JP3085663U - マリンスポーツ靴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本考案は、ワンタッチでしっかりと足に固定す
ることが出来る緊締具を設けかつ運動性に優れたマリン
スポーツ靴を課題とする。 【解決手段】側面周囲に保護シート(２)を密着結合し
た、ネオプレンゴム等の耐水シート(１１)で構成された
マリンスポーツ靴(１)であって、ベルト又は靴紐等の緊
締具(３)を靴表面に設け、前記緊締具(３)は少なくとも
靴の踵部(１２５)もしくは縁側部(１２４)もしくは側部
(１２３)の二点又は多点に接続した左右の緊締支持部
(３２)を締め付けるように設けていることを特徴として
いる。又前記緊締具(３)である靴紐を保持収納する収納
部(４)として収納フラップ(４１)とフラップファスナー
(４２)を備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、サーフィン、ウインドサーフィン、ダイビング、ボードセイリング、 ヨット、釣り、渓流遊び、カヌー、等において使用される靴で、しっかりと足に 固定することが出来る緊締具を設けたマリンスポーツ靴に関するものである。

【０００２】 特に本考案は、サーフィン、ウインドサーフィンなどボード上での動作が安全に 行なえ、高度なパフォーマンスや優れた運動性を求められているプロサーファー やウインドサーフィンプレイヤー向きのマリンスポーツ靴に関するものである。

【０００３】

【従来の技術】

はじめに従来にあっては靴を緊締する手段としては、靴平面の甲部の開口を靴紐 及び両開口縁に設けられた鳩目もしくはフックなどにて緊締するものなどがよく 知られている。また開口縁に、ベルトの一端を固着し、ベルトの他端を、対向す る開口縁に設けた媒介リングを支点に反転折り返し、かつ折り返し側の開口と前 記ベルトの折り返し部の裏面に雌雄の異なる面ファスナーを設けて、前記バンド が着脱自在となるように構成した靴は多数存在した。

【０００４】 またマリンスポーツ靴を着用する際は、脱靴しないように靴平面の甲部を種々の 方法で緊締し、特に激しい運動量を伴うスポーツにおいては確実に甲部を緊締す る方法として靴紐を用いたものが圧倒的に多く用いられているが、甲部を靴紐で 緊締する場合、靴紐の長さに余裕がないと結ぶことが困難であるため靴紐の長さ には遊びを持たしておくのが通常である。

【０００５】 更にネオプレンゴムは断熱性や耐水性に優れた素材であり、近時ウォータースポ ーツ靴の好素材として利用されているが、そのままでは素材の性質上衝撃や摩擦 に耐えられない構造になっており、補強部品として靴平面や靴底面、特につま先 部、踵部、を補強することが必要であり、靴本体の素材よりも衝撃や磨耗に耐え うる保護シートを甲部や踵部など靴平面の一部及び靴底面を貼付加工を施して作 製されるのが一般である。この貼付加工には、マリンスポーツ靴の強度が向上す る利点がある。 これら従来の技術はマリンスポーツ靴を甲部の開口において靴紐もしくは面ファ スナー付きベルトを用いて緊締するように構成されていたものである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前記のような従来例にあっては、まず足の中心近傍からつま先にかけ ては確かにしっかりと靴を密着させることができるものの激しい運動量を伴った 場合の靴内部におけるずれを適切に補正するまでには至らず、更に足後部踵部に 関しては緊締による効果が弱く、マリンスポーツ特にサーフィン、ウインドサー フィンなど足の裏全体でバランスをとる必要性が高い、激烈なそして高度の安全 性、安定性を求められるスポーツに関してみると靴を緊締する手段としては十分 な工夫と自由性が足りずいずれの先願公知技術ももう一歩である。

【０００７】 更にマリンスポーツ靴は緊締に靴紐が使われることが圧倒的に多いが、緊締後の 靴紐の残部を自らの足で踏み、次第に靴紐が緩み脱げることがあり、転んで怪我 をすることもある。 また海、川、湖など非常に危険な環境下では、主としてマリンスポーツにおいて ウインドサーフィンボードなど器具が使用されることが想定され、これらマリン スポーツ器具に靴紐がからみ結果的に大事故となる危険性をはらんでおり、これ を未然に防止する必要がある。 さらにマリンスポーツのレジャー性、ファッション性という面から見ると、足元 をすっきりすることができものならば商業的にも有用であり、この点の解決にお いても先願公知技術群はもう一歩である。

【０００８】 最後に、安全性、運動性を満たすための大前提として、マリンスポーツ靴の接地 面におけるフィット感、安定性、運動性を考慮しなければならないことは明らか である。接地面の安定性、運動性なくしてマリンスポーツ靴の上記問題も解決し 得ないからである。 以上本考案は上記の従来例の課題に鑑みて考案したものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、まず緊締部としてベルト採用することを前提に本考 案のマリンスポーツ靴は、その後部踵部にまで緊締の効果を及ぼすため、靴平面 の踵部近傍から縁側部の土踏まず近傍まで非伸縮性の二点型支持部を架橋し、こ れに面ファスナー付きベルトを媒介リングを通して連結することにより後部踵部 分にまで緊締の効果を及ぼし得る構成にしたものであり、次に、緊締部として靴 紐採用することを前提に、前記と同様の効果のため、踵面を要部とし広く靴平面 との接点を設けた多点型支持部を設けやはり後部までしっかりと緊締の効果を及 ぼし、加えて靴平面の側部に靴紐を挟着する収納部を設け靴紐残部を原因とする 靴紐の緩みを防いだ構成にしたものである。 緊締部は、踵面や靴の側面の多点に連結された支持部を締め付けるように作用し て靴底のフィットを確実なものとして、マリンスポーツ靴の接地面の安定性、運 動性を優れたものとしている。

【００１０】 ここに本考案は、周囲に保護シートを密着結合した、ネオプレンゴム等の耐水シ ートで構成されたマリンスポーツ靴であって、面ファスナー付きベルト又は靴紐 等の緊締具を靴平面に設け、前記緊締具は靴の踵部もしくは縁側部もしくは側部 の二点又は多点に接続した左右の緊締支持部を締め付けるように設けてなるマリ ンスポーツ靴を提案する。

【００１１】 この構成で、緊締支持部を介して踵部まで緊締効果を及ぼし得るように締め付け ることができるものである。 靴紐による緊締による場合は、その靴紐残部を収納部にしっかりと挟着し収束で きる構成も提案する。

【００１２】 本考案のマリンスポーツ靴においては、靴底面を薄いゴムシート素材で作成し、 そして変形容易なしかも強度のある補強部材である保護シートを少なくとも靴の 側周囲に備え、その保護シートを靴底面の周縁に被せて接着し、保護シートの適 宜な個所に緊締支持部の根元を固着し接続している。 前記保護シートは、少なくとも耐磨耗性もしくは粘性もしくは緩衝性のひとつを 有する弾性を備え、適宜個所に切れ目を設けて運動性を高めた構成である。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下本考案に係るマリンスポーツ靴の実施の一形態を図面に基づいて説明する。

【００１４】 図１は緊締具（３）として面ファスナー付きベルト（３１１）を用いたマリンス ポーツ靴（１）を前方横から眺めた一部切開斜視図である。 マリンスポーツ靴(１)の甲被を含む靴平面(１２)において、前記緊締具(３)であ る面ファスナー付きベルト(３１１)を、靴の踵部(１２５)と縁側部(１２４)の二 点に接続した左右の緊締支持部(３２)である二点型支持部(３２１)に取り付けら れた左右の媒介リング(３２２)に通して靴平面(１２)の甲部(１２２)をしっかり と結合した状態を示すものである。

【００１５】 本図では、マリンスポーツ靴(１)内部のつま先部(１２１)に設けられた指止め片 (１５)を直視できるようにするため、靴前部の一部を切り取って開いた状態を示 している。その靴内部に存する指止め片は、靴内の滑り止め機能をもち、指止め 片(１５)を足の親指と人差し指でしっかり挟み込みできるようになっている。

【００１６】 二点型支持部(３２１)は、非伸縮帯で、踵部(１２５)と縁側部(１２４)の土踏ま ず近傍にあたる根元二点のみを架橋に連結し、半回転ひねりを加えて靴側面に平 坦に位置させたものである。二点型支持部(３２１)には媒介リング(３２２)が移 動自在に取付けられている。 面ファスナー付きベルト(３１１)を締め付けると甲部(１２２)、踵部(１２５)及 び縁側部(１２４)を均等に緊締力が及ぶので、足全体をしっかりと固定できる。

【００１７】 図２はマリンスポーツ靴(１)の靴平面(１２)において二点型支持部(３２１)に取 り付けられた左右の媒介リング(３２２)に面ファスナー付きベルト(３１１)を通 して靴平面(１２)の甲部(１２２)をしっかりと結合した状態の正面図である。 面ファスナー付きベルト(３１１)を締め付けることにより、その甲部(１２２)の みならず図２裏面にあたる踵部(１２５)及び縁側部(１２４)にまでも均等でかつ 大きな緊締力が及ぶ構造になっている。

【００１８】 マリンスポーツ靴（１）本体のつま先部(１２１)及び側部(１２３)及び図２裏面 にあたる踵部(１２５)には保護シート(２)としてゴム板が取り付けられる。 保護シート(２)は、ネオプレンゴム等の耐水シート(１１)で構成されたマリンス ポーツ靴(１)本体に密着結合して、補強と防滑と保型維持の機能があり、運動性 を損ねずかつ凹凸を形成して防滑形状の薄いゴムシートの底面（１３）の周縁部 を補強する。靴の側周囲をしっかりと補強して保型する。

【００１９】 更に保護シート(２)には適宜個所に切れ目(２１)を入れることにより、しっかり と耐水シート(１１)に取り付けられ、そして激しい動きにも耐えうる構造になっ ている。保護シート（１１）は、所定の形状に裁断後に接着剤で貼着して設けら れる。

【００２０】 底面（１３）は、防滑粘性のある素材で、外表面には凹凸(１４)を設けてあり、 足の裏でサーフボードの感触が感じられる程に薄肉に構成している。 底面（１３）は、防滑粘性ゴムシート素材を凹凸模様にプレス成形して作成して いる。 そしてマリンスポーツ靴（１）本体の靴平面(１２)に緊締具(３)を設けている。

【００２１】 図３は、図１に示すマリンスポーツ靴（１）の全体の斜視図である。 マリンスポーツ靴(１)の靴平面(１２)において二点型支持部(３２１)に取り付け られた左右の媒介リング(３２２)に面ファスナー付きベルト(３１１)を通して靴 平面(１２)の甲部(１２２)をしっかりと結合した状態である。

【００２２】 二点型支持部(３２１)は、伸縮せず変形率の小さい素材と構成であり、その取り 付けは踵部(１２５)と縁側部(１２４)の土踏まず近傍にあたる二点のみを架橋に 連結したものであり、他の部分は縫着されていなくて、その上更に半回転ひねり が加えられているため靴側面にぴったりと張り付き、踝（くるぶし）付近に対し ても力を及ぼすことができる構成になっている。 面ファスナー付きベルト(３１１)を締め上げることにより、効率よくその甲部( １２２)のみならず踵部(１２５)にまで力を伝えることが出来る。

【００２３】 図４は、緊締具（３）として靴紐(３１２)を用いたマリンスポーツ靴（１）を前 方横から眺めた斜視図である。 靴平面(１２)において左右の緊締支持部(３２)である多点型支持部(３２３)に取 り付けられた開口縁(３２５)に適数個列設した鳩目(３２６)に靴紐(３１２)を通 して靴平面(１２)の甲部(１２２)をしっかりと結合した状態である。 本図で緊締支持部(３２)である多点型支持部(３２３)は、三点支持の形態をとっ ており踵部(１２５)、土踏まず付近の縁側部(１２４)、前方側の縁側部(１２４) 、に根元のみを固着している。

【００２４】 靴紐(３１２)を締めると、前記三点の位置に張り詰めた状態が生じ均等で十分な 緊締の効果を及ぼし、甲被部分の締結と相俟って、足全体をしっかりと固定でき る。尚、多点型支持部(３２３)は、三点支持に限るものではなく、根元部分を巾 細くしてさらに多数の点で支持してもよい。

【００２５】 甲被部の側部(１２３)には収納フラップ(４１)とフラップファスナー(４２)で構 成される収納部(４)が設けられている。 靴紐(３１２)の締め残部は、収納部(４)を構成する収納フラップ(４１)とフラッ プファスナー(４２)に挟まれる形で、しっかりと挟着され収束されている。

【００２６】 図５は靴平面(１２)において多点型支持部(３２３)に取り付けられた開口縁(３ ２５)の鳩目(３２６)に靴紐(３１２)を通して靴平面(１２)の甲部(１２２)をし っかりと結合した状態の左側面図である上記図４において、靴紐(３１２)の締め 残部を収束するために設けられた収納フラップ(４１)を引き上げ、締め残部が自 由開放されている状態図である。

【００２７】 図６はマリンスポーツ靴(１)の靴平面(１２)において二点型支持部(３２１)に取 り付けられた媒介リング(３２２)に面ファスナー付きベルト(３１１)を通して靴 平面(１２)の甲部(１２２)をしっかりと結合した状態を上から視た平面図である 。

【００２８】 本図ではベルト(３１１)の締め付けが行なわれる前であり、緊締支持部(３２)で ある左右の二点型支持部(３２１)は弛緩状態にあるが、ベルト(３１１)を引き締 めることにより一転して左右の二点型支持部(３２１)は緊張状態をもたらし、媒 介リング(３２２)から踵部(１２５)は靴平面(１２)に沿って最短経路をたどり、 その力を踵部まで伝えることになる。

【００２９】 この基本構造は多点型支持部(３２３)においてもなんらかわることはない。

【００３０】 図７はマリンスポーツ靴(１)の靴平面(１２)において多点型支持部(３２３)に取 り付けられた開口縁(３２５)の鳩目(３２６)に靴紐(３１２)を通して靴平面(１ ２)の甲部(１２２)をしっかりと結合した状態の平面図である。 本図では、緊締後の靴紐(３１２)の残部が収納部(４)を構成する収納フラップ( ４１)とフラップファスナー(４２)によって側部(１２３)にしっかりと収束され ている。

【００３１】 前記の実施形態は、あくまで一例であり、全体のデザイン変更や素材の変更は、 当然予想できることであり、緊締支持部の形状や、支持支点の数を限定するもの ではない。 緊締具も、ベルトや靴紐に代わる同じ締め付け機能のものであれば、例えば鳩目 の位置にファスナーを代用しても良い。

【００３２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案のマリンスポーツ靴は、激しいアクションの要求され るサーフィン等のマリンスポーツにおいて、優れたグリップ感のある靴を提案す るものであり、又緊締に紐が用いられた場合その紐結び後の残部をしっかりと結 束することによって、紐の緩みを防ぎ、未然に海、川、湖などで起りやすい危険 を防止することを可能にしたものである。 面ファスナー付きのベルトが緊締具であれば、ワンタッチで締め付けができる。

【００３３】 本考案のマリンスポーツ靴は、靴側周囲から緊締するので横方向の動きにも耐え ることができ、前後上下の動きにも緊締の効果があり、内部でも足指で指止め片 を挟むことにより十分なグリップができる。

【００３４】 本考案のスポーツ靴は、激しいアクションのマリンスポーツ用に開発したもので あるが、釣り用の靴、沢登り用の靴などにも適用できる。 このように、本考案に係るマリンスポーツ靴は、優れた運動性をもち、かつ確か なフィット感あるサーフィン等に最適な靴を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るマリンスポーツ靴の一実施形態を
示す一部切開斜視図である。

【図２】本考案に係るマリンスポーツ靴の図１と同じ実
施形態のもので、緊締具にベルトを用い、緊締支持部と
して二点型支持部を用いた状態の正面図である。

【図３】本考案に係るマリンスポーツ靴の図１と同じ実
施形態のもので、全体の斜視図である。

【図４】本考案に係るマリンスポーツ靴の緊締に、多点
型支持部及び靴紐を用いた実施形態の斜視図である。

【図５】図４のマリンスポーツ靴において、収納フラッ
プを引き上げた状態の斜視図である。

【図６】本考案に係るマリンスポーツ靴の緊締具に、二
点型支持部及びベルト＝面ファスナー緊締具を用いた実
施形態の平面図である。

【図７】本考案に係るマリンスポーツ靴の緊締具に、多
点型支持部及び靴紐を用いた実施形態の平面図である。

【符号の説明】

１ マリンスポーツ靴 １１ 耐水シート（ネオプレンゴムシート） １２ 靴平面（甲被を含む平面） １２１ つま先部 １２２ 甲部 １２３ 側部 １２４ 縁側部 １２５ 踵部 １２６ 足首部 １３ 靴底面 １４ 凹凸 １５ 指止め片 ２ 保護シート（補強部材） ２１ 切れ目 ３ 緊締具 ３１１ ベルト ３１２ 靴紐 ３２ 支持部 ３２１ 二点型支持部 ３２２ 媒介リング ３２３ 多点型支持部 ３２４ 開口 ３２５ 開口縁 ３２６ 鳩目 ４ 収納部 ４１ 収納フラップ ４２ フラップファスナー

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周囲に保護シート(２)を密着結合した、ネ
   オプレンゴム等の耐水シート(１１)で構成されたマリン
   スポーツ靴(１)であって、ベルト（３１１）又は靴紐
   （３１２）等の緊締具(３)を靴平面(１２)に設け、前記
   緊締具(３)は靴の踵部(１２５)もしくは縁側部(１２４)
   もしくは側部(１２３)の二点又は多点に接続した左右の
   緊締支持部(３２)を締め付けるように設けてなるマリン
   スポーツ靴。
2. 【請求項２】前記保護シート(２)は、少なくとも耐磨耗
   性もしくは粘性もしくは緩衝性のひとつを有する弾性を
   備えており適宜個所に切れ目(２１)を設け、かつ底面
   （１３）は薄いゴムシートからなることを特徴とする請
   求項１に記載のマリンスポーツ靴。
3. 【請求項３】前記緊締具(３)は、ベルトであって左右の
   緊締支持部(３２)の一方を始点として他方の緊締支持部
   (３２)でベルトを折り返して締め付けることを特徴とす
   る請求項１又は請求項２のいずれかに記載のマリンスポ
   ーツ靴。
4. 【請求項４】前記緊締具(３)は、靴紐であって、その靴
   紐の結び端部を保持収納する収納部(４)として収納フラ
   ップ(４１)とフラップファスナー(４２)を備えているこ
   とを特徴とする請求項１又は請求項２のいずれかに記載
   のマリンスポーツ靴。
5. 【請求項５】前記マリンスポーツ靴(１)は靴の内側のつ
   ま先部(１２１)近傍に指止め片(１５)を立設したことを
   特徴とする請求項１又は請求項２又は請求項３又は請求
   項４のいずれかに記載のマリンスポーツ靴。