JP3080985B2 - テレビジョン機器のラスタ補正用回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、請求項１の上位概念によるテレビジョン機
器のラスタ補正用回路に関する。

この種の回路では補正電流のそれぞれ必要な調整のた
めに、補正コイルに供給される電流の値が周期的に僅か
な量だけ変化される。偏向ラスタ中のこの変化に起因す
る変動、すなわち垂直方向または水平方向でのラスタの
ずれは僅かであるので、それ自体知覚することはできな
い。しかし偏向ラスタのこの僅かな変化が周期的に行わ
れると、この変化は画像のゆらつきとして知覚され得
る。これは特に画像スクリーンに、水平方向および垂直
方向の白線からなる格子パターンが表示された場合にあ
てはまる。

本発明の課題は、偏向ラスタ内の障害となる周期的運
動を回避し、しかもその際に目標値を中心とする往復運
動を行う回路の全体機能が損なわれないように構成する
ことである。

この課題は請求項１に記載された本発明により解決さ
れる。

本発明は次の考察に基づくものである。すなわち、前
記の目標値を中心とする往復運動は、回路により検出さ
れないまま実際値が目標値を一方向で緩慢に離脱しない
ことを確実にするため必要なことである。しかしこの往
復運動は画像が可視とならないそれぞれの時間中、例え
ば垂直帰線消去期間または水平帰線消去期間中に周期的
に行うだけで十分である。画像が可視となる時間中はこ
の往復運動を行わない。可視となる偏向ラスタ中の補正
電流へは、画像が不可視の間の往復運動が過度に大きな
偏位を呈示した場合のみ作用する。従い往復運動は移動
され、可視となる画面外の画像領域に制限される。有利
には所要の往復運動と静止画像との組合せが偏向ラスタ
の障害となる周期的運動なしで達成される。

本発明の実施例を図面に基づき説明する。

図１は、本発明より構成された回路のブロック回路
図、 図２は、作用を説明するための線図である。

図１に示されたメモリM1は偏向ラスタに対する補正値
を記憶している。メモリM1はスイッチ２と増幅器３、４
を介して補正コイル５内に補正電流iKを形成する。この
補正電流はそれぞれ、格子パターンにより画像スクリー
ンに定められる画素の収束に対するものである。格子パ
ターンの各画素毎にメモリM1内のメモリセルが呼び出さ
れる。

このような順次連続する画素の収束のダイナミック補
正の他に、例えば画像の静的位置、いわゆるオフセット
位置を安定させるためのテスト過程が必要である。この
目的のためにメモリM2はテスト信号を形成する。このテ
スト信号は周期的に、メモリM1からの補正信号の代わり
に、点線で示した位置のスイッチ２を介して補正コイル
５に達する。テスト信号には所定の目標値を有するテス
ト電流iTが配属されている。目標値はテスト信号により
それぞれ形成されるものである。テスト電流iTの目標値
からの偏差は回路により制御される。テスト電流iTの目
標値はテスト信号に基づき、例えば零とすることもでき
る。この目的のために補正コイル５の基点には抵抗６が
挿入接続される。この抵抗にはテスト電流iTに比例する
電圧Us1が発生する。Us1は比較器７に供給される。比較
器は基準として用いる目標値Usollとの比較を行う。

図２に基づき作用を説明する。時点t1では、テスト電
流iTに比例する電圧Us1は目標値Usollより低い値をと
る。比較器７はこれに基づき、値“0"のディジタル出力
電圧Us2を送出する。Us2はマイクロプロセッサ10に達す
る。マイクロプロセッサは２つのメモリM1とM2に給電す
る。そしてメモリM2は電圧Us2の値に基づき、テスト電
流iTが供給されたテスト信号に基づき過度に小さいとい
う情報を受け取る。これによりテスト信号およびテスト
電流は段階Ｓだけ高められる。次の垂直帰線消去期間内
にUs2が未だ変化せず、従い行われた補正が役に立たな
かったことが判明する。従って時点t2ではテスト信号と
それにより形成された補正電流はさらに段階Ｓだけ高め
られる。時点t3では次の垂直帰線消去期間中にUs1が段
階Ｓだけさらに高められる。この上昇の際に目標値Usol
lに達すると、これに基づき電圧Us2は値“1"をとる。こ
れはプロセッサ10とメモリM2に対する、補正が成功のう
ちに行われ、Us1はその目標値に達し、それ以上の補正
は必要ないという信号である。今や回路は、調整された
テスト電流とこれに基づき供給される補正電流によって
この状態に留まることができる。

しかし比較的に長時間にわたり反対方向で偏差が生
じ、点線曲線Ｋに従い電圧Us1が反対方向で偏差する場
合、比較器７はもはや応答しなくなる。というのは、比
較器の切換閾値には既に時点t3で達しているからであ
る。回路全体は、曲線Ｋによる偏差をもはや検出し得な
いことになる。従って所定の時間後、時点t4でテスト信
号が段階Ｓだけリセットされる。マイクロプロセッサ10
がこのリセットの際に、Us2が“1"から“0"に変化した
ことを検出する場合、このことは、目標値Usollが所要
の近似を以て保持されている、すなわちUsollの偏差は
１振幅段階Ｓだけであることに対する証拠として評価さ
れる。この往復運動は今後さらに、時点t4,t5,t6,t7で
周期的に行われる。

前記の往復運度は、可視となる画像が走査されない垂
直帰線消去期間または水平帰線消去期間中だけ行われ
る。画像が可視となる時間中は、往復運動は行われな
い。この時間中の補正電流は往復運動させられず、一定
である。これは図２の曲線iKにより示されている。回路
が、Us1が目標値Usollから１振幅段階Ｓ以上偏差したこ
とを検出した場合のみ、補正電流iKは可視画像に対して
も補正される。この補正は経験的には比較的稀である。
というのは、回路全体は長時間変動を制御するのに用い
るだけだからである。この種のiKの稀な変化、ひいては
偏向ラスタの位置での変化はやはり経験的には障害とな
らない。回路は、目標値Usollからの偏差が数段階、例
えば２、３または４段階であるときに初めて、補正電流
iKの変化が行われるように構成することもできる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シュヴェーア，ライナー ドイツ連邦共和国 Ｄ―7732 ニーデレ シャッハ レルヒェンヴェーク 12 (72)発明者 グライム，ギュンター ドイツ連邦共和国 Ｄ―7730 ファウエ ス―フィリンゲン オーベラー ゾンネ ンビュール 22 (72)発明者 ハイツマン，フリードリッヒ ドイツ連邦共和国 Ｄ―7730 ファウエ ス―オーベレシャッハ ヘーフェンシュ トラーセ ３ (56)参考文献 特開 昭61−263389（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−210787（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−116827（ＪＰ，Ａ) 米国特許4099092（ＵＳ，Ａ) 西独国特許出願公開2747239（ＤＥ, Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04N 3/22 H04N 3/23 H04N 9/28

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】テレビジョン機器のラスタ補正用回路であ
   って、 テスト過程では偏向回路に周期的にテスト信号が供給さ
   れ、 それに基づいて流れるテスト電流（iT）と目標値（Usol
   l）が比較器（７）に供給され、 該比較器のディジタル出力信号（Us2）がプロセッサ（1
   0）を介して、テスト信号を送出するメモリ（M2）に作
   用して、偏向電流が１振幅段階（Ｓ）だけ目標値（Usol
   l）を中心にして往復するまで、当該偏向電流をそれぞ
   れ１段階（Ｓ）だけ変化せしめ、 前記プロセッサ（10）は、可視画像に対する補正電流
   （iK）を送出するメモリ（M1）に作用する、テレビジョ
   ン機器のラスタ補正回路において、 往復運動によるテスト過程を、画像が可視でない時間中
   のみ行い、 画像が可視となる時間中の補正電流（iK）の変化は、テ
   スト電流（iT）が１段階（Ｓ）より大きく目標値（Usol
   l）から偏差したときのみ行う、ことを特徴とするテレ
   ビジョン機器のラスタ補正用回路。
2. 【請求項２】テスト過程はそれぞれ垂直帰線消去期間中
   に行う請求項１記載の回路。
3. 【請求項３】テスト過程はそれぞれ水平帰線消去期間中
   に行う請求項１記載の回路。
4. 【請求項４】補正偏向コイル（５）に給電する増幅器
   （３）の入力側は、スイッチ（２）を介して周期的に交
   互に、補正電流（ik）用のメモリ（M1）の出力側および
   テスト電流（iT）に対するメモリ（M2）の出力側と接続
   される請求項１記載の回路。
5. 【請求項５】補正電流（iT）の変化は、テスト電流（i
   T）が目標値（Usoll）から数段階（Ｓ）偏差したときに
   のみ行う請求項１記載の回路。