JP3085044B2 - マイクロ光デバイスおよび静電マイクロ光デバイス - Google Patents

マイクロ光デバイスおよび静電マイクロ光デバイス

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JP3085044B2
JP3085044B2 JP05215528A JP21552893A JP3085044B2 JP 3085044 B2 JP3085044 B2 JP 3085044B2 JP 05215528 A JP05215528 A JP 05215528A JP 21552893 A JP21552893 A JP 21552893A JP 3085044 B2 JP3085044 B2 JP 3085044B2
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完治 西井
健治 高本
正弥 伊藤
厚司 福井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に光ヘッドあるいは
光スキャナ、レーザプリンタなど光ビームを走査して情
報の記録、あるいは再生、消去を行なう光ビーム走査光
学系に用いるマイクロ光デバイスおよび静電マイクロ光
デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の光ビーム走査光学系の例として光
ヘッドを説明する。一般に光ヘッドにおいては、少なく
ともフォーカシング制御とトラッキング制御の2種類の
光ビームの制御を必要とする。従来、フォーカシング制
御は対物レンズを可動部としてコイルを巻装し、固定磁
石とこのコイルとの間に発生する電磁気力などを用い
て、デイスク面上からの反射光から作られる制御信号に
基づいて対物レンズをその光軸方向に移動させることで
常にディスク面上に対物レンズの焦点が結ばれるように
制御されてきた。
【0003】一方、従来、トラッキング制御は対物レン
ズを可動部としてコイルを巻装し、固定磁石とこのコイ
ルとの間に発生する電磁気力などを用いて、デイスク面
上からの反射光から作られる制御信号に基づいて、対物
レンズをその光軸方向と直交する方向に移動させること
で常にディスク面上のトラック上に対物レンズの焦点が
結ばれるように制御されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の光ビーム走査光学系では、可動部の光学素子
がレンズという3次元的な形状を有しているため薄型化
が困難、あるいは可動部の軽量化および小型化が困難で
あるといった課題を有していた。
【0005】本発明は、この様な課題を解決するため
に、平板光学素子である1枚のゾーンプレートを、ある
いは、2枚のゾーンプレートの一方のみを可動部とする
ことで薄型化と軽量化を達成したマイクロ光デバイスを
提供するものである。
【0006】さらに駆動源として静電駆動力を用いるこ
とで効率を向上し、低消費電力化を図った静電マイクロ
光デバイスを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
に、第1の本発明は、ゾーンプレ−トが形成され、か
つ、その周辺部に櫛歯状突起電極部が形成された光透過
性の可動基板と、この可動基板を静電力により駆動する
ために前記可動基板の櫛歯状突起電極部と対向して配置
される櫛歯状突起がその周辺部に形成された固定基板と
を有する静電マイクロ光デバイスである。
【0008】さらに、第2の本発明は、マイクロリソグ
ラフィ等の手段により第1のゾーンプレートが形成され
た第1の光透過性基板と、第2のゾーンプレートが形成
された第2の光透過性基板と、前記第1および第2の光
透過性基板を相対的に回転あるいは平行移動させる駆動
手段とを備え、かつ、前記第1および第2のゾーンプレ
ートを重ねて配置したマイクロ光デバイスである。
【0009】また、第3の本発明は、第1のゾーンプレ
ートが形成された第1の光透過性基板と、第2のゾーン
プレートが形成され、かつ、その周辺部に櫛歯状突起
極部が形成された第2の光透過性基板と、この第2の光
透過性基板を回転あるいは平行移動させる静電駆動力を
発生させるために前記第2の光透過性基板の櫛歯状突起
電極部と対向して配置される櫛歯状突起電極部をその周
辺部に設けた固定基板とを備え、かつ、前記第1および
第2のゾーンプレートを重ねて配置した静電マイクロ光
デバイスである。
【0010】さらに、第4の本発明は、マイクロリソグ
ラフィ等の手段により第1の振幅型あるいは位相型の計
算機ホログラムが形成された第1の光透過性基板と、第
2の振幅型あるいは位相型の計算機ホログラムが形成さ
れた第2の光透過性基板と、前記第1および第2の光透
過性基板を相対的に回転あるいは平行移動させる駆動手
段とを備え、かつ、前記第1および第2の計算機ホログ
ラムを重ねて配置したマイクロ光デバイスである。
【0011】また、第5の本発明は、第1の振幅型ある
いは位相型の計算機ホログラムが形成された第1の光透
過性基板と、第2の振幅型あるいは位相型の計算機ホロ
グラムが形成され、かつ、その周辺部に櫛歯状突起電極
が形成された第2の光透過性基板と、この第2の光透
過性基板を回転あるいは平行移動させる静電駆動力を発
生させるために前記第2の光透過性基板の櫛歯状突起
極部と対向して配置される櫛歯状突起電極部をその周辺
部に設けた固定基板とを備え、かつ、前記第1および第
2の計算機ホログラムを重ねて配置したことを特徴とす
る静電マイクロ光デバイスである。
【0012】
【作用】第1の本発明の静電マイクロ光デバイスは、ゾ
ーンプレ−トが形成され、かつ、その周辺部に櫛歯状突
電極部が形成された光透過性の可動基板と、この可動
基板を静電力により駆動するために前記可動基板の櫛歯
状突起電極部と対向して配置される櫛歯状突起がその周
辺部に形成された固定基板とを設け、静電力によりゾー
ンプレートをその光軸と直交する方向に移動させること
で光ビームの集束点を移動させる静電マイクロ光デバイ
スである。
【0013】さらに、第2の本発明のマイクロ光デバイ
スは、マイクロリソグラフィ等の手段により第1のゾー
ンプレートが形成された第1の光透過性基板と、第2の
ゾーンプレートが形成された第2の光透過性基板とを重
ねて配置し、前記第1および第2の光透過性基板を相対
的に回転あるいは平行移動させた結果生ずる2つのゾー
ンプレートのビートにより球面波や円筒面波を発生さ
せ、かつ、2枚のゾーンプレート間の相対変位により球
面波あるいは円筒面波の曲率半径を変化させてその集光
点を光軸方向に変化させるマイクロ光デバイスである。
【0014】また、第3の本発明の静電マイクロ光デバ
イスは第1のゾーンプレートが形成された第1の光透過
性基板と、第2のゾーンプレートが形成され、かつ、そ
の周辺部に櫛歯状突起電極部が形成された第2の光透過
性基板と、この第2の光透過性基板を回転あるいは平行
移動させる静電駆動力を発生させるために前記第2の光
透過性基板の櫛歯状突起電極部と対向して配置される櫛
歯状突起電極部をその周辺部に設けた固定基板とにより
以下の作用を発生させる。すなわち、重ねて配置した第
1および第2のゾーンプレートを静電力によって相対的
に回転あるいは平行移動させた結果生ずる2つのゾーン
プレートのビートにより球面波や円筒面波を発生させ、
さらに、2枚のゾーンプレート間の相対変位により球面
波あるいは円筒面波の曲率半径を変化させてその集光点
を光軸方向に変化させる静電マイクロ光デバイスであ
る。
【0015】さらに、第4の本発明のマイクロ光デバイ
スは、マイクロリソグラフィ等の手段により第1の振幅
型あるいは位相型の計算機ホログラムが形成された第1
の光透過性基板と、第2の振幅型あるいは位相型の計算
機ホログラムが形成された第2の光透過性基板と、前記
第1および第2の基板を相対的に回転あるいは平行移動
させる駆動手段とを備えたことにより以下の作用を発生
させる。すなわち、重ねて配置した前記第1および第2
の光透過性基板を相対的に回転あるいは平行移動させる
ことにより、2枚の計算機ホログラムの位相項の光学的
な積によって生ずる球面波や円筒面波の曲率半径を変化
させてその集光点を光軸方向に変化させるマイクロ光デ
バイスである。
【0016】また、第5の本発明の静電マイクロ光デバ
イスは、第1の振幅型あるいは位相型の計算機ホログラ
ムが形成された第1の光透過性基板と、第2の振幅型あ
るいは位相型の計算機ホログラムが形成され、かつ、そ
の周辺部に櫛歯状突起電極部が形成された第2の光透過
性基板と、この第2の光透過性基板を回転あるいは平行
移動させる静電駆動力を発生させるために前記第2の光
透過性基板の櫛歯状突起電極部と対向して配置される櫛
歯状突起電極部をその周辺部に設けた固定基板とを備え
ることで以下の作用を発生させるものである。すなわ
ち、重ねて配置した前記第1および第2の計算機ホログ
ラムを静電力によって相対的に回転あるいは平行移動さ
せることにより、2枚の計算機ホログラムの位相項の光
学的な積によって生ずる球面波や円筒面波の曲率半径を
変化させてその集光点を光軸方向に変化させる静電マイ
クロ光デバイスである。
【0017】
【実施例】以下、本発明の参考例のマイクロ光デバイ
ついて、図面を参照しながら説明する。図1は参考例
のマイクロ光デバイスにおける平面図である。図1にお
いて、1はフレネルゾンプレート(以下FZPと称
す)である。
【0018】まず、本参考例の根幹を成すこのFZPに
ついて簡単に説明する。一般に光源と観察点とがともに
軸上にある円形開口において、開口内のフレネル輪帯を
1つおきに不透明にしたものをFZPという。この時、
1、3、5など奇数番目の輪帯を透明にして構成したも
のは正のFZPと呼ばれ、偶数番目の輪帯を透明にした
ものは負の輪帯と呼ばれる。
【0019】この正のFZPの各輪帯は2i(iは虚数
単位)、負のFZPの各輪帯は−2iの位相を観察点に
与える。したがって、透明ゾーンの数をNとすると、観
察点での合成位相は(数1)で表現できる。
【0020】
【数1】
【0021】そのため、観察点での強度Iは(数2)で
表わされる。
【0022】
【数2】
【0023】ここで、|U02 は開口が存在しない時
の観察点での強度を示している。つまり、正負のFZP
により4N2倍の強度が得られ、強い集光作用すなわち
レンズ作用があることが分かる。
【0024】さて、FZPのM番目の輪帯の半径をrM
とすると、FZPの焦点距離は(数3)で表わされる。
【0025】
【数3】
【0026】ここで、r1はM=1の輪帯の半径であ
り、λは光の波長である。
【0027】また、FZPの場合にはこの主焦点以外に
f/3、f/5、・・・の無数の焦点距離に対応する副
焦点をもことは周知のことである。しかしながらfの
場合の強度を1とすると、それぞれ(1/3)2、(1
/5)2、・・・となり実際にはfの場合以外はほとん
ど問題にならない。
【0028】さて、図3はFZPの結像関係を示す図で
ある。平行光がFZP1に入射する場合を考えると、Z
=fの位置に主焦点が生じる。平行光線束を垂直に受け
たスリットのフレネル回折像は、スリットの幅方向に対
称となるため、FZPの各透明輪帯についても、FZP
の半径方向に対称な回折像を生じるような波面が生じ
る。
【0029】したがって、図3に示すようにFZP1で
回折して主焦点F1と対称な波面は、FZP面に関して
点F1と対称な点F1 *から放射されたような方向に向か
う。言い替えれば、FZPはF1、F1 *の2つの主焦点
をもち、±fの焦点距離をもつこととなる。同様に、±
∞、±f/3、±f/5、・・・の焦点距離を持つこと
となる。
【0030】さて、本参考例のFZP1は、図2に示し
たようにマイクロリソグラフィ等の手段により、一般の
FZPの透明輪帯に対応する輪帯を位相深さ0とし、遮
光輪帯に対応する輪帯を位相深さπとして構成したもの
である。従って、輪帯の複素振幅透過率は1と−1の矩
形波状の繰り返しとなり、FZPの振幅透過率TA
(数4)で表わされる。
【0031】
【数4】
【0032】したがって、回折効率EはE0=0となり
±∞の副焦点距離を持つ成分は消滅し、±fの主焦点距
離を持つ成分の効率はE1=|2i/π|2≒40.5%
となり、±f/3の副焦点距離を持つ成分の効率はE2
=|2i/3π|2≒4.5%となる。さらに、±f/
5の副焦点距離を持つ成分の効率はE3=|2i/5π
2≒1.6%となり、一般の遮光マスクによるFZP
と比較して主焦点成分の回折効率が向上していることが
分かる。
【0033】さて、図1において、2はFZP1がマイ
クロリソグラフィなどの手段により形成される光透過性
基板であり、例えばガラスあるいはポリシリコン、ポリ
カボーネイトなどから成る。3は板バネからなる1対の
弾性支持部材であり、その一端は光透過性基板2に固着
され他端は固定部材6に各々固着されている。4は弾性
支持部材3上にスパッタ等の手段により形成された磁性
薄膜、5は磁性薄膜4に各々、対向して設けられた固定
電磁石であり、プリントコイルなどから構成されてい
る。
【0034】以上のように構成された本参考例のマイク
ロ光デバイスの動作について、以下に説明する。固定電
磁石5に通電することで、磁性薄膜4との間に電磁的な
吸引力、あるいは反発力が作用し、この駆動力と弾性支
持部材3の弾性力との釣合によりFZP1はその光軸と
直交する方向、すなわち、図1に矢印で示した方向に移
動する。
【0035】このようにFZP1を変位させることは、
図3に示した等価レンズ光軸をシフトさせることになる
ので、FZP1の主焦点F1はFZP1の移動方向に変
位する。従って、例えば光ヘッドの対物レンズ、あるい
はリレーレンズとしてFZP1を用い、公知のトラッキ
ング誤差信号検出手段から得られる制御信号に基づいて
固定電磁石5への通電量を制御することで、FZP1の
集光点を移動させてトラッキング制御を行なうことがで
きる。
【0036】この時、本参考例のマイクロ光デバイスに
おいては、可動部が平板光学素子であるFZP1と磁性
薄膜4とから構成されている。したがって、従来の3次
元的なレンズあるいはミラーと導線を巻装してなるコイ
ルを可動部として構成されたトラッキング制御用のアク
チュエータと比較して小型化、薄型化、軽量化が達成で
きる。
【0037】なお、本参考例では磁性薄膜とプリントコ
イルの組合せによる電磁気的な駆動手段を用いたが、例
えば圧電薄膜等の他の駆動手段を用いることが可能なこ
とは言うまでもない。
【0038】(実施例1) 次に、本発明の実施例1の静電マイクロ光デバイスに
いて図面を用いて説明する。図4は本実施例の静電マイ
クロ光デバイスの平面図である。図中の番号で図1〜図
3と同一のものは同一機能のものを示している。
【0039】7は光透過性基板の周辺部にマイクロリソ
グラフィ等の手段により形成された可動櫛歯状突起部で
あり、この可動櫛歯状突起部7の各々の櫛歯には蒸着等
の方法により電極が形成されている。8は可動櫛歯状突
起部7を構成する各櫛歯に対向して配置された固定櫛歯
状突起部であり、固定櫛歯状突起部8の各櫛歯には蒸着
などの手法により電極が形成されている。また9は固定
櫛歯状突起部8がマイクロリソグラフィ等の手段により
形成された固定基板である。
【0040】このようにして構成された本実施例の動作
について説明する。図示していない駆動部により、可動
櫛歯状突起部7と固定櫛歯状突起部8の電極間に電界を
作用させ静電力を発生させることで、FZP1はその光
軸と直交する方向すなわち図4に矢印で示した方向に移
動する。このようにFZP1を変位させることは、図3
に示した等価レンズ光軸をシフトさせることになり、F
ZP1の主焦点F1はFZP1の移動方向に変位する。
【0041】従って、例えば光ヘッドの対物レンズ、あ
るいはリレーレンズとしてFZP1を用い、公知のトラ
ッキング誤差信号検出手段から得られる制御信号に基づ
いて、可動櫛歯状突起部7と固定櫛歯状突起部8の電極
間に電界を作用させる静電力を制御することで、FZP
1の集光点を移動させてトラッキング制御を行なうこと
ができる。
【0042】この時、本実施例の静電マイクロ光デバイ
スにおいては、可動部が平板光学素子であるFZP1と
可動櫛歯状突起部7とから構成されている。したがっ
て、従来の3次元的なレンズあるいはミラーと、導線を
巻装してなるコイルを可動部として構成されたトラッキ
ング制御用のアクチュエータと比較して、小型化、薄型
化、軽量化が達成できる。
【0043】さらに本実施例では、静電力を駆動力とし
て用いているため、トラッキング制御のように高々、数
10μmの微小変位で目的とする機能を遂行できるよう
な用途では、電磁駆動と比較してエネルギ−効率が高
い。その結果、低消費電力化を図ることができる。
【0044】(実施例2) 次に、本発明の実施例2のマイクロ光デバイスについて
図面を参照しながら以下に説明する。図5は本実施例の
構成を示すものであり、同図(a)はその側面断面図、
同図(b)はその正面図である。図6は、図5の第1の
光透過性基板10のみを示したものである。図1〜図4
において、同一機能のものは同一符号で示す。
【0045】10は第1の光透過性基板、11は第2の
光透過性基板、12は、第1の光透過性基板10上にマ
イクロリソグラフィ等の手段によって形成された第1の
ゾーンプレートである。また図示はしなかったが、第1
のゾーンプレート12と同じ形状の第2のゾーンプレー
ト13が、第2の光透過性基板11上に、やはりマイク
ロリソグラフィ等の手段によって形成されている。この
第2の光透過性基板11は固定基板とされ、一方、第1
の光透過性基板10は可動基板とするため弾性支持部材
の一端が固着されている。また第1のゾーンプレート1
2と第2のゾーンプレート13は重ねて配置されてい
る。
【0046】さて、本実施例の根幹を成す第1のゾーン
プレート12および第2のゾーンプレート13について
説明する。これらのゾーンプレートは、両者を相対的に
回転あるいは平行移動させることにより生ずる2つのビ
ートにより、球面波あるいは円筒面波を発生させ、か
つ、2枚のゾーンプレート間の相対変位により球面波あ
るいは円筒面波の曲率半径を変化させて、その集光点を
光軸方向に変位させるように構成されたものである。
【0047】その原理について以下に説明する。ビート
により発生させたい波面の位相を、Ψ(x,y)とす
る。いま、ビートにより球面波を発生させたければ、所
望の波面の位相は(数5)で表現される。
【0048】
【数5】
【0049】ここで、λは波長、fは焦点距離、aは定
数的な位相項である。
【0050】(数5)の位相をもった波面を、2枚のゾ
ーンプレートのx方向への相対的な微小変位△xによる
ビートから導きだすことを次に考える。
【0051】ゾーンプレートの位相を表わすカーブをФ
(x,y)とすると、(数6)の条件を満足する必要が
ある。
【0052】
【数6】
【0053】この(数6)よりゾーンプレートの位相を
表わす曲線の式が(数7)で与えられる。
【0054】
【数7】
【0055】ここで、A=1/6λf△x、B=a/△
xである。
【0056】したがって、(数7)に基づいて、第1の
ゾーンプレート12と第2のゾーンプレート13を形成
し変位△xを変化させることで2枚のゾーンプレートの
ビートによって発生する球面波の焦点距離fを変化させ
ることができる。
【0057】以上のように構成された本実施例のマイク
ロ光デバイスの動作について以下に説明する。なお、第
1のゾーンプレート12および第2のゾーンプレート
は、いずれも(数7)に基づいて作成されている。
【0058】さて、固定電磁石5に通電することで磁性
薄膜4との間に電磁的な吸引力、あるいは反発力が作用
し、この駆動力と弾性支持部材3の弾性力との釣合によ
り、第1の光透過性基板10上の第1のゾーンプレート
12は、その光軸と直交する方向すなわち図5に矢印で
示した方向に移動する。
【0059】このようにして、第1のゾーンプレート1
2と第2のゾーンプレート13に相対的な微小変位△x
を変化させることで、(数5)〜(数7)で示した関係
から2枚のゾーンプレートのビートによる球面波の焦点
距離fが変化する。その結果、焦点位置が光軸方向に移
動することとなる。
【0060】従って、例えば光ヘッドの対物レンズ、あ
るいはリレーレンズとして、第1のゾーンプレート12
と第2のゾーンプレート13を用い、公知のフォーカシ
ング誤差信号検出手段から得られる制御信号に基づいて
固定電磁石5への通電量を制御することで、2枚のゾー
ンプレートのビートによる球面波の集光点を光軸方向に
移動させてフォーカシング制御を行なうことができる。
【0061】この時、本実施例のマイクロ光デバイスに
おいては、可動部が、平板光学素子である第1のゾーン
プレート12、第2のゾーンプレート13及び磁性薄膜
4とから構成されている。
【0062】したがって、従来の3次元的なレンズある
いはミラーと、導線を巻装してなるコイルを可動部とし
て構成されたフォーカシング制御用のアクチュエータと
比較して小型化、薄型化、軽量化が達成できる。
【0063】なお、本実施例では磁性薄膜とプリントコ
イルの組合せによる電磁気的な駆動手段を用いたが、例
えば圧電薄膜等の他の駆動手段を用いることが可能なこ
とは言うまでもない。
【0064】また、本実施例では球面波について述べた
が、例えばシリンドリカルレンズの機能に相当する円筒
面波など、球面波以外の波面を発生させるには、(数
5)を所望の波面を表わすよう変更し(数6)を用いて
ゾーンプレートの式を導き出せばよい。
【0065】また、本実施例では、△xの平行移動によ
りビートを発生する構成としたが、回転でビートを発生
させるには極座標で(数5)を表現し、(数6)の偏微
分を角度に対して行なえばよい。このようにすれば、平
行移動ではなく2枚のゾーンプレートの相対的な回転に
よるビートから任意の波面を作り出すことができる。な
お、この時の回転駆動手段としては、例えば、図5の一
対の弾性支持部材3を片方のみの構成とすることで実現
できる。すなわち、この場合には第1のゾーンプレート
は、弾性支持部材3の固定部材6に対する固着点を中心
として回動することとなり2枚のゾーンプレート間の相
対的な回転が実現できる。
【0066】(実施例3) 次に、本発明の実施例3の静電マイクロ光デバイスに
いて図面を参照しながら以下に説明する。図7は本実施
例の構成を示すであり、同図(a)はその側面断面
図、同図(b)はその正面図である。図中において、図
1〜図6と同一機能のものは同一符号で示す。
【0067】14は固定基板であり、その周囲にはマイ
クロリソグラフィ等の手段により固定櫛歯状突起部16
が形成されている。またこの固定櫛歯状突起部16の各
突起には蒸着等の手法により電極が形成されている。
【0068】15は可動櫛歯状突起部であり、第2の光
透過性基板18の周囲にマイクロリソグラフィ等の手段
により形成されている。この可動櫛歯状突起部15の各
櫛歯にはやはり蒸着等の手法により電極が形成されてい
る。17は第1の光透過性基板である。
【0069】第1の光透過性基板17と第2の光透過性
基板18には、各々第1のゾーンプレート12と第2の
ゾーンプレート13がマイクロリソグラフィ等の手段を
用いて形成されている。これらのゾーンプレートは図6
に示したゾーンプレートと同様に、(数5)〜(数7)
に基づいて形成されており、かつ、2枚のゾーンプレー
トは重ねて配置されている。
【0070】以上のように構成された本実施例の動作を
以下に説明する。なお、第1のゾーンプレート12およ
び第2のゾーンプレートは、いずれも(数7)に基づい
て作成されている。
【0071】図示していない駆動部により、可動櫛歯状
突起部15と固定櫛歯状突起部16の電極間に電界を作
用させ静電力を発生させることで、第2の光透過性基板
18上の第2のゾーンプレート13はその光軸と直交す
る方向、すなわち、図7に矢印で示した方向に移動す
る。
【0072】このようにして第1のゾーンプレート12
と第2のゾーンプレート13に相対的な微小変位△xを
変化させることで、(数5)〜(数7)で示した関係か
ら2枚のゾーンプレートのビートによる球面波の焦点距
離fが変化する。その結果、焦点位置が光軸方向に移動
することとなる。
【0073】従って、例えば光ヘッドの対物レンズ、あ
るいはリレーレンズとして第1のゾーンプレート12と
第2のゾーンプレート13を用い、公知のフォーカシン
グ誤差信号検出手段から得られる制御信号に基づいて、
可動櫛歯状突起部15と固定櫛歯状突起部16の電極間
に作用させる電界を制御し、2枚のゾーンプレートのビ
ートによる球面波の集光点を光軸方向に移動させてフォ
ーカシング制御を行なうことができる。
【0074】この時、本実施例の静電マイクロ光デバイ
スにおいては、可動部が平板光学素子である第1のゾー
ンプレート12と第2のゾーンプレート13と可動櫛歯
状突起部15とから構成されている。
【0075】したがって、従来の3次元的なレンズある
いはミラーと、導線を巻装してなるコイルを可動部とし
て構成されたフォーカシング制御用のアクチュエータと
比較して小型化、薄型化、軽量化が達成できる。
【0076】さらに微小変位領域においては、従来の電
磁駆動方式と比較して格段に効率の高い静電駆動方式を
用いているため、低消費電力化が可能となる。
【0077】なお、実施例では球面波について述べた
が、例えばシリンドリカルレンズの機能に相当する円筒
面波など球面波以外の波面を発生させるには、(数5)
を所望の波面を表わすよう変更し、(数6)を用いてゾ
ーンプレートの式を導き出せばよい。
【0078】また、本実施例では△xの平行移動により
ビートを発生する構成としたが、回転でビートを発生さ
せるには、極座標で(数5)を表現し、(数6)の偏微
分を角度に対して行なえばよい。このようにすれば、平
行移動ではなく2枚のゾーンプレートの相対的な回転に
よるビートから任意の波面を作り出すことができる。な
お、この時の回転駆動手段は、例えば、図7の可動櫛歯
状突起部15と固定櫛歯状突起部16を円弧状に形成す
ることで実現できる。
【0079】(実施例4) 次に、本発明の実施例4のマイクロ光デバイスについて
図面を参照しながら以下に説明する。図8は本実施例の
構成を示すであり、同図(a)はその側面断面図、同
図(b)はその正面図である。図中の番号で図1〜図7
と同一のものは同じものを示す。本発明の請求項3記載
のマイクロ光デバイス((図5)参照)と異なる点は、
本実施例では1対のゾーンプレートではなく第1の計算
機ホログラム21と第2の計算機ホログラム22(図示
せず)からなる1対の計算機ホログラムを用いているこ
とである。この第1の計算機ホログラム21と第2の計
算機ホログラム22は重ねて配置されている。
【0080】さて、本実施例の根幹を成す第1の計算機
ホログラム21、第2の計算機ホログラム22について
説明する。これらの計算機ホログラムは両者を相対的に
回転あるいは平行移動させた結果生ずる合成関数によ
り、球面波あるいは円筒面波を発生させ、かつ、2枚の
計算機ホログラム間の相対変位により球面波あるいは円
筒面波の曲率半径を変化させて、その集光点を光軸方向
に変位させるように構成されたものである。
【0081】その原理について以下に説明する。一般に
バイナリ計算機ホログラムの振幅透過率分布T(x,
y)をフーリエ級数で表現すると、nを整数として(数
8)で与えられる。
【0082】
【数8】
【0083】ここで、
【0084】
【数9】
【0085】ただし、dはディユーテイを示し、一般的
にはd=1/2である。φ(x,y)は、計算機ホログ
ラムの位相関数である。
【0086】さて、(数8)に基づいて構成された計算
機ホログラムT(x,y)を±x方向に△x/2ずつ相
対的に変化させた時の合成関数G(x,y)は(数1
0)で与えられる。
【0087】
【数10】
【0088】さて、(数10)の合成関数により例えば
円筒面波を発生させたい場合を考える。所望の円筒面波
は(数11)で表わされる。
【0089】
【数11】
【0090】そこで、計算機ホログラムの位相関数、す
なわち、(数8)のφ(x,y)を(数5)からの(数
7)の導出と同じように(数12)のように設定する。
【0091】
【数12】
【0092】ここで、aとbは定数項である。
【0093】その結果、(数10)における合成関数G
(x,y)の位相項φnm(x,y)は(数13)で与え
られる。
【0094】
【数13】
【0095】(数13)の第3項と(数11)との比較
から、その焦点距離はn−m=2の場合、f=a3/3
λ△xとなることがわかる。すなわちシフト量△xに反
比例するシリンドリカル可変焦点レンズが実現可能なこ
とが分かる。ここでは円筒面波で説明したが球面波の場
合も同様の手法により計算機ホログラムを作成できるこ
とは言うまでもない。
【0096】以上のように構成された本実施例のマイク
ロ光デバイスの動作について以下に説明する。なお、第
1の計算機ホログラム21および第2の計算機ホログラ
ム22は球面波を発生させるようにいずれも作成されて
いる。
【0097】さて、固定電磁石5に通電することで磁性
薄膜4との間に電磁的な吸引力、あるいは反発力が作用
し、この駆動力と弾性支持部材3の弾性力との釣合によ
り、第1の光透過性基板10上の第1の計算機ホログラ
ム21はその光軸と直交する方向すなわち図8に矢印で
示した方向に移動する。
【0098】このようにして第1の計算機ホログラム2
1と第2のゾーンプレート22に相対的な微小変位△x
を変化させることで、(数10)〜(数13)で示した
関係から、2枚の計算機ホログラムの位相関数の合成に
より球面波の焦点距離fが変化する。その結果、焦点位
置が光軸方向に移動することとなる。
【0099】従って、例えば光ヘッドの対物レンズ、あ
るいはリレーレンズとして第1の計算機ホログラム21
と第2の計算機ホログラム22を用い、公知のフォーカ
シング誤差信号検出手段から得られる制御信号に基づい
て、固定電磁石5への通電量を制御することで、2枚の
計算機ホログラムの合成関数による球面波の集光点を光
軸方向に移動させてフォーカシング制御を行なうことが
できる。
【0100】この時、本実施例のマイクロ光デバイスに
おいては、可動部が平板光学素子である第1の計算機ホ
ログラム21と第2の計算機ホログラム22と磁性薄膜
4とから構成されている。
【0101】したがって、従来の3次元的なレンズある
いはミラーと、導線を巻装してなるコイルを可動部とし
て構成されたフォーカシング制御用のアクチュエータと
比較して小型化、薄型化、軽量化が達成できる。
【0102】なお、本実施例では、磁性薄膜とプリント
コイルの組合せによる電磁気的な駆動手段を用いたが、
例えば圧電薄膜等の他の駆動手段を用いることが可能な
ことは言うまでもない。
【0103】また、本実施例では△xの平行移動により
合成関数のビートを発生する構成としたが、回転でビー
トを発生させるには、極座標で(数10)から(数1
3)を表現して計算機ホログラムを設計すればよい。こ
のようにすれば、平行移動ではなく、2枚の計算機ホロ
グラムの相対的な回転による合成関数のビートから任意
の波面を作り出すことができる。なお、この時の回転駆
動手段としては、例えば、図8の一対の弾性支持部材3
を片方のみの構成とすることで実現できる。すなわち、
この場合には第1の計算機ホログラムは、弾性支持部材
3の固定部材6に対する固着点を中心として回動するこ
ととなり2枚の計算機ホログラム間の相対的な回転が実
現できる。
【0104】(実施例5) 次に、本発明の実施例5の静電マイクロ光デバイスに
いて図面を参照しながら以下に説明する。図9は本実施
例の構成を示すであり、同図(a)はその側面断面
図、同図(b)はその正面図である。図中の番号で図1
〜図8と同一のものは同一機能のものを示す。
【0105】本発明の実施例3の静電マイクロ光デバイ
ス(図7参照)と異なる点は、本実施例では1対のゾー
ンプレートではなく第1の計算機ホログラム21(図示
せず)と第2の計算機ホログラム22からなる1対の計
算機ホログラムを用いていることである。これらの計算
機ホログラム21、22は、図8に示した計算機ホログ
ラム同様に(数10)〜(数13)に基づいて形成され
ており、かつ2枚の計算機ホログラムは重ねて配置され
ている。
【0106】以上のように構成された本実施例の動作を
以下に説明する。図示していない駆動部により、可動櫛
歯状突起部15と固定櫛歯状突起部16の電極間に電界
を作用させ静電力を発生させることで、第2の光透過性
基板18上の第2の計算機ホログラム22は、その光軸
と直交する方向すなわち図9に矢印で示した方向に移動
する。このようにして第1の計算機ホログラム21と第
2の計算機ホログラム22に相対的な微小変位△xを変
化させることで、(数10)〜(数13)で示した関係
から2枚の計算機ホログラム合成関数のビートによる球
面波の焦点距離fが変化する。その結果、焦点位置が光
軸方向に移動することとなる。
【0107】従って、例えば光ヘッドの対物レンズ、あ
るいはリレーレンズとして第1の計算機ホログラム21
と第2の計算機ホログラム22を用い、公知のフォーカ
シング誤差信号検出手段から得られる制御信号に基づい
て可動櫛歯状突起部15と固定櫛歯状突起部16の電極
間に作用させる電界を制御することで2枚の計算機ホロ
グラムの合成関数のビートによる球面波の集光点を光軸
方向に移動させてフォーカシング制御を行なうことがで
きる。
【0108】この時、本実施例の静電マイクロ光デバイ
スにおいては、可動部が平板光学素子である第1の計算
機ホログラム21と第2の計算機ホログラム22と可動
櫛歯状突起部15とから構成されている。
【0109】したがって、従来の3次元的なレンズある
いはミラーと、導線を巻装してなるコイルを可動部とし
て構成されたフォーカシング制御用のアクチュエータと
比較して小型化、薄型化、軽量化が達成できる。
【0110】さらに微小変位領域においては従来の電磁
駆動方式と比較して格段に効率の高い静電駆動方式を用
いているため低消費電力化が可能となる。
【0111】なお、本実施例では△xの平行移動により
ビートを発生する構成としたが、回転でビートを発生さ
せるには極座標で(数10)〜(数13)を表現して計
算機ホログラムを作成すればよい。このようにすれば、
平行移動ではなく2枚の計算機ホログラムの相対的な回
転による合成関数のビートから任意の波面を作り出すこ
とができる。なお、この時の回転駆動手段は、例えば、
図9の可動櫛歯状突起部15と固定櫛歯状突起部16を
円弧状に形成することで実現できる。
【0112】
【発明の効果】以上のように、第1の本発明の静電マイ
クロ光デバイスは、ゾーンプレ−トが形成され、かつ、
その周辺部に櫛歯状突起電極部が形成された光透過性の
可動基板と、この可動基板を静電力により駆動するため
に前記可動基板の櫛歯状突起電極部と対向して配置され
る櫛歯状突起がその周辺部に形成された固定基板とを設
け、静電力によりゾーンプレートをその光軸と直交する
方向に移動させることで光ビームの集束点を移動させる
ことが可能な薄型、軽量、低消費電力の静電マイクロ光
デバイスである。
【0113】さらに、第2の本発明のマイクロ光デバイ
スは、マイクロリソグラフィ等の手段により第1のゾー
ンプレートが形成された第1の光透過性基板と、第2の
ゾーンプレートが形成された第2の光透過性基板とを重
ねて配置し、前記第1および第2の光透過性基板を相対
的に回転あるいは平行移動させた結果生ずる2つのゾー
ンプレートのビートにより球面波や円筒面波を発生さ
せ、かつ、2枚のゾーンプレート間の相対変位により球
面波あるいは円筒面波の曲率半径を変化させてその集光
点を光軸方向に変化させることが可能な薄型、軽量のマ
イクロ光デバイスである。
【0114】また、第3の本発明の静電マイクロ光デバ
イスは第1のゾーンプレートが形成された第1の光透過
性基板と、第2のゾーンプレートが形成され、かつ、そ
の周辺部に櫛歯状突起電極部が形成された第2の光透過
性基板と、この第2の光透過性基板を回転あるいは平行
移動させる静電駆動力を発生させるために前記第2の光
透過性基板の櫛歯状突起電極部と対向して配置される櫛
歯状突起電極部をその周辺部に設けた固定基板とにより
以下の作用を発生させる。すなわち、重ねて配置した第
1および第2のゾーンプレートを静電力によって相対的
に回転あるいは平行移動させた結果生ずる2つのゾーン
プレートのビートにより球面波や円筒面波を発生させ、
さらに、2枚のゾーンプレート間の相対変位により球面
波あるいは円筒面波の曲率半径を変化させてその集光点
を光軸方向に変化させることが可能な薄型、軽量、低消
費電力の静電マイクロ光デバイスである。
【0115】さらに、第4の本発明のマイクロ光デバイ
スは、マイクロリソグラフィ等の手段により第1の振幅
型あるいは位相型の計算機ホログラムが形成された第1
の光透過性基板と、第2の振幅型あるいは位相型の計算
機ホログラムが形成された第2の光透過性基板と、前記
第1および第2の基板を相対的に回転あるいは平行移動
させる駆動手段とを備えたことにより以下の作用を発生
させる。すなわち、重ねて配置した前記第1および第2
の光透過性基板を相対的に回転あるいは平行移動させる
ことにより、2枚の計算機ホログラムの位相項の光学的
な積によって生ずる球面波や円筒面波の曲率半径を変化
させてその集光点を光軸方向に変化させることが可能な
薄型、軽量のマイクロ光デバイスである。
【0116】また、第5の本発明の静電マイクロ光デバ
イスは、第1の振幅型あるいは位相型の計算機ホログラ
ムが形成された第1の光透過性基板と、第2の振幅型あ
るいは位相型の計算機ホログラムが形成され、かつ、そ
の周辺部に櫛歯状突起電極部が形成された第2の光透過
性基板と、この第2の光透過性基板を回転あるいは平行
移動させる静電駆動力を発生させるために前記第2の光
透過性基板の櫛歯状突起電極部と対向して配置される櫛
歯状突起電極部をその周辺部に設けた固定基板とを備え
ることで以下の作用を発生させるものである。すなわ
ち、重ねて配置した前記第1および第2の計算機ホログ
ラムを静電力によって相対的に回転あるいは平行移動さ
せることにより、2枚の計算機ホログラムの位相項の光
学的な積によって生ずる球面波や円筒面波の曲率半径を
変化させてその集光点を光軸方向に変化させることが可
能な薄型、軽量、低消費電力の静電マイクロ光デバイス
である。
【0117】したがって、このような小型軽量のマイク
ロ光デバイスあるいは静電マイクロ光デバイスを例え
ば、光ヘッドのフォーカシング制御やトラッキング制御
に用いれば高速アクセス化が実現できるなどの作用効果
を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例のマイクロ光デバイスの平面図
【図2】同参考例における主要部断面図
【図3】同参考例におけるFZPの結像関係を示す図
【図4】本発明の実施例1の静電マイクロ光デバイスの
平面図
【図5】本発明の実施例2のマイクロ光デバイスの構成
を示す図
【図6】同実施例の主要部の平面図
【図7】本発明の実施例3の静電マイクロ光デバイスの
構成を示す図
【図8】本発明の実施例4のマイクロ光デバイスの構成
を示す図
【図9】本発明の実施例5の静電マイクロ光デバイスの
構成を示す図
【符号の説明】
1 FZP 3 弾性支持部材 4 磁性薄膜 7 可動櫛歯状突起部 8 固定櫛歯状突起部 12 第1のゾーンプレート 13 第2のゾーンプレート 21 第1の計算機ホログラム 22 第2の計算機ホログラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 厚司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−58014(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/10 G02B 26/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゾーンプレ−トが形成され、かつ、その周
    辺部に櫛歯状突起電極部が形成された光透過性の可動基
    板と、この可動基板を静電力により駆動するために前記
    可動基板の櫛歯状突起電極部と対向して配置される櫛歯
    状突起電極部がその周辺部に形成された固定基板とを有
    することを特徴とする静電マイクロ光デバイス。
  2. 【請求項2】1のゾーンプレートが形成された第1の
    光透過性基板と、第2のゾーンプレートが形成された第
    2の光透過性基板と、前記第1および第2の光透過性基
    板を相対的に回転あるいは平行移動させる駆動手段とを
    備え、かつ、前記第1および第2のゾーンプレートを重
    ねて配置したことを特徴とするマイクロ光デバイス。
  3. 【請求項3】第1のゾーンプレートが形成された第1の
    光透過性基板と、第2のゾーンプレートが形成され、か
    つ、その周辺部に櫛歯状突起電極部が形成された第2の
    光透過性基板と、この第2の光透過性基板を回転あるい
    は平行移動させる静電駆動力を発生させるために前記第
    2の光透過性基板の櫛歯状突起電極部と対向して配置さ
    れる櫛歯状突起電極部をその周辺部に設けた固定基板と
    を備え、かつ、前記第1および第2のゾーンプレートを
    重ねて配置したことを特徴とする静電マイクロ光デバイ
    ス。
  4. 【請求項4】1の振幅型あるいは位相型の計算機ホロ
    グラムが形成された第1の光透過性基板と、第2の振幅
    型あるいは位相型の計算機ホログラムが形成された第2
    の光透過性基板と、前記第1および第2の光透過性基板
    を相対的に回転あるいは平行移動させる駆動手段とを備
    え、かつ、前記第1および第2の計算機ホログラムを重
    ねて配置したことを特徴とするマイクロ光デバイス。
  5. 【請求項5】第1の振幅型あるいは位相型の計算機ホロ
    グラムが形成された第1の光透過性基板と、第2の振幅
    型あるいは位相型の計算機ホログラムが形成され、か
    つ、その周辺部に櫛歯状突起電極部が形成された第2の
    光透過性基板と、この第2の光透過性基板を回転あるい
    は平行移動させる静電駆動力を発生させるために前記第
    2の光透過性基板の櫛歯状突起電極部と対向して配置さ
    れる櫛歯状突起電極部をその周辺部に設けた固定基板と
    を備え、かつ、前記第1および第2の計算機ホログラム
    を重ねて配置したことを特徴とする静電マイクロ光デバ
    イス。
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