JP3085080U - エアフィルター構造体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】従来から、空気清浄器用エアフィルターには、
コルゲートコアやハニーカムコアなど種々の構造体が研
究され開発されてきた。これらコルゲートコアやハニー
カムコア等は特に上からの押圧力に強く、全体的に丈夫
であるが、高価過ぎることが欠点であった。 【解決手段】一側縁から帯幅の或る位置まで等間隔に切
り込みを有する多数の上側帯状部材と、帯幅から切り込
み部分を除いた残り部分に等しい距離だけ、一側縁から
等間隔に切り込みを有し、上側帯状部材と同一帯幅を有
する多数の下側帯状部材とを、それぞれ切り込みを互い
に対向させ組合わせるセットアップ法により縦横方向に
互いに交叉させ一体的に組み立てたコア部分４を構成
し、そのコア部分４には、切り込みの間隔に従った大き
さの多数の貫通セル３を形成してなる立体構造のエアフ
ィルター構造体である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はエアフィルター構造体に関し、特に、安価で、成形自在でしかも折り たたみ可能なためにかさばることなく持ち運びが容易な空気清浄器等に使用する エアフィルター構造体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、空気清浄器等に使用するエアフィルターには、コルゲートコアやハ ニーカムコアなど種々の構造体が研究され開発されてきた。これらコルゲートコ アやハニーカムコア等は特に上からの押圧力に強く、全体的に丈夫であるが、コ ストが高価過ぎることが欠点であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って、空気清浄器等本体自体がさほど高価なものではないので、部品のひと つであるフィルターにコストがかかり過ぎては困るのであって、それをできるだ け安価に抑える必要がある。 そこで、本考案は、アルミ箔、アルミ蒸着紙、アルミ板や、活性炭素含浸シー ト、プラスチック、ガラス、紙等の安価な素材を使って簡単なセットアップ法に よりコア部分を一体的に組み立てることによって安価なエアフィルター構造体を 提供することを第１の課題とする。 コア部分に光触媒コーティングを施こしたエアフィルター構造体を提供するこ とを第２の課題とする。光触媒コーティングは素材そのものに施こすこともでき るが、コア部分を一体的に組み立てた後に施すこともできる。 また、本考案は、成形自在で、軽量で、しかも折りたたみ可能なためにかさば ることなく持ち運びが容易なエアフィルター構造体を提供することを第３の課題 とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案は、一側縁から帯幅の或る位置まで等間隔に切り込み（１’）を有する 多数の上側帯状部材（１）と、帯幅から切り込み（１’）部分を除いた残り部分 に等しい距離だけ、一側縁から等間隔に切り込み（２’）を有し、上側帯状部材 （１）と同一帯幅を有する多数の下側帯状部材（２）とを、それぞれ切り込み（ １’、２’）を互いに対向させ組合わせるセットアップ法により縦横方向に互い に交叉させ一体的に組み立てたコア部分（４）を構成し、そのコア部分（４）に は、切り込み（１’、２’） の間隔に従った大きさの多数の貫通セル（３）を 形成してなる立体構造のエアフィルター構造体である。

【０００５】

【作用】

本考案は、一側縁から帯幅の或る位置まで等間隔に切り込み１’を有する多数 の上側帯状部材１と、帯幅から切り込み１’部分を除いた残り部分に等しい距離 だけ、一側縁から等間隔に切り込み２’を有し、上側帯状部材１と同一帯幅を有 する多数の下側帯状部材２とを、それぞれ切り込み１’、２’を互いに対向させ 組合わせるセットアップ法により縦横方向に互いに交叉させ一体的に組み立てた コア部分４を構成する。そのコア部分４には、切り込み１’、２’の間隔に従っ た大きさの多数の貫通セル３が形成されてなる立体構造の空気清浄器用エアフィ ルター構造体である。 前述のように、本考案に使用する素材は安価なものであり、加工も簡単なセッ トアップ法によるので、成形自在でしかも折りたたみ可能なためにかさばること なく持ち運びが容易であり、安価な製品を可能とする。 活性炭素含浸シートのように素材そのものを使用することもできるが、脱臭、 殺菌、防虫などの効果を上げるためには、コア部分４に酸化チタンのような光触 媒のコーティングを施したものを使用する。光触媒コーティングは上下側帯状部 材が素材の段階で施す場合もあり、コア部分を一体的に組み立てた後に施すこと もできる。光触媒コーティングを施した場合は紫外線が当たるように紫外線灯を 設置する。 上側帯状部材１の切り込み１’の間隔と下側帯状部材２の切り込み２’の間隔 のいずれか一方を他方より大きくして上側帯状部材１と下側帯状部材２を縦横直 角に交叉させれば、そこに形成される多数の貫通セル３の形状は平面図で見て長 方形となり、両方を等間隔にすれば正方形となり、その交叉角度をわずかに変え ることにより菱形になる。 本考案において、図２に示すように、上側帯状部材１の切り込み１’の長さと 下側帯状部材２の切り込み２’の長さを等しくしてともに帯幅の半分位置まで切 り込みを入れることもできるが、また、上側帯状部材１の切り込み１’の長さと 下側帯状部材２の切り込み２’の長さを相違させることもできる。その例として 、図７では、上側帯状部材１の切り込み１’の長さと下側帯状部材２の切り込み ２’の長さの比率を、例えば８：２にしたが、本考案はこの比率に制限されるも のではなく、７：３でも６：４でも良い。この場合、切り込みの短い方を空気の 流入側に位置ずけるのが好ましい。 このエアフィルター構造体のコア部分４の回りに枠をつけることにより立体構 造のエアフィルターができる。このフィルターを空気清浄器に使用すると、多数 の貫通セル３を通って空気が流動する。このとき、流動する空気は多数の貫通セ ル３の広い表面積と接触することになる。貫通セル３の表面に酸化チタンのよう な光触媒のコーティングを施している場合、これに紫外線が当たってそこに過酸 化水素と水酸基ラジカルが発生する。この活性により空気中の悪臭成分や有害成 分が炭酸ガスと水に分解され、細菌やウイルスは不活性化される。かくして空気 が浄化されるのである。また、オゾンも分解することができる。 本願のエアフィルター構造体は、空気清浄器をはじめその他種々の器機に使用 することができる。例えば脱臭装置、エアコン、排気筒、ブラインド、オゾンの 除去を目的にしたもの、農業用ハウスの農薬分解装置など広範囲に使用すること ができる。

【０００６】

【実施例１】 本考案のエアフィルター構造体を図面により説明する。 図１は本考案のエアフィルター構造体を使った空気清浄器用エアフィルターを 示す。図１〜３に示すように、帯状部材１、２はここでは厚みが１０〜８０μ、 幅が約１０ｃｍのアルミ箔を使用するが、その他、アルミ蒸着紙、アルミ板、活 性炭素含浸シート、プラスチック、ガラス、紙等の安価な素材を使うこともでき 、厚みや幅もこれに制限されるものではない。 この実施例において、空気清浄器用エアフィルターは例えば、図１に示すよう に、幅が約１４ｃｍ、長さが約３５ｃｍ、高さが約１０ｃｍ程度のものであり、 コア部分４を外枠５で囲んだものである。 図２に示すように、上側帯状部材１はその下縁から帯幅の半分位置まで１〜１ ５ｍｍの等間隔をおいて切り込み１’を有する。下側帯状部材２は、逆に上縁か ら帯幅の半分位置まで上側帯状部材１の切り込み１’と同じく１〜１５ｍｍの等 間隔をおいて切り込み２’を有する。それぞれの切り込み１’、２’を互いに対 向させ組合わせるセットアップ法により上側帯状部材１と下側帯状部材２を横方 向と縦方向に交叉させ一体的に組み立てたコア部分４を構成する。そのコア部分 ４には、図４に模式図で示すような正方形の多数の貫通セル３を形成する。 上側帯状部材１と下側帯状部材２を一体的に組み立てるには、合成樹脂の接着 剤を使用して固定するが、接着剤は必須ではない。 図７に示すように、上側帯状部材１の切り込み１’の長さと下側帯状部材２の 切り込み２’の長さの比率を、例えば８：２にした場合、切り込みの短い方を空 気の流入側に位置ずけるのが好ましい。 貫通セル３は切り込み１’、２’の間隔を変化させることによりその大きさを 変化させることができ、切り込み１’の間隔を切り込み２’の間隔より大きくす ることによって平面図で見て長方形（図５）の形状にすることができ、また上下 側帯状部材の交叉角度を変化させることにより、菱形（図６）に形成することが できる。 コア部分４に光触媒コーティングを施すには、光触媒コーティングは上下側帯 状部材が素材の段階で施す場合もあり、コア部分を一体的に組み立てた後に施す こともできる。光触媒コーティングを施した場合は紫外線が当たるように紫外線 灯を設置する。 光触媒として酸化チタンを使用する。光触媒コーティングは上下二層の塗工液 による塗工でなる。まず、下層の有機溶剤系の保護接着層を形成するために、基 材を塗工液に浸漬し、１０〜１５ｃｍ／分の速度で引き上げ、塗工後、６０〜１ ２０°Ｃで加熱硬化させる。硬化時間は６０°Ｃで１５〜３０分、８０°Ｃ以上 で１５分程度とし、加熱硬化後、室温で３０分程度放置し、充分冷却する。 保護接着層を塗工した基材を酸化チタンの光触媒層塗工液に浸漬し、１０〜１ ５ｃｍ／分の速度で引き上げ、塗工後、６０〜１８０°Ｃの温度範囲内で可能な 限り高温で硬化させる。硬化時間は６０〜８０°Ｃで３０分、１００°Ｃ以上で １５分程度とする。 上記のように構成した立体構造のエアフィルター構造体である。

【０００７】

【効果】

本考案は、上述のように、アルミ箔、アルミ蒸着紙、アルミ板や、活性炭素含 浸シート、プラスチック、ガラス、紙等の安価な素材を使って簡単なセットアッ プ法によりコア部分を一体的に組み立てることによって、従来のコルゲートコア やハニカムコアより大幅に安価なエアフィルター構造体にし得る効果がある。従 って、このエアフィルター構造体を使用することによって、空気清浄器をはじめ 脱臭装置、エアコン、排気筒、ブラインド、オゾンの除去を目的にしたもの、農 業用ハウスの農薬分解装置などの製品自体のコストを安価にし得る効果がある。 さらに、コア部分に光触媒コーティングを施こすことによって紫外線との組み 合わせにより脱臭、殺菌、防虫などの効果を上げることができる効果がある。 また、本考案は、上述のような構成にしたので、成形自在で、軽量で、しかも 折りたたみ可能なためにかさばることなく持ち運びが容易となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のエアフィルター構造体を使用した空気
清浄器用エアフィルターの概略斜視図である。

【図２】本考案のエアフィルター構造体を構成する上側
及び下側帯状部材の正面図である。

【図３】図２に示す上側帯状部材と下側帯状部材のそれ
ぞれ一本を組合わせた状態を示す斜視図である。

【図４】平面図で見て正方形をなす多数の貫通セル３の
形状を示す模式図である。

【図５】平面図で見て長方形をなす多数の貫通セル３の
形状を示す模式図である。

【図６】平面図で見て菱形をなす多数の貫通セル３の形
状を示す模式図である。

【図７】図２の類似図であって、その変形例を示す正面
図である。

【符号の説明】

１ 上側帯状部材 ２ 下側
帯状部材 １’ 上側帯状部材の切り込み ２’ 下側
帯状部材の切り込み ３ 貫通セル ４ コア
部分 ５ 外枠

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一側縁から帯幅の或る位置まで等間隔に切
   り込み（１’）を有する多数の上側帯状部材（１）と、
   帯幅から切り込み（１’）部分を除いた残り部分に等し
   い距離だけ、一側縁から等間隔に切り込み（２’）を有
   し、上側帯状部材（１）と同一帯幅を有する多数の下側
   帯状部材（２）とを、それぞれ切り込み（１’、２’）
   を互いに対向させ組合わせるセットアップ法により縦横
   方向に互いに交叉させ一体的に組み立てたコア部分
   （４）を構成し、そのコア部分（４）には、切り込み
   （１’、２’） の間隔に従った大きさの多数の貫通セ
   ル（３）を形成してなる立体構造のエアフィルター構造
   体。
2. 【請求項２】コア部分（４）に光触媒コーティングを施
   してなる立体構造の請求項１記載のエアフィルター構造
   体。
3. 【請求項３】多数の貫通セル（３）の形状を平面図で見
   て正方形、長方形、又は菱形に形成してなる請求項１又
   は２記載のエアフィルター構造体。