JP3082206U - 作業用安全靴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 爪先の安全性を確保しながら、該箇所の通気
性を確保して、快適な作業を行わしめる作業用安全靴の
提供。 【解決手段】 爪先甲被の内側に肉厚寸法１．２ｍｍ〜
２．０ｍｍの湾弧状となした鉄製の半截帽体を取り付
け、該半截帽体には孔径寸法を凡そ３．０ｍｍ〜６．０
ｍｍ程度となした通気孔の２個〜１０個を穿設した構成
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、工場内や運送業での荷物の集配、運搬作業等に従事する作業者の爪 先を保護するために使用される作業用安全靴に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より安全靴は、落下物や重量物の倒れによる損傷から、作業者の爪先等を 保護するために、該箇所に金属製或いは樹脂製の先芯が使用されている。しかし ながら、これらの先芯は甲被と一体構成して堅固なものとなしてあることから、 例え甲被自体に通気性のある素材を用いたとしても、該箇所の通気性は著しく損 なわれるものであった。特に、夏場や高熱所での使用では、靴内部が蒸れて足や 靴下が臭くなったり、また水虫等の疾患が更に悪化したり衛生的な着用が困難で あった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記した従来品に於ける問題点を解消するためのものであり、爪先 甲被側の強度を堅牢にして爪先の安全性を確保しながら、該箇所の通気性を確保 できる作業用安全靴を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上述した目的を達成するため、本考案に係る作業用安全靴は、爪先甲被の内側 に肉厚寸法１．２ｍｍ〜２．０ｍｍの湾弧状となした鉄製の半截帽体を取り付け 、該半截帽体には孔径寸法を凡そ３．０ｍｍ〜６．０ｍｍ程度となした通気孔の ２個〜１０個を穿設してあることを特徴とする。 この際、半截帽体に於ける通気孔の隣り合う間隔巾寸法を凡そ１０ｍｍ〜３０ ｍｍ程度になさしめると共に、下方側周縁部を内側へ曲折し巾寸法５ｍｍ程度の 鍔体に形成したりする。 また、半截帽体の通気孔は、周辺部を小径で、上辺部をこれより大径のものに 異ならしめたりする。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下本考案に係る一実施の形態を、図面を参照して説明する。 図１は、本考案に係る作業用安全靴１の一部切り欠き斜視図、図２は該安全靴 １の爪先部の横断面図である。

【０００６】 安全靴１は、従来より着用されている安全靴の構造とほぼ同様であって、甲被 ２の前端部に足の爪先部を保護する鉄製の半截帽体３が内蔵されるのであるが、 本考案品は該半截帽体３に通気孔４を設ける点で従来品と大きく異なる。

【０００７】 甲被２は、用途に応じて任意素材で形成されるが、少なくとも爪先上部の甲被 は天然皮革やメッシュ構造を有する帆布等のような通気性素材で形成される。

【０００８】 半截帽体３は、図３に示す如く、鉄板で湾弧状に形成され、その下方側周縁部 は内側へ曲折して鍔体５に形成される。この鍔体５は５ｍｍ程度の巾寸法となさ れ、半截帽体３が靴内部に装着される際、靴中底６とソール７の間に挟着されて 、半截帽体３を靴内部へ安定的に固着するものとなる。ここに、半截帽体３の肉 厚ｗ寸法は１．２ｍｍ〜２．０ｍｍとなされる。

【０００９】 上記半截帽体３の上面には複数個の通気孔４が穿設される。該通気孔４は任意 に設計されるが、例えば、孔径寸法ｒを凡そ３．０ｍｍ〜６．０ｍｍ程度の円孔 となし、隣り合う通気孔４との間隔巾寸法ｓを凡そ１０ｍｍ〜２０ｍｍ程度とな して穿設される。ここに、通気孔４は爪先部の通気性を確保するためのものであ り、足指間への通気性をより良くするように、半截帽体３の周辺部のものより上 辺部の孔径を大径ならしめてもよい。通気孔４の個数は、上記間隔巾及び孔径の 大きさとの関係で半截帽体３の堅牢度を左右するものとなるが、上記孔径のもの の採用で通常２〜１０個になされる。本考案者の実験結果より、これらのものは 耐圧性や耐衝撃性などの安全性能を充分に維持できるものであった。

【００１０】 上記半截帽体３は甲被２の内側に従来と同様にして取り付けられる。この際、 落下物による爪先部への衝撃を緩和したり爪先の感覚をソフトにするために半截 帽体３の上下側にスポンジや綿等のクッション材８を介在させたり、半截帽体３ の内側に設ける靴裏材９に吸汗性、放湿性の優れた素材のものを使用したり、ま たこれらと半截帽体３との連結部にゴム材を使用したりすることは自由である。

【００１１】

【考案の効果】

以上に説明した如く、本考案の作業用安全靴によれば、爪先の安全性を確保し ながら靴自体の通気性も確保できる。即ち、これは甲被の内側に内装される先芯 に特定寸法径の通気孔を一定数穿設するようになすのであり、靴自体の通気性を 充分に確保して衛生的な着用ができると同時に、爪先への圧迫や衝撃に対する安 全性能を充分に確保できるのである。

【００１２】 即ち、上記通気孔は安全靴として要求される鉄芯の強度を損なわしめないで、 その肉厚寸法と孔径及びその個数などを種々なる実験結果から求めたものであり 、着用中に極めて好適な通気性が得られることから疲労度を軽減して作業効率を 向上させるものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る作業用安全靴の一部切り欠き斜視
図である。

【図２】本考案に係る作業用安全靴の爪先部に於ける横
断面図である。

【図３】本考案に係る鉄芯の斜視図である。

【符号の説明】

１ 作業用安全靴 ２ 甲被 ３ 半截帽体 ４ 通気孔 ５ 鍔体 ６ 中底 ７ ソール ８ クッション材 ９ 靴裏材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 爪先甲被の内側に肉厚寸法１．２ｍｍ〜
   ２．０ｍｍの湾弧状となした鉄製の半截帽体を取り付
   け、該半截帽体には孔径寸法を凡そ３．０ｍｍ〜６．０
   ｍｍ程度となした通気孔の２個〜１０個を穿設してある
   ことを特徴とする作業用安全靴。
2. 【請求項２】 半截帽体に於ける通気孔の隣り合う間隔
   巾寸法は凡そ１０ｍｍ〜３０ｍｍ程度になさしめると共
   に、下方側周縁部を内側へ曲折し巾寸法５ｍｍ程度の鍔
   体に形成してあることを特徴とする請求項１記載の作業
   用安全靴。
3. 【請求項３】 半截帽体の通気孔は、周辺部を小径で、
   上辺部をこれより大径のものに異ならしめてあることを
   特徴とする請求項１又は２記載の作業用安全靴。