JP3081085B2 - 再処理プラントの運転方法及び再処理プラント - Google Patents
再処理プラントの運転方法及び再処理プラントInfo
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Description
しウラン及びプルトニウムを回収する再処理プラントの
運転方法及び再処理プラントに係わり、特に少ない安全
設備で十分な安全性を確保するのに好適な再処理プラン
トの運転方法及び再処理プラントに関する。
は、特開昭63−180894号公報に記載のように、
核燃料物質及び核分裂生成物を含む硝酸溶液と有機溶媒
とを接触させ、有機相側に核燃料物質を水相側に核分裂
生成物を分離する溶媒抽出プロセスにおいて、溶媒抽出
装置内での硝酸濃度を測定し、有機相及び水相中の対象
核種濃度が一定になるように硝酸濃度を制御し、製品品
質を向上するものがある。
載のように、再処理プラントの臨界管理装置において、
被処理液の組成条件と運転条件とから処理済溶液の核物
質濃度の最大値を予測し、核物質濃度の最大値が制限値
を越えているかどうかを判別し、絶対に起こってはなら
ない臨界事故の管理に際して運転操作上の不連続時間を
最小化したり、制限値を越えていれば被処理液を希釈す
るものがある。
が、実公平3−34718号公報及び実公平34719
号公報に記載のように、再処理プラントで回収した回収
ウランと天然ウランを濃縮ウランと劣化ウランとに分離
して回収する分離回収装置において、濃縮ウラン中のウ
ラン同位体の濃度を測定して回収ウランと天然ウランの
供給量を制御したり、演算制御部での演算結果に基づい
て回収ウランと天然ウランの供給割合を制御して、濃縮
ウランの品質を向上したり、濃度コストを低減するもの
がある。
安全性に関しては、材料腐食等に対して十分余裕のある
プロセス構成、機器構造を採用し、特にプロセス内のプ
ラント運転上のトラブル要因となる物質量を把握して運
転条件を制御することは考慮されていなかった。
処理プラントまたはそれに係わる設備の運転方法は、再
処理プラントの製品品質を向上することや、絶対に起こ
ってはならない臨界事故の管理に際して運転操作上の不
連続時間を最小化することを主眼としており、再処理プ
ラントの臨界事故を除いた安全性に関しては、いずれも
十分余裕のあるプロセス構成や機器構造を採用すること
を前提としていた。このため、再処理プラントの規模及
び建設費を必要以上に増大させる可能性が高く、プラン
ト建設にかかわるコストが増大するという問題があっ
た。
造を合理化して少ない安全設備で十分な安全性を確保
し、臨界事故を除いたプラント運転上のトラブルを未然
に防止できる再処理プラントの運転方法及び再処理プラ
ントを提供することにある。
に、本発明の再処理プラントの運転方法は、原子炉から
取り出された原子燃料の組成データ及び測定値のいずれ
かに基づき臨界事故を除いたプラント運転上のトラブル
の要因となる物質の再処理溶液中における存在量を把握
すること、その物質の存在量とプラント運転上のトラブ
ルとの因果関係を評価すること、その評価結果に基づき
前記物質によるプラントへの影響が減るように関連機器
を制御することを特徴としている。
子燃料の組成データは、好ましくは、燃料集合体に付着
しているクラッドも含めた再処理プラントに移行する全
ての物質に関するデータである。
の再処理プラントの運転方法は、再処理プラント内の上
流側プロセスにおいて、原子炉から取り出された原子燃
料の組成データ及び測定値のいずれかに基づき臨界事故
を除いたプラント運転上のトラブルの要因となる物質の
再処理溶液中における存在量を把握すること、その物質
の存在量と下流側プロセスでのプラント運転上のトラブ
ルとの因果関係を評価すること、その評価結果に基づき
前記物質による下流側プロセスへの影響が減るように関
連機器を制御するものである。
の再処理プラントの運転方法は、再処理プラント内の一
プロセスにおいて、原子炉から取り出された原子燃料の
組成データ及び測定値のいずれかに基づき臨界事故を除
いたプラント運転上のトラブルの要因となる物質の再処
理溶液中における存在量を把握すること、その物質の存
在量と前記プロセスでのプラント運転上のトラブルとの
因果関係を評価すること、その評価結果に基づき前記物
質による前記プロセスへの影響が減るように関連機器を
制御することを特徴としている。
いて、前記プラント運転上のトラブルは例えば放射性核
種の揮発であり、この場合、前記プラント運転上のトラ
ブルの要因となる物質がルテニウムであり、再処理溶液
中のルテニウムの濃度を把握し、このルテニウムの濃度
とルテニウムの揮発量との因果関係を評価し、この評価
結果に基づきルテニウムの揮発量が減るように関連機器
を制御する。
澱による配管の閉塞であってもよく、この場合、前記プ
ラント運転上のトラブルの要因となる物質がリン酸であ
り、再処理溶液中のリン酸の濃度を把握し、このリン酸
と沈殿の生成量との因果関係を評価し、この評価結果に
基づき沈殿の生成量が減るように関連機器を制御する。
器材料の腐食であってもよく、この場合、前記プラント
運転上のトラブルの要因となる物質が鉄であり、再処理
溶液中の鉄の濃度を把握し、この鉄と機器材料の腐食量
との因果関係を評価し、この評価結果に基づき機器材料
の腐食量が減るように関連機器を制御する。
の再処理プラントは、原子炉から取り出された原子燃料
の組成データ及び測定値のいずれかに基づき臨界事故を
除いたプラント運転上のトラブルの要因となる物質の再
処理プラント中における存在量を把握する第1の手段
と、前記物質の存在量とプラント運転上のトラブルとの
因果関係を評価する第2の手段と、その評価結果に基づ
き前記物質によるプラントへの影響が減るように関連機
器を制御する第3の手段とを有することを特徴としてい
る。
の再処理プラントは、原子炉から取り出された原子燃料
の組成データ及び測定値のいずれかに基づき臨界事故を
除いたプラント運転上のトラブルの要因となる物質の再
処理溶液中における存在量を把握する第1の手段と、前
記物質の存在量とプラント運転上のトラブルとの因果関
係を評価する第2の手段と、その評価結果に基づき前記
物質によるプラントへの影響が減るように関連機器を制
御する第3の手段とを有することを特徴としている。
「臨界事故を除いたプラント運転上のトラブル」を、適
宜、単に「プラント運転上のトラブル」または「トラブ
ル」という。
ラント運転上のトラブルの要因となる物質を定量的に把
握することや、その物質量とプラント運転上のトラブル
との因果関係を評価することは、プラント運転の制御精
度を向上し、的確な運転を実施する上での基礎となる。
本願発明者等は、従来技術の課題を解決すべく検討を重
ねた結果、再処理プラントにおけるプラント運転上のト
ラブルの要因となる物質を定量的に把握し、かつその物
質量とプラント運転上のトラブルとの因果関係を解明す
ることに成功し、本願発明を完成するに至った。
た原子燃料、例えば使用済原子燃料の組成データ及び測
定値のいずれかに基づきプラント運転上のトラブルの要
因となる物質の再処理溶液中における存在量を把握す
る。また、その物質の存在量とプラント運転上のトラブ
ルとの因果関係を評価し、その評価結果に基づき前記物
質によるプラントへの影響が減るように関連機器を制御
する。このように再処理プラントにおけるプラント運転
上のトラブルの支配物質の存在量を把握し、支配物質の
挙動を評価してプラント運転上のトラブルに発展しない
ように制御することにより、再処理プラントにおけるプ
ラント運転上のトラブルを未然に防止でき、再処理プラ
ント、機器の長寿命化を図ることができる。また、この
支配物質の把握制御に基づくプラント運転方法を再処理
プラント設計段階で導入することにより、再処理プロセ
ス構成及び機器構造を合理化して、再処理プラントの規
模及び建設費を低減することができる。
組成データに基づきプラント運転上のトラブルの要因と
なる物質の存在量を把握することにより、再処理溶液を
直接測定する場合に比べて再処理溶液近傍に設置する機
器の数が増加しないので、データ入力時も安全上有利と
なる。
ブルの要因となる物質の存在量の把握は上流側プロセス
での再処理溶液で行ない、トラブルとの因果関係の評価
及び関連機器の制御を下流側プロセスについて行なって
もよく、また、これらを同一プロセスで行なってもよ
い。これらの場合も上記と同様の作用が得られる。
揮発があり、この場合、プラント運転上のトラブルの要
因となる物質としてルテニウムの濃度を把握し、ルテニ
ウムの濃度とルテニウムの揮発量との因果関係を評価
し、その評価結果に基づきプロセスでのルテニウムの揮
発量が減るように関連機器を制御する。
管の閉塞があり、この場合、プラン ト運転上のトラブル
の要因となる物質としてリン酸の濃度を把握し、リン酸
と沈澱の生成量との因果関係を評価し、その評価結果に
基づき沈澱の生成量が減るように関連機器を制御する。
食があり、この場合、プラント運転上のトラブルの要因
となる物質として鉄の濃度を把握し、鉄と機器材料の腐
食量との因果関係を評価し、その評価結果に基づき機器
材料の腐食量が減るように関連機器を制御する。
る。まず、本発明の第1の実施例による再処理プラント
の運転方法を図1〜図4により説明する。
は原子炉から取り出された原子燃料、例えば使用済原子
燃料2及び硝酸等の各種試薬3が導入され、プラント運
転に伴いU,Pu製品4及び廃棄物5が放出される。再
処理プラント1の機器及びプロセスはどのような燃料が
導入されても対応できるようになっているため、従来は
特に再処理プラントの運転方法について配慮することな
く、一定の条件で運転されていた。
導入される使用済原子燃料の組成(構成物質)に関する
データが入力され、そのデータに基づいて使用済原子燃
料の組成を把握し、臨界事故を除いたプラント運転上の
トラブルの要因となる物質(以下、適宜トラブル要因物
質または支配物質という)の再処理溶液中での存在量を
把握する燃料組成把握装置6、当該トラブル要因物質の
存在量とトラブルとの因果関係を評価する因果関係評価
装置7、その因果関係の評価結果に基づいてトラブル要
因物質による再処理プラント1への影響が許容量以下に
減るように関連機器を操作し運転条件を制御する運転制
御装置8を設けている。
しているクラッドも含めた燃料の構成物質の量をほぼ正
確に把握する装置である。燃料構成物質の量は、例えば
照射履歴から核反応収率評価コードを用いて計算するこ
とにより、あるいは燃料組成を放射線検出器等を用いて
実測することにより把握できる。
の揮発、放射性核種の環境への漏洩、配管の閉塞、機器
材料の腐食等のトラブルと燃料構成物質の内のそのトラ
ブルに支配的な物質の存在量との因果関係を評価する装
置である。この因果関係を評価把握しておくことによ
り、トラブルに至る条件と至らない条件とを明確に区別
できる。
果を反映してトラブルに至らないように支配物質の量を
制限すべく、弁や加熱装置などの関連機器を操作して運
転条件を制御する装置である。この装置によりトラブル
が発生しないように最適な条件でプラントを運転でき
る。
成物質を把握して、トラブル要因物質量とトラブルとの
因果関係を評価し、最適な条件でプラントを運転するこ
とができる。
転上のトラブルを放射性核種の揮発漏洩とした場合につ
いて説明する。使用済燃料中には30種類以上の元素が
含まれているが、揮発に関して支配的な物質は、もとも
と揮発性の物質(ヨウ素、炭素−炭酸ガス、水素−水蒸
気、希ガス等)を除けばルテニウム(Ru)、テクネチ
ウム(Tc)、セシウム(Cs)であり、特にRuであ
ることが、研究の結果明確となった。
料中に含まれているRuの量を把握する。Ru量は放射
線検出器で放出γ線を測定しても求められるが、燃料の
照射履歴から核反応収率評価コードを用いて計算するこ
とにより求められる。計算結果の一例を図2に示す。図
2は沸騰水型原子炉の例で、燃料の初期濃縮度3重量
%、冷却期間4年の場合のRuの生成量を燃焼度に対し
て示したものである。Ruの生成量は燃焼度が高くなる
にしたがって増加する。また、Ruの場合燃料中で硝酸
に溶解しない不溶解成分として存在していることが知ら
れている。燃料中のRuのうち硝酸に溶解して溶液側に
移行する量を求めた結果を図3に示す。Ruの溶液側に
移行する量も燃焼度が高くなるにしたがって増加する。
図3のデータより、再処理される使用済み燃料の燃焼度
が分かれば、硝酸溶液中でのRuの量が分かる。燃料組
成把握装置6でここまで把握し、揮発が問題となるプロ
セスにおける再処理溶液中のRuの量を明確にする。
量と揮発との因果関係を種々の環境条件も含めて評価す
る。研究の結果、Ruの揮発量はRu濃度、温度(圧
力)、硝酸濃度に依存することが分かった。これらの関
係を図4に示す。Ru揮発量は精製係数、即ち残留溶液
中のRu濃度に対する蒸留(揮発)液中のRu濃度の値
(比)で表わしてある。Ruの揮発量は、硝酸濃度が高
くなるにしたがって増大し、また温度や圧力が高くなる
にしたがって増大する。図4に示したような関係によ
り、因果関係評価装置7でプロセスに流入したRuのう
ちどの程度の量が揮発するか評価できる。例えば、再処
理される使用済み燃料の燃焼度が20GWd/tUで硝
酸濃度が7Nで、温度が100℃、圧力が76mmHg
の場合、Ruの揮発量は1(Kg/tU)×1/104
=10-4(Kg/tU)のように計算できる。
関係より最適なプラント運転条件を決定する。放射性核
種の揮発漏洩量(気体廃棄物放出量)の管理目標値は85
Kr,3 H,14C,129 I,131 I以外のβγ核種の場
合、150MBq/tUであり、溶液としての漏洩量
(液体廃棄物放出量)は3 H,129 I,131 I以外のβ
γ核種の場合、875MBq/tUである。Ruの寄与
を全βγ核種の1/10以下とするためには、それぞれ
約0.03mg/tU、約0.17mg/tUに抑える
必要がある。このための運転条件を決定する。全再処理
プロセスでのRu揮発移行量を評価して、放出量の管理
目標値を越える恐れのない場合は、特に運転条件を変更
する必要はない。管理目標値を超える恐れのある場合
は、最も支配的なプロセスを選定し、そこの条件を変更
する。例えば、図4から類推できるように、温度(圧
力)や硝酸濃度を低下させればRuの揮発量は減少す
る。
トからのRuの放出(漏洩)を未然に防止できる。Ru
以外の元素についても同様に評価制御できる。他のトラ
ブルの場合も同様である。
法によれば、プラント機器及びプロセスの安全性を必要
以上に考慮して重装備しなくても、十分安全性を確保で
き、臨界事故を除いたプラント運転上のトラブルを未然
に防止できる。この結果、プロセスを簡略化でき、プラ
ント規模を縮小できのるで、プラント建設にかかわるコ
ストを大幅に低減することができる。
ータは測定値でなく再処理プラント1に導入される使用
済原子燃料の組成(構成物質)に関するデータであり、
具体的には再処理する燃料の照射、冷却履歴データの記
録されているフロッピイディスクを用いてデータを入力
する(後述)。このため、再処理溶液を直接測定する場
合に比べて再処理溶液近傍に設置する機器の数が増加し
ないので、データの入力に際しても安全上有利となる。
6と因果関係評価装置7と運転制御装置8の3種類の装
置に区分したが、装置構成として特に3種類に明確に区
分する必要はなく、これら3種類の装置の機能を果たせ
ば本発明の遂行に支障はなく、例えば1つの装置であっ
ても構わない。
例を図5により説明する。
ッピィディスクドライブ20を有し、再処理する燃料の
照射、冷却履歴データの記録されているフロッピイディ
スク21を挿入して燃料の組成を把握する。把握した燃
料組成データは因果関係評価装置7に移送される。
2、腐食評価装置23及び沈澱評価装置24を有し、こ
れら評価装置22,23,24で燃料組成データ中の揮
発、腐食及び沈澱に対して支配的なデータのみを抽出し
て、揮発、腐食あるいは沈殿の程度を評価する。揮発評
価装置22では図2、図3、図4に示されるようなデー
タを参照することにより揮発の評価を行なう。腐食評価
装置23及び沈澱評価装置24では後述の実施例で説明
するようなデータを参照することにより腐食及び沈澱の
評価を行なう。これらのデータはメモリ25中に保管さ
れており、必要な場合はデータを更新し最新のデータを
保管できるようになっている。また、CRT26が設け
られ、CRT26の画面で揮発、腐食及び沈殿の因果関
係を運転員が目視確認できるようになっている。
量、腐食量あるいは沈殿量を超える恐れのある場合、運
転制御装置8に信号が移送される。この信号は、CRT
26の画面で因果関係を運転員が評価し、制御の必要性
及び制御方法を判断して入力装置27を用いて運転員が
運転制御装置8に送ることもできる。因果関係評価装置
7によるか入力装置27によるかは運転員がスイッチ2
7aを操作して選択する。
評価装置23及び沈澱評価装置24に対応して3つの制
御装置28,29,30を有し、制御装置28からの信
号は局所制御装置LC1,LC2,LC3,LC4,L
C5,LC6により再処理プラント1内の特定機器に伝
達され、揮発量が許容量を超えないように特定機器を制
御する。制御装置29,30についても同様であり、腐
食量及び沈殿量が許容量を超えないように特定機器を制
御する。
構成として廃液濃縮工程に係わる部分のみを示してお
り、廃液供給装置40、廃液濃縮装置41、廃液受入装
置42、硝酸濃度低下装置43、減圧装置44と、これ
ら装置間の流体の移送を制御するバルブ45,46,4
7,48,49とを備えている。廃液濃縮装置41には
加熱装置50が設けられている。
22では揮発制御が必要と判断された場合、いくつかの
揮発制御方法が比較検討される。廃液濃縮装置41にお
いてルテニウム(Ru)の揮発を制御抑制する方法とし
ては、廃液の硝酸濃度を低下すること、濃縮時の温度を
低下すること等の方法が考えられる。廃液の硝酸濃度を
低下する場合には、局所制御装置LC1からLC3まで
に信号を伝達する。局所制御装置LC3によりバルブ4
5を閉じて廃液供給装置40から廃液濃縮装置41への
廃液の移送を停止し、局所制御装置LC1によりバルブ
47を開けて廃液を硝酸濃度低下装置43へ移送する。
硝酸濃度低下装置43で脱硝あるいは中和操作により硝
酸濃度を低下させ、局所制御装置LC2によりバルブ4
8を開けて廃液を廃液濃縮装置41へ移送する。
所制御装置LC4により減圧装置44あるいは減圧装置
のバルブ49を操作して圧力を低下させるか、または局
所制御装置LC5により加熱装置50の出力を下げる。
これらいずれかの操作あるいは両方を同時に操作するこ
とにより、廃液濃縮時の温度を低下でき、Ru等の放射
性核種の揮発を抑制することができる。
度に抑える方法がある。この場合、局所制御装置LC6
によりバルブ46を開け、廃液を低濃縮状態で廃液受入
装置42に移送すればよい。
因果関係評価装置7、運転制御装置8及び局所制御装置
LC1〜LC6により、適切かつ合理的に放射性核種の
揮発を必要十分なレベルに抑制することができる。
器を制御し、腐食及び沈澱を抑制することができる。
トの運転方法を図6〜図8により説明する。本実施例
は、再処理プラント内において一つのプロセスの前段に
おいてトラブル要因物質を評価してプロセスの運転条件
を制御するものである。
結で構成されている。これらのプロセスの一部分とし
て、2つの連結したプロセスの上流側のプロセス9で処
理された流体が下流側のプロセス10で更に処理され
る。従来の方法では下流側プロセス10の運転方法や条
件は上流側プロセス9に関係なく決定されていた。
おける再処理溶液の組成データから、下流側プロセス1
0でトラブル要因となる物質の挙動と下流側プロセス1
0へ移行する量を把握・評価・運転制御装置11で把握
して、その物質の量や形態の下流側プロセス10に与え
る影響を同じ装置11で評価し、当該物質による下流側
プロセス10への影響が許容量以下に減るように下流側
プロセス10の運転条件をやはり同じ装置11で制御す
る。このように、把握・評価・運転制御装置11を設置
して適切に稼働させることにより、下流側プロセス10
をトラブルなく適切に運転できる。
転上のトラブルを沈殿析出による流体移送不備または配
管閉塞とした場合について説明する。再処理プロセス内
の流体中には30種類以上の元素が含まれているが、沈
殿析出に関して支配的な物質はリン酸(Pと略す)、モ
リブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、鉄(F
e)、バリウム(Ba)、硝酸根、特にPであること
が、研究の結果明らかとなった。プロセスとしての典型
例は、上流側プロセス9が共除染プロセス、下流側プロ
セス10が高レベル廃液濃縮プロセスである。
流側プロセス9での流体中に含まれているPの挙動及び
量を把握する。Pは主に再処理プロセスで用いられる抽
出溶媒のリン酸トリブチル(TBP)が放射線や硝酸、
熱で分解することにより生成する。放射線によるリン酸
の生成量を図7に示す。生成量は硝酸中にTBPを溶解
させた後放射線を照射して硝酸溶液中のTBPとリン酸
(P)の濃度を測定した結果である。この図から分かる
ように照射線量が増えるにつれTBPは減り、Pは増え
る。実際のプロセスにおいては、TBPとの接触により
硝酸中へはさらにTBPが移行するので、Pは硝酸中に
徐々に蓄積することとなる。これらの接触、移行、分解
の挙動を評価して下流側プロセス10へ流入するPの量
を把握する。
流側プロセス10における沈殿生成量とP量との相関関
係を評価する。沈殿生成量のP量依存性を図8に示す。
図8は初期硝酸濃度が3Nの核分裂生成物を含む廃液を
濃縮した場合のデータであり、リン濃度が高くなるにし
たがって沈澱生成量が増加する。このような関係が研究
の結果明らかになっており、支配物質Pの沈殿生成に及
ぼす影響を評価できる。
トラブルを回避するように下流側プロセス10の運転方
法及び条件を制御する。沈殿量は廃液移送時の配管閉塞
を考慮して抑制しなければならない。仮りに沈殿生成量
が8g/リットル以下に抑える必要がある場合には、P
濃度を300ppm 以下に制限する必要がある。この場
合、具体的には放射線照射を抑制すること、Pが高濃度
になるのを抑制する(濃縮度を低くする)こと、Pを除
去すること、スラリー移送の能力を強化すること等の対
応策が考えられる。また、温度や硝酸濃度等も沈澱量に
関係する。これらの対応策のうち適切なものを選び、下
流側プロセス10の運転を最適化することにより、溶液
移送時のトラブルを未然に防止できる。このように、本
実施例ではプロセス配管の閉塞を未然に防止できる。P
以外の元素についても同様に評価制御できる。また、他
のトラブルについても同様である。
びプロセスの安全性を必要以上に考慮して重装備しなく
ても、十分安全性を確保でき、臨界事故を除いたプラン
ト運転上のトラブルを未然に防止できる。この結果、プ
ロセスを簡略化でき、プラント規模を縮小できるので、
プラント建設にかかわるコストを大幅に低減することが
できる。
おいてトラブル要因物質を把握したが、前のプロセスか
ら次のプロセスへ流体が移行する途中において把握(評
価または測定)しても、二つ以上前のプロセスにおいて
把握してもよく、この場合も同じ効果がある。また、上
記実施例においては上流側及び下流側のプロセスはそれ
ぞれ一つづつであったが、一方あるいは両方が複数であ
っても同様の効果がある。この場合、把握・評価・運転
制御装置11は複数の上流側プロセスから情報を入手し
て把握・評価し、複数の下流側プロセスの運転条件を決
定し制御すればよい。
例を図9により説明する。本実施例は、再処理プロセス
中の共除染装置内の溶液組成を把握して、必要のある場
合に沈殿生成を制御抑制するものである。
染装置60内の溶液組成は、測定装置61により、ある
いは使用済燃料組成や共除染の運転条件等を入力装置6
2から入力することにより溶液組成把握装置63で把握
される。入力装置62での使用済燃料組成の入力は図5
に示す実施例と同様にフロッピィディスクドライブに、
再処理する燃料の照射、冷却履歴データの記録されてい
るフロッピイディスクを挿入して行なえばよい。フロッ
ピイディスクを用いてデータを入力する場合は、前述し
たように再処理溶液を測定する場合に比べて安全上有利
である。測定装置61によるか入力装置62によるかは
運転員がスイッチ64を操作して選択する。また、把握
した溶液組成データは因果関係評価装置65に移送され
る。
例と同様に揮発評価装置66、腐食評価装置67及び沈
澱評価装置68を有している。沈澱評価装置68では、
溶液組成把握装置63からの溶液組成データ及びメモリ
69に記憶されている図7に示すデータをもとに、共除
染装置60の下流側プロセス10中にある高レベル廃液
濃縮装置71へ移行するPの量を把握し、更に図8に示
すデータをもとに高レベル廃液濃縮装置71内における
沈殿生成量を評価する。揮発評価装置66では第1の実
施例で説明したようなデータを参照することにより高レ
ベル廃液濃縮装置71へ移行するRuの量及びRuの揮
発量を求め、腐食評価装置23では後述の実施例で説明
するようなデータを参照することにより高レベル廃液濃
縮装置71へ移行するFの及び腐食量を求め、それぞれ
揮発及び腐食の評価を行なう。また、CRT70の画面
で揮発、腐食及び沈殿の因果関係を運転員が目視確認で
きるようになっている。因果関係を評価した結果、目標
とする揮発量、腐食量あるいは沈殿量を超える恐れのあ
る場合、運転制御装置72に信号が移送される。
食評価装置66及び沈澱評価装置67に対応して3つの
制御装置73,74,75を有し、制御装置75からの
信号は局所制御装置LC1,LC2,LC3,LC4に
より下流側プロセス10内の特定機器に伝達され、沈澱
量が許容量を超えないように特定機器を制御する。制御
装置73,74についても同様であり、揮発量及び腐食
量が許容量を超えないように特定機器を制御する。
機器構成として高レベル廃液濃縮装置71に加えて、廃
液受入装置80、核種除去装置81と、これら装置間の
流体の移送を制御するバルブ82,83,84とを備え
ている。
越えると判断された場合、制御装置75及び局所制御装
置LC1〜LC4を経て沈殿生成量を抑制する操作がと
られる。例えば、局所制御装置LC1及びLC2に信号
を伝達してバルブ82を開け、高レベル廃液濃縮装置7
1内の廃液の一部を廃液受入装置80に移送して廃液の
濃縮度をあまり高くない程度に抑え、沈殿物の生成量を
抑制する。また、局所制御装置LC3及びLC4に信号
を伝達してバルブ83,84を開け、廃液中の沈殿生成
の支配核種であるリン酸を核種除去装置81で除去し、
除去後の廃液を高レベル廃液濃縮装置71に戻すことに
よって、沈殿物の生成量を抑制する。この他にもいくつ
かの方法(操作)が考えられるが、いずれかの操作ある
いはこれらの操作の複数の組合せにより沈殿物の生成量
抑制は可能である。
3、因果関係評価装置65、運転制御装置72及び局所
制御装置LC1〜LC4により、適切かつ合理的に沈殿
の生成量を必要十分なレベルに抑制することができる。
器を制御し、揮発及び腐食を抑制することができる。
トの運転方法を図10及び図11により説明する。本実
施例は、同じプロセス内でトラブル要因物質の存在量を
把握し、そのプロセスの運転条件を決定するものであ
る。
であるプロセス12の再処理溶液の組成データから、同
じプロセス12でトラブル要因となる物質の挙動と量を
把握・評価・運転制御装置11で把握して、その物質の
量や形態がプロセス12に与える影響を同じ装置11で
評価し、当該物質によるプロセス12への影響が許容量
以下に減るように運転条件をやはり同じ装置11で制御
する。このように、把握・評価・運転制御装置11を設
置して適切に稼働させることにより、プロセス12をト
ラブルなく適切に運転できる。
転上のトラブルを機器材料の腐食とした場合について説
明する。再処理プロセス内の流体中の材料腐食に関して
支配的な物質は鉄(Fe)、高価数の8価ルテニウム
(Ru)や6価クロム(Cr)等の高価数の物質、特に
Feであることが、研究の結果明らかとなった。プロセ
スとしての典型例は、プロセス12が高レベル廃液濃縮
プロセスである。
ロセス12内の流体中に含まれているFeの濃度(量)
を把握する。Feは主に原子炉で被覆管等の燃料集合体
に付着したクラッド及び機器材料の溶解(腐食)に由来
する。
ロセス12におけるFeの濃度と腐食量(腐食速度)と
の相関関係を評価する。腐食量はFe濃度に比例して増
加し、15g/リットル以上で無視できない腐食量とな
ることが明らかとなった。したがって、Fe濃度を15
g/リットル以下、望むべくは10g/リットル以下、
さらに望むべくは5g/リットル以下に抑える必要があ
る。把握・評価・運転制御装置11ではこれらの適切濃
度と比較して評価する。
トラブルを回避するようにプロセス12の運転条件を制
御する。Fe濃度を低く抑える方法としては、具体的に
は濃縮度を低く抑えること、Feを除去すること等の対
応策が考えられる。腐食低減に関しては、一般的に温度
を低下すること、硝酸濃度を低下すること等の対応策も
考えられる。これらの対応策のうち適切なものを選び、
プロセス12の運転を最適化することにより、腐食に係
わるトラブルを未然に防止できる。
料の照射、冷却履歴データの記録されているフロッピイ
ディスクを用いて燃料組成データを入力すれば、再処理
する前に使用済燃料集合体から鉄を除去し腐食低減する
方法も考えられる。
料の腐食増加及び腐食によるトラブルを未然に防止でき
る。Fe以外の元素についても同様に評価制御できる。
また、他のトラブルの場合も同様である。
びプロセスの安全性を必要以上に考慮して重装備しなく
ても、十分安全性を確保でき、臨界事故を除いたプラン
ト運転上のトラブルを未然に防止できる。この結果、プ
ロセスを簡略化でき、プラント規模を縮小できるので、
プラント建設にかかわるコストを大幅に低減することが
できる。
例を図11により説明する。図中、図5及び図9に示す
部材と同等の部材には同じ符号を付している。本実施例
は、再処理プロセス中の高レベル廃液濃縮装置内の溶液
組成を把握して、必要のある場合に装置材料の腐食を制
御抑制するものである。
1内の溶液組成は、測定装置61により、あるいは使用
済燃料組成や高レベル廃液濃縮の運転条件等を入力装置
62から入力することにより溶液組成把握装置63で把
握される。入力装置62での使用済燃料組成の入力は図
5に示す実施例と同様にフロッピィディスクドライブ
に、再処理する燃料の照射、冷却履歴データの記録され
ているフロッピイディスクを挿入して行なえばよい。フ
ロッピイディスクを用いてデータを入力する場合は、前
述したように再処理溶液を測定する場合に比べて安全上
有利である。測定装置61によるか入力装置62による
かは運転員がスイッチ64を操作して選択する。把握し
た溶液組成データは因果関係評価装置65に移送され
る。
68において溶液組成把握装置63からのデータ及びメ
モリ69に記憶されている材料腐食に関するデータをも
とに高レベル廃液濃縮装置41内における装置材料腐食
量を評価する。揮発評価装置66及び沈澱評価装置67
では先の実施例で説明したようなデータを参照すること
により揮発及び沈澱の評価を行なう。因果関係を評価し
た結果、目標とする揮発量、腐食量あるいは沈殿量を超
える恐れのある場合、運転制御装置72に信号が移送さ
れる。
を越えると判断された場合、運転制御装置72では、制
御装置74から局所制御装置LC1,LC2,LC3を
経て腐食量を抑制する操作がとられる。局所制御装置L
C1は加熱装置50を制御し、高レベル廃液濃縮時の温
度を必要十分な温度まで低下させる。局所制御装置LC
2は高レベル廃液濃縮時の圧力を必要十分な程度まで低
下させることにより、温度を低下させる。また、局所制
御装置LC3はバルブ46を開け、高レベル廃液の濃縮
度、即ち鉄濃度が高くならないうち高レベル濃縮廃液を
廃液受入装置42に移送する。これらのいずれかの操作
あるいはこれらの操作の組合せにより装置材料の腐食量
抑制は可能である。制御装置73,75についても同様
であり、揮発量及び沈澱量が許容量を超えないように特
定機器を制御する。
置、因果関係評価装置、制御装置及び局所制御装置によ
り、適切かつ合理的に装置材料の腐食量を必要十分なレ
ベルに抑制することができる。
器を制御し、揮発及び沈澱を抑制することができる。
び再処理プロセスの安全性を必要以上に考慮して重装備
しなくても、十分安全性を確保でき、臨界事故を除いた
プラント運転上のトラブルを未然に防止できる。この結
果、プロセスを簡略化でき、プラント規模を縮小できる
ので、プラント建設にかかわるコストを大幅に低減する
ことができる効果がある。
運転方法を説明する図である。
ブルとの因果関係を評価するのに使用する燃焼度とRu
生成量との関係を示す図である。
ブルとの因果関係を評価するのに使用する燃焼度とRu
溶液側移行量との関係を示す図である。
ブルとの因果関係を評価するのに使用する硝酸濃度とR
u精製係数と圧力と温度の関係を示す図である。
施例を示す図である。
運転方法を説明する図である。
ブルとの因果関係を評価するのに使用する照射線量とリ
ン濃度との関係を示す図である。
ブルとの因果関係を評価するのに使用するリン濃度と沈
澱生成量との関係を示す図である。
施例を示す図である。
の運転方法を説明する図である。
実施例を示す図である。
Claims (15)
- 【請求項1】原子炉から取り出された原子燃料の組成デ
ータに基づき臨界事故を除いたプラント運転上のトラブ
ルの要因となる物質の再処理溶液中における存在量を把
握すること、その物質の存在量と前記プラント運転上の
トラブルとの因果関係を評価すること、その評価結果に
基づき前記物質によるプラントへの影響が減るように関
連機器を制御することを特徴とする再処理プラントの運
転方法。 - 【請求項2】再処理プラント内の上流側プロセスにおい
て、原子炉から取り出された原子燃料の組成データに基
づき臨界事故を除いたプラント運転上のトラブルの要因
となる物質の再処理溶液中における存在量を把握するこ
と、その物質の存在量と下流側プロセスでの前記プラン
ト運転上のトラブルとの因果関係を評価すること、その
評価結果に基づき前記物質による下流側プロセスへの影
響が減るように関連機器を制御することを特徴とする再
処理プラントの運転方法。 - 【請求項3】再処理プラント内の一プロセスにおいて、
原子炉から取り出された原子燃料の組成データに基づき
臨界事故を除いたプラント運転上のトラブルの要因とな
る物質の再処理溶液中における存在量を把握すること、
その物質の存在量と前記プロセスでの前記プラント運転
上のトラブルとの因果関係を評価すること、その評価結
果に基づき前記物質による前記プロセスへの影響が減る
ように関連機器を制御することを特徴とする再処理プラ
ントの運転方法。 - 【請求項4】原子炉から取り出された原子燃料の組成デ
ータ及び測定値のいずれかに基づき臨界事故を除いたプ
ラント運転上のトラブルの要因となる物質の再処理溶液
中における存在量を把握すること、その物質の存在量と
前記プラント運転上のトラブルとの因果関係を評価する
こと、その評価結果に基づき前記物質によるプラントへ
の影響が減るように関連機器を制御すること、前記プラ
ント運転上のトラブルが放射性核種の揮発、及び沈澱に
よる配管の閉塞のいずれかであることを特徴とする再処
理プラントの運転方法。 - 【請求項5】再処理プラント内の上流側プロセスにおい
て、原子炉から取り出された原子燃料の組成データ及び
測定値のいずれかに基づき臨界事故を除いたプラント運
転上のトラブルの要因となる物質の再処理溶液中におけ
る存在量を把握すること、その物質の存在量と下流側プ
ロセスでの前記プラント運転上のトラブルとの因果関係
を評価すること、その評価結果に基づき前記物質による
下流側プロセスへの影響が減るように関連機器を制御す
ること、前記プラント運転上のトラブルが放射性核種の
揮発、及び沈澱による配管の閉塞のいずれかであること
を特徴とする再処理プラントの運転方法。 - 【請求項6】再処理プラント内の一プロセスにおいて、
原子炉から取り出された原子燃料の組成データ及び測定
値のいずれかに基づき臨界事故を除いたプラント運転上
のトラブルの要因となる物質の再処理溶液中における存
在量を把握すること、その物質の存在量と前記プロセス
での前記プラント運転上のトラブルとの因果関係を評価
すること、その評価結果に基づき前記物質による前記プ
ロセスへの影響が減るように関連機器を制御する、前記
プラント運転上のトラブルが放射性核種の揮発、及び沈
澱による配管の閉塞のいずれかであることを特徴とする
再処理プラントの運転方法。 - 【請求項7】請求項4〜6のいずれか1項記載の再処理
プラントの運転方法において、前記放射性核種の揮発の
要因となる物質がルテニウムであり、再処理溶液中のル
テニウムの濃度を把握し、このルテニウムの濃度とルテ
ニウムの揮発量との因果関係を評価し、この評価結果に
基づきルテニウムの揮発量が減るように関連機器を制御
することを特徴とする再処理プラントの運転方法。 - 【請求項8】請求項4〜6のいずれか1項記載の再処理
プラントの運転方法において、前記沈澱による配管の閉
塞の要因となる物質がリン酸であり、再処理溶液中のリ
ン酸の濃度を把握し、このリン酸と沈殿の生成量との因
果関係を評価し、この評価結果に基づき沈殿の生成量が
減るように関連機器を制御することを特徴とする再処理
プラントの運転方法。 - 【請求項9】測定値に基づき再処理溶液中に含まれる鉄
の濃度を把握すること、この鉄の濃度と機器材料の腐食
量との因果関係を評価すること、この評価結果に基づき
鉄による機器材料の腐食量が減るように再処理溶液の温
度及び再処理溶液の硝酸濃度の少なくとも一方を制御す
ることを特徴とする再処理プラントの運転方法。 - 【請求項10】再処理プラント内の上流側プロセスにお
いて、測定値に基づき再処理溶液中に含まれる鉄の濃度
を把握すること、この鉄の濃度と下流側プロセスでの機
器材料の腐食量との因果関係を評価すること、この評価
結果に基づき鉄による下流側プロセスでの機器材料の腐
食量が減るように再処理溶液の温度及び再処理溶液の硝
酸濃度の少なくとも一方を制御することを特徴とする再
処理プラントの運転方法。 - 【請求項11】再処理プラント内の一プロセスにおい
て、測定値に基づき再処理溶液中に含まれる鉄の濃度を
把握すること、この鉄の濃度と前記プロセスでの機器材
料の腐食量との因果関係を評価すること、この評価結果
に基づき鉄による前記プロセスでの機器材料の腐食量が
減るように再処理溶液の温度及び再処理溶液の硝酸濃度
の少なくとも一方を制御することを特徴とする再処理プ
ラントの運転方法。 - 【請求項12】請求項1〜3のいずれか1項記載の再処
理プラントの運転方法において、前記原子炉から取り出
された原子燃料の組成データは、燃料集合体に付着して
いるクラッドも含めた再処理プラントに移行する全ての
物質に関するデータであることを特徴とする再処理プラ
ントの運転方法。 - 【請求項13】原子炉から取り出された原子燃料の組成
データに基づき臨界事故を除いたプラント運転上のトラ
ブルの要因となる物質の再処理溶液中における存在量を
把握する第1の手段と、前記物質の存在量と前記プラン
ト運転上のトラブルとの因果関係を評価する第2の手段
と、その評価結果に基づき前記物質によるプラントへの
影響が減るように関連機器を制御する第3の手段とを有
することを特徴とする再処理プラント。 - 【請求項14】原子炉から取り出された原子燃料の組成
データ及び測定値のいずれかに基づき臨界事故を除いた
プラント運転上のトラブルの要因となる物質の再処理溶
液中における存在量を把握する第1の手段と、前記物質
の存在量と前記プラント運転上のトラブルとの因果関係
を評価する第2の手段と、その評価結果に基づき前記物
質によるプラントへの影響が減るように関連機器を制御
する第3の手段とを有すること、前記プラント運転上の
トラブルが放射性核種の揮発、及び沈澱による配管の閉
塞のいずれかであることを特徴とする再処理プラント。 - 【請求項15】測定値に基づき再処理溶液中に含まれる
鉄の濃度を把握する第1の手段と、前記鉄の濃度と機器
材料の腐食量との因果関係を評価する第2の手段と、そ
の評価結果に基づき鉄による機器材料の腐食量が減るよ
うに再処理溶液の温度及び再処理溶液の硝酸濃度の少な
くとも一方を制御する第3の手段とを有することを特徴
とする再処理プラント。
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