JP3083577B2 - 精製マクロライド抗生物質の製造法 - Google Patents

精製マクロライド抗生物質の製造法

Info

Publication number
JP3083577B2
JP3083577B2 JP03072606A JP7260691A JP3083577B2 JP 3083577 B2 JP3083577 B2 JP 3083577B2 JP 03072606 A JP03072606 A JP 03072606A JP 7260691 A JP7260691 A JP 7260691A JP 3083577 B2 JP3083577 B2 JP 3083577B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
macrolide antibiotic
organic solvent
aqueous solution
macrolide
aldehyde group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP03072606A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04235996A (ja
Inventor
守 田村
美光 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP03072606A priority Critical patent/JP3083577B2/ja
Publication of JPH04235996A publication Critical patent/JPH04235996A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3083577B2 publication Critical patent/JP3083577B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,精製されたアルデヒド
基含有マクロライド抗生物質の製造法に関する。更に詳
しくは,本発明粗製のアルデヒド基含有マクロライド
抗生物質の亜硫酸水素ナトリウム付加物を分解抽出して
精製することを主な特徴とする精製アルデヒド基含有マ
クロライド抗生物質の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】マクロライド抗生物質は,主としてブド
ウ球菌などの広範囲のグラム陽性に属する病原菌やマイ
コプラズマなどに抗菌活性を示し,医薬品として重要で
ある。一般微生物の培養と同様,マクロライド抗生物質
を生産する場合においても,目的有効成分の他に,その
有効成分と構造上類似する副生物が同時に産生される場
合が多い。また,マクロライド抗生物質は,構造上類似
する多種の有効成分が同時に産生される場合も多い。通
常このような培養物から目的有効成分を単離し,精製す
るには,適当な溶剤に対する溶解性及び溶解度の差,溶
液からの析出性及び析出速度の差,種々の吸着剤に対す
る吸着親和性の差,2種の液相間における分配の差など
を利用する単離精製手段を,目的有効成分や,副生物な
どを考慮しながら,適宜選択し,組合せ,反復するなど
いろいろと駆使して行なわれるのが一般的である。
【0003】しかしながら,工業的規模で生産し単離精
製するためには,できるだけ小規模装置でより工程数が
少なく,より簡便で効率よく目的有効物質を純度よく取
得しうる工業的単離精製法が生産性を向上させる上で望
ましく,その確立が望まれている。また,工業的単離精
製法は,種々のマクロライド抗生物質を取扱う場合に
は,更に汎用性の高い技術を確立することが望まれる。
【0004】従来,多成分の塩基性マクロライド抗生物
質の分離採取法として,非イオン性のスチレン系樹脂に
吸着させ,これを有機溶媒とpH3乃至8の水溶液の混
合溶媒で溶出する技術は公知である(特開昭48−76
880号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,緩衝液
のpH調整で個々の有効成分を分離採取するこの技術
は,緩衝剤溶媒タンクをさらに必要とするばかりでな
く,その緩衝剤調整,pH制御も決して容易ではない。
そればかりか,同じく多成分の塩基性マクロライド抗生
物質が同時に産生される特開昭61−268176号公
報記載の化1で示されるYS−02930K−D物質
(以下D物質という)及びYS−02930K−E物質
(以下E物質という)などのYS−02930K群抗生
物質に適用しても,純度が20〜48%程度に止まり,
この方法は到底工業的に利用できる方法ではなかった。
【0006】
【化1】
【0007】なお,特開昭61−268176号公報に
記載の単離精製法は,実験室的製法であって,濾過して
菌体を除き,pH調整下で何度も酢酸エチルで分液抽出
乾燥し,シリカゲル薄層クロマトグラフィーで展開して
分離された個々のスポットをかきとり,必要によりさら
にシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製している
ものであるが,薄層クロマトグラフィーは工業的生産に
は不向きであり,かつpH調整下酢酸エチルで抽出して
も工業的には所望の純度にまで高めることは困難であっ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような技術水準下
に,本発明者らはマクロライド系抗生物質の工業的に有
利な単離精製法を確立すべく,マクロライド抗生物質の
多くに共通して存在するアルデヒド基に着目し,そのア
ルデヒド基に対する亜硫酸水素アルカリ金属付加物を,
分液可能で分配可能な有機溶媒の存在下に,強アルカリ
水溶液で処理すると,付加物の分解と,極性の高い不純
物から峻別しての抽出を同時に行うことが可能でありか
つ高純度,高収率で目的マクロライド抗生物質を取得し
うることを見い出した。
【0009】また,本発明者らは,マクロライド抗生物
質の多くがジメチルアミノ基を有しかつ塩基性であるこ
とに着目し,上記の付加物を,酸性陽イオン交換樹脂を
用いて作成すれば,アルデヒド不含の類縁物質から完全
に分別できることは勿論のこと,不純物の多い流入材料
を用いても効率的に純度を高めうることを知った。
【00010】さらに,本発明者らは,非イオン性の吸
着型樹脂による類縁物質の分離が,緩衝液でpH調整し
なくても,含水有機溶媒の有機溶媒濃度差で分離可能で
あることを確認して,上記の付加物を作成する工程に先
がけて,この分離を行なえば,目的物質以外のアルデヒ
ド基を含有する類縁物質のほとんどを予め分離しておく
ことが可能となることを知見した。
【0011】本発明は,これらの知見に基づいて完成さ
れたものであって,その最も特徴とするものの一つとし
て,アルデヒド基を亜硫酸水素アルカリ金属との付加物
とし,強アルカリで戻す化学的方法が,マクロライド抗
生物質の精製に使用可能であり,かつこの方法によると
きはマクロライド抗生物質の収率及び純度を顕著に高め
うる点にある。また,本発明の方法は,上記YS−02
930K群マクロライド抗生物質で効果を確認したもの
であるが,化学的な方法であるから,アルデヒド基含有
マクロライド抗生物質あるいはアルデヒド基含有塩基性
マクロライド抗生物質の全てに利用できる汎用性があ
る。
【0012】以下に,本発明につき詳述する。上記した
ように,本発明において単離・精製の目的とされるマク
ロライド抗生物質としては,アルデヒド基あるいは該基
とジメチルアミノ基を含有するものであれば,いかなる
マクロライド抗生物質でもよく,限定されない。かかる
マクロライド抗生物質はYS−02930K群の他,ジ
ョサマイシン,ロイコマイシン群,スピラマイシン群,
カルボマイシン群,シラマイシン群,タイロシン,アン
ゴラマイシンや上記の基を含有するこれらの誘導体が代
表的なものとして例示できる。
【0013】以下に本発明の各工程につき詳述する。な
お,説明の便宜上,非イオン性吸着型樹脂に吸着させ含
水有機溶媒で溶出する工程をHP工程,酸性陽イオン交
換樹脂に吸着させ,重亜硫酸アルカリ金属塩の水溶液で
付加物を溶出させる工程をSK工程,該付加物を分液分
配可能な有機溶媒中強アルカリ水溶液で処理して目的物
質を抽出する工程を抽出工程と称する。
【0014】(HP工程)この工程は,精製のマクロラ
イド抗生物質を非イオン性吸着型樹脂に吸着させ,含水
有機溶媒の濃度差によって目的のマクロライド抗生物質
を含む成分に分離する工程である。ここに用いられる非
イオン性吸着型樹脂としては,スチレン系吸着型樹脂と
して市販されているものを用いることが可能であり,こ
のような市販品としてはダイヤイオンHP20,HP2
1,SP800(いずれも商品名 三菱化成)やアンバ
ーライトXAD−2(商品名 ローム・アンド・ハー
ス)が有利に用いられる。含水有機溶媒は,その有機溶
媒濃度を設定することによって,目的のマクロライド抗
生物質が溶離可能なものであればよい。このような水に
可溶な有機溶媒としては,アセトンなどのケトン類,メ
タノール,エタノール,イソプロパノールなどのアルコ
ール類が挙げられる。中でもアセトンやイソプロパノー
ルが好適に用いられる。含水有機溶媒濃度は,目的物質
の溶離性が溶媒やその濃度によって異なるのでこれらを
考慮して適宜設定する必要があるが,例えばマクロライ
ド抗生物質としてYS−02930K群で有機溶媒がア
セトンのときは,約20〜35v/v%が有利である。
アセトンの溶離性は良好であるから,溶離性が悪い溶媒
を使用するときは有機溶媒濃度を高めに設定し,溶離性
が良い溶媒の場合は同等あるいは低めに設定すればよ
い。なお,このHP工程に流入される粗製のマクロライ
ド抗生物質は,発酵ブロスから常法により菌体を遠心分
離あるいは濾過して除去したものを用いるのが有利であ
る。また,この発酵ブロスは,菌体凝集,樹脂への吸着
を良好にするために,塩酸,硫酸などの強酸を添加し,
pH1〜3程度に調整してもよい。含水有機溶媒の設定
濃度差で分離するこの工程によれば,その濃度差によっ
て目的物質よりも疎水性の類縁物質(この中にはアルデ
ヒド基を有する類縁物質も含まれる)が溶出されないの
で分離可能であり,また塩類はこの樹脂に吸着されない
ので脱塩可能であり,また着色物質などの不純物は疎水
性のものも多いので,溶出されずに残るものが多い。な
お,溶出は,溶出物の品質,収率などを考慮して,条件
を適宜選択設定制御して行なうのが好ましい。例えば温
度条件は20〜30℃程度に溶出速度SV(液空間速
度)=0.5〜2に設定するのが有利である。
【0015】(SK工程)この工程は化2で示されるよ
うに,アルデヒド基及びジメチルアミノ基を有するマク
ロライド抗生物質を,酸性陽イオン交換樹脂に吸着さ
せ,次いで重亜硫酸アルカリ金属塩の水溶液で,付加物
として溶出させる工程である。
【0016】
【化2】
【0017】(式中,ResinはX−Mを有する酸性
陽イオン交換樹脂を,Xは−SO−又は−CO
を,Mはアルカリ金属を,Aはアルデヒド基及びジメ
チルアミノ基を除いたマクロライド抗生物質の残基を意
味する。)ここに酸性陽イオン交換樹脂としてはスルホ
ン酸型の強酸性陽イオン交換樹脂やカルボン酸型の弱酸
性陽イオン交換樹脂の双方が使用可能であるが,強酸性
陽イオン交換樹脂が有利に用いられる。このような交換
樹脂としては市販品を用いることが可能であり,このよ
うな市販品としてはダイヤイオンSK104,SK10
4S,PK208,PK216(いずれも商品名 三菱
化成),IR−118(商品名 ローム・アンド・ハー
ス)や50WX1,50WX2,50WX4(商品名
ダウケミカル)のいずれを用いることもできる。また,
上記のアルカリ金属としては,ナトリウム,カリウムの
いずれかであってもよいが,ナトリウムが有利に用いら
れる。重亜硫酸ナトリウム塩は,通常二量体の無水重亜
硫酸ナトリウム(Na)として市販されてお
り,これを水に加えれば亜硫酸水素ナトリウム(NaH
SO)となる。溶出に際しては,溶出物の品質,収率
などを考慮して,重亜硫酸アルカリ金属塩の水溶液の溶
出条件を適宜,選択設定制御して行なわれるが,例えば
重亜硫酸アルカリ金属塩の水溶液のpHは3〜9,好ま
しくは4〜8に設定し,また溶出の際の温度条件は20
〜30℃に溶出速度SV=0.5〜2程度に設定し,付
加物は不安定なので溶出液は10℃以下に冷却するのが
好ましい。この工程によれば,アルデヒド基を有しない
マクロライド抗生物質などの類縁物質は,付加物を形成
しないので溶出されずに残り,着色物質の残りは吸着さ
れなかったり,吸着しても溶出されないので脱色が完全
になる。
【0018】(抽出工程)この工程は,化3で示される
ようにアルデヒド基を有するマクロライド抗生物質の亜
硫酸水素アルカリ金属付加物を,水と分液が可能で目的
抗生物質が分離可能な有機溶媒中で強アルカリ水溶液を
加えて撹拌することにより目的抗生物質を抽出する工程
である。
【0019】
【化3】
【0020】(式中Mは前記の意味を有し,A2はアル
デヒド基を除いたマクロライド抗生物質残基を意味す
る。)ここに,分液分配可能な有機溶媒としては,ジク
ロルメタン,ジクロルエタンなどのハロゲン化炭化水素
系有機溶媒,n−ヘキシルアルコール,n−ブタノール
などの比較的疎水性のアルコール類,酢酸エチルなどの
エステル類やメチルイソブチルケトンなどのケトン類な
どが挙げられるが,抽出効果の点でジクロルメタン,ジ
クロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒が有利で
ある。強アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウムや水
酸化カリウムなどの苛性アルカリが好適に用いられる。
なお,この工程においてはマクロライド抗生物質は付加
物を形成したものであればよく,塩基性のものに限定さ
れないがSK工程と連続して処理するときはジメチルア
ミノ基を有するものとなる。この工程によれば,アルデ
ヒド基含有マクロライド抗生物質で,有機層に分配され
るものが回収され,親水性不純物の残りが完全に除去さ
れ,また,目的物質と同様にアルデヒド基を有し,目的
物質よりも低疎水性の類縁物質も有機溶媒の種類,その
使用量や苛性アルカリ量を適宜設定することによって抽
出不可とすることができるので除去が可能となる。この
際の有機溶媒量としては通常溶出液量の1/4以上に設
定するのが好適であるが,溶出性の度合を考慮して適宜
増減することは自由である。また,この抽出工程におい
ても,強アルカリ水溶液のpHなど種々の分配抽出条件
は,得られる製品の品質や収率などを考慮して適宜選
択,設定され,制御して行うのが好ましく,例えば強ア
ルカリ水溶液のpHは13以上好ましくは14以上に設
定される。
【0021】このようにして抽出された抽出液は強アル
カリ性であるから中和した後,あるいは必要により酸転
して再度同様の有機溶媒を加え,分液抽出した後,濃縮
乾燥することにより目的抗生物質を高純度高収率で取得
することができる。
【0022】なお,本発明の実施例としてYS−029
30K群抗生物質の精製法を掲記しているが,D物質と
E物質とは二重結合とそのエポキシ体との相違のみで理
化学的性質が近似しているため,極めて分離しにくい物
質である。もしE物質を除去したい場合は,E物質は酸
性条件下で不安定であるから,上記工程の前後で,酸性
条件処理することにより,共存する他のエポキシ体同
様,除去することができる。
【0023】本発明によれば、原料付加物から目的とす
るアルデヒド基含有マクロライド抗生物質のみを、少な
くとも91%以上のほぼ定量的な収率で、90〜98%
の高純度に取得しうることが可能であり、アルデヒド基
含有マクロライド抗生物質の画期的な精製法として極め
て有用である。付加物より強アルカリで分解して元のア
ルデヒド物質に変換することは分析法などで公知である
ものの、マクロライド抗生物質に適用し、しかもその分
解と抽出を同時に行ったのは初めてであり、高純度、高
収率で精製該マクロライド抗生物質を取得しえたこと
は、当該抗生物質精製の分野において全く予想外のこと
である。また、本発明はこの付加物を利用する工程と、
有機溶媒濃度差のみで行うHP工程を組合わせることに
より、従来の、緩衝液によるpH調整で分離する技術で
は達しえなかった純度の問題を一挙に解決した点におい
て予想外である。因みに本発明のHP工程、SK工程及
び抽出工程、場合によりさらに酸転工程で処理した精製
された目的マクロライド抗生物質の収率はHP工程(約
95〜100%)、SK、抽出、酸転工程合わせて(約
77〜81%)の全体で約73〜81%であり、精製品
の純度は90〜95%に達し、これは発酵ブロス(実施
例2の70m3製造の17ロットの値)から64000
〜13000倍、濾液固形物(実施例2の70m3製造
の17ロットの値)から400〜2000倍程度の高純
度である。従って、本発明は、マクロライド抗生物質の
画期的な精製法を提供できた点において産業上顕著な効
果を奏しえたものである。上記の効果は以下のようにし
て確認された。 1.抽出工程における収率及び純度 D物質80mgをpH3.5の硫酸水200mlに溶解
し、無水重亜硫酸ナトリウム100mgを加え付加物を
作る。この付加物含有液に、ジクロルメタン200ml
及び25%水酸化ナトリウム水溶液12.5mlを加
え、付加物を加水分解抽出する。抽出液を水200ml
を用いて洗浄し、濃縮乾燥すると、D物質=74mgが
得られた。 収率=91.9% 純度=99.3% 2.SK工程から酸転工程までの回収率 実施例のHP工程終了後のサンプルに、D物質とE物
質を含む混合物を加え、それぞれ、223γ/ml、1
54γ/mlの濃度の溶液を調整する。この溶液250
mlをダイヤイオンSK−104Sを充填した10ml
カラム(9φx16mm)に吸着させ、水洗した後、
0.3〜0.6%の無水重亜硫酸ナトリウムの水溶液を
加え溶出し(溶出液は10℃以下に冷却)、次いでジク
ロルメタンと25%水酸化ナトリウム水溶液とを用いて
抽出し、硫酸を用いてpH2に調整して酸転した結果回
収率はD物質が約77.5%〜80.7%であった。
【0024】
【実施例】以下に実施例を掲記し,本発明を更に詳細に
説明する。なお,文中の収率,純度は実生産規模のもの
であり,当業者ならばその収率,純度の顕著性は明らか
である。
【0025】実施例 1 特開昭61−268176号実施例記載の培養方法で得
られた培養液2m(D物質=218g,E物質=19
0g)に水2.2m,ラジオライト昭和化学工業製1
50kgを加え撹拌する。硫酸を用いてpH=2.3に
調した後濾過をする。得られた濾液5.2mをHP
21のカラム(100L,φ28×162cm)に,S
V=3にて通液しYS−02930K群抗生物質を吸着
した後,200Lの水でカラムを洗浄し不純物を流出す
る。つぎに400Lの25%アセトンを用いSV=1,
20℃の条件下にて溶出し,主溜分300Lを分取す
る。得られた溶出液をSK104S(10L,φ18×
40cm)に,SV=2にて通液しYS−02930K
群抗生物質を吸着した後,20Lの水でカラムを洗浄
し,アセトンその他の不純物を流出する。つぎに100
Lの0.4%無水重亜硫酸ナトリウムを用いてSV=
0.5,20℃の条件下にて溶出し,主溜分90Lを分
取する。得られた溶出液に45Lのジクロルメタンと
5.6Lの25%水酸化ナトリウム水溶液を加え,30
分間撹拌した後ジクロルメタン層を分離する。つぎにジ
クロルメタン層に15Lの水を加え,硫酸を用いてpH
=2.0に調し30分間撹拌した後水層を分離する。
得られた水層に7.5Lのジクロルメタンを加え,25
%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=9.0に調
し30分間撹拌した後ジクロルメタン層を分離する。ジ
クロルメタン層を0.3Lの水で洗浄した後20〜30
℃にて減圧濃縮するとD物質=73%,E物質=22%
を含む200gの白色粉末が得られた。 回収率:D物質=67% 純度:D物質=73% なお,このものの純度は前述した如く予じめ酸処理を経
てE物質を除去すればD物質として90%以上の純度の
ものが得られることを示している。また,これらD物質
及びE物質の理化学的性状は特開昭61−268176
号公報記載の標品と一致した。
【0026】実施例 2 実施例1と同じ方法により得られた培養液61m(D
物質=3.6kg,E物質=3.0kg,純度0.00
59%)に水120m,ラジオライト4200kgを
加え撹拌する。硫酸を用いてpH=2.0調した濾過
をする。得られた濾液180m(濾液固形物として純
度0.18%)をHP21のカラム(10m,φ2.
1×2.9m)に,SV=1にて通液しYS−0293
0K群抗生物質を吸着した後,20mの水でカラムを
洗浄し不純物を流出する。つぎに32mの30%アセ
トン水を用いSV=1,20℃の条件下にて溶出し,主
溜分30mを分取する。得られた溶出液をSK104
S(0.5m,φ0.8×1.0m)に,SV=3に
て通液しYS−02930K群抗生物質を吸着した後,
2.5mの水でカラムを洗浄し,アセトンその他の不
純物を流出する。つぎに5.5mの0.4%無水重亜
硫酸ナトリウムを用いSV=0.5,20℃の条件下に
て溶出し,主溜分5mを分取する。得られた溶出液に
2.5mのジクロルメタンと0.31mの25%水
酸化ナトリウム水溶液を加え,30分間撹拌した後ジク
ロルメタン層を分離する。つぎにジクロルメタン層に
0.8mの水を加え,硫酸を用いてpH=2.0に調
整し30分間撹拌した後水層を分離する。得られた水層
に0.4mのジクロルメタンを加え,25%水酸化ナ
トリウム水溶液を用いてpH=9.3に調整し30分間
撹拌した後ジクロルメタン層を分離する。ジクロルメタ
ン層を0.2mの水で洗浄した後20〜30℃にて減
圧濃縮するとD物質=72%,E物質=24%を含む
2.5kgの白色粉末が得られた。なお,このものの純
度は,実施例1で前述したと同様に,予め酸処理をして
E物質を除去すればD物質として90%以上の純度のも
のが得られることを示している。72%の純度でも発酵
ブロスから12200倍,固形物から400倍,90%
の純度ではブロスから15250倍,固形物から500
倍に達する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 17/08 C07H 1/06 - 1/08 CA(STN) CAOLD(STN) CAPLUS(STN) WPI(DIALOG)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルデヒド基を有するマクロライド抗生
    物質の亜硫酸水素アルカリ金属付加物の水溶液を、分液
    可能で、該マクロライド抗生物質が有機層に分液可能な
    有機溶媒の存在下に、pH13以上で分解・抽出を同時
    に行うことを特徴とする精製されたマクロライド抗生物
    質の製造法。
  2. 【請求項2】 粗製のマクロライド系抗生物質を酸性
    陽イオン交換樹脂に吸着させ、重亜硫酸アルカリ金属塩
    の水溶液を加えて該マクロライド抗生物質に含まれるア
    ルデヒド基を有するマクロライド抗生物質のみの亜硫酸
    水素アルカリ金属付加物を溶出させ、該付加物の水溶液
    を、分液可能で、該アルデヒド基含有マクロライド抗生
    物質が有機層に分液可能な有機溶媒の存在下に、pH1
    3以上で分解・抽出を同時に行うことを特徴とする精製
    されたマクロライド抗生物質の製造法。
  3. 【請求項3】 粗製のマクロライド抗生物質を、非イ
    オン性吸着型樹脂に吸着させ、目的とするマクロライド
    抗生物質を溶離可能な含水有機溶媒を加えて、該マクロ
    ライド抗生物質を含む粗製物を溶出させ、溶出された粗
    製のマクロライド抗生物質を酸性陽イオン交換樹脂に吸
    着させ、重亜硫酸アルカリ金属塩の水溶液を加えて該マ
    クロライド抗生物質に含まれるアルデヒド基を有するマ
    クロライド抗生物質のみの亜硫酸水素アルカリ金属付加
    物を溶出させ、該付加物の水溶液を、分液可能で、該ア
    ルデヒド基含有マクロライド抗生物質が有機層に分液可
    能な有機溶媒の存在下に、pH13以上で分解・抽出を
    同時に行うことを特徴とする精製されたマクロライド抗
    生物質の製造法。
  4. 【請求項4】 分配可能な有機溶媒が、ハロゲン化炭
    化水素系有機溶媒である請求項第1項、第2項又は第3
    のいずれかの項に記載の製造法。
JP03072606A 1991-01-16 1991-01-16 精製マクロライド抗生物質の製造法 Expired - Lifetime JP3083577B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03072606A JP3083577B2 (ja) 1991-01-16 1991-01-16 精製マクロライド抗生物質の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03072606A JP3083577B2 (ja) 1991-01-16 1991-01-16 精製マクロライド抗生物質の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04235996A JPH04235996A (ja) 1992-08-25
JP3083577B2 true JP3083577B2 (ja) 2000-09-04

Family

ID=13494221

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03072606A Expired - Lifetime JP3083577B2 (ja) 1991-01-16 1991-01-16 精製マクロライド抗生物質の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3083577B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04235996A (ja) 1992-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE202015009775U1 (de) Abscheidung von 2'-FL aus einer Fermentationsbrühe
WO2009144739A1 (en) Amorphous daptomycin and a method of purification thereof
EP1612216B1 (en) Process of purifying vancomycin hydrochloride
CZ284117B6 (cs) Způsob izolace kyseliny klavulanové a jejich farmaceuticky přijatelných solí z fermentačního prostředí Streptomyces SP. P 6621 FERM P 2804
US2658078A (en) Solvent extraction of oxytetracycline
KR20040086369A (ko) 바이오매터로부터 마크롤라이드를 추출하는 방법
US5149784A (en) Process for making vancomycin
CA2076067C (en) Vancomycin precipitation process
JP3083369B2 (ja) テイコプラニン回収方法
JP3083577B2 (ja) 精製マクロライド抗生物質の製造法
KR19980081416A (ko) 모에노마이신 a의 제조 방법
DE3508372A1 (de) Verfahren zur gewinnung von ceftazidim aus einer dieses enthaltenden waessrigen loesung
CA2133644C (en) Process for making vancomycin
US2653900A (en) Vitamin b12 purification process
WO2002039957A2 (en) Chromatographic processes for recovery of isosorbide
KR100383435B1 (ko) 고순도 아카보스 제조방법
US5574135A (en) Process for making vancomycin
WO1988004663A1 (en) Process for enriching and/or isolating cardiac glycosides using non-polar adsorber resins
CN109666051B (zh) 一种春雷霉素的纯化方法
RU2658426C1 (ru) Способ получения никотинамидадениндинуклеотида (над)
EP0237340B1 (en) Process for producing macrolide compounds
KR101090047B1 (ko) 밀베마이신류의 정제법
DE4042156A1 (de) Verfahren zur reinigung von mitomycin c
US6767998B2 (en) Method for preparing purified erythromycin
EP0306541B1 (de) Verfahren zur Gewinnung von Daunorubicinhydrochlorid aus Fermentbrühe

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080630

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090630

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090630

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100630

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100630

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110630

Year of fee payment: 11