JP3089458U - 優れた流体侵入防止機能をもつファスナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 は 【課題】ファスナーのエレメント間隙からの水，空気，
風などの流体の侵入を防止することができ、ウエットス
ーツやアウトドア関連衣料グッズ等に取り付けたとき快
適な使用を可能とする。 【解決手段】テープの長さ方向中心線に沿いスライダー
により互いに係合，分離するエレメント５を配したファ
スナー１Ａにおいて、エレメント５を挟む両側のテープ
２，３の一方のテープ３裏面に、一側端部を固着して第
１の被覆シート６を前記エレメント５裏面を覆い被着す
ると共に、他方のテープ２の裏面に一側端部を固着して
第２の被覆シート７を前記第１の被覆シート６の外面側
に重合するよう被着した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は流体侵入防止効果に優れたファスナーの考案に係り、特にウエットス ーツ，アウトドア関連における衣料グッズ，船上においての衣料グッズ等に取り 付け好適なファスナーに関する。 ここで、流体とは、水，空気，風などを総称し、特に水，冷気（風）等を云う 。

【０００２】

【従来の技術】

ファスナー１は一般的構造として、図３に見られるように、テープ２，３の長 さ方向中心線に沿い、スライダー４により互いに係合、分離するエレメント５を 取り付けた構造を有しているが、エレメント５は通常、係合した場合においても エレメント間に隙間が残り、完全に封止された状態を形成するには至っていない 。

【０００３】 そのためこのようなファスナーをウエットスーツ着脱用のファスナーやアウト ドア関連の衣料用ファスナー等として使用するときは、エレメント間の上記隙間 から水や、冷気（風）等の流体の侵入が避けられず、内部まで水濡れを起こした り、冷感を起こすことになる。

【０００４】 そこで、内部へのそれら流体の侵入を防ぐため、エレメント内側に防水シート 等からなる被覆片を重合し、エレメント隙間から侵入してくる流体、即ち水や冷 気，冷風を該被覆片で防止することが一部行われている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記の如くエレメントの内面に被覆片等を重合しても充分な水や冷気 （風）など、流体の侵入防止効果は得られず、なおそれらの侵入による水濡れ現 象や冷感現象を解消するには至らなかった。

【０００６】 本考案は上述の如き実状に対処し、被覆シートの取り付け構造に工夫を見出す ことにより、外部より侵入する水や冷気（風）等の流体侵入の防止効果を高め、 ウエットスーツやアウトドア関連衣料等に取り付けるファスナーとして使用して も水や冷気（風）の侵入がなく、快適な着用が可能で、種々の操作を円滑に行い 得る新規なファスナー構造を提案することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

即ち、上記目的に適合する本考案ファスナーの構成は、テープの長さ方向中心 線に沿いスライダーにより互いに係合，分離するエレメントを配したファスナー において、エレメントを挟む両側のテープの裏面に、一側端部を固着して第１の 被覆シートを前記エレメント裏面を覆い被着すると共に、他方のテープの裏面に 、その一側端部を固着して前記第１の被覆シートの外面を覆って第２の被覆シー トを重合、被着せしめたことにある。

【０００８】 請求項２に係る考案は、更により流体侵入防止効果を良好ならしめたもであり 、第２の被覆シートの一側端固着部を内方へ折り返してＵ字状に形成し、該Ｕ字 状部に第１の被覆シートの開放端側を嵌入せしめるようにした。 なお、請求項３に係る考案は、上記における第１，第２被覆シートの好ましい 素材として、水や冷気等の不透過性材料からなるシートを用いることにある。

【０００９】

【作用】

上記本考案ファスナーによれば、ファスナーのエレメント間より侵入した水や 冷気，冷風等の流体は、先ず第１の被覆シートにより防止され、一部、逃げて水 や冷気等の漏出を起こすことがあるとしても、第２の被覆シートにより侵入が防 止されて、結局、侵入した水や冷気，冷風等の流体はより内面側に進入すること はなく、効率よく流体侵入を封止する。 従って、水，冷気，冷風の内部への侵入を嫌うウエットスーツを始めアウトド ア関連衣料グッズや船上においての衣料グッズ等の各種物品に好適に使用するこ とができる。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、更に、添付図面を参照し、本考案の具体的態様を詳述する。

【００１１】 図１（イ），（ロ）は本考案に係るファスナーの１例として、テープの長さ方 向中心線に沿いスライダー４により互いに係合，分離するエレメント５を配した コイルファスナー１Ａを示しており、エレメント５を挟む左右のテープ２，３の うち、一方のテープ３の裏面に該テープ３側縁内方の端部に接着剤ａにより固着 して第１の被覆シート６が前記エレメント５裏面を覆って被着されていると共に 、更に他方のテープ２の裏面において、その側縁内寄りの端部に同じく接着剤等 ｂにより固着して第２の被覆シート７が前記第１の被覆シート６外面を被覆して 重合するように被着されている。

【００１２】 ここで、上記テープ２，３は本考案ファスナーを取着しようとする衣類等の素 材と同様素材であることが好適であり、例えばウエットスーツに取着する場合に はテープ素材として、該ウエットスーツ構成素材である薄板状発泡合成ゴム弾性 体の一面に伸縮性薄布を貼着し、他面にウレタンフィルムを貼着したような複合 素材が用いられる。 しかし、勿論、衣服構成素材と異なる他の一般的な素材であっても差し支えな い。

【００１３】 また、第１，第２被覆シートとして用いられる素材は水や冷気（風）の不透過 性材料であることが好ましく、通常、ゴムシートあるいは合成樹脂シート等が用 いられる。 そして、図１（イ）においては第２被覆シート７はその一側端部がテープ２裏 面に直接、固着されて第１被覆シート６外面に重着されているが、図１（ロ）に おいては第２被覆シート７はその一側端部がテープ２裏面に固着されると共にＵ 字状に折り返されて、その内面側が第１被覆シート６外面に重着され、第１被覆 シート６の非固着側、即ち、開放端側は第２被覆シート７の上記Ｕ字状内に嵌入 保持された状態となっており、テープ２側端からの流体侵入を更に効果的に防止 している。 なお、上記何れの場合においても第１被覆シート６と第２被覆シート７の重着 接触面は、特に接着することなく、重合した状態のみでもよいが、接着剤等によ り固着し、更に水や冷気（風）の侵入を防止せしめるようにするのが好適である 。

【００１４】 図２は本考案に係る他の実施態様としてビスロレファスナーと呼ばれる形式の ファスナー１Ｂであり、図１におけると同様、（イ）においてはエレメント５を 挟む左右のテープ２，３の一方のテープ３裏面に接着剤等ａにより固着されて第 １の被覆シート６がエレメント５の裏面を覆って被着されていると共に、他方の テープ２裏面に接着剤等ｂにより固着されて第２被覆シート７が前記第１被覆シ ート６外面に重合されて固定されている。

【００１５】 一方、（ロ）においては前記他方のテープ２に固着された第２被覆シート７が 、第１被覆シート６上面側へＵ字状に折り返されて、Ｕ状部に前記第１被覆シー ト６の開放側端部を嵌入させた状態で第１被覆シート６に重着されている。 この図２に示されるファスナーにおいても、第１被覆シート６と第２被覆シー ト７の接合面は重合状態のままでもよいが、接着剤等により固着するのが好適で ある。

【００１６】 かくして得られる上記図１，図２における如き第１，第２の両シートを互いに 交互に重ね合わせて取り付けるときは、エレメント５間に隙間がある場合におい ても充分にその隙間は閉塞されることになり、ウエットスーツ，潜水服などを始 め、アウトドア関連あるいは船上における各種衣料グッズ等に用いて水や冷気（ 風）の侵入防止に頗る有効である。 また、第１，第２の被覆シートは前述の如く流体の侵入を防止するため、防寒 服等に用いても充分、保温効果を有している。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は以上のように、テープの長さ方向中心線に沿いスライダーにより互い に係合，分離するエレメントを配したファスナーにおいて、一方のテープの裏面 側に一側端部を固着して第１の被覆シートを前記エレメント裏面を覆い被着する と共に、他方のテープの裏面側に一側端部を固着して第２の被覆シートを前記第 １の被覆シートの外面を覆うようにしたものであり、エレメント裏面側は第１， 第２の被覆シートにより重合されているため、エレメント間に空隙が生じ、水又 は空気あるいは風等の侵入が起こるとしても二重の被覆シートにより防止されて 水又は空気あるいは風等の流体の侵入は殆ど阻止され、従ってこのファスナーを ウエットスーツやアウトドア関連の衣料グッズ等に取り付けたとしても流体侵入 のない快適な着用を可能とし、潜水作業やアウトドア関連，あるいは船上におけ る各作業などにおいても快適な作業を続行する顕著に効果が期待される。 なお、第２の被覆シートの固着一側端部を折り返してＵ字状に形成し、該Ｕ字 状部に第１の被覆シートの開放端側を嵌入せしめるときは、更に優れた流体侵入 防止機能を有する。

【００１８】 以上の本考案はウエットスーツに限らず、他のアウトドア関連衣料，船上にお いての衣料グッズ等の外、バッグ類，その他ファスナーを利用する他の製品に適 用し、同様に流体侵入防止機能を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】（イ），（ロ）は本考案に係るコイルファスナ
ーの各実施態様を示す部分斜視図である。

【図２】（イ），（ロ）は本考案に係る他の形式のビス
ロレファスナーの各実施態様を示す部分斜視図である。

【図３】従来のファスナーの一般構造を示す平面図であ
る。

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ ファスナー ２，３ 左右のテープ ５ エレメント ６ 第１被覆シート ７ 第２被覆シート ａ，ｂ 接着剤等

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】テープの長さ方向中心線に沿いスライダー
   により互いに係合，分離するエレメントを配したファス
   ナーにおいて、エレメントを挟む両側のテープの一方の
   テープ裏面に、一側端部を固着して第１の被覆シートを
   前記エレメント裏面を覆い被着すると共に、他方のテー
   プの裏面に、一側端部を固着して第２の被覆シートを前
   記第１の被覆シートの外面側に重合するよう被着してな
   ることを特徴とする優れた流体侵入防止機能をもつファ
   スナー。
2. 【請求項２】第２の被覆シートの一側端固着部を内方へ
   折り返してＵ字状に形成し、該Ｕ字状部に第１の被覆シ
   ートの開放端側を嵌入せしめた請求項１記載の優れた流
   体侵入防止機能をもつファスナー。
3. 【請求項３】被覆シートが流体不透過性材料からなるシ
   ートである請求項１または２記載の優れた流体侵入防止
   機能をもつファスナー。