JP3085812B2 - 石炭ガス化炉の溶融灰付着防止装置 - Google Patents

石炭ガス化炉の溶融灰付着防止装置

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JP3085812B2 JP05019984A JP1998493A JP3085812B2 JP 3085812 B2 JP3085812 B2 JP 3085812B2 JP 05019984 A JP05019984 A JP 05019984A JP 1998493 A JP1998493 A JP 1998493A JP 3085812 B2 JP3085812 B2 JP 3085812B2
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敏之 竹川
君代 徳田
智規 小山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭を原料とする加圧
噴流床ガス化炉の炉壁に溶融灰が付着,成長するのを防
止する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の加圧二段噴流床石炭ガス化
炉の一例を示す系統図である。また図4は上記従来のガ
ス化炉の炉壁を拡大して示す図であって、(a)は正面
図,(b)は水平断面図,(c)は縦断側面図である。
【0003】まず図3において、(1)はガス化炉圧力
容器,(2)はガス化炉本体であって,このガス化炉本
体(2)は高温燃焼部(2A),ディフューザ部(2
B)およびガス化反応部(2C)に区分される。(3)
はガス化炉本体(2)の炉壁を構成する伝熱管(蒸発
管)のヘッダ,(4)はサイクロン等の除塵装置であ
る。また(5)は高温燃焼部(2A)で溶融灰となり炉
壁に捕捉されて流下する液状スラグを、(6)は燃焼部
炉壁に捕捉されなかった飛散溶融灰粒子を、また(7)
は炉壁に付着した溶融あるいは半溶融状態のスラグをそ
れぞれ示す。また白抜矢印は石炭生成ガスの流れを、破
線矢印は石炭生成ガス中に含まれる飛散溶融灰粒子がガ
ス化反応部(2C)の炉壁へ向かう流れを示す。
【0004】次に図4において、(8)は並行して配さ
れた複数の伝熱管(蒸発管),(9)はそれら伝熱管
(8)を互いに連結するフィンであって、これら伝熱管
(8)とフィン(9)とによって、前記ガス化炉本体
(2)の炉壁が構成されている。
【0005】このような石炭ガス化炉の高温燃焼部(2
A)に石炭と空気,ディフューザ部(2B)に石炭と搬
送用空気を供給する。また除塵装置(4)で捕集された
チャーを高温燃焼部(2A)に戻す。そうすると、高温
燃焼部(2A)では石炭,チャーの燃焼と灰の溶融排
出,ディフューザ部(2B)では石炭の熱分解とガスの
完全な混合がなされ,ガス化反応部(2C)でチャーの
ガス化とガスの冷却がなされる。石炭の熱分解によって
生じた可燃性のガスは、ガス化反応部(2C)の上端か
ら炉外に取出され、除塵装置(4)を経て図示しないガ
スタービン等へ供給される。また炉壁を構成する伝熱管
(8)内では、給水が加熱されて蒸発し、蒸気として取
出される。
【0006】一方、石炭に含まれていた灰分は、高温燃
焼部(2A)で溶融して炉壁面で捕捉され、溶融スラグ
として高温燃焼部(2A)の底部から排出される。しか
し高温燃焼部で溶融灰をすべて捕捉することはできない
ので、一部はガス化反応部(2C)へ飛散することにな
る。ガス化反応部(2C)ではガス化反応の進行ととも
にガス温度が徐々に低下するが、ガスに同伴された溶融
灰粒子の温度はガス温度以下には低下できず、ガス化反
応部の高温ガス領域(ガス温度が1200〜1400℃
相当)では、灰粒子は溶融状態あるいは半溶融状態にあ
る。これが高温の炉壁面に衝突すると、壁面表面温度と
灰粒子温度との差が小さいため、灰粒子が壁面に付着し
たり、あるいは灰粒子同士が合体付着したりする。そし
てその付着力が強いため、灰粒子が次々と付着層へ飛び
込んできて成長することになる。
【0007】この状況を示す高温伝熱管炉壁部の温度分
布例を図5(a)に示す。伝熱管(8)には高圧飽和水
あるいは飽和蒸気が流れているため、その伝熱管壁近傍
の温度分布は図に示すように、伝熱管表面からその近傍
付近の温度が500℃以上と高い。したがって伝熱管近
傍では灰粒子が一部溶融化して付着力の強いスラグ層と
なるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】石炭には鉱物質いわゆ
る灰を含むので、石炭を燃料とする反応機器においては
反応後に残る灰の処理方法が重要なポイントとなる。一
般に石炭灰はAl2 3,SiO3 ,CaO等で構成さ
れる鉱物質酸化物であって、これら構成物質の割合によ
り灰の軟化温度,溶融温度が異なるので、反応機器(火
炉等)の設計に当ってはこれに配慮する必要がある。い
ずれにしても火炉内の高温ガス雰囲気中では、石炭灰は
溶融液状化して溶融灰粒子となる。そしてガス温度の低
下とともに冷却固化し灰粒子(ボイラではいわゆるフラ
イアッシュ)として回収されるが、一部は溶融あるいは
半溶融状態で火炉壁に衝突して付着・成長(いわゆるス
ラッギング)し、伝熱を阻害するだけでなく、運転継続
上問題となることがある。
【0009】このため通常のボイラでは、付着・成長し
たスラッギング灰を定期的に除去する装置,デスラッガ
等を設置している。これは水,蒸気等を炉壁から噴射し
て付着スラグを除去するものである。ボイラの場合、基
本的には蒸発器であるから必要な伝熱が確保されれば良
く、多少の水,蒸気を炉内へ噴射しても問題はない。又
ボイラは常圧炉であるからこの対策は容易である。
【0010】石炭ガス化炉においても、高温燃焼部(2
A)で発生する溶融灰粒子がガス化反応部(2C)を構
成する伝熱管に付着・成長する現象は避けられず、これ
がガス化炉運転上の障害となる。ところがガス化炉の場
合は、石炭生成ガスを得ることが目的であるから、ボイ
ラのように水・蒸気等の不活性媒体を炉内に噴射する
と、石炭生成ガスの性状が低下(例えば生成ガスの発熱
量が低下)し、これを燃料とするガスタービンの効率も
低下する。したがってガス化炉では、ボイラ等のスラッ
ギング対策として使用されているデスラッガは好ましく
ない。また、高圧ガス化炉の場合常圧炉におけるデスラ
ッガ等の対策を実行するのは容易でない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の課
題を解決するために、並行して配された複数の伝熱管と
同複数の伝熱管を連結するフィンとで炉壁が構成され、
高温燃焼部,ディフューザ部およびガス化反応部を有す
る石炭ガス化炉において、上記伝熱管のうち上記ガス化
炉反応部の一部領域の炉壁を構成する伝熱管部分に低温
の冷却水を流すとともに、同伝熱管部分を連結するフィ
ンに複数の小孔を設け、それら小孔から炉内に低温の石
炭ガスを噴出させるようにしたことを特徴とする石炭ガ
ス化炉の溶融灰付着防止装置を提案するものである。
【0012】
【作用】本発明においては、ガス化反応部の一部領域の
炉壁を構成する伝熱管部分に低温の冷却水を流すので、
その部分の伝熱管とそれらを連結するフィンが低温に冷
却され、その部分の表面に付着したスラグは固化し、溶
融灰ではなく付着力の弱い灰粒子となる。そこで、フィ
ンに設けられた複数の小孔から低温の石炭ガスを噴射す
ると、その噴出力により上記灰粒子群を除去することが
できる。
【0013】
【実施例】図1は本発明の一実施例が適用された加圧二
段噴流床石炭ガス化炉を示す系統図である。また図2は
上記ガス化炉のガス化反応部の一部の炉壁を拡大して示
す図であって、(a)は正面図,(b)は水平断面図,
(c)は縦断側面図である。これらの図において、前記
図3および図4により説明した従来のものと同様の部分
については、冗長になるのを避けるため、同一の符号を
付け詳しい説明を省く。
【0014】本実施例においては、ガス化反応部(2
C)の下部領域の炉壁を構成する伝熱管が他の炉壁部分
を構成する伝熱管(蒸発管)と別系統になっている。図
1の符号(13)および図2の符号(18)は、その別
系統の伝熱管のヘッダおよび伝熱管自体をそれぞれ示
す。そしてこの伝熱管(18)にはヘッダ(13)を経
て低温の冷却水が流れるようになっている。図1中一点
鎖線は低温冷却水の流れを示す。
【0015】本実施例ではまた、図2に示されるよう
に、伝熱管(低温冷却水管)(18)を連結するフィン
(19)に直径4〜5mmの多数の小孔(21)が開け
られ、炉壁裏面(炉外側)には風箱(22)が設けられ
ている。そしてその風箱(22)には、図1に示される
ように、除塵装置(4)出口の石炭生成ガスの一部が、
ガス冷却器(31)で冷却された後、昇圧器(32)で
加圧されて導入管(23)を経て供給され、上記多数の
小孔(21)から炉内に噴出されるようになっている。
図1中二点鎖線は低温石炭ガスの流れを示す。
【0016】このような装置において、100℃以下に
コントロールされた冷却水を低温冷却水管(18)に流
すと、低温冷却水管(18)およびフィン(19)の表
面温度は150〜200℃に冷却される。その結果、低
温冷却水管(18)近傍の温度分布は、従来約500℃
以上であったものが、本実施例では図5(b)に示すよ
うに低くなるので、管近傍に付着したスラグ(17)
は、個々の溶融灰粒子が冷却固化した灰粒子で形成され
る。また灰粒子同士も、基本的には冷却固化した灰粒子
であるため、付着力の弱い灰粒子群となる。すなわち、
伝熱管表面から数mm厚さまでの領域では付着力の弱い
スラグ層が生じ、この層の上に付着力の強い厚さ200
〜400mmのスラグ層が形成される。スラグ層全体の
厚さは、伝熱管表面とガス温度の間の温度勾配によって
定まり、温度勾配が緩やかな程、厚くなる傾向になる。
したがって、管表面近傍の付着力の弱い灰粒子群に小孔
(21)から低温冷却ガスを連続的にあるいは周期的に
10m/s以上の流速で噴射すると、灰粒子群をその噴
出力により除去することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明においては、ガス化反応部の一部
領域の炉壁を低温冷却水管としたので、その低温冷却水
管の近傍あるいは表面に飛散してくる溶融灰粒子が冷却
され、固化して、冷却管表面への付着力が低下する。そ
して、その部分のフィンに複数個開けられた小孔から低
温の石炭生成ガスを噴射するので、付着した灰粒子が吹
き飛ばされ除去される。
【0018】噴射ガスには上記のとおり石炭生成ガスが
使用されるので、石炭ガス化性能(石炭生成ガスの発熱
量)は低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例が適用された加圧二段
噴流床石炭ガス化炉を示す系統図である。
【図2】図2は上記ガス化炉のガス化反応部の一部の炉
壁を拡大して示す図であって、(a)は正面図,(b)
は水平断面図,(c)は縦断側面図である。
【図3】図3は従来の加圧二段噴流床石炭ガス化炉の一
例を示す系統図である。
【図4】図4は上記従来のガス化炉の炉壁を拡大して示
す図であって、(a)は正面図,(b)は水平断面図,
(c)は縦断側面図である。
【図5】図5は従来のガス化炉と本発明とにおける炉壁
近傍の温度分布を比較して示す図である。
【符号の説明】
(1) ガス化炉圧力容器 (2) ガス化炉本体 (2A) 高温燃焼部 (2B) ディフューザ部 (2C) ガス化反応部 (3) 伝熱管(蒸発管)のヘッダ (4) 除塵装置 (5) 液状スラグ (6) 飛散溶融灰粒子 (7) 付着溶融スラグ (8) 伝熱管(蒸発管) (9) フィン (13) 伝熱管(低温冷却水管)のヘッダ (17) 付着スラグ粒子 (18) 伝熱管(低温冷却水管) (19) フィン (21) 小孔 (22) 風箱 (23) 導入管 (31) ガス冷却器 (32) 昇圧器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 文也 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三菱重工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−136371(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10J 3/46 C10J 3/52 - 3/56

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 並行して配された複数の伝熱管と同複数
    の伝熱管を連結するフィンとで炉壁が構成され、高温燃
    焼部,ディフューザ部およびガス化反応部を有する石炭
    ガス化炉において、上記伝熱管のうち上記ガス化炉反応
    部の一部領域の炉壁を構成する伝熱管部分に低温の冷却
    水を流すとともに、同伝熱管部分を連結するフィンに複
    数の小孔を設け、それら小孔から炉内に低温の石炭ガス
    を噴出させるようにしたことを特徴とする石炭ガス化炉
    の溶融灰付着防止装置。
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