JP3085233U - 回転展示台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】フィギュア等の物品を、単に飾っておくだけで
は、一方方向からしか鑑賞できず、その物品の持ってい
る魅力を堪能することがしにくかった。 【解決手段】回転展示台は、基台と、前記基台の上方に
配置され物品を上面に載置し得る載置体と、静止される
前記基台に対して載置体を回転させる時計用ムーブメン
トと、前記時計用ムーブメントに電力を供給する着脱可
能な電源とを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、例えば人形、模型、装飾品等を室内において飾る場合に使用する回 転展示台に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば玩具店のショーウインドウや展示会等においては、展示する商品 の見栄えをよくするとともに、様々な角度からその商品を見ることができるよう に、商品を回転させるための回転台に載置して展示することがある。通常このよ うな回転台は、各種の商品に対応し得るように、比較的大型で重量のある商品も 載置し得るように、その外形自体も大きくしてあるとともに、モータを用いて商 品を載置するターンテーブルを駆動するようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

近年、フィギュアと呼ばれる、例えば映画やアニメーション等の主人公や登場 人物あるいは動物や乗物等を表現した玩具が流通している。これらのフィギュア は、自立するように作られているので、例えば机の上や棚等に単体で飾ることが できる。

【０００４】 このようなフィギュアを、より楽しもうとする場合、ショーウインドウ等と同 じに、フィギュアを回転させることにより、居ながらにして様々な角度からフィ ギュアの形を楽しむことが考えられる。しかしながら、上記の回転台では、ショ ーウインドウ等でのディスプレイに使用することを目的としているので、家庭に おいて使用するには大きすぎるものである。つまり、限られた広さの室内では、 そのような回転台を置ける場所が限定されて、所望の場所に設置することが困難 なことがある。また、ターンテーブルをモータにより駆動しているので、その回 転音が大きく、静かな室内で使用する場合には回転音が気になり、落ちつかない 場合が生じる。

【０００５】 本考案は、このような不具合を解消することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたもので ある。すなわち、本考案に係る回転展示台は、基台と、前記基台の上方に配置さ れ物品を上面に載置し得る載置体と、静止される前記基台に対して載置体を回転 させる時計用ムーブメントと、前記時計用ムーブメントに電力を供給する着脱可 能な電源とを備えてなることを特徴とする。

【０００７】 このような構成のものであれば、基台に対して、載置体が時計用ムーブメント により回転駆動される。すなわち、電源より時計用ムーブメントに電力が供給さ れると、基台は静止されるつまり回転しないので、この基台より上方に配置され る載置体が回転することになる。したがって、載置体の上面に載置されたフィギ ュア等の物品を、一か所に居ながらにして様々な角度から見ることが可能になる 。

【０００８】 時計用ムーブメントは、連続回転する回転軸とその回転軸を電動力により駆動 する本体とからなるものが好ましい。このような時計用ムーブメントは、その回 転軸が載置体に連結され、本体を基台に固定して取り付けるのが望ましい。時計 用ムーブメントは、腕時計で使用されるもののように、小型化が容易であるので 、時計用ムーブメントの大きさに応じて基台及び載置体の大きさを設定すれば、 容易に小型化することが可能になる。したがって、容易に持ち運ぶことができ、 携帯することにより他所に運んで、通常使用している場所以外でも同様にフィギ ュア等の物品の形状を鑑賞することが可能になる。また、時計用ムーブメントを 使用しているので、載置体が回転する際に雑音が発生せず、静寂の中で物品を鑑 賞することが可能になる。

【０００９】 載置体に載置する物品の見栄えをよくするためには、載置体を透光性を有する ものとし、その載置体の下方に、少なくとも上方に向けて光を照射する光源を配 設するものが好ましい。光源としては、消費電力の点から、発光ダイオードが好 適であり、フィラメントを有する小型の電球であってもよい。また、このような 透光性を有する載置体を凸レンズ状のものにして、光源から照射される光が、載 置体の上面において均等に拡散するように構成するものが望ましい。

【００１０】 加えて、聴覚的な楽しさを付加するために、上記の構成に加えて、発音手段を 備えるものが好ましい。発音手段は、例えば音声データを記憶するメモリと、メ モリ内の音声データをアナログ信号に変化するＤ／Ａコンバータと、Ｄ／Ａコン バータから出力されるアナログ信号を増幅する増幅回路と、増幅回路から出力さ れるアナログ信号を音声に変換するスピーカあるいは電子ブザーとからなるもの であってよい。音声データとしては、例えば載置するフィギュアに関係する音楽 、効果音のようなもの、あるいはそのフィギュアに対応する声等であってよい。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を、図１〜３を参照して説明する。なお、図３にお いては、内部配置を明確に示すために、基台であるケース１の上面板１２を取り 除いた状態を図示している。

【００１２】 回転展示台ＤＴは、円錐台形状をしたケース１と、そのケース１内に取り付け られる時計用ムーブメント２と、時計用ムーブメント２の回転軸２１の上端部に 取り付けられる載置体たるターンテーブル３と、電源である乾電池４Ａ、４Ｂと 、光源である発光ダイオード５と、時計用ムーブメント２及び発光ダイオード５ への通電をオンオフする２個の押しボタンスイッチ６、７とを備えている。この ような展示台ＤＴは、例えばケース１の外径寸法を１００ｍｍ程度の大きさとす るものである。このような寸法に設定することにより、可搬性を良好にするもの で、容易に設置場所を変更することができるものとなる。

【００１３】 ケース１は、例えば合成樹脂の成形物で、図２に示すように、側周壁１１と、 その側周壁１１の上端面よりターンテーブル３を収容し得るに十分の空間を形成 する下位置に側周壁１１と一体に形成される上面板１２と、開閉可能な底面板１ ３とを有し、時計用ムーブメント２と乾電池４Ｂとを収容する。上面板１２は、 その中央に時計用ムーブメント２を取り付けるための貫通孔１２ａを有している 。また、上面板１２には、その中心から等距離離間するとともに、水平方向に等 角度離間して配置される発光ダイオード５を収容するための凹部１２ｂが設けて ある。上面板１２の表面は、例えばクロムメッキのようなメッキ等を施して反射 面とすることにより、発光ダイオード５からの光を反射しやすいようにすればよ い。この実施の形態にあっては、凹部１２ｂは、４ヶ所に設けてある。それぞれ の凹部１２ｂは、発光ダイオード５の光軸が、上面板１２の中心上方、したがっ てターンテーブル３の中心上方に向かうように内側に傾斜する傾斜壁１２ｂａを 有している。

【００１４】 時計用ムーブメント２は、小型の置き時計や目覚まし時計等に使用されるもの である。この時計用ムーブメント２は、時計に使用した場合に秒針を駆動するた めに設定された、３６０度を止まることなく連続して回転する回転軸２１を、外 側に雄ねじの形成された取付軸２２から突出させている。なお、図２においては 、取付のために取付軸２２に螺合するナットは、図示を省略している。回転軸２ １は、駆動機構とその駆動機構のための電源である乾電池４が内蔵される時計用 ムーブメント２の本体２Ａから延出されるものである。本体２Ａ内に内蔵される 駆動機構は、時計用ムーブメント２の分野で広く知られているものであってよく 、例えば、各針の回転速度を決定する複数の歯車からなる輪列機構と、輪列機構 を駆動するステッピングモータと、ステッピングモータを駆動する駆動回路を備 えるものであってよい。駆動回路は、駆動信号を発生させる水晶振動子、駆動信 号を分周する分周回路、及び分周回路からの信号をステッピングモータに出力す る駆動回路を備えるものであってよい。そして、本体２Ａに内蔵される乾電池４ Ａは、ターンテーブル用押しボタンスイッチ６を介して、駆動機構の駆動回路に 接続される。なお、時計用ムーブメント２の回転軸２１の回転速度、したがって ターンテーブル３の回転速度が早い場合は、水晶振動子の周波数を低いものに変 更して、その回転速度を変更すればよい。

【００１５】 ターンテーブル３は、平面視円板で、例えばアクリル板のような合成樹脂製の 透光性を有する素材を、外面つまりフィギュア等の物品を載置するための上面を 平らに形成し、内面つまり下面を下側に湾曲する凸面にして凸レンズ状に形成し てある。また、ターンテーブル３の下面の中心には、時計用ムーブメント２の回 転軸２Ａの上端部が嵌め込まれる軸穴部３１が形成してある。このターンテーブ ル３の上面は、ケース１の上端面とほぼ面一になっている。

【００１６】 発光ダイオード５の電源となる乾電池４Ｂは、ケース１の上面板１２の下面に 取り付けられた図示しないホルダにより着脱可能に収容されるものである。乾電 池４Ｂは、光源用押しボタンスイッチ７を介して、発光ダイオード５に接続され る。

【００１７】 このような構成において、回転展示台ＤＴは、次のようにして使用するもので ある。

【００１８】 まず、乾電池４Ａ、４Ｂを装着した後、ターンテーブル３を上にして例えば飾 り棚の上に置く。この場合、ケース１が飾り棚に接触するので、ケース１は回転 することがない。次に、ターンテーブル３の上に、例えば好みのフィギュアを載 置する。そして、ターンテーブル用押しボタンスイッチ６を操作して、ターンテ ーブル用押しボタンスイッチ６をオンにする。これにより、時計用ムーブメント ２が通電され、ターンテーブル３が回転する。このようにターンテーブル３が回 転することにより、その上面に載置されたフィギュアが回転し、例えば椅子に座 った状態でフィギュアを全方向から鑑賞することができる。この場合に、時計用 ムーブメント２を使用しているので、雑音が生じず、無用な音に邪魔されること なくフィギュアを鑑賞することができる。

【００１９】 加えて、光源用押しボタンスイッチ７を操作すると、発光ダイオード５が通電 され、発光ダイオード５から照射された光がターンテーブル３を介してフィギュ アを照明する。発光ダイオード５からの光は、ターンテーブル３が凸レンズ状に なっており、またケース１の上面板１２の上面が反射面に形成されているので、 一点に集中することなく、ターンテーブル３上のフィギュアをその下方から全体 を照らすようになる。このようにフィギュアに光があてられると、フィギュアが 回転していることにより、フィギュアの陰影が回転とともに変化して、形状や色 彩といったフィギュアの持つ特徴を余すところなく鑑賞することができる。

【００２０】 また、時計用ムーブメント２を使用しているので、コンパクトに製造すること ができ、家庭の飾り棚や机の設置しても場所を取らないので容易に使用すること ができる。しかも、全体の大きさを小型化することができるので、容易に持ち運 ぶことができ、種々の場所においてフィギュアを楽しむことができる。

【００２１】 なお、本考案は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。

【００２２】 例えば、時計用ムーブメント２は、ターンテーブル３の下面に時計用ムーブメ ント２の本体２Ａを固定し、回転軸２１にケース１を固定する構成とするもので あってもよい。この場合、ケース１は机や棚等の安定して置ける場所の面との摩 擦力により静止つまり回転しなくなるので、回転軸２１が固定されて回転しない かわりに本体２Ａが回転することになる。よって、ターンテーブル３がケース１ に対して相対的に回転するものである。この場合、ターンテーブル３の実質上の 質量が増加するので、慣性力が増加し、ターンテーブル３をよりスムーズに回転 させることができる。

【００２３】 上記実施の形態では、ターンテーブル３を透光性のものにして、発光ダイオー ド５からターンテーブル３上のフィギュアに対して光を照射するものを説明した が、比較的明るい場所で使用するものであれば、発光ダイオード５を備えていな いものであってもよい。この場合には、ターンテーブル３を透光性のものにする 必要はない。このような構成にすることにより、よりシンプルで製造が容易で安 価なものにすることができる。

【００２４】 また、上記実施の形態のものに、音声手段を追加した構成としてもよい。具体 的には、音声手段は、例えば音声データを記憶するメモリ、メモリ内の音声デー タをアナログ信号に変化するＤ／Ａコンバータ及びＤ／Ａコンバータから出力さ れるアナログ信号を増幅する増幅回路を備えるＩＣと、音声に変換するスピーカ あるいは電子ブザーとからなるものである。このような音声手段は、発光ダイオ ード５と電源つまり乾電池を共用するものであってよく、光源用押しボタンスイ ッチをオンにすることにより音声が出力されるようにすればよい。音声データは 、例えば載置するフィギュアに関係する音楽、効果音のようなもの、あるいはそ のフィギュアに対応する声等で、このような音声を出力することにより、さらに フィギュアの備える特徴を聴覚的に強調することができる。

【００２５】 その他、各部の構成は図示例に限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱 しない範囲で種々変形が可能である。

【００２６】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、電源より時計用ムーブメントに電力が供給さ れると、時計用ムーブメントにより載置台を回転させることができる。したがっ て、載置体の上面にフィギュア等の物品を載置すると、物品を鑑賞する場所を移 動することなく、一か所に居ながらにして様々な角度から物品を鑑賞することが できる。また、時計用ムーブメントを使用して載置体を回転させているので、回 転音がほぼ皆無であり、落ちついて物品を鑑賞することができる。加えて、時計 用ムーブメントを使用しているので、容易に小型化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施の態様を示す斜視図。

【図２】同実施の態様の断面図。

【図３】同実施の態様の上面板の取り除いた状態でのケ
ース内の配置を示す平面図。

【符号の説明】

１…ケース ２…時計用ムーブメント ２Ａ…本体 ３…ターンテーブル ４Ａ，４Ｂ…乾電池 ２１…回転軸

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基台と、 前記基台の上方に配置され物品を上面に載置し得る載置
   体と、 静止される前記基台に対して載置体を回転させる時計用
   ムーブメントと、 前記時計用ムーブメントに電力を供給する着脱可能な電
   源とを備えてなることを特徴とする回転展示台。
2. 【請求項２】基台と、 前記基台の上方に配置され物品を上面に載置し得る載置
   体と、 連続回転する回転軸とその回転軸を電動力により駆動す
   る本体とからなり、その回転軸が前記載置体に連結され
   前記本体が前記基台に固定される時計用ムーブメント
   と、 前記時計用ムーブメントに電力を供給する着脱可能な電
   源とを備えてなることを特徴とする回転展示台。
3. 【請求項３】基台と、 前記基台の上方に配置され物品を上面に載置し得る透光
   性を有する載置体と、 連続回転する回転軸とその回転軸を電動力により駆動す
   る本体とからなり、その回転軸が前記載置体に連結され
   前記本体が前記基台に固定される時計用ムーブメント
   と、 前記載置体の下方に配置されて少なくとも載置体の上方
   に向けて光を照射する光源と、 前記時計用ムーブメント及び光源に電力を供給する着脱
   可能な電源とを備えてなることを特徴とする回転展示
   台。
4. 【請求項４】基台と、 前記基台の上方に配置され物品を上面に載置し得る凸レ
   ンズ状の透光性を有する載置体と、 連続回転する回転軸とその回転軸を電動力により駆動す
   る本体とからなり、その回転軸が前記載置体に連結され
   前記本体が前記基台に固定される時計用ムーブメント
   と、 前記載置体の下方に配置されて少なくとも載置体の上方
   に向けて光を照射する光源と、 前記時計用ムーブメント及び光源に電力を供給する着脱
   可能な電源とを備えてなることを特徴とする回転展示
   台。
5. 【請求項５】光源が、発光ダイオードであることを特徴
   とする請求項３又は４記載の回転展示台。
6. 【請求項６】電源から電力を供給されて音声を出力する
   発音手段をさらに備えてなる請求項１、２、３、４又は
   ５記載の回転展示台。