JP3083750U - 建築用間隔固定台用セパレーター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワンタッチ式で間隔固定台を左右セパレータ
ー上に結合することができる一方、その組立作業の正確
性の向上を図り、しかも耐久性等を一層倍加することの
できるセパレーターを提供すること。 【解決手段】 各種建築物の柱や堰、壁体などを耐震設
計によって鉄筋コンクリート構造物により築造する時に
用いられる間隔固定台用セパレーター１を構成するにお
いて、前記間隔固定台用セパレーター１はケーシング２
内に下部傾斜形のテーパー面を持つナット挿入孔３と、
前記ナット挿入孔３の上部テーパー面に安置される、連
結面５ｂと開放面５ａを持つ分割形のナット５と、具備
し、前記ナット５の外面部には、ナット挿入孔３の内面
に形成される係止凸３ａに係止される係止凹５ｃが形成
され、間隔固定台６をナット３の上部から強制圧入する
と、分割形のナット５がナット挿入孔３内に強制圧入さ
れながら間隔固定台６のボルト６ａと螺合できるように
構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

本考案は、建築用間隔固定台用セパレーターに係り、より詳しくは耐震設計用 建築物の築造時に用いられる建築用間隔固定台用セパレーターに関する。

【０００２】

【従来の技術】

通常各種建築物の築造に際して、鉄筋コンクリート構造物を築造するためには 、鉄筋を配筋した後、足場を構成し、前記足場の内部にコンクリート混合物を注 入して柱や堰及び壁体などを築造する。最近は地震や台風などの自然災害などに 備えて耐震設計を行うことになり、耐震設計を行う建築物の築造では柱や堰及び 壁体などに鉄筋に加えてコンクリート構造物の間隔維持用の間隔固定台が設置さ れる。足場の設置時に前記間隔固定台の端部にセパレーターを設置し、鉄筋構造 物の築造が完全に完了した後には、鉄筋コンクリート構造物に前記セパレーター を間隔固定台と共に埋設することにより、地震などが発生すると、鉄筋コンクリ ート構造物が垂直、水平の方向に加えられる応力に対応できるようになる。図５ はこのような機能を行う耐震設計用建築物の従来の間隔固定台用セパレーターを 示している。

【０００３】 すなわち、従来の間隔固定台用セパレーター１は、上部が開放されているケー シング２内にナット挿入孔３を形成し、前記ナット挿入孔３の前方にはボルト結 合案内孔４を形成することにより、ナット５を前記ナット挿入孔３に挿入し、間 隔固定台６の端部に形成されたボルト６ａが前記ナット５と螺合するようになっ ている。

【０００４】 そして、前記ケーシング２のナット挿入孔３の後側には、後ほど切断される切 断ボルト７のヘッダ７ａが嵌合するように切断ボルト挿入孔８が形成される。

【０００５】 このような構成を有する既存の間隔固定台用セパレーター１はまず、ナット挿 入孔３に挿入されたナット５に間隔固定台６を螺合する必要があるので、作業性 が極めて悪く、挿入されたナット５が作業中に不要に離脱するおそれがあるなど 、多数の問題点がある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

従って、本考案はかかる従来の耐震設計用建築物の間隔固定台用セパレーター の問題点を解決するためのもので、その目的は特にワンタッチ式で間隔固定台を 左右セパレーター上に結合することができる一方、その組立作業の正確性の向上 を図り、しかも耐久性等を一層倍加することのできる建築用間隔固定台用セパレ ーターを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る建築用間隔固定台用セパレーターは、各種建築物の柱や堰及び壁 体などを耐震設計によって鉄筋コンクリート構造物により築造する時に用いられ る間隔固定台用セパレーターであって、前記間隔固定台用セパレーターはケーシ ング内に下部傾斜形のテーパー面を持つナット挿入孔と、前記ナット挿入孔の上 部テーパー面に載置される連結面と開放面を持つ分割形のナットとを具備し、前 記ナットの外面部には、ナット挿入孔の内面に形成される係止凸に係止される係 止凹が形成され、間隔固定台をナットの上部から強制圧入すると、分割形のナッ トがナット挿入孔内に強制圧入されながら間隔固定台のボルトと螺合できるよう に構成したことを特徴とする。

【０００８】 このような構成において、前記ケーシングの上部後側には間隔固定台の定位置 結合設定用のストッパを形成したものとすることができる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案に係る間隔固定台用セパレーターは、各種建築物の築造に際して、柱や 堰、壁体などを耐震設計によって鉄筋コンクリート構造物により築造する時に用 いられる。すなわち、鉄筋コンクリート建物の築造時に足場と同時に設置し、柱 や堰及び壁体の内に固定される間隔固定台用セパレーターを構成するにおいて、 前記間隔固定台用セパレーターはケーシング内に案内面を持つナット挿入孔と、 最初は前記ナット挿入孔上部で分割形になっているが、間隔固定台の強制圧入作 動によってワンタッチ式でナット挿入孔内に進入しながら、間隔固定台のボルト と螺合すると共に、離脱しないように係止凹が係止凸に係止されることにより組 み立てられるナットとを具備する。このような構成によれば、間隔固定台をナッ ト挿入孔に差し込んでいくことにより、間隔固定台のボルトとナットとを螺合さ せることができ、一対の間隔固定台用セパレーターが間隔固定台により連結され る。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案に係る建築物の間隔固定台用セパレーター１を示す斜視図であり 、図２は本考案の作用状態を示す斜視図であり、図３は本考案の作用状態を示す 縦断面図であり、図４は本考案の使用状態を示す図である。同図において図５に 示した従来の構成部材と対応する部分には同一符号を付して説明する。

【００１１】 すなわち、本考案の間隔固定台用セパレーター１は、ケーシング２内に、上部 から下部まで次第に狭くなるテーパー形のナット挿入孔３を形成し、前記ナット 挿入孔３の前方には、間隔固定台６が案内結合できるようにボルト結合案内孔４ を形成したものである。

【００１２】 前記ボルト結合案内孔４の幅（ｔ）は間隔固定台６の直径より若干大きいサイ ズになっており、分割形のナット５が間隔固定台６の強制圧入作用によってボル ト結合案内孔４に案内結合される。

【００１３】 すなわち、前記ナット５は、上部側が両側に分割できるように開放面５ａをそ れぞれ有し、下端に連結面５ｂを有しており、上部を拡開状態にしてナット挿入 孔３の上部に位置する。この時、図２に示すように間隔固定台６をナット５の開 放面５ａ上に位置させた後、それを下方に強制圧入すると、ナット５が間隔固定 台６と共にナット挿入孔３に下降すると同時に、連結面５ｂにより連結された開 放面５ａどうしがナット挿入孔３の内壁に倣って接近してこれらの開放面５ａが 互いに連接しあうことになり、この結果、ナット５はナット５としての機能を行 える状態になる。

【００１４】 前記ナット挿入孔３の左右内側には、ナット５が強制圧入後に不要に離脱でき ないように係止凸３ａを設け、前記ナット５の外側対応面には、前記係止凸３ａ に係止される係止凹５ｃを設ける。

【００１５】 ナット挿入孔３の上部後側には、間隔固定台６の結合時に間隔固定台６がナッ ト５に定位置結合できるように、予め間隔固定台６の位置を設定するストッパ９ が形成されている。

【００１６】 図面中の符号２ａはナット５がナット挿入孔３に定位置結合したか否かを肉眼 で確認できる確認線を示し、１０は足場、１１は足場設置台、１２は固定ハンド ル、１３はコンクリート混合物をそれぞれ示している。

【００１７】 上述したように構成される本考案は主として耐震設計用建築物に適用される足 場の間隔固定台用セパレーター１であり、以下、その作用などについて詳細に説 明する。

【００１８】 建築物を構成する柱や堰及び壁体などを築造するために足場１０を築く時、足 場設置台１１と共に本考案の間隔固定台用セパレーター１を足場１０の間に設置 する。

【００１９】 まず、切断ボルト７を足場１０の内側から外側に引き出されるように結合させ た後、固定ハンドル１２を切断ボルト７に螺合させることにより、間隔固定台用 セパレーター１を足場１０に固定し、左右に対向する間隔固定台用セパレータ１ の間に間隔固定台６を結合させると、対向の間隔固定台用セパレーター１が互い に間隔固定台６により連結固定される。このため、間隔固定台６の両端部を間隔 固定台用セパレーター１を構成するケーシング２のナット挿入孔３の上部に位置 させると、ケーシング２の上部後側に形成されたストッパ９が間隔固定台６の結 合位置を正確に設定するので、間隔固定台６の定位置離脱などを予め防止するこ とが可能である。次に、間隔固定台６がナット挿入孔３の上部で拡開状態のナッ ト５に載置され、作業者が間隔固定台６を下方に付勢して強制圧入すると、間隔 固定台６の両端に位置しているナット５が、間隔固定台６の下方に加えられる圧 力により、ナット挿入孔３内をスライド下降し、分割されている開放面５ａが連 結面５ｂによって互いに連接しあうことになり、これによりナット５はナットと しての機能を行えることになる。すなわち、間隔固定台６のボルト６ａがナット ５と螺合する。勿論、前記間隔固定台６がナット５と螺合しながら下降する時、 ナット挿入孔３の前面に形成されたボルト結合案内孔４を経由しながら案内結合 が行われる。

【００２０】 そして、前記ナット５の前記ナット挿入孔３への下降進入時、ナット挿入孔３ の左右に設けられている係止凸３ａに、ナット５の外面に設けられている係止凹 ５ｃが係止されるので、一旦ナット５がナット挿入孔３に強制圧入されてしまう と上部に離脱せずに強固に装着される。この際、作業者はケーシング２に形成さ れた確認線２ａとナット５の上面部が互いに一致することから、ナット５が定位 置に結合されたか否かを肉眼で容易に確認できる。

【００２１】 上述したように、足場１０の間に間隔固定台用セパレーター１を間隔固定台６ に連結した後、コンクリート混合物１３を周知のように打設し、所定時間の養生 を経て足場１０を分解する時は、固定ハンドル１２を上下方向に適当に角運動さ せると、切断ボルト７のヘッド７ａをケーシング２の内部に位置させた状態でボ ルト部位だけ切断分離される。そして、足場１０を分離すると、ケーシング２と ナット５が間隔固定台６に連結されている状態で鉄筋コンクリート構造物内に固 定される。

【００２２】 このような間隔固定台用セパレーター１は建築物の築造後、耐震や各種衝撃な どが加えられても、垂直、水平方向の応力に対して、鉄筋コンクリート構造物の 柱や堰及び壁体に十分な耐久性を持たせる耐震機能を提供する。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る間隔固定台用セパレーターは、各種建築物 の築造に際して、柱や堰及び壁体などを耐震設計によって鉄筋コンクリート構造 物により築造する時に用いられるもので、鉄筋コンクリート建物の築造時に足場 と同時に設置し、柱や堰及び壁体の内に固定される間隔固定台用セパレーターを 構成するにおいて、前記間隔固定台用セパレーターはケーシング内に案内面を持 つナット挿入孔と、最初は前記ナット挿入孔上部で分割形になっているが、間隔 固定台の強制圧入作動によってワンタッチ式でナット挿入孔内に進入しながら、 間隔固定台のボルトと螺合すると共に、離脱しないように係止凹が係止凸に係止 されることにより組み立てられるナットとを具備してその設置作業の速度を倍加 させることができる。また、ケーシングの上部後側にはストッパを形成すること により、間隔固定台の結合時に定位置が予め設定されるので、作業の正確性の向 上を図ることができるなどその期待される効果が多大な考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の間隔固定台用セパレーターの好適な
一実施例を示す斜視図である。

【図２】 本考案の間隔固定台用セパレーターの作用状
態を示す斜視図である。

【図３】 本考案の間隔固定台用セパレーター作用状態
を示す縦断面図である。

【図４】 本考案の間隔固定台用セパレーターの使用状
態を示す例示図である。

【図５】 従来の間隔固定台用セパレーターを示す斜視
図である。

【符号の説明】

１ 間隔固定台用セパレーター ２ ケーシング ２ａ 確認線 ３ ナット挿入孔 ３ａ 係止凸 ４ ボルト結合案内孔 ５ ナット ５ａ 開放面 ５ｂ 連結面 ５ｃ 係止凹 ６ 間隔固定台 ６ａ ボルト ７ 切断ボルト ７ａ ヘッダ ８ 切断ボルト挿入孔 ９ ストッパ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 各種建築物の柱や堰及び壁体などを耐震
   設計によって鉄筋コンクリート構造物により築造する時
   に用いられる間隔固定台用セパレーター（１）であっ
   て、 前記間隔固定台用セパレーター（１）はケーシング
   （２）内に下部傾斜形のテーパー面を持つナット挿入孔
   （３）と、前記ナット挿入孔（３）の上部テーパー面に
   載置される連結面（５ｂ）と開放面（５ａ）を持つ分割
   形のナット（５）とを具備し、 前記ナット（５）の外面部には、ナット挿入孔（３）の
   内面に形成される係止凸（３ａ）に係止される係止凹
   （５ｃ）が形成され、間隔固定台（６）をナット（３）
   の上部から強制圧入すると、分割形のナット（５）がナ
   ット挿入孔（３）内に強制圧入されながら間隔固定台
   （６）のボルト（６ａ）と螺合できるように構成したこ
   とを特徴とする建築用間隔固定台用セパレーター。
2. 【請求項２】 前記ケーシング（２）の上部後側には間
   隔固定台（６）の定位置結合設定用のストッパ（９）が
   形成されていることを特徴とする請求項１記載の建築用
   間隔固定台用セパレーター。