアミノ酸残基配列
をコード化する末端配列を含み、これによりCRF−BPポ
リペプチドが融合ポリペプチドの残りの部分から蛋白質
分解により開裂するであろう。合成DNA鎖の末端部分
は、適宜な開始および停止シグナルをも含むであろう。
従って、2本鎖CRF−BPコード化DNAはそれを特定の適
宜なクローニングベクターに挿入するのに適したリンカ
ーを含むか、またはそれにより修飾される。DNA鎖を取
り込むために組換えられるクローニングベクターは、宿
主である生物または細胞系における生存性および発現に
適するように選ばれ、DNA鎖の挿入様式はその宿主に特
有の因子に依存する。たとえばDNA鎖を原核細胞、たと
えば大腸菌(E.coli)中への挿入のためのベクターに挿
入したい場合、DNAはプロモーター配列、5′側非翻訳
領域内にあるシャイン−ダルガノ配列(またはリボソー
ム結合部位)およびATG開始コドンの3′側に挿入され
るであろう。ATG開始コドンはシャイン−ダルガノ配列
から適宜な距離をおき、コード化配列はATG開始コドン
を含む適正なリーディングフレーム内に配置される。ク
ローニングベクターは3′側非翻訳領域および翻訳終止
部位をも備えている。真核細胞、たとえば酵母細胞また
は高等動物から得られる細胞系への挿入の場合、CRF−B
Pコード化オリゴヌクレオチド配列はキャッピング部位
から適宜な距離をおき、ATG開始コドンを含む適正なリ
ーディングフレーム内に配置される。クローニングベク
ターは3′側非翻訳領域および翻訳終止部位をも備えて
いる。
原核細胞形質転換ベクター、たとえばpBR322、pMB9、
Col E1、pCR1、RP4およびλファージは、CRF−BPをコ
ード化する長さのDNA鎖を、コード化ポリペプチドを少
なくとも若干は発現する実質的な保証をもって挿入する
ために使用しうる。一般にこれらのベクターはプロモー
ター、たとえばlacプロモーターに対して適切に配置さ
れたユニーク制限部位1または2以上を含むように構成
または修飾される。DNAは適宜なリンカーを含む状態
で、組換えベクターにより形質転換された原核細胞系に
おいてCRF−BPを産生する実質的な保証をもってこのよ
うな制限部位へ挿入しうる。適正なリーディングフレー
ムを保証するために、種々の長さリンカーをCRF−BPコ
ード化配列の両端に備えることができる。あるいはlacZ
遺伝子の5′側領域(オペレーター、プロモーター、転
写開始部位、シャイン−ダルガノ配列、および翻訳開始
シグナルを含む)、トリプトファン遺伝子からの調節領
域(trpオペレーター、プロモーター、リボソーム結合
部位、および翻訳イニシエーター)、およびこれら2プ
ロモーター(trp−lacと呼ばれ、または一般にTacプロ
モーターと呼ばれる)を含む融合遺伝子などの配列を含
むカセットを用いることができ、これらの中へDNA鎖を
簡便に挿入し、次いでこのカセットを選ばれたクローニ
ングベクター中へ挿入することができる。
同様に真核細胞の形質転換ベクター、たとえばクロー
ン化ウシ乳頭腫ウイルスゲノム、ネズミレトロウイルス
のクローン化ゲノム、ならびに真核細胞カセット、たと
えばpSV−2 gpt系(ムリガンおよびバーグ(Mulliga
n,Berg),Nature 277,108−114,1979により報告)、オ
カヤマ−バーグクローニング系(Mol.Cell Biol.,16
1−170,1982)、およびジェネティックス・インスティ
テュートが最近報告した発現クローニングベクター(Sc
ience 228,810−815,1985)が用いられ、これらは形質
転換された真核細胞系においてCRF−BPを少なくとも若
干は発現することを実質的に保証する。
前記のように、CRF−BPまたは同様な長さの蛋白質の
産生を保証するための簡便な方法は、蛋白質を最初は遺
伝子コード化された融合蛋白質の1セグメントとして産
生させることである。このような場合、発現された蛋白
質がCRF−BPアミノ酸残基配列にフランキングする酵素
プロセシング部位を有するように、DNA鎖が構成され
る。CRF−BPコード化DNA鎖は、たとえば大腸菌中への挿
入のためのβ−ガラクトシダーゼ遺伝子中へ挿入され、
この場合発現された融合蛋白質はのちに蛋白質分解酵素
により開裂されて、β−ガラクトシダーゼペプチド配列
からCRF−BPを放出する。
CRF−BP配列が融合蛋白質の開裂可能なセグメント、
たとえばβ−ガラクトシダーゼペプチド配列内に融合し
たCRF−BP配列として発現されるようにCRF−BPコード化
配列を挿入することの利点は、CRF−BP配列を挿入する
内在性蛋白質が一般に非官能性となり、これにより融合
蛋白質をコード化するベクターの選択が容易になること
である。
CRF−BP蛋白質を既知の組換えDNA法により酵母におい
て産生させることもできる。たとえばCRF−BPを含むプ
ラスミド(pCRF−BP)をpCRF−BP産生大腸菌クローンに
おいて増幅させ、単離し、次いでEco R IおよびSal
Iにより開裂させる。この消化されたプラスミドをアガ
ロースゲル上で電気泳動し、増幅されたpCRF−BP挿入断
片を分離および採取する。この挿入断片をプラスミドpV
Ep、すなわち大腸菌およびビール酵母(Saccharomyces
cerevisiae)の双方を形質転換しうるシャトルベクタ
ーに挿入する。この地点に合成DNA鎖を挿入することに
より、そのDNA配列がATGシグナルから適正なリーディン
グフレーム内において、かつキャップ部位に対して適正
な間隔をおいて、プロモーターの制御下にあることが保
証される。このシャトルベクターを用いて、URA3、すな
わちオラテート−モノホスフェートジカルボキシラーゼ
遺伝子が欠失したビール酵母菌株を形質転換する。
形質転換された酵母を培地中で増殖させ、対数増殖期
に到達させる。酵母をその培地から分離し、細胞溶解物
を調製する。プールされた細胞溶解物はCRF−BPに対し
て形成された抗体と反応性であることがRIAにより判定
された。これはCRF−BP蛋白質セグメントを含む蛋白質
が酵母細胞内において発現されることを証明する。CRF
−BPの産生は、生物学および治療に用いる蛋白質を供給
するために、原核細胞および真核細胞双方の系において
実施することができる。CRF−BPの合成は細菌または酵
母細胞系を用いて容易に立証されるが、合成遺伝子は高
等動物の細胞、たとえば哺乳動物腫瘍細胞において発現
させるために挿入可能でなければならない。これらの哺
乳動物細胞は、たとえば宿主動物において腹膜腫瘍とし
て増殖させ、CRF−BPを腹水から採取することができ
る。
以上の例はCRF−BPを組換えDNA法により合成しうるこ
とを証明するが、これらの例は最大のCRF−BP産生を意
味するものではない。今後、より効果的なクローニング
ベクターおよび宿主細胞系を選択することによって、CR
F−BPの収率は増大するであろう。CRF−BPの産生を増大
させるために、真核細胞および原核細胞の双方につき既
知の遺伝子増幅法を採用することもできる。宿主細胞か
ら培地中への遺伝子コード化蛋白質の分泌も、合成CRF
−BPを大量に得る際の重要な因子であると考えられる。
このような哺乳動物CRF−BP蛋白質が得られることに
より、CRFをコンブレックス形成および中和するために
それらを利用することが可能となり、またこれらの蛋白
質は、たとえば慢性ストレスに際して、またはCRF分泌
性腫瘍の存在下での過剰のCRFにより生じる状態の処置
に有用であろう。さらにCRF−BPをそれ自体で、またはC
RFに対する抗体と組み合わせて“2部位”法により、CR
Fを結合、封鎖および/または検出するために利用する
ことができる。CRF−BPの結合能により、それらをhCRF
の精製のためのアフィニティクロマトグラフィーカラム
に利用することが可能である。さらにCRF−BPに対する
実質的に純粋なモノクローナル抗体の投与は、CRF−BP
の結合作用に対抗することが望まれる症例を処置する有
効な療法としての用途をもつ。
哺乳動物血清からの粗製抽出物中に存在するCRF−BP
より著しく高い純度の実質的に純粋なCRF−BP蛋白質を
ルーティンに得ることができる。CRF−BP蛋白質は正常
な哺乳動物血清の副次的な成分を構成するにすぎず、同
様に存在する他の天然蛋白質と対比して極めて不純な形
で存在するにすぎない。付随する作業および低い血漿中
濃度のため、天然源からの精製によりCRF−BPを調製す
ることは非実用的であろう。たとえば組換えDNA法を利
用すると、細胞材料および/またはその分泌物中に全蛋
白質に対し天然CRF−BPが存在する割合と比較して著し
く高い割合で異種蛋白質を産生する生物または細胞系を
形成することができる。これらの合成CRF−BP蛋白質が
単離される出発材料は実質的により高い濃度のこの異種
蛋白質を含むので、用いられる精製法はより高度に精製
されたCRF−BP調製品を比較的多量に、かなり簡単に生
成しうる。適宜な単離法を用いて、少なくとも約98%の
純度(全蛋白質の重量に対し)−−本明細書においては
実質的に純粋であると言う−−であるCRF−BP蛋白質を
ルーティンに得ることができる。
この蛋白質は医師の指導の下で投与すべきであり、薬
剤組成物は普通はこの蛋白質を通常の薬剤学的に受容し
うるキャリヤーと組み合わせて含有するであろう。処置
のためには、実質的に純粋なCRF−BPまたはその無毒性
塩類を、薬剤組成物を形成するために薬剤学的に受容し
うるキャリヤーと組み合わせて、ヒトを含めた哺乳動物
に非経口的に、静脈内、皮下、筋肉内、経皮的、たとえ
ば鼻内、または脳室内に投与することが好ましい;適宜
なキャリヤーと共に経口投与することもできる。必要量
は、個々の処置、および目的とする処置期間に応じて異
なるであろう;しかし約10μg−1mg/体重kg/日の用量
が療法処置のために用いられると予想される。抗体はこ
の技術分野で知られている実務に従って、それに応じて
適宜な量で投与される。
薬剤学的に受容しうる無毒性塩類の例には、酸付加
塩、およびたとえば亜鉛、鉄などとの金属錯体(これら
は広義には本発明の目的に用いられる塩類であると考え
られる)が含まれる。これらの酸付加塩の例は、塩酸
塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、
酢酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、リンゴ
酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩などである。
CRF−BPを長期間にわたって、たとえば1回の投与で
1週間ないし1年間デリバリーすることが望まれる場合
もあり、徐放性、デポまたは埋め込み剤形を使用しう
る。たとえば製剤は、体液中において低い溶解度を有す
る化合物の薬剤学的に受容しうる無毒性塩類、たとえば
多塩基酸との酸付加塩;多価金属カチオンとの塩類;ま
たはこれら2種類の塩の組み合わせを含有しうる。比較
的不溶性の塩類をゲル、たとえばステアリン酸アルミニ
ウムゲル中に配合してもよい。注入用として適した徐放
性デポ配合物には、徐々に分解する無毒性または非抗原
性ポリマー、たとえばポリ乳酸/ポリグリコール酸ポリ
マー、たとえば米国特許第3,773,919号明細書に記載の
ものに分散またはカプセル封入されたCRF−BPまたはそ
れらの塩類も含まれる。これらの化合物はシラスティッ
ク(silastic)埋め込み剤中へ配合されてもよい。
前記のように、CRF−BPの投与は哺乳動物において過
剰のCRFにより生じる高いACTH水準を低下させるために
有効である。この方法でCRF−BPはコルチゾール過剰血
症、クッシング病、アルコール中毒、神経性食欲不振、
およびこれらに類する疾病に伴う高いコルチゾール水準
の処置に有用である。同様にこれらのCRF−BPは、CRFを
産生する脳下垂体腫瘍に対処する際に、特にこれらの腫
瘍を外科的に摘出しうるまでの患者において安定性を維
持する際に有用であると考えられる。これらの蛋白質は
妊娠後期に起こる異常の処置にも有用である。たとえば
妊娠誘導性の合併症、および処置しなければACTHの過剰
放出をもたらす可能性がある高いCRF水準を軽減するた
めに使用しうる。CRF−BPのIV投与は特定の場合には、
血圧を調節し、これにより低血圧症に対処するためにも
使用しうる。CRFは子癇(妊娠中毒症)を伴うある患者
の血漿中において増加することが報告されている。この
高いCRF水準が臨床的に重大である場合、CRF−BPは子癇
の療法処置に有用であろう。より詳細には、CRFは既知
の免疫系調節薬であり、蛋白質CRF−BPの投与は関節炎
またはこれに類する苦痛を局所処置するために有用であ
ろう。CRFは脳下垂体に対して多数の生物学的作用を示
すことが知られており、従ってCRF−BP蛋白質を用いて
脳下垂体に対するCRFの作用を調節することができる。
さらに、CRFが脳において多数の生物学的作用を示すこ
とは周知である;従って脳に対するCRFの作用を、特に
食欲抑制、生殖、成長、不安、抑鬱症、熱病および代
謝、ならびに血圧、心拍数および血流の調整に関して調
節するために、CRF−BP蛋白質を効果的に用いることが
できる。
哺乳動物に非経口的または他の方法で投与するほか、
CRF−BPは人体内における変化を監視するための重要な
道具となることが期待される。特定の場合、体内でのCR
F−BPの水準がCRFの変化に伴って変化すると推定される
ので、この変化を監視するためのアッセイにCRF−BPに
対する抗体を効果的に用いることができる。また前記の
ように、抗体はインビボ投与した場合にCRF−BPの生物
学的作用に対抗するほか、蛋白質を精製するためにも使
用しうる。この目的における抗体の投与は、当技術分野
で一般に知られている方式および量に従って、より詳細
には蛋白質自身の投与に関して先に述べた方式に従って
実施することができる。
本発明の目的に関して、哺乳動物CRT−BP蛋白質は前
記のアミノ酸残基配列を有する蛋白質、ならびに他の哺
乳動物種の天然のアミノ酸配列変異体および均等な生物
活性を有する前記のフラグメントを構成すると考えるべ
きである。特に指示しない限り、%はすべて容量%であ
る。
本発明を現在本発明者らが知る最良の様式をなすその
好ましい形態に関して述べたが、ここに記載する請求の
範囲を示す本発明の範囲から逸脱することなく当業者に
自明の各種変更および修正をなしうると解すべきであ
る。たとえばC−末端もしくはN−末端または両端にお
いて短縮された上記蛋白質の生物学的に活性なフラグメ
ントを全蛋白質の代わりに用いて、CRFを失活させる同
じ生物学的作用を得ることができる。
本発明の個々の特色は下記の請求の範囲において強調
される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12P 21/02 C12N 5/00 B (72)発明者 ポッター,エレン アメリカ合衆国カリフォルニア州92037, ラ・ホーラ,ラ・ホーラ・シーニック・ ドライヴ 8615 (72)発明者 ビハン,ドミニク・ピー アメリカ合衆国カリフォルニア州92122, サン・ディエゴ,アヴェニダ・ナヴィダ ド 7915,ナンバー 282 (72)発明者 フィッシャー,ウォルフガング・エイチ アメリカ合衆国カリフォルニア州92024, エンシニタス,レッド・バーン・ロード 1733 (72)発明者 リントン,エリザベス・エイ イギリス国 オーエックス10 7エルジ ェイ,サウス・オクソン,ドーチェスタ ー−オン−テムズ,ロッテン・ロウ,ピ ルグリムス(番地なし) (72)発明者 ローリー,フィリップ・ジェイ イギリス国 アールジー6 2エイチピ ー,リーディング・バークス,アーレ ー,メイデン・アーレフ・ドライヴ 19 (72)発明者 ヴェイル,ワイリー・ウォーカー,ジュ ニア アメリカ合衆国カリフォルニア州92037, ラ・ホーラ,ヴァルデッツ 1643 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/12 C07K 14/47 C12P 21/02 CA(STN) REGISTRY(STN) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ SwissProt/PIR

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ酸配列SEQ ID NO:1もしくはSEQ
    ID NO:3を有するCRF結合性蛋白質、あるいは相同な天
    然変異体アミノ酸配列であってCRFを高い親和性で結合
    する配列、をコードするDNA配列であって、ストリンジ
    ェント条件下(50%ホルムアミド、5×SSC、42℃)でS
    EQ ID NO:2にハイブリダイズする前記DNA配列から本
    質的に構成される組換えDNA。
  2. 【請求項2】SEQ ID NO:1からなる蛋白質をコードす
    る、請求項1に記載のDNA。
  3. 【請求項3】イントロンによる介在のない、請求項1ま
    たは2に記載のDNA。
  4. 【請求項4】SEQ ID NO:2のヌクレオチド配列または
    相同な天然変異体配列を有する請求項1に記載のDNAで
    あって、断片: に基づく2組の縮重オリゴヌクレオチドプライマーを用
    い、成人ヒト肝臓cDNAライブラリー由来のDNAを用いた
    複数サイクルのPCRを行う、ことによって得られる、前
    記DNA。
  5. 【請求項5】2組の縮重オリゴヌクレオチドプライマー
    が、下記のヌクレオチド配列: [ここにおいて、Nは、A、T、GおよびCである] または、これらに相補的なヌクレオチド配列を有する、
    請求項4に記載のDNA。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれか1項に記載の
    DNAを含む複製可能な組換えDNA発現ベクターであって、
    該ベクターは該ベクターを挿入した微生物または細胞培
    養物において該DNAを発現することができるものであ
    る、前記発現ベクター。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のベクターにより形質転換
    された組換え宿主細胞。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の細胞から採取された、少
    なくとも約98%の純度を有する組換えCRF結合性蛋白
    質。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の宿主細胞を該DNAの発現
    が可能な条件下で培養し、そして産生された蛋白質を採
    取することを含み、ここで宿主細胞が細菌または哺乳動
    物細胞である、CRF結合性蛋白質の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項6に記載のベクターにより形質転
    換された微生物であって、CRF結合性蛋白質をコードす
    るDNAを発現しうる微生物。
  11. 【請求項11】CRF結合性蛋白質をコードするDNAを発現
    しうる細胞培養物であって、細胞系を請求項6に記載の
    ベクターにより形質転換することにより得られる細胞培
    養物。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の細胞培養物を該ベクタ
    ーのDNAの発現が可能な条件下で増殖させ、そして産生
    された蛋白質を採取する、ことを含むCRF結合性蛋白質
    の製造方法。
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