JP3089159B2 - 酸化物誘電体薄膜素子の製造方法 - Google Patents

酸化物誘電体薄膜素子の製造方法

Info

Publication number
JP3089159B2
JP3089159B2 JP06101192A JP10119294A JP3089159B2 JP 3089159 B2 JP3089159 B2 JP 3089159B2 JP 06101192 A JP06101192 A JP 06101192A JP 10119294 A JP10119294 A JP 10119294A JP 3089159 B2 JP3089159 B2 JP 3089159B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thin film
oxide dielectric
dielectric thin
oxygen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06101192A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07307295A (ja
Inventor
隆介 喜多
尚子 荒井
昇 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP06101192A priority Critical patent/JP3089159B2/ja
Publication of JPH07307295A publication Critical patent/JPH07307295A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3089159B2 publication Critical patent/JP3089159B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化物誘電体薄膜素子の
製造方法に関する。さらに詳しくは、不揮発性メモリ素
子、キャパシタ、光変調素子、圧電素子、焦電型赤外線
センサ等に用いられる酸化物誘電体薄膜素子の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】DRAMの信号蓄積用キャパシタ等に代
表される、IC用薄膜キャパシタの酸化物誘電体材料に
はSiO2 (酸化シリコン)やSiN(窒化シリコン)
が主に使用されている。近年、高集積化の要求により、
SiO2 やSiNと比較して誘電率が高いSrTiO3
(チタン酸ストロンチウム)、(Ba,Sr)TiO3
(チタン酸バリウムストロンチウム)等を用いた高誘電
率の酸化物誘電体薄膜が研究されている。
【0003】例えば、Appl.Phys.Lett.
57(23),3 Dec.1990、には、Pt/T
i又はPt/Taのバリアを使用する150nm厚のS
rTiO3 薄膜が、140〜210の誘電率を示した旨
の記載があり、また、J.Appl.Phys.72
(7),1 Oct.1992、には、400℃で析出
させ、600℃でアニーリングした530nm厚のSr
TiO3 薄膜の誘電率が、160を示すことが記載され
ている。
【0004】上記の酸化物誘電体薄膜の形成方法とし
て、スパッタ法、MOCVD法(有機金属化学気相
法)、反応性蒸着法、レーザアブレーション法等があ
る。これらの方法で上記の酸化物誘電体薄膜を形成する
場合は、基板を酸素雰囲気中で一定の温度に保持して成
膜を行い、成膜を終了した後は、1)酸素の供給を止め
て基板を冷却する方法、2)成膜時の酸素雰囲気中で基
板を冷却する方法、3)酸素ガスや酸素プラズマ等の酸
素雰囲気中で基板を冷却する方法、あるいは、4)成膜
室から取り出した後、酸素中で基板を熱処理する方法が
用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の形成方法を用いた場合、得られた酸化物誘電体薄
膜には十分な酸素が取り込まれていないため、この薄膜
を用いて酸化物誘電体薄膜素子を作成した場合、結晶格
子の酸素欠損によりリーク電流が大きく絶縁性が得られ
ない、バルクのような高い比誘電率が得られない、誘電
率の温度依存性が大きい、ロット間の誘電特性のバラツ
キが大きいため素子化した際に、良好な誘電特性を持っ
た素子が安定して得られない等の問題が生じていた。
【0006】また、上記の薄膜形成方法では、十分に酸
素を取り込ませるために薄膜成長中に酸素分圧を高くす
ることは、成膜法の原理上非常に困難であった。すなわ
ち、原料を熱蒸発させる真空蒸着やMOCVD法では蒸
着材料の蒸気圧が真空度よりも高くなければならない
が、蒸発材料を加熱して、種々の材料で、例えば50P
a程度以上の蒸気圧を得ることは極めて困難である。ま
た、50Pa以上では蒸発原子の平均自由工程が0.0
2cm以下となるので、レーザ蒸着法(通常基盤とター
ゲット間は5〜10cm)では粒子が散乱され、基板に
付着し難いという問題点がある。スパッタ法において
も、50Pa程度以上のガス圧となると、異常放電が起
こりやすく、グロー放電を安定に保つことは難しい。
【0007】本発明は、酸化物誘電体薄膜は、膜中の酸
素量によりその誘電特性が大きく変化することに鑑み、
リーク電流が小さく、バルクに近い比誘電率を有し、誘
電率の温度依存性が小さく、またロット間の誘電特性の
バラツキが少ない酸化物誘電体薄膜素子の製造方法を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、酸化物誘電体薄膜を成膜室内で形成
する工程において、所望の最終膜厚以下の所定の膜厚ま
で前記酸化物誘電体薄膜の形成を行った時点で一旦成膜
を中止し、前記酸化物誘電体薄膜を成膜室から取り出さ
ずに成膜室に成膜時よりも高い酸素分圧まで酸素を導入
し、一定時間保持した後、再び成膜を開始するサイクル
を繰返すことにより酸化物誘電体薄膜を形成する。
【0009】こうして作成した酸化物誘電体薄膜を使用
する本発明の酸化物誘電体薄膜素子は、強誘電効果、圧
電効果、焦電効果、電気光学効果等を利用する少なくと
も電極と酸化物誘電体薄膜を有するものであれば、どの
ような装置にも適用することができる。
【0010】本発明に使用できる酸化物誘電体材料とし
ては、酸素を含む酸化物誘電体材料が使用でき、例え
ば、SrTiO3 、(Bax Sr1-x )TiO3 、Li
NbO3 、LiTaO3 、CaB4 TiO15、KNbO
3 、NaNbO3 等の高誘電材料、あるいはPb(Z
r,Ti)O3 、(Pbx La1-x )TiO3 、(Pb
x La1-x )(Zry Ti1-y )O、Bi4 Ti
3 12、BaTiO3 等の強誘電材料が挙げられる。
【0011】
【作用】本発明では、酸化物誘電体薄膜を形成する工程
において、成膜室内で、所望の最終膜厚以下の所定の膜
厚まで前記酸化物誘電体薄膜の形成を行った時点で一旦
成膜を中止し、前記酸化物誘電体薄膜を成膜室から取り
出さずに成膜室に成膜時より高い分圧の酸素を導入し、
一定時間保持することにより、酸素を十分に膜中に取り
入れさせた後、成膜を再開しているため、膜中の酸素欠
損が少ない良質の酸化物誘電体薄膜の上に引続き酸化物
誘電体薄膜を形成することができ、最終的に得られた薄
膜は酸素欠損が少ない誘電特性に優れた酸化物誘電体薄
膜となる。また、成膜室から取り出さずに酸化物誘電体
薄膜に酸素を導入しているため、水分、炭酸ガス等が薄
膜表面に吸着していないため、酸素が薄膜中に取り込ま
れることが容易となる。また、成膜中に酸素分圧等の成
膜条件が多少変化しても、上記のような酸素の導入によ
り、膜中に十分酸素が取り込まれるため、ロット間の誘
電特性のバラツキが少なくなる。
【0012】
【実施例】 実施例1 図1は本発明の酸化物誘電体薄膜素子から構成され、後
述するような電気特性を評価するために作成した素子構
造を示す断面構造概略図である。
【0013】この実施例では、酸化物誘電体薄膜が、S
rTiO3 (チタン酸ストロンチウム)(STO)であ
る酸化物誘電体薄膜素子を製造した。
【0014】図1において、1はn型シリコン基板、2
は前記n型シリコン基板1の表面に形成されたSi(ケ
イ素)熱酸化膜、3は前記Si熱酸化膜2上に形成され
たTi(チタン)膜、4は前記Ti膜3上に形成された
Pt(白金)下部電極、5及び6はPt下部電極4上に
形成された酸化物誘電体STO膜であり、酸化物誘電体
STO膜5及び6は後述するような製造方法で成膜され
ている。7は前記酸化物誘電体STO膜6上に形成され
たPt上部電極である。
【0015】n型シリコン基板1の表面に膜厚200n
mのSi熱酸化膜2を形成し、このSi熱酸化膜2上に
膜厚30nmのTi膜3を、このTi膜3上に膜厚20
0nmのPt膜4をDCスパッタ法により形成した。こ
のPt膜4上にRFマグネトロン法を用いて、図2に示
すようなプロセスでSTO膜5及び6を形成した。スパ
ッタターゲットはSrTiO3 酸化物を用いた。
【0016】まず、成膜室を400℃まで昇温してか
ら、成膜に先立ってターゲット表面を10分間、後述の
成膜時と同じスパッタ条件(表1)で予備スパッタし
た。次に、膜厚100nmのSTO膜5を表1に示すス
パッタ条件にて5分間で成膜した。次に、試料を取り出
さずに成膜室に酸素ガスを200Paまで導入し、40
0℃で5分間保持した(第1のサイクル)。これに引き
続き、再び表1に示すスパッタ条件で5分間で膜厚10
0nmに成膜し、全体の膜厚が200nmとなった時点
でSTO膜6の成膜を終了し、真空排気を止めて再び酸
素ガスを200Paまで導入し、400℃で5分間保持
した(第2のサイクル)後、この酸素雰囲気中で、冷却
速度3℃/分で冷却した。
【0017】次に、STO膜6の表面に電子ビーム蒸着
法により、Pt上部電極7を形成した。Pt上部電極7
の大きさは60μm×60μmの矩形で膜厚は200n
mであった。
【0018】
【表1】
【0019】上記のような方法で製造した酸化物誘電体
薄膜素子のPt上部電極7とPt下部電極4の間に交流
電源8から交流電圧を印加し、この酸化物誘電体薄膜素
子の誘電特性(誘電率、誘電損失、誘電率の温度依存性
及びリーク電流)を測定した。その結果を表2aに示
す。誘電率及び誘電損失は25℃で測定し、誘電率、誘
電損失及び誘電率の温度依存性は、交流電源8の周波数
10kHzの下で測定した。リーク電流は上下電極間に
3Vの交流電圧を印加して測定した。
【0020】この製造方法により、同じ条件で更に2ロ
ットの酸化物誘電体薄膜素子を製造した。各ロットの素
子の誘電特性の結果も表2aに示す。
【0021】
【表2a】
【0022】この表より、本発明の製造方法により製造
した酸化物誘電体薄膜素子は、後述する比較例1及び2
の従来の製造方法により製造した酸化物誘電体薄膜素子
と比較して、優れた誘電特性を持ち、また各ロット間の
誘電特性のバラツキも少なかった。本実施例では、膜厚
が200nmのSTO膜を形成する場合について示した
が、膜厚に応じてこのサイクルを増減すればよい。ま
た、本実施例のSTO膜の形成の場合は導入する酸素分
圧を200Paとしたが、図3(a)に示すように、酸
素分圧が100Pa以上であれば誘電率が200以上の
高い誘電率が安定した得られた。
【0023】実施例2 この実施例では、酸化物誘電体薄膜が、(Ba0.5
0.5 )TiO3 (チタン酸バリウムストロンチウム)
(BST)である酸化物誘電体薄膜素子を製造した。
【0024】本実施例で製造した酸化物誘電体薄膜素子
の構造は、図1における5及び6が、酸化物誘電体BS
T膜であること以外は、実施例1と同様である。BST
膜以外の成膜方法は、実施例1の場合と同じとした。
【0025】まず、成膜室を480℃まで昇温してか
ら、実施例1と同様に表1に示すスパッタ条件で予備ス
パッタを行い、次いで、BST膜の形成は、スパッタタ
ーゲットとして(Ba0.5 Sr0.5 )TiO3 を用
い、成膜室の温度を480℃に維持し、成膜後の導入酸
素圧を100Paとした以外は、実施例1におけるST
O膜の形成と同じ条件で行った。
【0026】得られた各3ロットの素子の誘電特性を表
2bに示す。
【0027】
【表2b】
【0028】STO膜の場合と同様、後述する比較例1
及び2の従来の製造方法により製造した酸化物誘電体薄
膜素子と比較して、優れた誘電特性(誘電率、誘電損
失、誘電率の温度依存性及びリーク電流)を持ち、また
各ロット間の誘電特性のバラツキも少なかった。この場
合、導入する酸素分圧を100Paとしたが、図3
(b)に示すように、酸素分圧が50Pa以上であれば
誘電率が300以上の高い誘電率が安定して得られた。
【0029】比較例1 図4は、従来の製造方法により形成した酸化物誘電体薄
膜を使用した酸化物誘電体薄膜素子を説明するための断
面構造概略図であり、図5は図4に示した酸化物誘電体
薄膜素子に使用する酸化物誘電体薄膜の形成方法を説明
するプロセス図である。
【0030】図4において、41はn型シリコン基板、
42は前記n型シリコン基板41の表面に形成されたS
i熱酸化膜、43は前記Si熱酸化膜42上に形成され
たTi膜、44は前記Ti膜43上に形成されたPt下
部電極、45はPt下部電極44上に形成された酸化物
誘電体STO膜であり、酸化物誘電体STO膜45は後
述するような製造方法で成膜されている。46は前記酸
化物誘電体STO膜45上に形成されたPt上部電極で
ある。STO膜45以外の成膜方法は実施例1の場合と
同じとした。
【0031】STO膜45は、実施例1の場合と同様
に、成膜室を400℃に昇温してから、成膜に先だって
ターゲット表面を10分間、表1のスパッタ条件で予備
スパッタした後、表1に示すスパッタ条件で10分間で
膜厚200nmに成膜した。成膜が終了した後、図5に
示すように真空排気を止めてスパッタガス雰囲気中で冷
却速度約3℃/分で冷却した。次に実施例1と同様に、
STO膜45の表面にPt上部電極46を形成した。
【0032】このようにして3ロット製造した酸化物誘
電体薄膜素子の誘電特性の測定結果を表3aに示す。測
定条件は実施例1と同じとし、酸化物誘電体薄膜素子の
Pt上部電極46とPt下部電極44の間に交流電源4
8から交流電圧を印加して測定した。
【0033】
【表3a】
【0034】実施例1と比べて各ロットとも誘電率が低
く、誘電損失、誘電率の温度依存性及びリーク電流が大
きかった。また各ロット間の誘電特性のバラツキも大き
かった。
【0035】上記のSTO膜45に代えて、BST膜の
形成を、成膜室の温度を480℃とした以外は上記ST
O膜の形成と同じ条件で行った。BST膜の場合も表3
bに示すように、実施例2と比べて各ロットとも誘電率
が低く、誘電損失、誘電率の温度依存性及びリーク電流
が大きかった。また各ロット間の誘電特性のバラツキも
大きかった。
【0036】
【表3b】
【0037】また、前述のSTO膜の成膜が終了した後
室温まで冷却し、その後、酸素を200Paまで導入
し、400℃で10分間保持した後、この酸素雰囲気中
で、約3℃/分の冷却速度で冷却する条件で3ロットの
STO膜を形成した。このSTO膜を使用した各素子の
誘電特性の測定結果を表4aに示す。実施例1と比べ
て、各ロット間の誘電特性のバラツキが大きかった。
【0038】
【表4a】
【0039】BST膜についても、上記のSTO膜の場
合と同様に、BST膜の成膜が終了した後室温まで冷却
し、その後、酸素を100Paまで導入し、480℃で
5分間保持した後、この酸素雰囲気中で、約3℃/分の
冷却速度で冷却する条件で3ロットのBST膜を形成し
た。BST膜の場合も表4bに示すように、実施例2と
比べて、各ロット間の誘電特性のバラツキが大きかっ
た。
【0040】
【表4b】
【0041】冷却時に酸素を導入しない場合は、STO
膜、BST膜ともリーク電流が10-3A/cm2 以上と
なり誘電特性の測定は不可能であり、酸化物誘電体薄膜
は得られなかった。
【0042】比較例2 図6は本発明の実施例との比較のため形成した別の酸化
物誘電体薄膜を使用した酸化物誘電体薄膜素子を説明す
るための断面構造概略図であり、図7は図6に示した酸
化物誘電体薄膜素子に使用する酸化物誘電体薄膜の形成
方法を説明するプロセス図である。
【0043】図6において、61はn型シリコン基板、
62は前記n型シリコン基板61の表面に形成されたS
i熱酸化膜、63は前記Si熱酸化膜62上に形成され
たTi膜、64は前記Ti膜63上に形成されたPt下
部電極、65及び66はPt下部電極64上に形成され
た酸化物誘電体STO膜であり、酸化物誘電体STO膜
65及び66は後述するような製造方法で成膜されてい
る。67は前記酸化物誘電体STO膜66上に形成され
たPt上部電極である。STO膜65及び66以外の成
膜方法は実施例1の場合と同じとした。STO膜65
は、実施例1の場合と同様に、成膜室を400℃まで昇
温してから、成膜に先だってターゲット表面を10分
間、表1に示すスパッタ条件で予備スパッタした後、表
1に示すスパッタ条件で5分間成膜しSTO膜65を形
成した。膜厚は100nmであった。成膜が終了した
後、試料を成膜室から取り出して、酸素200Pa中で
400℃で5分間熱処理し冷却速度約3℃/分で冷却し
た。この後、試料を成膜室に入れ、再び成膜室を400
℃まで昇温してから、表1に示すスパッタ条件で5分間
成膜し膜圧100nmのSTO膜66を形成し、試料を
成膜室から取り出して、酸素200Pa中で400℃で
5分間熱処理し冷却速度約3℃/分で冷却した。次に実
施例1と同様に、STO膜66の表面にPt上部電極6
7を形成した。
【0044】この製造プロセスで製造した酸化物誘電体
薄膜素子の誘電特性を表5aに示す。測定条件は実施例
1と同じとし、酸化物誘電体成膜素子のPt上部電極6
7とPt下部電極64の間に交流電源68から交流電圧
を印加して測定した。
【0045】
【表5a】
【0046】実施例1と比べて各ロットとも誘電率が低
く、誘電損失、誘電率の温度依存性及びリーク電流が大
きかった。
【0047】BST膜の形成を、成膜室の温度を480
℃とし、成膜後の導入酸素圧を100Paとした以外
は、上記のSTO膜の形成と同じ条件で行った。BST
膜の場合も表5bに示すように、実施例2と比べて各ロ
ットとも誘電率が低く、誘電損失、誘電率の温度依存性
及びリーク電流が大きかった。
【0048】
【表5b】
【0049】
【発明の効果】
(1)酸化物誘電体薄膜の成膜途中に酸素を導入して、
一定時間保持し、さらに成膜後にも酸素を導入して、一
定時間保持することにより、酸化物誘電体薄膜中の酸素
欠損を少なくすることができ、誘電率、誘電損失、誘電
率の温度依存性及びリーク電流等の誘電特性を向上させ
た酸化物誘電体薄膜素子を得ることができる。
【0050】(2)酸化物誘電体薄膜の成長中に成膜条
件が変動し、膜中の酸素量が変化しても、成膜途中に十
分酸素を膜中に取り込ませているため、ロット間の誘電
特性のバラツキを少なくできるため、安定して誘電特性
の優れた膜を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の酸化物誘電体薄膜素子の断
面概略図。
【図2】本発明の実施例1の酸化物誘電体薄膜形成のプ
ロセスを示す図。
【図3】本発明の実施例の酸化物誘電体薄膜素子の酸素
分圧と誘電率の関係を示す図。
【図4】比較例1の酸化物誘電体薄膜素子の断面概略
図。
【図5】比較例1の酸化物誘電体薄膜形成のプロセスを
示す図。
【図6】比較例2の酸化物誘電体薄膜素子の断面概略
図。
【図7】比較例2の酸化物誘電体薄膜形成のプロセスを
示す図。
【符号の説明】
1、41、61 n型シリコン基板 2、42、62 シリコン熱酸化膜 3、43、63、 Ti膜 4、44、64 Pt下部電極 5、6、45、65、66 STO酸化物誘電体膜 7、47、67 Pt上部電極 8、48、68 交流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−29462(JP,A) 特開 平3−164406(JP,A) 特開 平8−74034(JP,A) 特開 平9−31645(JP,A) 特開 平7−326582(JP,A) 特開 平7−122456(JP,A) 特開 平5−283007(JP,A) 特開 平4−183850(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205 H01L 21/31 C30B 29/00 H01L 21/316 C01G 23/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電極と酸化物誘電体薄膜とを
    有する酸化物誘電体薄膜素子の製造方法であって、前記
    酸化物誘電体薄膜を成膜室内で形成する工程において、
    所望の最終膜厚以下の所定の膜厚まで前記酸化物誘電体
    薄膜の形成を行った時点で一旦成膜を中止し、前記酸化
    物誘電体薄膜を成膜室から取り出さずに成膜室に成膜時
    よりも高い酸素分圧まで酸素を導入し、一定時間保持し
    た後、再び成膜を開始するサイクルを繰返すことを特徴
    とする酸化物誘電体薄膜素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記酸化物誘電体薄膜が、SrTiO3
    (チタン酸ストロンチウム)であることを特徴とする請
    求項1記載の酸化物誘電体薄膜素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記酸化物誘電体薄膜が、(Ba,S
    r)TiO3 (チタン酸バリウムストロンチウム)であ
    ることを特徴とする請求項1記載の酸化物誘電体薄膜素
    子の製造方法。
  4. 【請求項4】 導入する酸素分圧が100Pa以上であ
    ることを特徴とする請求項2記載の酸化物誘電体薄膜素
    子の製造方法。
  5. 【請求項5】 導入する酸素分圧が50Pa以上である
    ことを特徴とする請求項3記載の酸化物誘電体薄膜素子
    の製造方法。
JP06101192A 1994-05-16 1994-05-16 酸化物誘電体薄膜素子の製造方法 Expired - Fee Related JP3089159B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06101192A JP3089159B2 (ja) 1994-05-16 1994-05-16 酸化物誘電体薄膜素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06101192A JP3089159B2 (ja) 1994-05-16 1994-05-16 酸化物誘電体薄膜素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07307295A JPH07307295A (ja) 1995-11-21
JP3089159B2 true JP3089159B2 (ja) 2000-09-18

Family

ID=14294094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06101192A Expired - Fee Related JP3089159B2 (ja) 1994-05-16 1994-05-16 酸化物誘電体薄膜素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3089159B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07307295A (ja) 1995-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5973911A (en) Ferroelectric thin-film capacitor
US6232167B1 (en) Method of producing a ferroelectric thin film coated substrate
US6323057B1 (en) Method of producing a thin-film capacitor
EP0732422A2 (en) Ferroelectric thin-film coated substrate, method for its manufacture and nonvolatile memory comprising such a substrate
US5397446A (en) Method of forming a ferroelectric film
EP0747938A2 (en) Ferroelectric thin film coated substrate, producing method thereof and capacitor structure element using thereof
EP0849780A2 (en) Method for manufacturing ferroelectric thin film, substrate covered with ferroelectric thin film, and capacitor
JPH05235268A (ja) 強誘電体薄膜の製造方法
EP0754776B1 (en) Method of producing dielectric thin film element
JP3089159B2 (ja) 酸化物誘電体薄膜素子の製造方法
KR100348387B1 (ko) 강유전체 박막 소자 및 그 제조방법
US6586260B2 (en) Single c-axis PGO thin film electrodes having good surface smoothness and uniformity and methods for making the same
JPH04187759A (ja) 誘電体薄膜の成膜方法
JPH0964309A (ja) 半導体メモリ素子及び該素子の製造方法
JP3267278B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2658819B2 (ja) 薄膜キャパシタ
JPH09321234A (ja) 強誘電体薄膜素子の製造方法、強誘電体薄膜素子、及び強誘電体メモリ素子
JP3267277B2 (ja) 強誘電体キャパシタの製造方法及び強誘電体メモリ装置の製造方法
JP3888400B2 (ja) 誘電体薄膜の製造方法
JPH09153598A (ja) 誘電体薄膜素子の製造方法及び誘電体薄膜素子
JP2000082796A (ja) 半導体装置
KR100288501B1 (ko) 비스무쓰 층상 산화물 강유전체 박막의 제조방법
JPH10152398A (ja) 強誘電体薄膜の形成方法
JP4014932B2 (ja) 半導体メモリ素子の製造方法
JPH06204430A (ja) 誘電体薄膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees