JP3085539U - 真空ポンプの軸シール構造 - Google Patents

真空ポンプの軸シール構造

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將士 ▲吉▼村
浩司 稲村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空ポンプのベアリングへの液状体等の浸入
を防ぎ、ベアリング寿命を延ばす。 【解決手段】 逆ねじの一対のスクリューロータ2,3
を有し、吸入口5側において軸部6,7を支持するベア
リング9への液状体や腐食性ガスの浸入を防ぐ真空ポン
プの軸シール構造で、ベアリングと吸入口側との間で軸
部にスリンガ10,11を設け、スリンガとベアリング
との間の空間16と、軸部先端側の空間17aとを連通
させる均圧用の連通部18を軸部に設けた。各スリンガ
の外周に各スクリューロータの回転方向と同一方向の螺
旋溝12,13を形成した。軸部先端側の空間17aに
ドライエアや窒素ガスといったパージガスを供給し、パ
ージガスを連通部18からスリンガとベアリングとの間
の空間16を経てスリンガ10,11の外周隙間に送
る。ベアリング9は片密封式又は両密封式である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、一対のスクリューロータをベアリングで回動自在に支持してプロセ スガス等を吸引圧縮させるオイルフリー式の真空ポンプにおけるベアリングへの プロセスガスのミスト等の浸入を防止した真空ポンプの軸シール構造に関するも のである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属製の左右逆ねじの一対のスクリューロータを用いたオイルフリー式 の真空ポンプにおいては、各スクリューロータの軸部のシール構造としてオイル シール方式を採用していた。
【0003】 しかし、オイルシールは材質がゴムでできているため、耐熱性の一番高いバイ トンゴムを用いても、150゜C前後でリップ部の摩擦熱で焼けてしまい、軸封 の役目を果たさなくなってしまう。また、リップ部の潤滑剤としてグリスを採用 すると、グリス補充が頻繁に必要となり、作業者の負担が大きくなってしまう。
【0004】 そこで、ゴム材の代わりに例えばカーボン添加のテフロン(登録商標)のリッ プシールを用いた真空ポンプが採用されている。テフロン(登録商標)は正式に は四フッ化エチレン樹脂のことである。
【0005】 図3はその真空ポンプ61のシール構造の一例を示すものであり、金属製のケ ーシング66内に一対の左右逆ねじのスクリューロータ67,68が噛み合った 状態で回動自在に軸支され、ケーシング66の吸入口69側において各スクリュ ーロータ67,68の各軸部70がサイドケース63内でランタンリング71と シール部材であるテフロン(登録商標)のリップシール62とで封止されている 。ランタンリング71は金属等で形成され、リップシール62を固定し、且つ軸 部70とランタンリング71で形成される空間に、炭素繊維でできたリング状の グランドパッキン77を挿入して、軸封の補助をしている。
【0006】 各軸部70の先端側は、サイドケース63に固定されたベアリングホルダ64 内のベアリング(コロ軸受)72で回動自在に支持されている。図3で符号73 は、ベアリング抜け止め用のEクリップ、74〜76はシール用のOリングであ る。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の真空ポンプのシール構造にあっては、リップシール 62の材料が樹脂であるため、耐熱性は上がっても、リップ部のシール性は満足 できるものではなかった。
【0008】 特に、吸入側の圧力が真空〜大気を繰り返す場合や、真空ポンプ61が発動停 止を繰り返す場合には、例えば吸入側のプロセスガス中のミストがベアリング7 2まで浸入し、ベアリング72の損傷というトラブルを起こすことがあった。ま た、リップシール62やランタンリング71や複数のOリング74〜76、ベア リングホルダ64、ベアリングカバー65といった多くの部品を必要とし、部品 コストや組付コストが高くつき、且つ構造が大型化することもあった。
【0009】 本考案は、上記した点に鑑み、一対のスクリューロータでプロセスガス等を吸 引圧縮させる真空ポンプにおける軸受(ベアリング)へのプロセスガスのミスト 等の浸入を確実に防止して、ベアリングの寿命を延ばすと共に、部品コストの低 減を可能とする真空ポンプの軸シール構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の請求項1に係る真空ポンプの軸シール構 造は、左右逆ねじの一対のスクリューロータを有し、吸入口側において該一対の スクリューロータの軸部を支持するベアリングへの液状体や腐食性ガスの浸入を 防止するためのオイルフリー式の真空ポンプの軸シール構造であって、該ベアリ ングと該吸入口側との間で該軸部にスリンガを設け、該スリンガと該ベアリング との間の空間と、軸部先端側の空間とを連通させる均圧用の連通部を該軸部に設 けたことを特徴とする。
【0011】 上記構成により、真空ポンプの吸入口側からベアリング側に浸入しようとする 液状体や腐食性ガスは、軸部と一体に回転するスリンガの遠心力で外周側へ飛ば され、ベアリング側への浸入が防止される。また、連通部によってスリンガとベ アリングとの間の空間が軸部先端側の空間とほぼ同じ圧力になるから、吸入側の ガスがスリンガとベアリングとの間の空間に浸入することがない。また、スリン ガを用いたことで、少なくとも従来の高価なシール部材が不要となる。
【0012】 請求項2に係る真空ポンプの軸シール構造は、請求項1記載の真空ポンプの軸 シール構造において、前記各スリンガの外周に前記各スクリューロータの回転方 向と同一方向の螺旋溝を形成したことを特徴とする。
【0013】 上記構成により、液状体や腐食性ガスがスリンガの外周に付着した際に、スリ ンガの回転に伴って液状体や腐食性ガスが回転方向と同一方向の螺旋溝に沿って ポンピング作用で浸入反対方向に押し戻される。螺旋溝を有するスリンガを用い たことで、少なくとも従来の高価なシール部材が確実に不要となる。
【0014】 請求項3に係る真空ポンプの軸シール構造は、請求項1又は2記載の真空ポン プの軸シール構造において、前記軸部先端側の空間にドライエアや窒素ガスとい ったパージガスを供給し、該パージガスを前記連通部から前記スリンガとベアリ ングとの間の空間を経て該スリンガの外周隙間に送ることを特徴とする。
【0015】 上記構成により、スリンガの外周からベアリング側へ浸入しようとする液状体 や腐食性ガスをパージガスが吸入側へ押し返す。この作用は吸入側の圧力が多少 変動した場合でも有効に奏される。また、軸部に連通部がない場合は、パージガ ス圧がベアリング内のグリス(潤滑剤)に作用して、グリスをスリンガ側に押し 出し、スリンガの螺旋溝に沿って吸入口側にグリスが吸い出されてしまうが、軸 部に均圧用の連通部を設けたことで、ベアリングの前後が均圧となり、グリスの 吸い出しが防止される。また、パージガスの押圧作用で、少なくとも従来の高価 なシール部材が確実に不要となる。
【0016】 請求項4に係る真空ポンプの軸シール構造は、請求項1〜3の何れか1項に記 載の真空ポンプの軸シール構造において、前記ベアリングが片密封式又は両密封 式のものであることを特徴とする。 上記構成により、ベアリング内への特に腐食性ガスの浸入が一層確実に防止さ れる。
【0017】
【考案の実施の形態】
図1は、本考案に係る真空ポンプの軸シール構造の一実施形態を示す横断面図 である。
【0018】 この真空ポンプの軸シール構造は、左右逆ねじの一対のスクリューロータ2, 3を噛み合わせた状態でケーシング4内に回動自在に軸支させ、ケーシング4の 吸入口5からプロセスガスを吸引して軸方向に沿って圧縮する真空ポンプ1にお いて、一対のスクリューロータ2,3の軸部6,7を吸入口5側において金属製 のサイドケース8内に突出させ、サイドケース8内で各ベアリング9により回動 自在に支持すると共に、各ベアリング9に近接して各スクリューロータ2,3の 端面との間においてスリンガ(回転リング)10,11を各軸部6,7の外周に 固定して各軸部6,7と一体に回転自在に設け、各スリンガ10,11の外周に 各スクリューロータ2,3の螺旋歯14,15と同じ捩り方向(同じ回転方向) の螺旋溝12,13を形成したことを第一の特徴としている。
【0019】 また、各スリンガ10,11と各ベアリング9との間に環状の隙間(狭い空間 )16を形成すると共に、この隙間16と、ベアリング9を収容する一方のサイ ドケース8内の空室17とを連通させる連通孔(連通部)18を各軸部6,7に 設けたことを第二の特徴としている。
【0020】 ケーシング4は軸方向に延び、その終端側に吐出口(図示せず)を有している 。一対のスクリューロータ2,3を収容するケーシング4の各収容室19は断面 略眼鏡状にラップして径方向に連通している。
【0021】 一対のスクリューロータ2,3は右ねじの主軸(駆動軸)2と左ねじの副軸( 従動軸)3とで構成され、各スクリューロータ2,3は山部と谷部とを有して非 接触で位置し、各軸部6,7は各スクリューロータ2,3の径方向中央の孔部を 貫通してキー等で孔部内に位置決め固定され、軸端部6a,7aがスクリューロ ータ2,3の端面から突出してサイドケース8内に位置している。軸端部6a, 7aは軸主体部(符号6,7で代用)から段差20を介してやや小径に延長され ている。
【0022】 主軸2は他方のサイドケース側のモータ(図示せず)で駆動され、同じく他方 のサイドケース側のタイミングギヤ(図示せず)で同期して副軸3が回動される 。他方のサイドケース内で各スクリューロータ2,3の軸端部は例えばコロ軸受 (図示せず)で軸方向移動自在に支持されている。
【0023】 ケーシング4の一端側のフランジ部21にサイドケース8がシールリング(O リング)22を介してボルト等で固定されている。サイドケース8はダイキャス ト等で一体成形され、ベアリング9や軸端部6a,7a等を収容する左右一対の 空室17を有している。各空室17は底側の壁部24で封止された断面円形の軸 方向に長い空間17aと、空間17aの入口側に同心に続く大径の断面円形の短 い空間17bとで構成されている。入口側の空間17bはその内周に沿う環状の 溝部17cを有し、溝部17cは空間17aと平行に位置している。小径の各空 間17a内にベアリング9が固定して収容され、大径の各空間17b内にスリン ガ10,11が回動自在に収容されている。なお、図1で符号17a,17b等 は左右同じであるので符号の記入を省略している。
【0024】 ベアリング9は片密封ないし両密封の単列のラジアル玉軸受であり、内部に潤 滑剤としてフッ素グリスが充填されている。ベアリング9の例えば内輪が軸端部 6a,7aの外周面に固く圧入固定され、外輪が空間17aの内周面にやや緩く 挿入固定されている。片密封の場合はロータ収容室19寄りのベアリング端部に 密封シールリング(鋼鈑製のシールド板)40が設けられ、両密封の場合は軸方 向両側のベアリング端部に密封シールリングが設けられる。
【0025】 軸端部6a,7aの先端側外周には雌ねじ(図示せず)が形成され、雌ねじに ナット25が螺合してベアリング9の内輪を軸方向に抜け出しなく固定している 。ベアリング9のナット反対側の端面は空間17aの入口とほぼ同一面に位置し ている。
【0026】 各ベアリング9と各スリンガ10,11とは平行に対向して位置し、各ベアリ ング9の端面と各スリンガ10,11の端面との間に隙間16が設けられ、各隙 間16が各軸端部6a,7aの連通孔18に通じている。連通孔18は軸中心を 通る軸方向の長い孔部18aと、孔部18aの奥端側に直交した径方向の短い孔 部18bとで構成されている。連通孔18の一方の開口18cが各ベアリング9 とスリンガ10,11との間の隙間16に連通し、他方の開口(符号18で代用 )が収容空間17aに連通している。
【0027】 スリンガ10,11は軸部6,7よりも大径な金属製のリングであり、扁平状 の円板部26と、円板部26の外周において円板部26の板厚よりも軸方向に長 く突出した環状の鍔部27とを含み、鍔部27を含む各スリンガ10,11の外 周面に雄ねじ状の螺旋溝12,13が形成されている。モータ側から見て右ねじ のスクリューロータ(主軸)2に固定された一方のスリンガ10には右ねじの螺 旋溝12が形成され、左ねじのスクリューロータ(副軸)3に固定された他方の スリンガ11には左ねじの螺旋溝13が形成されている。モータ側から見て主軸 2は右回転し、副軸3は左回転する。
【0028】 スリンガ10,11の各円板部26は、ベアリング9の内輪に接する中央のボ ス部28と、軸部6,7の段差部20に接する凹部29とを有し、各ボス部28 は各連通孔18の開口部分18cで切欠されている。各円板部26の内径側がキ ー30で軸端部6a,7aに位置決め固定されている。スリンガ10,11はサ イドケース8の環状の各空間17b内に収容され、スリンガ10,11の外周面 は空間17bの内周面に若干の隙間を存して非接触で回動自在に位置している。 スリンガ10,11の各鍔部27は環状の各溝部17cに少し進入し、鍔部27 と溝部17cの間にも隙間16aが構成されている。スリンガ10,11のベア リングとは反対側の端面は空間17bから少しロータ収容室19側に突出してい る。
【0029】 以下に図1の実施形態の真空ポンプの軸シール構造の作用を説明する。 モータの駆動で一対のスクリューロータ2,3が逆方向に回動されることで、 ケーシング4の吸入口5からロータ収容室19内にプロセスガスが導入される。 スリンガ10,11はスクリューロータ2,3と一体に同一回転数で回転する。 プロセスガスが液状のミスト(液状体)を含んでいる場合、スリンガ10,11 に付着したミストは先ずスリンガ10,11の遠心力で外周側に振り飛ばされる 。
【0030】 さらに、ミストがスリンガ10,11の外周のごく狭い隙間を通過してベアリ ング9側に浸入しようとした場合、スリンガ外周の螺旋溝12,13によりミス トにベアリング反対方向(ロータ収容室19側)へ押し戻すポンピング力が作用 する。これは、右回転のスリンガ10には右ねじの溝12が形成され、左回転の スリンガ11には左ねじの溝13が形成されているためである。こうして、ミス ト状(液状)のものは殆どベアリング9側に浸入することがない。
【0031】 また、各ベアリング9とスリンガ10,11との間の隙間16と軸部先端側の 空間17aとが軸端部6a,7aの各連通孔18で続いて、圧力的に均圧となっ ているから、吸入側に圧力変動があっても、また、たとえプロセスガスのミスト がスリンガ10,11の外周を通過しても、各連通孔18により空室17内の圧 力が吸入口5側の圧力(真空)とほぼ同圧になるから、プロセスガスにはそれ以 上ベアリング9側に浸入する圧力が生じることがない。これは、一つにはベアリ ング9が密封式のものであり、二つには、連通孔18が軸センタから放射状に明 けられており、ミストやガスが連通孔18を通って浸入しようとしても、遠心力 で外部へ振り飛ばされるからであり、三つには、ミストの様なものは隙間16内 において重力で下部に落ち、集合されてスリンガ10,11の螺旋溝12,13 で吸入側へ押し戻されるからである。従って、ベアリング9内にミストが浸入す ることがなく、ベアリング9の寿命が向上する。
【0032】 また、従来の真空ポンプ61(図3)に較べて、テフロン(登録商標)のリッ プシール62が不要であり、また、グランドパッキン77による摩擦抵抗もなく なり、動力が低減され、且つ従来のサイドケース63とベアリングホルダ64と ベアリングカバー65とを一体化したようなサイドケース8を用いているから、 Oリング22の数が削減され、これら部品点数の削減により、コンパクト化、低 コスト化が図られている。
【0033】 図2は、例えば腐食性の強いプロセスガスを取り扱う場合に好適な真空ポンプ の軸シール構造の第二の実施形態を示す縦断面図である。図1と同一の構成部分 には同一の符号を用いて詳細な説明を省略する。
【0034】 この軸シール構造は、スクリューロータ2,3の軸端部6a,7aやベアリン グ9を収容する空室17に外部のドライエア又は窒素(N2)ガスを配管31で 接続させ、軸端部6a,7aの各連通孔18からベアリング9とスリンガ10, 11との間の隙間16にドライエア又は窒素ガスを供給可能としたことを特徴と するものである。その他の構成については図1と同じである。図2は図1(横断 面)と異なり縦断面を示している。
【0035】 サイドケース8の空室17の底部側の上壁32に孔部33が貫通して設けられ 、孔部33の入口に配管31が接続されている。配管31の途中にはパージガス (ドライエア又は窒素ガス)の流れとは逆の順で絞り弁34とフローメータ(流 量計)35とレギュレータ36とが配設され、レギュレータ36はドライエア供 給用の配管又は窒素ガスのボンベ等に接続されている。レギュレータ36でパー ジガスのガス圧を調節し、減圧弁36でパージガスを通常0.5Kg/cm2G に減圧し、絞り弁34で空室17にパージする流量をフローメータ35を見なが ら調節して送る。
【0036】 真空ポンプ1の運転中に、運転する真空条件に影響しない少量のドライエア又 は窒素ガスを空室17内にパージ(注入)する。たとえロータ収容室19内の吸 入側圧力が多少変動しても、パージガスが空室17から軸部6,7の各連通孔1 8を通って各ベアリング9とスリンガ10,11との間の隙間16へと流れ、さ らにスリンガ10,11の外周を通って吸入側へ流れる。これにより、プロセス ガスがパージガスで邪魔され(押し戻され)、ベアリング9側へ流入することが ない。
【0037】 また、パージガス圧の作用で密封式のベアリング9内の潤滑剤であるフッ素グ リスが吸入口5側へ流出することが防止される。これは、空室17内におけるベ アリング9の前後の空間16,17aがパージガスで均圧となり、ベアリング9 内のフッ素グリスを押し出す圧力が相殺される(押し出す圧力が作用しなくなる )からである。これらにより、ベアリング9の寿命が格段に向上する。
【0038】 なお、図2に示す構成は、螺旋溝12,13のないスリンガを用いる場合にお いても有効である。また、連通孔18は軸部中心を通らずに偏心して位置してい てもよい。また、連通孔18に代えて溝等の連通部を用いることも可能である。 また、上記ベアリング9をナット締め以外の手段で軸部6,7に固定することも 可能である。
【0039】
【考案の効果】
以上の如く、請求項1記載の考案によれば、軸部と一体に回転するスリンガの 遠心力で液状体や腐食性ガスが外周側へ飛ばされ、ベアリング側への液状体や腐 食性ガスの浸入が防止される。また、連通部によってスリンガとベアリングとの 間の空間が軸部先端側の空間とほぼ同じ圧力になるから、吸入側の真空ガスがス リンガとベアリングとの間の空間に浸入することがない。これらにより、ベアリ ング内への液状体や腐食性ガスの浸入が防止され、ベアリングの寿命が延び、真 空ポンプの品質が向上する。また、スリンガを用いたことで、少なくとも従来の 高価なテフロン(登録商標)のリップシール等のシール部材が不要となり、部品 コストが低減されると共に、シール部材の摩滅に起因するシール性の悪化が解消 される。
【0040】 請求項2記載の考案によれば、スリンガの回転に伴って液状体や腐食性ガスが 回転方向と同一方向の螺旋溝に沿ってポンピング作用で浸入反対方向に押し戻さ れるから、ベアリング側への液状体や腐食性ガスの浸入が確実に防止される。ま た、螺旋溝を有するスリンガを用いたことで、少なくとも従来の高価なシール部 材が確実に不要となり、部品コストが確実に低減される。
【0041】 請求項3記載の考案によれば、スリンガの外周からベアリング側へ浸入しよう とする液状体や腐食性ガスをパージガスが吸入側へ押し返すから、ベアリング側 への液状体や腐食性ガスの浸入が一層確実に阻止される。また、連通部による均 圧作用で、パージガス圧力によるベアリング内のグリスの流出が防止される。こ れらにより、ベアリングの寿命が一層向上する。また、パージガスの押圧作用で 、少なくとも従来の高価なシール部材が確実に不要となり、部品コストが確実に 低減される。
【0042】 請求項4記載の考案によれば、密封式のベアリングにより、ベアリング内への 特に腐食性ガスの浸入が一層確実に防止され、真空ポンプの品質が一層向上する 。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る真空ポンプの軸シール構造の一実
施形態を示す横断面図である。
【図2】シール性をさらに強化した軸シール構造の他の
実施形態を示す縦断面図である。
【図3】従来の真空ポンプの軸シール構造を示す横断面
図である。
【符号の説明】
1 真空ポンプ 2,3 スクリューロータ 5 吸入口 6,7 軸部 9 ベアリング 10,11 スリンガ 12,13 螺旋溝 16 隙間(空間) 17 空室 17a 空間 18 連通孔(連通部) 40 密封シールリング

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右逆ねじの一対のスクリューロータを
    有し、吸入口側において該一対のスクリューロータの軸
    部を支持するベアリングへの液状体や腐食性ガスの浸入
    を防止するためのオイルフリー式の真空ポンプの軸シー
    ル構造であって、該ベアリングと該吸入口側との間で該
    軸部にスリンガを設け、該スリンガと該ベアリングとの
    間の空間と、軸部先端側の空間とを連通させる均圧用の
    連通部を該軸部に設けたことを特徴とする真空ポンプの
    軸シール構造。
  2. 【請求項2】 前記各スリンガの外周に前記各スクリュ
    ーロータの回転方向と同一方向の螺旋溝を形成したこと
    を特徴とする請求項1記載の真空ポンプの軸シール構
    造。
  3. 【請求項3】 前記軸部先端側の空間にドライエアや窒
    素ガスといったパージガスを供給し、該パージガスを前
    記連通部から前記スリンガとベアリングとの間の空間を
    経て該スリンガの外周隙間に送ることを特徴とする請求
    項1又は2記載の真空ポンプの軸シール構造。
  4. 【請求項4】 前記ベアリングが片密封式又は両密封式
    のものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1
    項に記載の真空ポンプの軸シール構造。
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