JP3082509B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JP3082509B2
JP3082509B2 JP11318893A JP11318893A JP3082509B2 JP 3082509 B2 JP3082509 B2 JP 3082509B2 JP 11318893 A JP11318893 A JP 11318893A JP 11318893 A JP11318893 A JP 11318893A JP 3082509 B2 JP3082509 B2 JP 3082509B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸気バルブの開弁時期
を調整可能とした可変バルブタイミング機構を備えた内
燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の運転状態に応じて
吸気側カムシャフトの回転位相を変化させて、吸気バル
ブの開閉時期を早めたり遅らせたりする可変バルブタイ
ミング機構がある。その一つとして、吸気バルブの閉弁
時期を、機関始動時にピストン下死点BDC近くまで早
めるようにした技術がある。この技術は、閉弁時期を早
めることで吸気の吹返しを防ぎ、充填効率及び実圧縮比
を上昇させて、始動性を改善しようとするものである。
【0003】ところが、始動性改善のためには、単に充
填効率を確保するだけでは不十分であり、機関回転数の
確保も考慮する必要がある。すなわち、冬期や寒冷地等
において内燃機関を始動させる場合、オイル粘度の上昇
等により、もともとピストンの摺動抵抗が大きくなって
いる。そのうえに上記のように充填効率を上げると、ピ
ストンの圧縮抵抗が大きくなり、ピストンの受ける抵抗
がより一層大きくなって、機関回転数が上昇しにくくな
り、機関始動性が損なわれてしまう。
【0004】そこで、例えば特開昭60−138218
号公報では、内燃機関の冷間始動時に、吸気バルブの閉
弁時期をアイドリング時の閉弁時期よりも遅らせるよう
にしている。この技術によると、冷間始動時における内
燃機関のクランキング中は、実質的な充填量を最小限に
とどめて、ピストンが受ける圧縮抵抗を減少させ、機関
回転数を早期に立ち上がらせることにより、始動性を改
善することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、後者の技術
では吸気バルブの閉弁時期を調整して圧縮抵抗を減少で
きるものの、燃料噴射時期に関しては何ら考慮されてい
ない。このため、燃料噴射時期の設定の仕方によって
は、噴射燃料の微粒化がなされないおそれがある。その
結果、機関始動性が十分に改善されなかったり、始動時
のエミッションの悪化を招いたりするという問題があ
る。
【0006】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、内燃機関の始動時における噴射
燃料の微粒化を促進し、エミッションの悪化を招くこと
なく始動性の向上を図ることが可能な内燃機関の制御装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、図1に示すように、ピストンM1の往復動
をクランクシャフトM2の回転運動に変換して動力を得
る内燃機関M3に設けられ、クランクシャフトM2の回
転にて駆動されることにより、内燃機関M3の燃焼室M
4に連通する吸気通路M5及び排気通路M6をそれぞれ
開閉する吸気バルブM7及び排気バルブM8と、前記吸
気バルブM7及び排気バルブM8のうち、少なくとも吸
気バルブM7の開弁時期を調整可能な可変バルブタイミ
ング機構M9と、前記吸気通路M5に設けられ、燃焼室
M4へ燃料を噴射する燃料噴射弁M10と、前記内燃機
関M3の始動状態を検出する始動状態検出手段M11
と、前記始動状態検出手段M11により内燃機関M3の
始動状態が検出されたときには、排気バルブM8の閉弁
後であって前記ピストンM1が上死点に達してから所定
期間が経過した後に吸気バルブM7が開弁するように
変バルブタイミング機構M9を駆動制御する第1の制御
手段M12と、前記始動状態検出手段M11により内燃
機関M3の始動状態が検出されたときには、吸気バルブ
M7が開弁するのと同時に燃料噴射が開始されるように
燃料噴射弁M10を駆動制御する第2の制御手段M13
とを備えている。
【0008】
【作用】内燃機関M3が始動されて、その始動状態が始
動状態検出手段M11によって検出されると、可変バル
ブタイミング機構M9が第1の制御手段M12によって
駆動制御される。この駆動制御により、排気バルブM8
の閉弁後であってピストンM1が上死点に達してから所
定期間が経過した後に吸気バルブM7が開弁される。つ
まり、吸入行程においては、排気バルブM8及び吸気バ
ルブM7がともに閉弁している期間が存在し、この期間
にピストンM1が上死点から下死点へ向けて下降運動す
る。このため、同期間には燃焼室M4内に大きな負圧が
発生する。この状態で吸気バルブM7が開弁されると、
前記負圧の作用により、吸気通路M5を通過する吸入空
気と燃料噴射弁M10からの噴射燃料とからなる混合気
が燃焼室M4へ勢いよく吸い込まれる。
【0009】また、始動状態検出手段M11によって内
燃機関M3の始動状態が検出されると、燃料噴射弁M1
0が第2の制御手段M13によって駆動制御される。こ
の駆動制御により、前記吸気バルブM7の開弁と同時に
燃料が噴射される。
【0010】従って、内燃機関M3の始動時において
は、燃焼室M4内で負圧が発生しているときに吸気バル
ブM7が開弁されて、燃焼室M4へ吸気が導入されると
ともに、その導入と同時に燃料噴射弁M10から燃料が
噴射される。この際の負圧の作用により、噴射燃料の微
粒化が促進される。その結果、燃焼状態が良好になり、
エミッションの悪化が抑えられるとともに始動性の向上
が図られるようになる。
【0011】
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図2〜
図6に従って説明する。図2は、自動車に搭載される内
燃機関としての多気筒ガソリンエンジン(以下、単にエ
ンジンという)1の概略構成図である。エンジン1のシ
リンダブロック1aには、気筒数に応じた数のシリンダ
2が並設され、各シリンダ2内にはピストン3が上下方
向への往復動可能に収容されている。ピストン3はコネ
クティングロッド15によってクランクシャフトCに連
結されている。ピストン3の往復運動がコネクティング
ロッド15によって回転運動に変換され、クランクシャ
フトCが回転駆動される。
【0013】ピストン3の上方には燃焼室4が形成さ
れ、ここに吸気通路5及び排気通路6がそれぞれ連通し
ている。燃焼室4と吸気通路5との連通部分は吸気バル
ブ7によって開閉され、燃焼室4と排気通路6との連通
部分は排気バルブ8によって開閉される。これらの吸気
バルブ7及び排気バルブ8は、前記クランクシャフトC
に駆動連結されたカムシャフト9,10によりそれぞれ
往復動される。
【0014】前記エンジン1は、吸気通路5からの外気
と、燃料噴射弁11から噴射される燃料とからなる混合
気を、吸気バルブ7を介して燃焼室4内へ導入する。そ
して、エンジン1は点火プラグ12により混合気を燃焼
室4内で爆発させて駆動力を得た後、その排気ガスを排
気バルブ8を介して排気通路6へ排出する。
【0015】前記吸気通路5には、アクセルペダル(図
示しない)の操作に連動して開閉されるスロットルバル
ブ13が設けられており、このスロットルバルブ13の
開閉により吸気通路5への吸入空気の量が調節される。
スロットルバルブ13の近傍には、その開度(スロット
ル開度TA)を検出するスロットル開度センサ14が取
付けられている。また、スロットルバルブ13の上流側
には、吸入空気量Qを検出するためのエアフロメータ1
6が配設されている。エアフロメータ16には、エンジ
ン1が吸入する空気の温度(吸気温THA)を検出する
ための吸気温センサ17が内蔵されている。
【0016】前記点火プラグ12には、ディストリビュ
ータ18で分配された点火電圧が印加される。ディスト
リビュータ18は、イグナイタ19から出力される高電
圧を、クランクシャフトCの回転に同期して各点火プラ
グ12に分配するためのものであり、各点火プラグ12
の点火タイミングはイグナイタ19からの高電圧出力タ
イミングにより決定される。
【0017】ディストリビュータ18は始動状態検出手
段としての回転数センサ21と気筒判別センサ22とを
内蔵している。回転数センサ21はクランクシャフトC
の一定角度(例えば30°CA)毎にパルス信号を発生
し、このパルス信号からクランク角を検出するととも
に、単位時間当たりのパルス信号の数からクランクシャ
フトCの回転数(エンジン回転数NE)を検出する。ま
た、気筒判別センサ22は、クランクシャフトCの所定
角度(例えば360°CA)毎にパルス信号を発生し、
このパルス信号からクランク角基準位置(上死点TD
C)を検出するとともに気筒判別を行う。
【0018】エンジン1のシリンダブロック1aには、
冷却水の温度(冷却水温THW)を検出する水温センサ
23が取付けられている。また、自動車の走行速度(車
速SPD)を検出するための車速センサ20が、トラン
スミッション(図示しない)に設けられている。
【0019】加えて、本実施例では前記吸気バルブ7の
開弁時期及び閉弁時期を調整するための可変バルブタイ
ミング機構24が設けられている。次に、この機構24
について詳述する。
【0020】図3に示すように、エンジン1には、前記
吸気バルブ7を開閉駆動するためのカムシャフト9がシ
リンダヘッド1b及びベアリングキャップ30によって
回転可能に支持されている。また、シリンダヘッド1b
及びカムシャフト9には、カムジャーナル9aに潤滑油
を供給するためのジャーナル油路25,26がそれぞれ
形成されている。そして、エンジン1の運転中にオイル
ポンプ27によりオイルパン28から吸い上げられる潤
滑油が、オイルフィルタ29を介してジャーナル油路2
5,26へ送られ、カムジャーナル9aに供給されるよ
うになっている。
【0021】前記可変バルブタイミング機構24は、カ
ムシャフト9の前端部(図3の左端部)に設けられてい
る。同機構24は、外周に複数の外歯31を有し、かつ
前側部に収容凹部32を有するプーリ本体33と、その
収容凹部32を覆うようにカムシャフト9の前端にてボ
ルト34で固定されたキャップ35とを備えている。プ
ーリ本体33の開口端とキャップ35の外周との間に
は、緩衝用の粘性継手(ビスカスカップリング)36が
設けられている。ビスカスカップリング36は、プーリ
本体33に圧入固定されたアウタープレート37と、キ
ャップ35の外周に形成されたインナープレート38と
からなり、両者37,38の間に高粘度の粘性流体が封
入されている。
【0022】プーリ本体33とキャップ35との間には
リングギヤ39が介在されて両者33,35が連結され
ている。すなわち、キャップ35により密閉されたプー
リ本体33の収容凹部32にはリングギヤ39が収容さ
れている。リングギヤ39は、その内外周に設けられた
複数の歯39a,39bの両方がヘリカル歯になってお
り、リングギヤ39の軸線方向(図3の左右方向)への
移動によってカムシャフト9に対し相対回動可能になっ
ている。各歯39a,39bは、プーリ本体33の内歯
33aとキャップ35の内歯35aとにそれぞれ噛合し
ている。そして、プーリ本体33の外歯31に掛装され
たタイミングベルト41を介して、同プーリ本体33が
エンジン1のクランクシャフトCに駆動連結されてい
る。
【0023】従って、クランクシャフトCの回転がプー
リ本体33に伝達されることにより、リングギヤ39に
て連結されたプーリ本体33とキャップ35とが一体的
に回転され、カムシャフト9が回転駆動される。
【0024】プーリ本体33の収容凹部32においてリ
ングギヤ39の前端側は加圧室44となっており、ここ
には、シリンダヘッド1b及びカムシャフト9内に形成
された制御油路42,43等を通じて送られる制御油が
作用する。同じく収容凹部32においてリングギヤ39
の後端側はスプリング室45となっており、ここには、
前記制御油圧に対向する釣り合い用のスプリング46が
圧縮状態で収容されている。
【0025】また、可変バルブタイミング機構24はオ
イルスイッチングバルブ47を備えている。オイルスイ
ッチングバルブ47は、前記オイルフィルタ29からジ
ャーナル油路25へ送られる潤滑油の一部を、前記制御
油路42,43を介し加圧室44へ供給又は停止するた
めのものである。そして、エンジン1の運転中にこのオ
イルスイッチングバルブ47が閉弁されると、スプリン
グ46の付勢力によってリングギヤ39が図3で示すよ
うに前側に位置する。このときの吸気バルブ7の開閉時
期を始動時タイミングとする。
【0026】一方、前述の状態からオイルスイッチング
バルブ47が開弁されると、加圧室44に制御油が導か
れる。すると、リングギヤ39の前端側に制御油圧が加
えられ、そのリングギヤ39がスプリング46の付勢力
に抗して後方へ移動しながら回動される。この結果、吸
気用のカムシャフト9に捩じりが付与され、カムシャフ
ト9とプーリ本体33との回転方向における相対位置が
変えられる。このときの吸気バルブ7の開弁時期及び閉
弁時期は、ともに前記始動時タイミングよりも早い通常
タイミングとなる。
【0027】なお、カムシャフト9の捩じりの際にはリ
ングギヤ39にバックラッシが生じるが、そのバックラ
ッシに基づくガタツキはビスカスカップリング36の作
用により緩衝され、異音の発生が抑えられる。また、前
記収容凹部32の加圧室44からスプリング室45へ漏
れ出た制御油をオイルパン28へ戻すために、プーリ本
体33及びカムシャフト9の一部には戻し油路48が形
成されている。また、カムシャフト9を支持するシリン
ダヘッド1b及びベアリングキャップ30には、油戻し
孔49がそれぞれ形成されている。
【0028】ところで、図4には、始動時タイミング及
び通常タイミングにおける吸気バルブ7の開閉弁時期、
及び排気バルブ8の開閉弁時期を、バルブリフト量との
関係で示す。吸気バルブ7は、始動時タイミングにおい
ては、例えば実線で示すように上死点TDC後約35°
CAで開弁され、下死点BDC後約80°CAで閉弁さ
れる。また、吸気バルブ7は通常タイミングにおいて
は、例えば二点鎖線で示すように上死点TDC前約5°
CAで開弁され、下死点BDC後約40°CAで閉弁さ
れる。一方、排気バルブ8の開閉弁時期は変更されず、
例えば下死点BDC前約40°CAで開弁され、上死点
TDC後約5°CAで閉弁される。
【0029】図2に示すように、前述したスロットル開
度センサ14、エアフロメータ16、吸気温センサ1
7、車速センサ20、回転数センサ21、気筒判別セン
サ22及び水温センサ23は、電子制御装置(以下、単
に「ECU」という)51の入力側に電気的に接続され
ている。また、各燃料噴射弁11、イグナイタ19及び
オイルスイッチングバルブ47は、ECU51の出力側
に電気的に接続されている。
【0030】ECU51は、第1の制御手段及び第2の
制御手段としての中央処理装置(以下、CPUという)
52、読み出し専用メモリ(以下、ROMという) 5
3、ランダムアクセスメモリ(以下、RAMという)5
4、入力ポート55及び出力ポート56を備え、これら
は互いにバス57によって接続されている。CPU52
は、予め設定された制御プログラムに従って各種演算処
理を実行し、ROM53はCPU52で演算処理を実行
するために必要な制御プログラムや初期データを予め記
憶している。また、RAM54はCPU52の演算結果
を一時記憶する。
【0031】CPU52は、入力ポート55を介して前
記スロットル開度センサ14、エアフロメータ16、吸
気温センサ17、車速センサ20、回転数センサ21、
気筒判別センサ22及び水温センサ23からの信号を入
力する。CPU52はこれらの検出信号に基づいて、出
力ポート56に接続された燃料噴射弁11、イグナイタ
19及びオイルスイッチングバルブ47を駆動して燃焼
噴射制御、バルブタイミング制御等をそれぞれ実行す
る。
【0032】次に、前記のように構成された本実施例の
作用を説明する。図5のフローチャートはCPU52に
よって実行される各処理のうち、吸気バルブ7のバルブ
タイミングを制御するためのルーチンを示す。また、図
6のフローチャートは、燃料噴射弁11による燃料噴射
を制御するためのルーチンを示す。これらのルーチン
は、いずれもエンジン1の始動のためにイグニションキ
ーがオン操作された後、所定時間毎に実行される。
【0033】図5のバルブタイミング制御ルーチンが開
始されると、CPU52はまずステップ101におい
て、回転数センサ21によるエンジン回転数NEを読み
込む。続いて、CPU52はステップ102において、
前記エンジン回転数NEが、予め定められた回転数(例
えば500rpm)以上であるか否かを判定する。ステ
ップ102の判定条件が成立していないと(NE<50
0rpm)、CPU52はエンジン1が始動中であると
判断し、ステップ103でオイルスイッチングバルブ4
7を閉弁させるための制御信号を出力し、このルーチン
を終了する。すると、加圧室44への制御油の供給が停
止されてリングギヤ39の前端に制御油圧が加えられな
いので、スプリング46の付勢力によってリングギヤ3
9が図3で示す位置に保持される。その結果、図4にお
いて実線で示すように、吸気バルブ7の開弁時期及び閉
弁時期がともに排気バルブ8の閉弁時期よりも遅くな
り、排気終わりの上死点TDC付近で吸気バルブ7及び
排気バルブ8の両者が開弁している期間(バルブオーバ
ーラップ)がなくなる。
【0034】一方、前記ステップ102の判定条件が成
立すると(NE≧500rpm)と、CPU52はエン
ジン1の始動が終了したと判断し、ステップ104でオ
イルスイッチングバルブ47を開弁させるための制御信
号を出力し、このルーチンを終了する。すると、加圧室
44へ制御油が供給されてリングギヤ39の前端に制御
油圧が加えられ、リングギヤ39が回転しながら後方へ
移動する。その結果、カムシャフト9とプーリ本体33
との回転方向における相対位置が変えられ、吸気バルブ
7の開弁時期及び閉弁時期が図4において二点鎖線で示
すようにともに早められる。そして、吸・排気両バルブ
7,8のバルブオーバーラップが0°CAよりも大きな
所定値(この場合約10°CA)となる。すると、慣性
を利用して吸気効率が高められ、高出力が得られる。
【0035】このようにバルブタイミング制御ルーチン
では、エンジン1の始動時と始動終了後とで吸気バルブ
7の開閉弁時期が変更される。特に、始動時には、吸・
排気両バルブ7,8のバルブオーバーラップが負に調整
される。この負の期間(排気バルブ8が閉弁されてから
吸気バルブ7が開弁されるまでの期間)には、燃焼室4
内が大きく減圧され、負圧となる。
【0036】次に、図6の燃料噴射制御ルーチンについ
て説明する。このルーチンが開始されると、CPU52
はまずステップ201で、エアフロメータ16による吸
入空気量Q、吸気温センサ17による吸気温THA、回
転数センサ21によるエンジン回転数NE、気筒判別セ
ンサ22による基準位置信号、水温センサ23による冷
却水温THW等のエンジン1の運転状態に関する各種デ
ータを読み込む。
【0037】次に、CPU52はステップ202におい
て、前記ステップ201でのエンジン回転数NEが50
0rpm以上であるか否かを判定する。ステップ202
の判定条件が満たされない場合(NE<500rp
m)、CPU52はエンジン1が始動状態にあると判断
し、ステップ203へ移行し、始動時における燃料噴射
弁11への通電時間である始動時噴射時間TAUSTを
算出する。
【0038】ここで、一般にエンジン1の始動時には、
吸入空気量Qが少ないことからエアフロメータ16によ
る検出精度があまり高くない。このため、始動時噴射時
間TAUSTの算出は、吸入空気量Q及びエンジン回転
数NEによらず、冷却水温THWに応じた噴射時間を例
えばマップから求める。このマップでは、冷却水温TH
Wが低いほど(エンジン1が冷えているほど)、吸気通
路5の壁面等に付着した燃料が気化しにくくなることか
ら、低温側では噴射時間が長く設定され、冷却水温TH
Wが上昇するに従い噴射時間が短く設定されている。そ
して、前記マップから求められた噴射時間に無効噴射時
間を加算して、その加算結果を始動時噴射時間TAUS
Tとする。無効噴射時間は、燃料噴射弁11の作動遅れ
を補正するための時間である。
【0039】次に、CPU52はステップ204におい
て始動時噴射時期を算出する。すなわち、吸気バルブ7
が開弁される時期(この場合、上死点TDC後約35°
CA)を求める。そして、CPU52はステップ205
において、前記した始動時噴射時期にて燃料噴射が開始
され、始動時噴射時間TAUSTの経過後に燃料噴射が
終了するように、燃料噴射弁11に駆動信号を出力す
る。ステップ205の実行後、CPU52はこの燃料噴
射制御ルーチンを終了する。
【0040】一方、前記ステップ202の判定条件が満
たされると(NE≧500rpm)、CPU52はエン
ジン1の始動が終了したと判断し、ステップ206で始
動後噴射時間TAUを算出する。この算出に際しては、
エンジン回転数NEと吸入空気量Qとから、1回転当た
りの吸入空気量(Q/NE)を求めて、これに定数を乗
算して基本噴射時間とする。そして、そのときのエンジ
ン1の運転状態(エンジン回転数NE、冷却水温TH
W、吸気温THA、吸入空気量Q、車速SPD等)によ
り前記基本噴射時間を補正する。補正後の値に燃料噴射
弁11の無効噴射時間を加算して、その加算結果を始動
後噴射時間TAUとする。
【0041】続いて、CPU52はステップ207にお
いて、予め設定されたマップ又は計算式に従い、そのと
きのエンジン1の運転状態に応じた始動後噴射時期を算
出する。本実施例ではこの噴射時期として、吸気バルブ
7及び排気バルブ8がともに開弁されるバルブオーバー
ラップの途中(図4では上死点TDC)が決定される。
そして、CPU52はステップ208において、前記し
た始動後噴射時期にて燃料噴射が開始され、始動後噴射
時間TAUの経過後に燃料噴射が終了するように、燃料
噴射弁11に駆動信号を出力する。ステップ208の実
行後、CPU52はこの燃料噴射制御ルーチンを終了す
る。
【0042】このように本実施例では、バルブタイミン
グの制御に際しエンジン1が始動中であるか、あるいは
始動が終了したかがエンジン回転数NEに基づき判断さ
れる(ステップ102)。そして、その判断結果に応じ
て、オイルスイッチングバルブ47が駆動制御され(ス
テップ103,104)、可変バルブタイミング機構2
4の作動状態が切換えられる。この切換えにより、エン
ジン1の始動時の吸入行程では、排気バルブ8が閉弁
し、かつピストン3が上死点TDCに達した後(この場
合、TDC後約35°CA)に吸気バルブ7が開弁され
る。つまり、排気バルブ8及び吸気バルブ7がともに閉
弁している期間に、ピストン3が上死点TDCから下死
点BDCへ向けて下降運動する。この期間には、燃焼室
4内に大きな負圧が発生する。この状態で吸気バルブ7
が開弁されると、前記負圧の作用により、吸気通路5を
通過する吸入空気と燃料噴射弁11からの噴射燃料とか
らなる混合気が燃焼室4へ吸い込まれる。
【0043】また、燃料噴射制御に際しエンジン1が始
動中であるか、あるいは始動が終了したかがエンジン回
転数NEに基づき判断され(ステップ202)、その判
断結果に応じて、燃料噴射弁11が駆動制御される。こ
の駆動制御により、エンジン1の始動時には、前記吸気
バルブ7の開弁とほぼ同時に燃料が噴射される(ステッ
プ203〜205)。
【0044】従って、エンジン1の始動時においては、
燃焼室4内で大きな負圧が発生しているときに吸気バル
ブ7が開弁されて燃焼室4へ吸気が導入されるととも
に、その導入と同時に燃料噴射弁11から燃料が噴射さ
れる。この負圧の作用により噴射燃料の微粒化が促進さ
れ、噴射燃料が安定して完全燃焼しやすくなり、始動時
における排気ガス中の炭化水素(HC)が低減される。
【0045】また、エンジン1の始動時には、吸気バル
ブ7の閉弁時期が始動後の閉弁時期よりも遅らされる
(下死点BDC後約40°CA→下死点BDC後約80
°CA)。このため、ピストン3が下死点BDCから上
死点TDCへ向けて移動する圧縮行程では、ピストン3
が受ける圧縮抵抗が低下する。この低下にともない、始
動時(クランキング時)のエンジン回転数NEが上昇し
やすくなり、始動性が向上する。
【0046】なお、エンジン1の始動終了後には、運転
状態に応じた時期にて吸気バルブ7が開弁されるととも
に、同運転状態に応じた時期にて燃料が噴射される。さ
らに、本実施例では吸気通路5と燃焼室4との連通箇所
である吸気ポートへの燃料付着が少なくなる。その減少
分だけ、噴射燃料量を減量することが可能となり、燃費
向上のうえで有利である。また、噴射燃料量の減量によ
り、混合気が濃くなりすぎるのを防止できるので、点火
プラグ12のくすぶり(発火部全体に黒い乾いたカーボ
ンが付着する現象)を改善するうえでも有利である。
【0047】本発明は前記実施例の構成に限定されるも
のではなく、例えば以下のように発明の趣旨から逸脱し
ない範囲で任意に変更してもよい。 (1)前記実施例では、油圧により作動するタイプの可
変バルブタイミング機構24を用いたが、電動モータに
より駆動されるタイプ等、他のタイプの可変バルブタイ
ミング機構を用いてもよい。
【0048】(2)前記実施例では可変バルブタイミン
グ機構24におけるリングギヤ39の内外周の歯39
a,39bを両方ともヘリカル歯にしたが、いずれか一
方の歯39a,39bのみをヘリカル歯としてもよい。
【0049】(3)吸気バルブ7だけでなく排気バルブ
8の開弁時期及び閉弁時期を制御するようにしてもよ
い。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、内
燃機関の始動時において、排気バルブの閉弁後であって
ピストンが上死点に達してから所定期間が経過した後に
吸気バルブを開弁させるとともに、その開弁と同時に燃
料噴射弁から燃料を噴射させるようにしたので、機関始
動時における噴射燃料の微粒化を促進し、エミッション
の悪化を抑えるとともに始動性の向上を図ることができ
るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念構成図である。
【図2】本発明を自動車用ガソリンエンジンに具体化し
た一実施例の概略構成図である。
【図3】一実施例の可変バルブタイミング機構の断面図
である。
【図4】一実施例において、クランク角と吸・排気両バ
ルブのバルブリフト量との関係を示す特性図である。
【図5】一実施例において、CPUによって実行される
バルブタイミング制御ルーチンを説明するフローチャー
トである。
【図6】一実施例において、CPUによって実行される
燃料噴射制御ルーチンを説明するフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、3…ピストン、4…燃
焼室、5…吸気通路、6…排気通路、7…吸気バルブ、
8…排気バルブ、11…燃料噴射弁、21…始動状態検
出手段としての回転数センサ、24…可変バルブタイミ
ング機構、52…第1の制御手段及び第2の制御手段と
してのCPU、C…クランクシャフト、TDC…上死点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 43/00 301 F02D 43/00 301J 301Z (56)参考文献 特開 昭56−141030(JP,A) 特開 昭60−138218(JP,A) 特開 昭60−150459(JP,A) 特開 平4−303141(JP,A) 特開 平6−264782(JP,A) 特開 平6−235307(JP,A) 特開 昭59−115412(JP,A) 実開 平3−95049(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/02 F01L 1/34 F01L 13/00 F02D 41/06 F02D 43/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンの往復動をクランクシャフトの
    回転運動に変換して動力を得る内燃機関に設けられ、ク
    ランクシャフトの回転にて駆動されることにより、内燃
    機関の燃焼室に連通する吸気通路及び排気通路をそれぞ
    れ開閉する吸気バルブ及び排気バルブと、 前記吸気バルブ及び排気バルブのうち、少なくとも吸気
    バルブの開弁時期を調整可能な可変バルブタイミング機
    構と、 前記吸気通路に設けられ、燃焼室へ燃料を噴射する燃料
    噴射弁と、 前記内燃機関の始動状態を検出する始動状態検出手段
    と、 前記始動状態検出手段により内燃機関の始動状態が検出
    されたときには、排気バルブの閉弁後であって前記ピス
    トンが上死点に達してから所定期間が経過した後に吸気
    バルブが開弁するように可変バルブタイミング機構を駆
    動制御する第1の制御手段と、 前記始動状態検出手段により内燃機関の始動状態が検出
    されたときには、吸気バルブが開弁するのと同時に燃料
    噴射が開始されるように燃料噴射弁を駆動制御する第2
    の制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の制御
    装置。
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