JP3083087U - 自力駆動式汚水固液分離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】汚水流の微細固形物除去処理に用いる，分離機
及び脱水機を水車型駆動機により，自力駆動する自力駆
動式汚水固液分離装置を提供すること。 【解決手段】汚水流に含有する，所定の寸法以上の固形
物を篩い除去するスクリーン型分離機（１），該汚水流
から該固形物を取り除いた分離水を用い，駆動軸（２
ａ）を回転駆動する水車型駆動機（２），そして螺旋形
状を有するスクリュー（３ｂ）による圧縮脱水手段によ
り，該分離機から分離した該固形物を脱水する脱水機
（３）から成る主要機械を装備し，該分離機及び脱水機
を，該駆動機の駆動軸から，それぞれ分離機回転運動伝
達手段及び脱水機回転運動伝達手段を介して，自力駆動
する事を特徴とする自力駆動式汚水固液分離装置を確保
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は，汚水流の微細固形物除去処理に用いる，分離機及び脱水機を，汚水 分離流で自ら作動する水車型駆動機により，自力駆動する自力駆動式汚水固液分 離装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来技術の汚水流の微細固形物除去処理に用いる，分離機及び脱水機は，それ ぞれ電力等の外部駆動源により，駆動していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術の汚水流の微細固形物除去処理に用いる，分離機及び脱水機は，それ ぞれ電力等の外部駆動源により，駆動していたので，無駄なエネルギーを費やし ，且つ処理が高コストになる問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の問題点を解決するために，本考案の自力駆動式汚水固液分離装置は，分 離機及び脱水機を，汚水流から微細固形物を取り除いた分離水で作動する水車型 駆動機により，自力駆動する事を特徴とする。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案の自力駆動式汚水固液分離装置は，汚水流に含有する，所定の寸法以上 の，シサとも呼ぶ，固形物を篩い除去する，スクリーン型分離機，該汚水流から 該固形物を取り除いた分離水を用い，駆動軸を回転駆動する水車型駆動機，そし て螺旋形状を有するスクリューによる圧縮脱水手段により，該分離機から分離し た該固形物を脱水する脱水機から成る主要機械を装備し，該分離機及び脱水機を ，該駆動機の駆動軸から，それぞれ分離機回転運動伝達手段及び脱水機回転運動 伝達手段を介して，自力駆動し，更に該汚水流の化学的・生物学的等の浄化処理 を行う浄化槽に送流する前処理として用いる，自力駆動式汚水固液分離装置であ る事を特徴とする。

【０００６】 本考案の自力駆動式汚水固液分離装置において，スクリーン型分離機は，水平 に設置した分離機駆動軸を有する，回転自在な円形断面を有する分離ドラム上の 軸方向に，所定の間隔を有する櫛形状のレーキを設け，該分離機駆動軸を含む水 平面上部径方向に開く円弧部材が，所定の間隔で軸方向に配設したスクリーンを 形成し，該スクリーンの各円弧部材の間隙を，該レーキの各櫛形状歯部材が遊嵌 滑動しながら回転滑動する機構とし，該スクリーンの円弧部材の始点である該分 離機駆動軸を含む水平面に，給水ダクトから汚水を供給する給水槽を設け，該分 離ドラム下側に，該スクリーンにより所定の寸法以上の固形物を取り除いた分離 水を供給する分離水槽を設け，該スクリーンは，該円弧部材の円弧終点から接線 方向に該分離水槽外側に延びる径方向断面が直線部を有し，該スクリーン上部に 残留する該固形物が，回転する該レーキにより掃引され，該直線部を分離水槽外 側に滑り落ちる機構とする事を特徴とする。

【０００７】 本考案の自力駆動式汚水固液分離装置において，水車型駆動機は，水平に設置 した駆動軸の周囲に所定の数の羽根部材を配設し，分離水槽から分離水を導入す る駆動水槽により，駆動給水ダクトを介して，該駆動機上部から導入し，該羽根 部材を回転させ，該駆動機下部から，駆動排水ダクトを介して排水する機構とし ，そして該駆動水槽の水位は，該駆動水槽に隣接して設けた，調節バルブを介し て調節自在に，その余水を調節水槽に導入し，更に調節排水ダクトを介して排水 する事を特徴とする。

【０００８】 本考案の自力駆動式汚水固液分離装置において，脱水機は，筒形状の脱水機容 器本体中央部に，回転自在な脱水回転軸を設け，該脱水回転軸に螺旋形状を有す るスクリューを形成し，該脱水機容器本体前方部には，該脱水回転軸が突出しな い構造とすると共に，脱水済の固形物を吐出する排出口を設け，そして該排出口 方向に次第に狭くなる該スクリューのピッチとし，そして該脱水機容器本体後部 外側には，突出する該脱水回転軸が直角に交わる脱水機駆動軸から，所定のギア 連結手段を用いて，該脱水機容器本体後部の密閉構造を介して，突出する該脱水 回転軸に回転運動を伝達する機構とし，該脱水回転軸は，該脱水機容器本体内部 を，前方に上がる斜傾斜とし，該脱水機容器本体後方近傍上に開口する，脱水未 処理の固形物を投入する投入口を設け，該投入口上部には，分離機のスクリーン 上部に残留する該固形物が，回転するレーキにより掃引され，分離水槽外側に滑 り落ちる脱水未処理の該固形物を受けるホッパーを配設し，該脱水機容器本体後 方近傍下に開口する排水口を設け，脱水した排水を排出する事を特徴とする。

【０００９】 本考案の自力駆動式汚水固液分離装置において，分離機回転運動伝達手段とし て，スクリーン型分離機の分離機駆動軸を，分離機軸受けを介して延長した延長 軸に固定した分離機駆動ギアと，駆動軸間とに張設した分離機駆動ベルトにより ，該駆動軸の回転運動を，該分離機駆動軸に伝達する事も出来る。

【００１０】 本考案の自力駆動式汚水固液分離装置において，脱水機回転運動伝達手段とし て，脱水機の脱水機駆動軸を，脱水機駆動軸受けを介して延長した延長軸に固定 した脱水機駆動ギアと，駆動軸間とに張設した脱水機駆動ベルトにより，該駆動 軸の回転運動を，該脱水機駆動軸に伝達する事も出来る。

【００１１】 本考案の自力駆動式汚水固液分離装置において，脱水機は，排出口から吐出す る脱水済の固形物を受ける，取り出し容器を架台の該排出口下近傍に取り替え自 在に配設し，該架台の脱水機の排水口下部近傍一帯には，該排水口からの排水や ，その他の溢水を受ける，脱水ダクトへ傾斜した排水受け板を形成し，該脱水ダ クトより収集した排水を，元の給水ダクトに戻す事も出来る。

【００１２】 本考案の自力駆動式汚水固液分離装置において，スクリーン型分離機の各スク リーンを，所定の間隔で軸方向に配設するので，その間隔寸法以上の固形物を篩 い除去する作用を有し，従って，該間隔を２ｍｍとすれば，２ｍｍ以上の固形物 を篩い除去する作用を有する。

【００１３】 本考案の自力駆動式汚水固液分離装置において，分離機及び脱水機を，水車型 駆動機の駆動軸から，それぞれ分離機回転運動伝達手段及び脱水機回転運動伝達 手段を介して自力駆動するので，他の外部駆動源を必要とせず，省エネ作用を有 し，環境に優しく，且つ低コスト作用を有する。

【００１４】

【実施例】

この考案の実施例の図面において，図１は本考案の実施例を示す，自力駆動式 汚水固液分離装置の主要部縦断面一部欠載配置側面図，そして図２は，その自力 駆動式汚水固液分離装置の平面図である。

【００１５】 この考案の実施例を以下説明すると，自力駆動式汚水固液分離装置は，図１及 び図２に示すように，汚水流に含有する，所定の寸法以上の，シサとも呼ぶ，固 形物を篩い除去する，スクリーン型分離機（１），該汚水流から該固形物を取り 除いた分離水を用い，駆動軸（２ａ）を回転駆動する水車型駆動機（２），そし て螺旋形状を有するスクリュー（３ｂ）による圧縮脱水手段により，該分離機か ら分離した該固形物を脱水する脱水機（３）から成る主要機械を装備し，該分離 機及び脱水機を，該駆動機の駆動軸から，それぞれ分離機回転運動伝達手段及び 脱水機回転運動伝達手段を介して，自力駆動し，更に該汚水流の化学的・生物学 的等の浄化処理を行う浄化槽に送流する前処理として用いる，自力駆動式汚水固 液分離装置である事を特徴とする。

【００１６】 本考案の実施例の自力駆動式汚水固液分離装置において，スクリーン型分離機 （１）は，図１及び図２に示すように，水平に設置した分離機駆動軸（１ａ）を 有する，回転自在な円形断面を有する分離ドラム（１ｂ）上の軸方向に，所定の 間隔を有する櫛形状のレーキ（１ｃ）を設け，該分離機駆動軸を含む水平面上部 径方向に開く円弧部材が，所定の間隔で軸方向に配設したスクリーン（１ｄ）を 形成し，該スクリーンの各円弧部材の間隙を，該レーキの各櫛形状歯部材が遊嵌 滑動しながら回転滑動する機構とし，該スクリーンの円弧部材の始点である該分 離機駆動軸を含む水平面に，給水ダクト（５ａ）から汚水を供給する給水槽（４ ａ）を設け，該分離ドラム下側に，該スクリーンにより所定の寸法以上の固形物 を取り除いた分離水を供給する分離水槽（４ｂ）を設け，該スクリーンは，該円 弧部材の円弧終点から接線方向に該分離水槽外側に延びる径方向断面が直線部を 有し，該スクリーン上部に残留する該固形物が，回転する該レーキにより掃引さ れ，該直線部を分離水槽外側に滑り落ちる機構とする事を特徴とする。

【００１７】 本考案の実施例の自力駆動式汚水固液分離装置において，水車型駆動機（２） は，図１及び図２に示すように，水平に設置した駆動軸（２ａ）の周囲に所定の 数の羽根部材（２ｂ）を配設し，分離水槽（４ｂ）から分離水を導入する駆動水 槽（４ｃ）により，駆動給水ダクト（５ｂ）を介して，該駆動機上部から導入し ，該羽根部材を回転させ，該駆動機下部から，駆動排水ダクト（５ｃ）を介して 排水する機構とし，そして該駆動水槽の水位は，該駆動水槽に隣接して設けた， 調節バルブ（４ｅ）を介して調節自在に，その余水を調節水槽（４ｄ）に導入し ，更に調節排水ダクト（５ｄ）を介して排水する事を特徴とする。

【００１８】 本考案の実施例の自力駆動式汚水固液分離装置において，分離機回転運動伝達 手段として，スクリーン型分離機（１）の分離機駆動軸（１ａ）を，分離機軸受 け（１ｆ）を介して延長した延長軸に固定した分離機駆動ギア（１ｅ）と，駆動 軸（２ａ）間とに張設した分離機駆動ベルト（１ｇ）により，該駆動軸の回転運 動を，該分離機駆動軸に伝達した。

【００１９】 本考案の実施例の自力駆動式汚水固液分離装置において，脱水機回転運動伝達 手段として，脱水機（３）の脱水機駆動軸（３ｃ）を，脱水機駆動軸受け（３ｄ ）を介して延長した延長軸に固定した脱水機駆動ギア（３ｅ）と，駆動軸（２ａ ）間とに張設した脱水機駆動ベルト（３ｆ）により，該駆動軸の回転運動を，該 脱水機駆動軸に伝達した。

【００２０】 本考案の実施例の自力駆動式汚水固液分離装置において，脱水機（３）は，図 １及び図２に示すように，筒形状の脱水機容器本体中央部に，回転自在な脱水回 転軸（３ａ）を設け，該脱水回転軸に螺旋形状を有するスクリュー（３ｂ）を形 成し，該脱水機容器本体前方部には，該脱水回転軸が突出しない構造とすると共 に，脱水済の固形物を吐出する排出口（３ｉ）を設け，そして該排出口方向に次 第に狭くなる該スクリューのピッチとし，そして該脱水機容器本体後部外側には ，突出する該脱水回転軸が直角に交わる脱水機駆動軸（３ｃ）から，所定のギア 連結手段を用いて，該脱水機容器本体後部の密閉構造を介して，突出する該脱水 回転軸に回転運動を伝達する機構とし，該脱水回転軸は，該脱水機容器本体内部 を，前方に上がる斜傾斜とし，該脱水機容器本体後方近傍上に開口する，脱水未 処理の固形物を投入する投入口（３ｈ）を設け，該投入口上部には，分離機（１ ）のスクリーン（１ｄ）上部に残留する該固形物が，回転するレーキ（１ｃ）に より掃引され，分離水槽（４ｂ）外側に滑り落ちる脱水未処理の該固形物を受け るホッパー（３ｇ）を配設し，該脱水機容器本体後方近傍下に開口する排水口（ ３ｊ）を設け，脱水した排水を排出する事を特徴とする。

【００２１】 本考案の実施例の自力駆動式汚水固液分離装置において，脱水機（３）は，図 １及び図２に示すように，排出口（３ｉ）から吐出する脱水済の固形物を受ける ，取り出し容器（３ｋ）を架台（６）の該排出口下近傍に取り替え自在に配設し ，該架台の脱水機の排水口（３ｊ）下部近傍一帯には，該排水口からの排水や， その他の溢水を受ける，脱水ダクト（５ｆ）へ傾斜した排水受け板（５ｇ）を形 成し，該脱水ダクトより収集した排水を，元の給水ダクト（５ａ）に戻した。

【００２２】 本考案の実施例の自力駆動式汚水固液分離装置において，駆動排水ダクト（５ ｃ）及び調節排水ダクト（５ｄ）からの，所定の寸法以上の固形物を取り除いた 分離水の排水は，排水ダクト（５ｅ）にまとめて次工程の浄化槽に送流した。

【００２３】 本考案の実施例の自力駆動式汚水固液分離装置において，スクリーン型分離機 （１）の寸法は，軸方向に配設したスクリーン（１ｄ）の各間隔：２ｍｍ，そし て該各スクリーンの幅：２ｍｍ，円弧開きの角度：１２０度，円弧半径：１９０ ｍｍ，直線部長さ：約２００ｍｍ，該スクリーンの全本数：６８本，該スクリー ンの全幅：約３５０ｍｍ，そして櫛形状のレーキ（１ｃ）の各櫛歯部材の幅：１ ．５ｍｍ，該レーキの櫛列数：２本，該レーキ両端最大径：４００ｍｍを採用し た。

【００２４】 本考案の実施例の自力駆動式汚水固液分離装置において，水車型駆動機（２） の寸法は，羽根部材（２ｂ）の両端最大径：３１０ｍｍ，横幅：１６０ｍｍ，そ して該羽根部材の全個数：１２本を採用した。

【００２５】 本考案の実施例の自力駆動式汚水固液分離装置において，脱水機（３）の寸法 は，筒形状の脱水機容器本体外径：約１０ｃｍ，全長：約６０ｃｍ，脱水回転軸 （３ａ）の径：約４３ｍｍ，スクリュー（３ｂ）の全巻数：約６巻を採用した。

【００２６】 本考案の実施例の自力駆動式汚水固液分離装置において，架台（６）の寸法は ，横：１８０ｃｍ，幅：８５ｃｍ，そして高さ：１７０ｃｍに，スクリーン型分 離機（１），水車型駆動機（２），そして脱水機（３）からなる主要機械，配管 ，その他の装備を配設した。

【００２７】 本考案の実施例の自力駆動式汚水固液分離装置において，スクリーン型分離機 （１），水車型駆動機（２），そして脱水機（３）からなる主要機械の運転性能 は，口径：８０ｍｍの給水ダクト（５ａ）から，４０トン／時の汚水給水を用い ，該水車型駆動機の回転数：約１２０ｒｐｍを確保し，該スクリーン型分離機を 回転数：約２０ｒｐｍで駆動し，そして該脱水機の回転数：約１０ｒｐｍで駆動 した。

【００２８】

【考案の効果】

本考案は，以上説明した様な形態で実施され，以下に記載される様な効果を有 する。

【００２９】 本考案の自力駆動式汚水固液分離装置は，分離機及び脱水機を，水車型駆動機 から，それぞれ分離機回転運動伝達手段及び脱水機回転運動伝達手段を介して自 力駆動するので，他の外部駆動源を必要とせず，省エネ効果を有し，環境に優し く，且つ低コスト効果を有する。

【００３０】 本考案の自力駆動式汚水固液分離装置は，スクリーン型分離機の各スクリーン を，所定の間隔で軸方向に配設するので，その間隔寸法以上の固形物を篩い除去 する効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す，自力駆動式汚水固液分
離装置の主要部縦断面一部欠載配置側面図。

【図２】本考案の実施例を示す，自力駆動式汚水固液分
離装置の平面図。

【符号の説明】

１ 分離機 １ａ 分離機駆動軸 １ｂ 分離ドラム １ｃ レーキ １ｄ スクリーン １ｅ 分離機駆動ギア １ｆ 分離機軸受け １ｇ 分離機駆動ベルト ２ 駆動機 ２ａ 駆動軸 ２ｂ 羽根部材 ２ｃ 駆動軸受け ３ 脱水機 ３ａ 脱水回転軸 ３ｂ スクリュー ３ｃ 脱水機駆動軸 ３ｄ 脱水機駆動軸受け ３ｅ 脱水機駆動ギア ３ｆ 脱水機駆動ベルト ３ｇ ホッパー ３ｈ 投入口 ３ｉ 排出口 ３ｊ 排水口 ３ｋ 取り出し容器 ４ａ 給水槽 ４ｂ 分離水槽 ４ｃ 駆動水槽 ４ｄ 調節水槽 ４ｅ 調節バルブ ５ａ 給水ダクト ５ｂ 駆動給水ダクト ５ｃ 駆動排水ダクト ５ｄ 調節排水ダクト ５ｅ 排水ダクト ５ｆ 脱水ダクト ５ｇ 排水受け板 ６ 架台

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】汚水流に含有する，所定の寸法以上の固形
   物を篩い除去するスクリーン型分離機（１），該汚水流
   から該固形物を取り除いた分離水を用い，駆動軸（２
   ａ）を回転駆動する水車型駆動機（２），そして螺旋形
   状を有するスクリュー（３ｂ）による圧縮脱水手段によ
   り，該分離機から分離した該固形物を脱水する脱水機
   （３）から成る主要機械を装備し，該分離機及び脱水機
   を，該駆動機の駆動軸から，それぞれ分離機回転運動伝
   達手段及び脱水機回転運動伝達手段を介して，自力駆動
   し，更に該汚水流の浄化処理を行う浄化槽に送流する前
   処理として用いる，自力駆動式汚水固液分離装置である
   事を特徴とする自力駆動式汚水固液分離装置。