JP3088729B2 - 食品保存料組成物 - Google Patents

食品保存料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は食品及び食品加工器具や環境の殺菌洗浄に使
用し、食品の風味、品質あるいは食品加工器具類の性能
や性状を損なうことなく常圧下で安全に殺菌・保存する
ことのできる食品保存料組成物及びそれを用いた殺菌方
法に関する。
[従来の技術及びその問題点] 食品及び食品加工器具や環境を衛生的に管理し、安全
で保存性の高い製品を得るための手段としては、加熱殺
菌法、薬剤殺菌法、放射線殺菌法などが知られていて、
それぞれ一長一短がある。
薬剤殺菌の一種であるエタノールによる殺菌法は、加
熱殺菌法と同様に古来より常用されたものであって、人
体に対する安全性、使い易さ、殺菌効果の強大さ、残留
の心配がないこと、食品の品質に与える影響が少ないこ
となどから、近年の加工食品産業、外食産業の成長にと
もなって多用されるようになっている。しかし、エタノ
ールを基剤とする食品殺菌剤にはエタノールの殺菌力を
強化するために、数種の添加物を加えてあり、そのため
その添加物が殺菌処理後に残留物となって製品や器具を
汚染し、食品の風味、品質あるいは食品加工器具類の性
能や性状を損なうことがあり、その改善が望まれてい
た。最近、残留物のないクリーンな殺菌法として、高圧
の二酸化炭素とエタノールを高圧下で共存させて粉粒体
を殺菌する方法(特公昭62−74270号)が提案されてい
るが、50Kg/cm2以上の高圧下での処理が要求され、通常
の殺菌作業には手軽に使えない問題点がある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記の問題点を解決するため種々検討
したところ、従来、殺菌作用はないとおもわれていた二
酸化炭素を特定濃度範囲のエタノール水溶液に一定量、
溶解させることにより、エタノール水溶液の殺菌力が飛
躍的に向上することを見出だし、本発明を完成した。す
なわち、本発明は、水及び50−99%(V/V)のエタノー
ル及び0.01−1.1%(W/W)の二酸化炭素を含むことを特
徴とする食品保存料組成物、及びそれを用いた食品及び
食品加工器具の殺菌方法である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明でいう食品とは、イチゴ、桃、ブドウ等の果実
類、玉子焼、豆腐、煮豆、サラダ、漬物、佃煮、珍味等
の惣菜類、蒲鉾、竹輪、はんぺん、さつまあげ、つみれ
等の水産練製品、ソーセージ、ハム、ハンバーグ、ベー
コンスライス等の畜肉加工品、その他、カット野菜、生
麺、肉まん、ぎょうざの皮等のあらゆる種類の食品を意
味し、また食品加工器具とは、皿、どんぶり、包丁、ま
な板、切断機、撹拌混合機、充填機等の食品加工するた
めの容器、器具、装置およびそれらを扱う作業者の手、
指を意味する。
本発明の食品保存料組成物は、エタノール、二酸化炭
素、水を前記の割合で混合することによって製造され
る。エタノールの配合割合は、50−99%(V/V)である
が、好ましくは60−99%(V/V)である。二酸化炭素の
配合割合は、0.01−1.1%(W/W)であるが、好ましくは
0.1−1.0%(W/W)である。上記の混合の順序は、特に
限定されず、任意の順序で混合することができるが、所
定の濃度のエタノール水溶液に二酸化炭素を溶解させる
のが好適である。また混合時の温度も特に限定されない
が、高温では、二酸化炭素の溶解度が減少するので、室
温以下で混合するのが望ましい。
本発明において、エタノールの配合割合が限定される
のは、50%(V/V)未満であると殺菌の効果が少なくな
り、また、90%(V/V)を越えてもその効果が少なくな
るためである。
エタノール水溶液に二酸化炭素を加えることによる殺
菌力の向上効果は、溶解した二酸化炭素が溶液中の水に
より炭酸となり溶液のpHを低下させることによりエタノ
ールの殺菌効果を飛躍的に増大させるためである。この
ため二酸化炭素の添加効果を発揮させるの水の存在は必
須の条件であり、少なくとも1%(V/V)は、存在する
必要がある。
また二酸化炭素の配合割合が限定されるのは、0.01%
(W/W)未満であると殺菌の効果がほとんどなく、ま
た、1.1%(W/W)以上は、常圧(1kg/cm2)においてエ
タノール水溶液に二酸化炭素が溶解しないためである。
本発明の食品保存料組成物は、上記のように配合され
たものをそのまま使用してもよいが、残留性のない脂肪
酸エステル類、有機酸類などの食品添加物や天然物(例
えば;からしエキス、レモン果皮油のようなもの)を配
合してもよい。本発明の大きな特長の一つは、エタノー
ル、水、二酸化炭素のどれもが殺菌乾燥後に残留しない
ことであり、揮発性のある成分であるなら、本発明の効
果を損なわない範囲で、添加することも可能である。
以上によって得られる食品保存料組成物は、食品を製
造する際に原材料と一緒に混練したり、または直接、食
品や食品加工器具に噴霧または塗布することによりそれ
らを殺菌し食品の保存効果を高めることができる。また
食品保存料組成物に食品や食品加工器具を浸漬させても
殺菌・保存効果を高めることができる。
以下、本発明を完成させるために行った実験例をあげ
て本発明をさらに具体的に説明する。
[実験例1] 20℃、常圧の条件で各濃度のエタノール水溶液に溶解
可能な二酸化炭素の量を測定した。各濃度のエタノール
水溶液に固体二酸化炭素(ドライアイス)を投入し、溶
解させた後、20℃で1時間平衡化してから重量を測定し
て溶解している二酸化炭素濃度を求めた。結果を図1に
示す。その結果、図からわかるように、エタノール濃度
が0−65%(V/V)までは溶解している二酸化炭素濃度
はほとんど一定値を示すが、エタノール濃度が65%(V/
V)を越えると溶解している二酸化炭素濃度は、急激に
上昇し、90%(V/V)では0.8%(V/V)、99%(V/V)で
は、1.1%(W/W)に達する。本発明の食品保存料組成物
は、二酸化炭素濃度が0.01%−1.1%(W/W)であり、こ
の結果から常圧(1kg/cm2)で使用しても二酸化炭素が
溶解した状態で存在可能であることがわかる。
[実験例2] エタノール濃度一定の条件で種々の二酸化炭素濃度の
溶液を調製し、その殺菌力を測定した。58%(W/W)エ
タノール水溶液に二酸化炭素を所定の濃度になるように
溶解した溶液を調製し、これに黄色ブドウ球菌(Staphy
lococcus aureus FDA 209P(ATCC6538P))の菌体を投
入し15秒間撹拌した後、生残菌数をスパイラルプレーテ
ィング法で測定した。生残菌数はシャーレに塗布した0.
049mlの生菌数(CFU)で表示した。結果を表1に示す。
その結果、表からわかるように、殺菌処理をしない場合
には、3.6×107個生存していた黄色ブドウ球菌が、本発
明の食品保存料組成物を用いて処理すると僅かに検出で
きる程度まで生存する細菌数が減少する。一般に強い殺
菌力があるといわれているエタノール水溶液単独の場合
と比較しても、二酸化炭素を溶解させると著しく殺菌力
が向上することがわかる。
[実験例3] 種々の濃度のエタノール水溶液に一定濃度の二酸化炭
素を添加した溶液と二酸化炭素無添加のものをその殺菌
力について比較した。
ベルトコンベアーのベルト(合成ゴム製)を5cm角に
切ったものに、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureu
s FDA 209P(ATCC6538P))の菌体を1.2×106/cm2にな
るように付着させ、前もって調製しておいた二酸化炭素
を0.2%(W/W)含む各濃度のエタノール水溶液を1秒間
スプレーした。クリーンベンチ内で3分間風乾してか
ら、これに生菌数測定用のフードスタンプ(10cm2の標
準寒天平板培地の付いたスタンプ)を押し当て、30℃、
48時間培養し、フードスタンプ上の10cm2の培地面に発
生したコロニー数を計測した。結果を表2に示す。その
結果、二酸化炭素を含まないエタノール水溶液では、発
生コロニー数が10個以下になる殺菌力の強いエタノール
濃度範囲は70−90%(V/V)であったが、0.2%(W/W)
の二酸化炭素を含んだエタノール水溶液では、その濃度
範囲が50−99%(V/V)と二酸化炭素を含まないものに
比べて明らかに広くなっており、特に60−99%(V/V)
のエタノール濃度範囲では、黄色ブドウ球菌のコロニー
をまったく検出できない程、強い殺菌力を示した。
以下、実施例を挙げる。
[実施例1] 20℃のエタノール水溶液(エタノール濃度80%(V/
V))1をヘッドスペース10%以下の圧力容器内にい
れ、3.9gの固体二酸化炭素(ドライアイス)を投入し溶
解させた後、20℃で常圧に戻すことにより二酸化炭素を
0.3%(W/W)含む食品保存料組成物を得た。
[実施例2] 15℃の95%(V/V)発酵アルコール1の3gの二酸化
炭素ガスを投入して溶解させたものに水391gを加えるこ
とにより0.2%(W/W)の二酸化炭素を含むエタノール濃
度70%(V/V)の食品保存料組成物を得た。
[実施例3] プラスチック製調理板(まな板)の殺菌にエタノー
ル、水、二酸化炭素からなる次の組成の食品保存料組成
物を調製し、その食品保存能力を二酸化炭素を含まない
[95%(V/V)]発酵アルコールを73.4%(W/W)含むエ
タノール水溶液と比較した。
[95%(V/V)]発酵アルコール 73.4%(W/W) 二酸化炭素 0.2%(W/W) 水 26.4%(W/W) エアー式自動噴霧器に食品保存料組成物を入れ1秒間
分噴霧後、10分間クリーンベンチ内に放置した後、拭き
取り法により、10cm2当りの生菌数(CFU)を調べた。そ
の結果を表3に示す。
エタノール、水、二酸化炭素の食品保存料組成物の方
がエタノール、水のみの食品保存料組成物に比べて、一
般細菌、大腸菌群、黄色ブドウ球菌ともに生存する菌数
は顕著に少なく、優れた殺菌効果を示していて、二酸化
炭素の添加効果が認められる。
[実施例4] カマボコの表面殺菌にエタノール、水、二酸化炭素か
らなる次の組成の食品保存料組成物を調製し、57.2%
(W/W)エタノールの殺菌・保存効果と比較した。
エタノール 57.2 %(W/W) 二酸化炭素 0.3 %(W/W) 水 42.49%(W/W) カマボコを各商品保存料組成物に30秒間浸漬後、とり
だし、クリーンベンチ内に1分間放置してからガスバリ
アー性プラスチック袋で包装し、30℃に保存した。保存
効果は、ネトの発生による変化を肉眼観察によって調べ
た。
その結果を表4に示した。
カマボコの浸漬殺菌によるエタノール、水、二酸化炭
素からなる食品保存料組成物の殺菌・保存効果は、エタ
ノール水溶液よりも効果的であり、30℃で1週間以上の
日持効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、20℃、常圧の条件で各濃度のエタノール水溶
液に溶解する二酸化炭素量を表したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/34 - 3/358 JICSTファイル(JOIS) JAFICファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水及び50−99%(V/V)のエタノール及び
    0.01−1.1%(W/W)の二酸化炭素を含むことを特徴とす
    る食品保存料組成物
  2. 【請求項2】食品または食品加工器具に特許請求の範囲
    第1項記載の食品保存料組成物を混練、噴霧または塗布
    することを特徴とする食品及び食品加工器具の殺菌方法
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