JP3084442U

JP3084442U - 頚部用簡易コルセット

Info

Publication number: JP3084442U
Application number: JP2001005787U
Authority: JP
Inventors: 文敏甲斐
Original assignee: 文敏甲斐
Priority date: 2001-08-31
Filing date: 2001-08-31
Publication date: 2002-03-22
Anticipated expiration: 2007-08-31

Abstract

(57)【要約】【課題】装着感が良く、個々の患者の経済的負担を少な
くすることができると共に、携帯や格納を簡便行なうこ
とができる頚部用簡易コルセットを提供する。【解決手段】患者の頚部が包囲可能な環状に形成され、
患者の頚部の上側部位を保持するために顎から首の後部
分まで延在する頚部の上側部位を取り囲む顎受けチュー
ブ２と、同様に頚部の下側部位を取り囲む下部支持チュ
ーブ３との間に、顎受けチューブ２を頚部の上下方向に
支持する複数の蛇腹状の支柱チューブ４を並行に配して
窓口６を形成してコルセット１を形成する。そして、こ
れらのチューブを空気を送排気することにより膨張収縮
可能な軟質樹脂製とし、送排気口（空気注入口）５ある
いは４ａから空気を吹き込むことにより風船のように膨
張させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、主として頚部の固定保護や牽引治療に用いるコルセットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、鞭打ち症など頚椎障害の頚部を保護するためには、硬質プラスチック製のコルセットあるいは軟質プラスチックコルセット、軟質パイプ式、スポンジまたは軟質シリコンコルセットが使用される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のコルセットは、保護効果は完全であるが軽度の症状には不向きな場合がある。すなわち、従来のコルセットは完全な剛性体で重く嵩張るものであり、頚部の縦横の動きを完全に規制してしまい装着感の悪いものであった。また、軟質のものは固定性が弱く、また、頚部が密閉され通気性が悪く、例えば夏場においては蒸れて不快なものであった。また、持ち運びや格納にも難があり、さらに高価なものであった。

【０００４】本考案は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、固定性の良さは無論のこと、装着感が良く、個々の患者の経済的負担を少なくすることができると共に、携帯や格納を簡便行なうことができる頚部用簡易コルセットを提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案の頚部用簡易コルセットは、頚部上部が包囲可能な環状に形成された顎受け部と、頚部下部が包囲可能な環状に形成された下部支持部と、顎受け部と下部支持部との間に、顎受け部を頚部の上下方向に支持する複数の支柱部を並行に配し、前記顎受け部及び／又は顎支持部及び／又は支柱部が空気の送排気により膨張収縮可能とされていることを第１の特徴とする。

【０００６】また、請求項１記載の頚部用簡易コルセットにおいて支柱部が蛇腹構造であることを第２の特徴とする。

【０００７】本考案のコルセットは、空気の送排気により膨張収縮可能とされた風船のような構造とされているので、肌との接触部分が柔らかく患部へのフィット感が良好になる。また、支持部間を窓部を設けることで通気性が良好になる。さらに、支持部を蛇腹構造にすることにより、高さの調節を容易にできるばかりでなく、頚椎の牽引効果を得ることができる。

【考案の実施の形態】

以下、本考案による簡易コルセットを構成する各要素について図面を参照しながら説明する。

【０００８】

【実施例】

図１及び図２に示すように、本考案に係るコルセット１は、患者の頚部が包囲可能な環状に形成され、患者の頚部の上側部位を保持するために顎から首の後部分まで延在する頚部の上側部位を取り囲む顎受けチューブ２と、同様に頚部の下側部位を取り囲む下部支持チューブ３とを備える。

【０００９】顎受けチューブ２と支持チューブ３との間には、顎受けチューブ２を頚部の上下方向に支持する複数の蛇腹状の支柱チューブ４を並行に配して、これら支柱チューブ４の間には窓口６が形成される。そして、これらのチューブは空気の送排気により膨張収縮可能な軟質樹脂製とされており、送排気口（空気注入口）５から空気を吹き込むことにより風船のように膨張できるようにされている。ここで、各々の支柱チューブ４には夫々単独の送排気口４ａが設けられており、各支柱チューブ４の高さを自由に調整できるようにされている。

【００１０】顎受けチューブ２の前方部（首の前側）は、顎の頂部を保持するのに適した湾曲状に形成されると共に、面ファスナー７でもって接離着脱自在とされ、頚部への装着を容易にする。この前方部から延びる左側部及び右側部は、首の側部を取り囲み且つ支持するのに適した形状を有する。尚、この接離部分は顎受けチューブの後方（首の後側）に設けるものでも良い。

【００１１】次に、本実施例コルセットの使用方法と作用について説明する。先ず、空気を吹き込んでコルセット１をある程度膨らませた状態で患者Ｍの頚部に装着する。次いで、装着した状態のコルセット１の各支柱チューブ４に夫々空気を吹き込んで行く。これにより、コルセット１は更に膨張し、支柱チューブ４が上下に伸びると同時に顎受けチューブ２及び下部支持チューブ３の間に上下方向への牽引力が発生する。そして、患者Ｍが適当と感じる膨張具合になった時点で送気を止める。これにより、頚椎やそれに携わる筋の縮みを引き伸ばすことができ、頚椎間の圧迫によって生じていた痛みを和らげることができる。そして、不使用時には、コルセット１の空気を抜いて折り畳むことにより、手軽に携帯することができる。

【００１２】尚、チューブを形成する軟質樹脂としては、天然ゴム、ニトリルゴム、プチルゴム等が使用出来るが、このチューブを吸湿性のあるパイル布で被覆するのが好ましく、夏場においても汗を吸収して爽快に使用できる。

【００１３】本考案のコルセット１では、頚部上部が包囲可能な環状に形成された顎受けチューブ２と、頚部下部が包囲可能な環状に形成された下部支持チューブ３と、顎受けチューブ２と下部支持チューブ３との間に、顎受けチューブ２を頚部の上下方向に支持する複数の支柱チューブ４を並行に配置し一体化することにより、コルセット１の上下方向に支持効果が付与されてコルセット効果が得られる。しかも、柔軟性を有し、首の動きに対する追従性があり自由度が得られる。また、窓口６を形成したことにより発汗による蒸れ防止に効果的である。

【００１４】

【考案の効果】

以上のように本考案の頚部用簡易コルセットは、コルセット効果に優れているのは無論のこと、着脱が容易で且つ軽量であるので、装着感が良く、安価に提供することができて個々の患者の経済的負担を少なくすることができると共に、携帯や格納を簡便行なうことができるという優れた効果を有する。また、注入する空気量を適宜調節することによって症状の種類やその回復の段階に的確に対応できるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る頚部用簡易コルセットを示す平面
図である。

【図２】コルセットを装着した状態を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１コルセット２顎受けチューブ３下部支持チューブ４支柱チューブ４ａ送排気口（空気注入口）５送排気口（空気注入口）６窓口７面ファスナー

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】頚部上部が包囲可能な環状に形成された
顎受け部と、頚部下部が包囲可能な環状に形成された下
部支持部と、顎受け部と下部支持部との間に、顎受け部
を頚部の上下方向に支持する複数の支柱部を並行に配
し、前記顎受け部及び／又は顎支持部及び／又は支柱部
が空気の送排気により膨張収縮可能とされていることを
特徴とする頚部用簡易コルセット。
【請求項２】各々の支柱部に夫々単独の送排気口が設
けられていることを特徴とする請求項１記載の頚部用簡
易コルセット。
【請求項３】支柱部が蛇腹構造であることを特徴とす
る請求項１又は請求項２記載の頚部用簡易コルセット。
【請求項４】支柱部間に窓部が設けられていることを
特徴とする請求項１又は請求項２又は請求項３記載の頚
部用簡易コルセット。