JP3087067U - ゴルフクラブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】個々のプレーヤーの打癖等に応じて、飛球特性
を容易に調節出来、初心者でも、ゴルフの醍醐味を手軽
に満喫出来ると共に、熟練プレーヤーは、自身に最適な
飛球特性に調整して競技に臨むことの出来るゴルフクラ
ブを提供する。 【解決手段】ヘッドのフェース２ａのインパクトエリア
に凹み３を設け、この凹みの開口面を塞ぐ様に遊嵌させ
たインパクト板４の背面側を、ばね材により支持させた
ことを特徴とする。ばね材としては、任意の形状のゴム
様弾性体、金属製の板ばね乃至はコイルばね等を用い
る。そして、ばね材のばね定数を可変ならしめる、ばね
常数調節手段を付設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、個々のプレーヤーの打ち癖等に応じて、ヘッドの反撥弾性、及びシ ャフトの軸方向に対する、打球面の向きを微妙に変えられて、飛距離や飛球方向 を思い通りにコントロールし易くしたゴルフクラブに関する。

【０００２】

【従来の技術】

公認のゴルフコースで、正式に競技を行う場合には、競技に使うゴルフクラブ は、ゴルフ協会の規定に適合した構造を備えていなければならない。 もっとも、主としてグリーン上で使用するパターに関しては、上記の規定内容 は幾分緩やかである。

【０００３】 ところで、スゥイングの的確な技は、一朝一夕にして身に付くものではなく、 殊に初心者の場合、仲々思い通りには打てない為に、折角の余暇を楽しむつもり だったのが、感興をそがれたままプレーを終える羽目に陥り勝ちだった。

【０００４】 一方、熟練プレーヤーにとっては、打ち癖等を考慮に入れて、自身に最適な打 球特性に調整可能で、且つ、競技規定に抵触する恐れのない形態を備えたゴルフ クラブが開発されれば、理想的である。

【０００５】 そこで、本考案の目的は、個々のプレーヤーが、自身の打ち癖等を考慮に入れ ながら、手持ちのゴルフクラブの、云わば“飛球癖”を微妙に矯正することが出 来て、打球のコントロールを容易・的確に行える様になると共に、工夫を凝らす 楽しみも味わえ、初歩のプレーヤーにとっては、充実した休日を過ごせると共に 、熟練プレーヤーにとっても、最良の打球特性に調整した状態で、競技に臨むこ との出来るゴルフクラブを提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成する為の、本考案によるゴルフクラブは、 ヘッドのフェースのインパクトエリアに凹みを設け、打球面となるインパクト 板を、凹みの開口面を塞ぐ様にして遊嵌させ、このインパクト板の背面側をばね 材により支持させると共に、ばね材のばね定数乃至は反撥弾性を可変ならしめる ばね常数調節手段を付設したことを特徴とする。 ばね材としては、任意の形状を備えたゴム様弾性体、金属製の板ばね乃至はコ イルばね等を用いるとよい。 そして、ばね常数調節手段は、ヘッドを前後方向に貫通する遊嵌孔に差し込ん だボルトと、ボルトの先端を螺じ込ませる為に、インパクト板に設けた螺孔との 組合わせから成り、 インパクト板と凹みの底面との間に挟み込んだばね材の圧縮度合いを、ボルト を左右に回転させることにより、任意に調節出来る様に構成するとよい。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案の第１実施例に就いて、図１〜図３を参照しながら説明する。 本考案を適用するに最も適したゴルフクラブの種類は、グリーン上で使用する パターである。 パターに求められる機能は、飛距離を伸ばすことよりも、打球方向及び飛距離 の正確なコントロールのし易さにあるからである。

【０００８】 この実施例のゴルフクラブＡ１は、その要部の斜視図としての図１に示した様 に、シャフト１の先端に取付けたヘッド２ のフェース２ａの、インパクトエリ アに、図２に示した様に凹み３を設け、その開口面を塞ぐインパクト板４を、フ ェース２ａと面一状に遊嵌させている。 このインパクト板４は、ヘッド１の打球面を構成する部材となる。

【０００９】 この実施例の凹み３は、ほぼ直方体状に形成している。 凹み３の周壁には、図２に示した様に、インパクト板４の周縁部を受け止める 為の、段差個所３ａを周設している。 段差個所３ａの深さは、インパクト板４の厚みより、幾分深くしている。 又、インパクト板４の外周側面は、段差個所３ａに向けて次第にすぼまるテー パー面としている。

【００１０】 凹み３の底面には、図２，図３に示した様に、その左右方向に所定間隔を隔て た２個所に、ヘッド２の背面側に達する遊嵌孔５を貫通状に設けている。 遊嵌孔５には、ボルト６が、ヘッド２の背面側から、凹み３内に向けて挿通さ れる。 この遊嵌孔５は、その背面側の所定長さ部分を、ボルト頭と干渉しない様に径 大にすると共に、ボルト頭の受座５ａを設けている。

【００１１】 一方、凹み３の開口面に嵌め込まれるインパクト板４には、図２に示した様に 、遊嵌孔５から突出した両ボルト６，６の先端と対向する夫々の個所に、ボルト ６の先端を螺じ込ませる為の、インパクト板４の表面側迄は達しない深さの螺孔 ７を設けている。

【００１２】 凹み３内の底面には、ばね材としての、ゴム製のリング状パッキン（Ｏリング の類）８を、図３に示した様に、凹み３の周壁面に沿わせた状態で嵌め込んでい る。リング状パッキン８は、必要に応じて、接着剤を使う等して、凹み３内に固 定させてもよい。 リング状パッキン８の厚み寸法は、図２に示した様に、その頂面が、凹み３に 設けた段差個所３ａの段差面から幾分突出する様に決定している。

【００１３】 リング状パッキン８は、図２に示した様に、ヘッド２を組立て終えた状態で、 凹み３の底面と、インパクト板４との間で挟み付けられた状態になる。 その為、このリング状パッキン８は、ボルト６の締付け加減を変えることによ って、その反撥弾性乃至はばね定数を、任意に変えることが出来る（ばね定数調 節手段）。

【００１４】 次に、パターとして作られたゴルフクラブＡ１の、使い方に就いて説明する。 ゴルフクラブＡ１の出荷時には、インパクト板４の表面が、ベッド２のフェー ス２ａに対して面一になる様に、両ボルト６，６の螺込加減が調整されている。

【００１５】 プレーヤーが、殊に、初心者の場合には、そのスゥイング姿勢の癖等も影響し て、飛球方向及び飛距離を、仲々思い通りにコントロール出来ないのが一般であ る。 その様な時には、２本のボルト６，６のいずれか一方を、締め付けたり、逆に 緩めることによって、インパクト板４の表面を、フェース２ａに対して、左右方 向に微妙に傾けさせることが出来る。

【００１６】 この様な、微調整操作を、試行錯誤的に行うことによって、１本１本のゴルフ クラブＡ１の夫々に固有の、“飛球癖”を、プレーヤーの思いのままに矯正する ことが出来る。

【００１７】 又、購入したゴルフクラブＡ１が、ボールを飛ばし過ぎたり、逆に、飛距離が 伸び難い特性を持っていると思われた時には、２本のナット６，６の夫々を均等 に、緩めたり、逆に螺じ込むことによって、リング状パッキン９の反撥弾性、従 って、ヘッド２の弾撥特性を任意に調節することが出来る。

【００１８】 その場合に、ナット６の締め加減によって、インパクト板４の表面が、フェー ス２ａ面に対して極くわずかではあるが、引っ込んだり、出っ張ったりするので 、インパクト板４の周縁部に段差が生ずる。 その為、特に初心者の場合、打球が段差個所に当たると、飛球方向が大きく外 れることによって、打球位置がスゥイートスポット（真芯）からかなりそれてい たことを、容易に知ることが出来る。

【００１９】 尚、上述の如くして、打球特性を最適な状態に調整したゴルフクラブＡ１を、 公式競技に使う場合に、ヘッド２の外形が、競技規定に抵触する懸念を無くす為 に、フェイス２ａに適宜の線刻模様を施したり、ヘッド２の背面側に、着脱自在 のカバーを嵌着させる等するとよい。

【００２０】 次に、図４に、本考案による第２実施例のゴルフクラブＡ２の、ヘッド２の部 分縦断面を示した。 このゴルフクラブＡ２は、ばね材として、皿ばね１１を用い、その中心孔１１ ａにボルト６を挿通させている。 皿ばね１１のばね定数は、ボルト６の螺込加減によって、任意に変えることが 出来る。

【００２１】 次に、図５は、本考案による第３実施例のゴルフクラブＡ３の、ヘッド２の部 分縦断面図である。 このゴルフクラブＡ３は、ばね材として板ばね１２を用いている。１２ａは、 ボルト６を通す中心孔である。 板ばね１２の、ばね定数調節手段の構成は、第２実施例のそれと同様である。 １３は、遊嵌孔５の開口部を塞ぐ、ゴム製キャップである。

【００２２】

【考案の効果】

以上の説明によって明らかな様に、本考案による、主としてパター用のゴルフ クラブは、以下に列挙した如き、実用上の優れた効果を奏する。 （ａ）個々のプレーヤーの打ち癖や、好みに応じて、ヘッドのインパクトエリ アの反撥弾性を、微妙に乃至は幅広く変えられる。 （ｂ）更に、インパクトエリアを、フェース面に対して左右方向に微妙に傾け て、飛球方向をコントロールすることも出来る。 （ｃ）打球位置が、スィートスポットから外れた場合には、ボールが、インパ クト板の周縁部に生じた僅かな段差個所に当たることによって、飛球方向が大き く逸らされるので、殊に、初心者の場合、ミス打ちを容易に確認出来る。 （ｄ）その為、気軽に余暇を楽しみたい時には、打球方向及び飛距離のコント ロールが容易になって、ゴルフの醍醐味をより満喫し易くなる。 （ｅ）又、熟練プレーヤーが、公式競技に出場する場合には、打球特性を自身 に最適な状態に調整したゴルフクラブを持って、競技に臨むことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるゴルフクラブの第１実施例を示す
もので、パターのヘッド部分の斜視図である。

【図２】同上、ヘッド部分の横断面図である。

【図３】同上、インパクト板を外した状態で示す、ヘッ
ド部分の正面図である。

【図４】本考案によるゴルフクラブの第２実施例を示す
もので、ヘッド部分の縦断面図及びばね材の平面図であ
る。

【図５】本考案によるゴルフクラブの第３実施例を示
す、図４相当図である。

【符号の説明】

Ａ１〜Ａ３ ゴルフクラブ １ シャフト ２ ヘッド ２ａ フェース ３ 凹み ３ａ 段差個所 ４ インパクト板 ５ 遊嵌孔 ５ａ 受座 ６ ボルト ７ 螺孔 ８ リング状パッキン（ばね材） １１ 皿ばね（ばね材） １１ａ 中心孔 １２ 板ばね（ばね材） １２ａ 中心孔 １３ ゴム製キャップ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヘッドのフェースのインパクトエリアに
   凹みを設け、打球面となるインパクト板を、凹みの開口
   面を塞ぐ様にして遊嵌させ、このインパクト板の背面側
   をばね材により支持させると共に、ばね材のばね定数乃
   至は反撥弾性を可変ならしめるばね常数調節手段を付設
   したことを特徴とするゴルフクラブ。
2. 【請求項２】 ばね材は、任意の形状を備えたゴム様弾
   性体、金属製の板ばね乃至はコイルばねであることを特
   徴とする請求項１記載のゴルフクラブ。
3. 【請求項３】 ばね常数調節手段は、ヘッドを前後方向
   に貫通する遊嵌孔に差し込んだボルトと、ボルトの先端
   を螺じ込ませる為に、インパクト板に設けた螺孔との組
   合わせから成り、 インパクト板と凹みの底面との間に挟み込んだばね材の
   圧縮度合いを、ボルトを左右に回転させることにより、
   任意に調節出来る様にしたことを特徴とする請求項１記
   載のゴルフクラブ。