JP3087188B2 - キャストリボン法による多結晶シリコンシートの製造方法 - Google Patents
キャストリボン法による多結晶シリコンシートの製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は太陽電池その他の光電変
換素子等に用いられている、多結晶シリコンシートのキ
ャストリボン法による製造方法に関する。
換素子等に用いられている、多結晶シリコンシートのキ
ャストリボン法による製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】既に多結晶シリコンシートの製造方法と
しては各種のものが実施されており、その一つであるリ
ボン法は図4のように、不活性ガス雰囲気内にあって坩
堝a内に存する溶融シリコンbにダイcを浸漬起立さ
せ、ダイcの上端口c′から引き出された溶融シリコン
bを、ダイcの外である不活性ガス雰囲気内で冷却固化
させるようにしたもので、このリボン技術では、溶融シ
リコンbのメニスカス(表面張力)を利用してシートを
形成しているため、均一な厚さの多結晶シリコンシート
を得難く、この結果太陽電池のディバイスとして用いよ
うとする際、これに電極を形成しようとしても、スクー
リン印刷法を適用することが困難となってしまう欠陥が
ある。
しては各種のものが実施されており、その一つであるリ
ボン法は図4のように、不活性ガス雰囲気内にあって坩
堝a内に存する溶融シリコンbにダイcを浸漬起立さ
せ、ダイcの上端口c′から引き出された溶融シリコン
bを、ダイcの外である不活性ガス雰囲気内で冷却固化
させるようにしたもので、このリボン技術では、溶融シ
リコンbのメニスカス(表面張力)を利用してシートを
形成しているため、均一な厚さの多結晶シリコンシート
を得難く、この結果太陽電池のディバイスとして用いよ
うとする際、これに電極を形成しようとしても、スクー
リン印刷法を適用することが困難となってしまう欠陥が
ある。
【0003】また、上記の如く溶融シリコンとの濡れを
活用しようとするのがリボン技術であるため、ダイ、フ
ィラメント、基板など多くの消耗品を要することになる
だけでなく、濡れのよいカーボン、SiC等を用いるこ
とから、これが溶融シリコンへの不純物源となってしま
う。さらに、当該リボン法によるときは結晶の成長が、
多結晶シリコンシートの引き出し方向への成長であり、
当該結晶の成長速度はあまり大きくできず、品質および
生産能率の点からも満足すべきものとなっていない。
活用しようとするのがリボン技術であるため、ダイ、フ
ィラメント、基板など多くの消耗品を要することになる
だけでなく、濡れのよいカーボン、SiC等を用いるこ
とから、これが溶融シリコンへの不純物源となってしま
う。さらに、当該リボン法によるときは結晶の成長が、
多結晶シリコンシートの引き出し方向への成長であり、
当該結晶の成長速度はあまり大きくできず、品質および
生産能率の点からも満足すべきものとなっていない。
【0004】また、別途別謂キャスティング法(鋳造
法)なるものも実施されているが、同法ではシリコン母
材を加熱して融液となし、これを製品ウエハの寸法に応
じた鋳型に流し込み、さらに当該型の可動部分により融
液を押圧成型して固化させるものであるが、同法による
ときは、一度に所定形状のウエハが得られ、量産性の点
で望ましい結果が期待できるものの、上記のように融液
は四方から押えつけられることになる。このため同法で
は鋳型の上下面と側面が上記融液の固化に際し、シリコ
ン結晶粒(グレイン)の成長を抑制してしまうこととな
り、固化製品の前記各面と接する部分近傍が、非常に細
かい結晶粒となって大きな結晶粒が得られず、太陽電池
用シリコンウエハ等にあって望ましいとされている大結
晶粒生成の要請を満足させることができないため、当該
ウエハによって得られた太陽電池の光電変換効率も2〜
3%と極度に悪くなってしまう欠陥を持っている。
法)なるものも実施されているが、同法ではシリコン母
材を加熱して融液となし、これを製品ウエハの寸法に応
じた鋳型に流し込み、さらに当該型の可動部分により融
液を押圧成型して固化させるものであるが、同法による
ときは、一度に所定形状のウエハが得られ、量産性の点
で望ましい結果が期待できるものの、上記のように融液
は四方から押えつけられることになる。このため同法で
は鋳型の上下面と側面が上記融液の固化に際し、シリコ
ン結晶粒(グレイン)の成長を抑制してしまうこととな
り、固化製品の前記各面と接する部分近傍が、非常に細
かい結晶粒となって大きな結晶粒が得られず、太陽電池
用シリコンウエハ等にあって望ましいとされている大結
晶粒生成の要請を満足させることができないため、当該
ウエハによって得られた太陽電池の光電変換効率も2〜
3%と極度に悪くなってしまう欠陥を持っている。
【0005】そこで、本願人は既に上記難点を解消する
ため、前記キャスティング法の利点を活用し、溶融シリ
コンをモールドノズルに供給するが、不連続でなく連続
して供給すると共に、これをモールドノズル内にて固化
してしまい、この固化シリコンシートを連続的に引き出
すようにすることで、均一厚の多結晶シリコンシート
を、不純物による汚染の心配なしに量産可能とすると共
に、各種の厚さ寸法のものを容易に得られるようにし、
ディバイス加工の工程でも、厚さの均一化処理などを不
要となし、歩留りの向上をも図ろうとする方法を提案
(以下この方法をキャストリボン法と称す)した。
ため、前記キャスティング法の利点を活用し、溶融シリ
コンをモールドノズルに供給するが、不連続でなく連続
して供給すると共に、これをモールドノズル内にて固化
してしまい、この固化シリコンシートを連続的に引き出
すようにすることで、均一厚の多結晶シリコンシート
を、不純物による汚染の心配なしに量産可能とすると共
に、各種の厚さ寸法のものを容易に得られるようにし、
ディバイス加工の工程でも、厚さの均一化処理などを不
要となし、歩留りの向上をも図ろうとする方法を提案
(以下この方法をキャストリボン法と称す)した。
【0006】この方法は図2に示す如き製造装置を用い
て行うもので、同図にあって1はアルゴン等の不活性ガ
スか真空による不活性雰囲気1aをもつ炉体で、この中
にはヒータ2a、2b等によって加熱されるシリコン溶
融管3と、ヒータ4によって加熱されるモールドノズル
5とが設けられており、シリコン溶融管3内に投入のシ
リコン母材は、前記ヒータ2aによって溶融された後、
不活性ガス等による圧力Pを受けて、当該溶融シリコン
Siが、順次シリコン溶融管3の供給口3a、そしてモ
ールドノズル5の注入口5aを介して当該モールドノズ
ル5内へ送り込まれるようになっている。
て行うもので、同図にあって1はアルゴン等の不活性ガ
スか真空による不活性雰囲気1aをもつ炉体で、この中
にはヒータ2a、2b等によって加熱されるシリコン溶
融管3と、ヒータ4によって加熱されるモールドノズル
5とが設けられており、シリコン溶融管3内に投入のシ
リコン母材は、前記ヒータ2aによって溶融された後、
不活性ガス等による圧力Pを受けて、当該溶融シリコン
Siが、順次シリコン溶融管3の供給口3a、そしてモ
ールドノズル5の注入口5aを介して当該モールドノズ
ル5内へ送り込まれるようになっている。
【0007】ここでモールドノズル5は、ノズル下板5
bとノズル上蓋板5cとからなり、その下面に所定の凹
溝5dが形成されてあることで、図示されていないビス
等により両板5b、5cを重積状態にて固定し、これに
より、所定厚さと所定幅の横向鋳造路6が形成され、図
中7が引出手段としての引き出し治具を示している。
bとノズル上蓋板5cとからなり、その下面に所定の凹
溝5dが形成されてあることで、図示されていないビス
等により両板5b、5cを重積状態にて固定し、これに
より、所定厚さと所定幅の横向鋳造路6が形成され、図
中7が引出手段としての引き出し治具を示している。
【0008】この鋳造装置を用いて上記キャストリボン
法を実施するには、石英等により形成したシリコン溶融
管3中にシリコン母材を投入しておき、これをヒータ2
aの稼動によって溶融(1450℃)し、前記不活性ガ
スによる圧力P(0.01〜0.1kg/cm2 )を当
該溶融シリコンSiの上面に加えるが、この際ヒータ4
によって予め同図に示す如くモールドノズル5の基部側
から横向鋳造路6、引出端口5eの方向へ向けて、シリ
コンの融点(MP=1420℃)よりも高温から130
0℃程度に至るまで、降温状態となるような温度分布を
与えておき、当該横向鋳造路6の引出端口5e寄りであ
って、注入口5a側へ向け所要長だけ離間した固化領域
5fから引き出し治具7に向けては、融点MPよりも予
め温度が低くなるようにしてあり、このような温度条件
下のモールドノズル5内へその注入口5aから連続的
に、上記溶融シリコンSiを供給するようにしている。
これにより当該溶融シリコンSiは、引き出し治具7の
握持用端口7aからモールドノズル5内の固化領域5f
までが固結することで、固化シリコンシートMSiが形
成されることとなる。
法を実施するには、石英等により形成したシリコン溶融
管3中にシリコン母材を投入しておき、これをヒータ2
aの稼動によって溶融(1450℃)し、前記不活性ガ
スによる圧力P(0.01〜0.1kg/cm2 )を当
該溶融シリコンSiの上面に加えるが、この際ヒータ4
によって予め同図に示す如くモールドノズル5の基部側
から横向鋳造路6、引出端口5eの方向へ向けて、シリ
コンの融点(MP=1420℃)よりも高温から130
0℃程度に至るまで、降温状態となるような温度分布を
与えておき、当該横向鋳造路6の引出端口5e寄りであ
って、注入口5a側へ向け所要長だけ離間した固化領域
5fから引き出し治具7に向けては、融点MPよりも予
め温度が低くなるようにしてあり、このような温度条件
下のモールドノズル5内へその注入口5aから連続的
に、上記溶融シリコンSiを供給するようにしている。
これにより当該溶融シリコンSiは、引き出し治具7の
握持用端口7aからモールドノズル5内の固化領域5f
までが固結することで、固化シリコンシートMSiが形
成されることとなる。
【0009】このようにして固化シリコンシートMSi
が形成されたならば、当該引き出し治具7をモールドノ
ズル5の長手方向である矢印Dへ向け連続的に引出すの
であるが、この際溶融シリコンSiに加える圧力Pは、
前掲当初圧力よりも降圧させた稼動圧力とすることで、
固化領域5fの長さが変化しないようにするのがよい。
ここで、実際上前記の凹溝5dを深さ0.5mm、幅を
25mmにて長さは250mm程度であり、モールドノ
ズルの材質としては、カーボンが用いられ、その本体表
面に窒化シリコンコーティングを施すか、Si3 N4 と
SiO2 の混合物コーティング等の離型材を施して用い
られる。
が形成されたならば、当該引き出し治具7をモールドノ
ズル5の長手方向である矢印Dへ向け連続的に引出すの
であるが、この際溶融シリコンSiに加える圧力Pは、
前掲当初圧力よりも降圧させた稼動圧力とすることで、
固化領域5fの長さが変化しないようにするのがよい。
ここで、実際上前記の凹溝5dを深さ0.5mm、幅を
25mmにて長さは250mm程度であり、モールドノ
ズルの材質としては、カーボンが用いられ、その本体表
面に窒化シリコンコーティングを施すか、Si3 N4 と
SiO2 の混合物コーティング等の離型材を施して用い
られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来法
にあっては、モールドノズル5における横向鋳造路6の
上面と下面とが平坦に形成されており、この結果固化シ
リコンシートMSiを引き出し治具7によって引き出す
際、当該上面と下面とは、固化シリコンシートMSiと
全面的に癒着状態にて接触していることから、この接触
を剥離するために、可成りの剪断抵抗を受けることとな
り、この結果大きな引出力を必要とすることになって、
固化シリコンシートMSiに割れが生じたり、破損して
しまうことがあり、かつ、固化シリコンシートMSiの
摺接により、モールドノズル5に施してある前記のコー
ティングが早期に損耗し、その寿命が短くなってしまう
等の問題がある。
にあっては、モールドノズル5における横向鋳造路6の
上面と下面とが平坦に形成されており、この結果固化シ
リコンシートMSiを引き出し治具7によって引き出す
際、当該上面と下面とは、固化シリコンシートMSiと
全面的に癒着状態にて接触していることから、この接触
を剥離するために、可成りの剪断抵抗を受けることとな
り、この結果大きな引出力を必要とすることになって、
固化シリコンシートMSiに割れが生じたり、破損して
しまうことがあり、かつ、固化シリコンシートMSiの
摺接により、モールドノズル5に施してある前記のコー
ティングが早期に損耗し、その寿命が短くなってしまう
等の問題がある。
【0011】本発明は上記従来のキャストリボン法がも
つ難点に鑑み、モールドノズルの横向鋳造路に沿って予
め凹溝条を所要複数だけ形成しておくことで、固化シリ
コンシートと横向鋳造路との接触面積を削減し、これに
よって、引き出し治具による引出力を小さくすること
で、従来方法の前記した固化シリコンシートの破損とい
った欠陥を解消しようとするのが第1の目的である。さ
らに、当該凹溝条の幅長を横向鋳造路の厚さよりも小さ
くしておくことで、この凹溝条内へは、溶融シリコンが
その表面張力によって流入してしまうことのないように
し、このことにより固化シリコンシートである製品の表
面に凹凸が形成されるといったことのないようにしよう
とするのが、第2の目的である。
つ難点に鑑み、モールドノズルの横向鋳造路に沿って予
め凹溝条を所要複数だけ形成しておくことで、固化シリ
コンシートと横向鋳造路との接触面積を削減し、これに
よって、引き出し治具による引出力を小さくすること
で、従来方法の前記した固化シリコンシートの破損とい
った欠陥を解消しようとするのが第1の目的である。さ
らに、当該凹溝条の幅長を横向鋳造路の厚さよりも小さ
くしておくことで、この凹溝条内へは、溶融シリコンが
その表面張力によって流入してしまうことのないように
し、このことにより固化シリコンシートである製品の表
面に凹凸が形成されるといったことのないようにしよう
とするのが、第2の目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は所期の目的を達
成するため、不活性雰囲気内にあって、シリコン母材を
溶融した後、当該溶融シリコンに圧力をかけることで、
これを加温されたモールドノズル内へその注入口から連
続して送出することにより、当該溶融シリコンを、モー
ルドノズルの引出端口に当接させてある引き出し治具の
握持用端口内まで流入させた後、当該握持用端口内から
モールドノズルの引出端口寄りであって、前記注入口側
へ向け所要長だけ離間した固化領域までの溶融シリコン
が固結された時点で、前記溶融シリコンに圧力をかけな
がら、上記の引き出し治具を連続して引出することによ
り、上記モールドノズル内で固結した固化シリコンシー
トを、前記の引出端口から連続して引き出すようにした
キャストリボン法において、上記のモールドノズル内に
おける横向鋳造路の上面と下面の一方または双方に、固
化シリコンシートの引き出し方向に沿って複数の凹溝条
を形成しておき、溶融シリコンは横向鋳造路へ流入する
が凹溝条へはその表面張力によって流入しないように、
当該凹溝条の幅長を横向鋳造路の厚さよりも小さくして
おくことで、この凹溝条に溶融シリコンが流入しない状
態を保持しながら、固化シリコンシートを上記凹溝条の
凹設により形成された残置条面とのみ摺接させて前記引
き出し治具による引き出しが行われるようにしたことを
特徴とするキャストリボン法による多結晶シリコンシー
トの製造方法を提供しようとしている。
成するため、不活性雰囲気内にあって、シリコン母材を
溶融した後、当該溶融シリコンに圧力をかけることで、
これを加温されたモールドノズル内へその注入口から連
続して送出することにより、当該溶融シリコンを、モー
ルドノズルの引出端口に当接させてある引き出し治具の
握持用端口内まで流入させた後、当該握持用端口内から
モールドノズルの引出端口寄りであって、前記注入口側
へ向け所要長だけ離間した固化領域までの溶融シリコン
が固結された時点で、前記溶融シリコンに圧力をかけな
がら、上記の引き出し治具を連続して引出することによ
り、上記モールドノズル内で固結した固化シリコンシー
トを、前記の引出端口から連続して引き出すようにした
キャストリボン法において、上記のモールドノズル内に
おける横向鋳造路の上面と下面の一方または双方に、固
化シリコンシートの引き出し方向に沿って複数の凹溝条
を形成しておき、溶融シリコンは横向鋳造路へ流入する
が凹溝条へはその表面張力によって流入しないように、
当該凹溝条の幅長を横向鋳造路の厚さよりも小さくして
おくことで、この凹溝条に溶融シリコンが流入しない状
態を保持しながら、固化シリコンシートを上記凹溝条の
凹設により形成された残置条面とのみ摺接させて前記引
き出し治具による引き出しが行われるようにしたことを
特徴とするキャストリボン法による多結晶シリコンシー
トの製造方法を提供しようとしている。
【0013】
【作用】キャストリボン法により加圧供給された溶融シ
リコンが、モールドノズルから握持用端口内まで流入
し、次いで、溶融シリコンの先端側が固化シリコンシー
トとして固化したところで、引出し治具を引き出すこと
となるが、この際、モールドノズルの横向鋳造路に設け
た凹溝条の幅長が、当該横向鋳造路の厚さよりも小さく
形成してあることで、所定加圧で供給の溶融シリコンは
厚さの大なる横向鋳造路へ注入されるが、表面張力が大
であり、かつ粘性の小さい特性を有する溶融シリコン
は、幅長のより小さな凹溝条までの流入を阻止されるに
至り、この結果溶融シリコンの表面が平坦な状態を保持
し得ることになる。
リコンが、モールドノズルから握持用端口内まで流入
し、次いで、溶融シリコンの先端側が固化シリコンシー
トとして固化したところで、引出し治具を引き出すこと
となるが、この際、モールドノズルの横向鋳造路に設け
た凹溝条の幅長が、当該横向鋳造路の厚さよりも小さく
形成してあることで、所定加圧で供給の溶融シリコンは
厚さの大なる横向鋳造路へ注入されるが、表面張力が大
であり、かつ粘性の小さい特性を有する溶融シリコン
は、幅長のより小さな凹溝条までの流入を阻止されるに
至り、この結果溶融シリコンの表面が平坦な状態を保持
し得ることになる。
【0014】このようにして固化シリコンシートが引き
出されることにより、もちろん当該固化シリコンシート
は凹溝条と摺接せずに、凹溝条の凹設により形成された
残置条面とだけ接触することとなるから、固化シリコン
シートの引出に際しての剪断抵抗がそれだけ削減される
こととなり、小さな引出力によって固化シリコンシート
を引き出すことができ、大きな引出力の付与で、固化シ
リコンシートを破損してしまうといった問題を解消する
ことができる。
出されることにより、もちろん当該固化シリコンシート
は凹溝条と摺接せずに、凹溝条の凹設により形成された
残置条面とだけ接触することとなるから、固化シリコン
シートの引出に際しての剪断抵抗がそれだけ削減される
こととなり、小さな引出力によって固化シリコンシート
を引き出すことができ、大きな引出力の付与で、固化シ
リコンシートを破損してしまうといった問題を解消する
ことができる。
【0015】
【実施例】本発明に係る方法を、図1の(A)(B)に
示す製造装置を用いて実施する場合につき詳記すれば、
当該装置としては図2によって既に明示したものと略同
一構成のものを使用することができ、本発明に係る製造
装置にあっても、同一部材については同一符号をもって
示されており、相違する点は、モールドノズル5内にお
ける横向鋳造路6の上面6aと下面6bの一方または双
方に、固化シリコンシートMSiの引き出し方向に沿っ
て、所要複数の凹溝条6c、6dを形成したことであ
り、図示例では凹溝条6c、6dが互いに食い違いの配
置で凹設されており、従って、凹溝条6cの直下には、
凹溝条6dの凹設で形成された下面6bの残置条面6e
が設けられ、凹溝条6dの直上には、凹溝条6cの凹設
で形成された上面6aの残置条面6fが設けられてい
る。
示す製造装置を用いて実施する場合につき詳記すれば、
当該装置としては図2によって既に明示したものと略同
一構成のものを使用することができ、本発明に係る製造
装置にあっても、同一部材については同一符号をもって
示されており、相違する点は、モールドノズル5内にお
ける横向鋳造路6の上面6aと下面6bの一方または双
方に、固化シリコンシートMSiの引き出し方向に沿っ
て、所要複数の凹溝条6c、6dを形成したことであ
り、図示例では凹溝条6c、6dが互いに食い違いの配
置で凹設されており、従って、凹溝条6cの直下には、
凹溝条6dの凹設で形成された下面6bの残置条面6e
が設けられ、凹溝条6dの直上には、凹溝条6cの凹設
で形成された上面6aの残置条面6fが設けられてい
る。
【0016】そこで、本発明のキャストリボン法におい
ても、炉体1内の不活性雰囲気1a内にあって、シリコ
ン母材を溶融した後、シリコン溶融管3内の当該シリコ
ンSiに圧力をかけることで、これをヒータ4によって
加温されたモールドノズル5内へ連続して送出ことによ
り、この溶融シリコンSiを、モールドノズル5の引出
端口5eに当接させてある引き出し治具7の握持用端口
7a内まで流入させるのであり、さらに、当該握持用端
口7a内から、モールドノズル5の引出端口5e寄りで
あって、注入口5a側へ向け所要長だけ離間した固化領
域5fまでの溶融シリコンが固結された時点で、前記溶
融シリコンSiに圧力Pをかけながら、上記の引出し治
具7を連続して矢印D方向へ引出すことにより、上記モ
ールドノズル5内で固結した固化シリコンシートMSi
を、前記の引出端口5eから引き出すこととなる。
ても、炉体1内の不活性雰囲気1a内にあって、シリコ
ン母材を溶融した後、シリコン溶融管3内の当該シリコ
ンSiに圧力をかけることで、これをヒータ4によって
加温されたモールドノズル5内へ連続して送出ことによ
り、この溶融シリコンSiを、モールドノズル5の引出
端口5eに当接させてある引き出し治具7の握持用端口
7a内まで流入させるのであり、さらに、当該握持用端
口7a内から、モールドノズル5の引出端口5e寄りで
あって、注入口5a側へ向け所要長だけ離間した固化領
域5fまでの溶融シリコンが固結された時点で、前記溶
融シリコンSiに圧力Pをかけながら、上記の引出し治
具7を連続して矢印D方向へ引出すことにより、上記モ
ールドノズル5内で固結した固化シリコンシートMSi
を、前記の引出端口5eから引き出すこととなる。
【0017】ここで、本発明ではモールドノズル5に設
けた凹溝条6c、6dにつき、その幅長tを横向鋳造路
6の厚さTよりも小さく形成してあり、このようにする
ことで、厚さTの当該横向鋳造路6に、前記注入圧であ
る圧力Pにより流入して来た溶融シリコンSiが凹溝条
6c、6dに流入しようとしても、その幅長tはt<T
であることから、溶融シリコンSiの大きな表面張力と
粘性が小さいという特性からして、前記の圧力Pを必要
以上に大きくしない限り、当該流入は阻止され得ること
になる。従って、横向鋳造路6としてのキャビティ表面
には凹溝条6c、6dによる凹凸が存するにも拘らず溶
融シリコンSiの表面は平坦な状態を保有し得るのであ
る。ここで、凹溝条6c、6dの溝深については、モー
ルドノズル5の強度が所要程度以上に小さくならない限
り特に規制はなく、一具体例を示せば、T=0.5m
m、t=0.3mm、溝深0.1mm、溝ピッチP=
0.6mmであり、また、凹溝条6c、6dは横向鋳造
路6の長手方向全長にわたって凹設しても、部分的な形
成でも、分断状に設けるようにしてもよい。
けた凹溝条6c、6dにつき、その幅長tを横向鋳造路
6の厚さTよりも小さく形成してあり、このようにする
ことで、厚さTの当該横向鋳造路6に、前記注入圧であ
る圧力Pにより流入して来た溶融シリコンSiが凹溝条
6c、6dに流入しようとしても、その幅長tはt<T
であることから、溶融シリコンSiの大きな表面張力と
粘性が小さいという特性からして、前記の圧力Pを必要
以上に大きくしない限り、当該流入は阻止され得ること
になる。従って、横向鋳造路6としてのキャビティ表面
には凹溝条6c、6dによる凹凸が存するにも拘らず溶
融シリコンSiの表面は平坦な状態を保有し得るのであ
る。ここで、凹溝条6c、6dの溝深については、モー
ルドノズル5の強度が所要程度以上に小さくならない限
り特に規制はなく、一具体例を示せば、T=0.5m
m、t=0.3mm、溝深0.1mm、溝ピッチP=
0.6mmであり、また、凹溝条6c、6dは横向鋳造
路6の長手方向全長にわたって凹設しても、部分的な形
成でも、分断状に設けるようにしてもよい。
【0018】上記の如きモールドノズル5を用いること
により、前記のようにして溶融シリコンSiが横向鋳造
路6内から引き出し治具7に流入し、固化シリコンシー
トMSiを形成後、引き出し治具7を引き出すこととな
るが、この際、固化シリコンシートMSiは凹溝条6
c、6dと当接せず、残置条面6e、6fと摺接される
こととなるから、両者の接触面積が従来例に比し大幅に
削減され、この結果摺動に際しての前記剪断抵抗が小さ
くなり、引き出し治具7による引出力が小であっても、
充分に引き出せることとなって、製品である固化シリコ
ンシートMSiの前記の如き損傷問題が解消される。
により、前記のようにして溶融シリコンSiが横向鋳造
路6内から引き出し治具7に流入し、固化シリコンシー
トMSiを形成後、引き出し治具7を引き出すこととな
るが、この際、固化シリコンシートMSiは凹溝条6
c、6dと当接せず、残置条面6e、6fと摺接される
こととなるから、両者の接触面積が従来例に比し大幅に
削減され、この結果摺動に際しての前記剪断抵抗が小さ
くなり、引き出し治具7による引出力が小であっても、
充分に引き出せることとなって、製品である固化シリコ
ンシートMSiの前記の如き損傷問題が解消される。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上のようにして実施できるも
のであるから、キャストリボン法の実施に際し、モール
ドノズルの横向鋳造路に凹溝条を適切に凹設しておくこ
とによって、製品表面の平滑性を阻害することなしに、
引出力を低減することができ、このことによって、製品
の割れなどによる損傷発生率を大幅に低減でき、また、
モールドノズルに施したコーティングの寿命をも延ばす
ことが可能となる。
のであるから、キャストリボン法の実施に際し、モール
ドノズルの横向鋳造路に凹溝条を適切に凹設しておくこ
とによって、製品表面の平滑性を阻害することなしに、
引出力を低減することができ、このことによって、製品
の割れなどによる損傷発生率を大幅に低減でき、また、
モールドノズルに施したコーティングの寿命をも延ばす
ことが可能となる。
【図1】(A)は本発明に係る方法を実施するのに用い
られる製造装置の縦断正面説明図で、(B)は(A)の
B−B線拡大断面図である。
られる製造装置の縦断正面説明図で、(B)は(A)の
B−B線拡大断面図である。
【図2】従来のキャストリボン法を実施するのに用いら
れる製造装置の縦断正面説明図である。
れる製造装置の縦断正面説明図である。
【図3】図2の III−III 線拡大断面図である。
【図4】従来のリボン法による多結晶シリコンシート製
造装置を示す縦断正面説明図である。
造装置を示す縦断正面説明図である。
1a 不活性雰囲気 5 モールドノズル5a 注入口 5e 引出端口5f 固化領域 6 横向鋳造路 6a 上面 6b 下面 6c 凹溝条 6d 凹溝条 6e 残置条面 6f 残置条面 7 引き出し治具 7a 握持用端口 MSi 固化シリコンシート P 圧力 Si 溶融シリコン t 凹溝条の幅長 T 横向鋳造路の厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 智哉 札幌市白石区菊水5条2丁目3番17号 株式会社ほくさん ほくさん研究所内 (72)発明者 森谷 敏明 札幌市白石区菊水5条2丁目3番17号 株式会社ほくさん ほくさん研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/02 - 33/039 C30B 28/10 C30B 29/06
Claims (1)
- 【請求項1】 不活性雰囲気内にあって、シリコン母材
を溶融した後、当該溶融シリコンに圧力をかけること
で、これを加温されたモールドノズル内へその注入口か
ら連続して送出することにより、当該溶融シリコンを、
モールドノズルの引出端口に当接させてある引き出し治
具の握持用端口内まで流入させた後、当該握持用端口内
からモールドノズルの引出端口寄りであって、前記注入
口側へ向け所要長だけ離間した固化領域までの溶融シリ
コンが固結された時点で、前記溶融シリコンに圧力をか
けながら、上記の引き出し治具を連続して引出すること
により、上記モールドノズル内で固結した固化シリコン
シートを、前記の引出端口から連続して引き出すように
したキャストリボン法において、上記のモールドノズル
内における横向鋳造路の上面と下面の一方または双方
に、固化シリコンシートの引き出し方向に沿って複数の
凹溝条を形成しておき、溶融シリコンは横向鋳造路へ流
入するが凹溝条へはその表面張力によって流入しないよ
うに、当該凹溝条の幅長を横向鋳造路の厚さよりも小さ
くしておくことで、この凹溝条に溶融シリコンが流入し
ない状態を保持しながら、固化シリコンシートを上記凹
溝条の凹設により形成された残置条面とのみ摺接させて
前記引き出し治具による引き出しが行われるようにした
ことを特徴とするキャストリボン法による多結晶シリコ
ンシートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03200025A JP3087188B2 (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | キャストリボン法による多結晶シリコンシートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03200025A JP3087188B2 (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | キャストリボン法による多結晶シリコンシートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0524981A JPH0524981A (ja) | 1993-02-02 |
JP3087188B2 true JP3087188B2 (ja) | 2000-09-11 |
Family
ID=16417565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03200025A Expired - Fee Related JP3087188B2 (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | キャストリボン法による多結晶シリコンシートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3087188B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL1030285C2 (nl) * | 2005-10-27 | 2007-05-01 | Rgs Dev B V | Werkwijze en inrichting voor het fabriceren van metalen folies met een patroon. |
KR100967519B1 (ko) * | 2008-05-09 | 2010-07-07 | 고려대학교 산학협력단 | 실리콘 리본 제조 방법 및 이를 이용하여 제조된 실리콘리본 |
US7998224B2 (en) * | 2008-10-21 | 2011-08-16 | Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. | Removal of a sheet from a production apparatus |
-
1991
- 1991-07-15 JP JP03200025A patent/JP3087188B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0524981A (ja) | 1993-02-02 |
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