JP3080104U - トレー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 高積みしての陳列や何段も重ねて輸送するこ
とが可能であり、水分やドリップ切れが良く品質を良好
に保持できる合成樹脂製のトレーを提供する。 【解決手段】 トレー本体２とこのトレー本体に着脱自
在に被嵌する蓋体３とが、それぞれ合成樹脂にて一体成
形されてなるトレー１において、トレー本体は、断面台
形であって、その頂面に皿状の収納部が、周囲に縁部１
０を設けて形成され、蓋体は、トレー本体の収納部に対
応する位置が台形に突出する台形部９に形成され、この
台形部の基端周囲にトレー本体の縁部に対応する縁部が
形成されてなり、トレー本体の縁部と蓋体の縁部との互
いに対応する位置に、一方に凸部、他方に凹部が形成さ
れ、トレー本体に蓋体を被嵌すると互いに合致して嵌合
することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、魚介類、野菜類等の生鮮食料品を入れるトレーに関し、特に、う にの容入に最適であって、積み重ね可能で、荷崩れしないトレーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

魚介類、野菜等の生鮮食料品は、トレーに入れたりパックして販売又は展示す ることが多い。中でも水分やドリップが生ずる生鮮食料品は、従来、合成樹脂製 のトレーが使用されていることが多いが、木製の容器が使用されているものもあ る。例えば、うにの容器は、木箱であったり、合成樹脂製の容器であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、木箱などの木製の容器は、製造に手数がかかりコストが高くつ く課題がある。 また、合成樹脂のトレーは、高積みすると容入した商品を押し潰すおそれがあ ったり、倒れたりする危険があり、高積みしての陳列ができなかったし、何段も 重ねて輸送すると荷崩れが発生したり、容入した商品を傷め品質の低下を招き、 何段も重ねて輸送することもできなかった。

【０００４】 さらに、従来のトレーは、底面が平坦面であるので、トレーを運んだり、顧客 に説明するためトレーを傾けたり、振ったりする際、生鮮食料品から生ずる水分 やドリップが周りに散ったり、再び生鮮食料品の表面に付着し品質を低下させた り、顧客の身に掛かったりすることが発生していた。

【０００５】 この考案は、このような従来の課題を解決せんと提案されたものであり、その 目的は、高積みしての陳列や何段も重ねて輸送することが可能であり、 水分やドリップ切れがよく品質を良好に保持できる合成樹脂製のトレーを提供す ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、この考案の請求項１のトレーは、トレー本体とこの トレー本体に着脱自在に被嵌する蓋体とが、それぞれ合成樹脂にて一体成形され てなるトレーにおいて、 トレー本体は、断面台形であって、その頂面に皿状の収納部が、周囲に縁部を 設けて形成され、 蓋体は、前記トレー本体の収納部に対応する位置が台形に突出する台形部に形 成され、この台形部の基端周囲に前記トレー本体の縁部に対応する縁部が形成さ れてなり、 前記トレー本体の縁部と蓋体の縁部との互いに対応する位置に、一方に凸部、 他方に凹部が形成され、トレー本体に蓋体を被嵌すると互いに合致して嵌合する ことを特徴とする。

【０００７】 また、この考案の請求項２のトレーは、前記トレー本体および蓋体の縁部に設 けた凸部と凹部は、少なくとも前後左右に設けることを特徴とする。

【０００８】 また、この考案の請求項３のトレーは、前記トレー本体底面の裏面と蓋体の上 面には、トレーを積み重ねたときの互いに対応する位置に、一方に凸部、他方に 凹部が形成され、積み重ねたとき互いに合致して嵌合し積み重ねたトレーの位置 が固定され、ずれが防止されることを特徴とする。

【０００９】 また、この考案の請求項４のトレーは、前記トレー本体の底面には、複数の小 さい窪みが設けられ、底面の外周に沿って環状に凹溝が設けられていることを特 徴とする。

【００１０】 さらに、この考案の請求項５のトレーは、前記底面に設けられた複数の小さい 窪み間が凹溝で連結されていることを特徴とする。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の実施の形態について図面と共に詳細に説明する。図１はこの 考案の実施の形態を示す斜視図、図２は図１のＡ−Ａ線断面図、図３は図１のＢ −Ｂ線断面図、図４はトレー本体から蓋体を分離した状態を示す斜視図、図５は トレーの積み重ねた状態を示す斜視図、図６は図５のＣ−Ｃ線断面図、図７は図 ５のＤ−Ｄ線断面図である。

【００１２】 同図において、１はトレーを示し、トレー本体２と、このトレー本体２に着脱 自在に被嵌する蓋体３とより構成される。このトレー本体２と蓋体３とはそれぞ れ合成樹脂にて一体成形される。トレー本体２の合成樹脂と蓋体３の合成樹脂と は同一の材質でも異なった材質でもよいが、蓋体３は透明または半透明の材質が 、容入した内容物の状態が確認できるので好ましい。また、トレー本体２の材質 は、保形性に優れたものが、容入した内容物を損傷せず収納できるので好ましい 。型崩れすると容入した内容物を損傷する。

【００１３】 前記トレー本体２は、断面台形であって、その頂面に皿状の収納部４が、周囲 に縁部５を設けて形成され（図４参照）ている。すなわち、収納部４の外周に縁 部５が環状に設けられた格好となり、この縁部５の外端からトレー本体２の側壁 ６がスカート状に垂下している。このトレー本体２の縁部５には、前後左右の位 置に凹部７、８が設けられている。

【００１４】 前記蓋体３は、トレー本体２の収納部４に対応する位置が台形に突出する台形 部９に形成され、この台形部９の基端周囲に前記トレー本体２の縁部５に対応す る縁部１０が形成されている。この蓋体３の縁部１０には、蓋体３をトレー本体 ２に被嵌したときのトレー本体２の縁部５の凹部７、８に対応する位置に、この 凹部７、８に対応する凸部１１、１２が形成され、トレー本体２に蓋体３を被嵌 すると凹部７、８に凸部１１、１２が合致し嵌合するようになっている。蓋体３ の縁部１０の凸部１１、１２について、図面においては上面からは凹形となって いるが、トレー本体２の縁部５の凹部７、８との関係で、この凹部７、８に嵌入 する意味で凸部としたものであり、この考案ではこの趣旨で使用している。

【００１５】 本例においては、トレー本体２は平面視で長方形であって、全体に断面台形に 形成され、その頂面に形成された皿状の収納部４も長方形となっており、この収 納部４の外周に設けられた縁部５も長方形の環状となって形成されている。また 、蓋体３もトレー本体２に対応して平面視で長方形であって、トレー本体２の収 納部４に対応する位置が、平面視で長方形の台形に突出して台形部９となってお り、この台形部９の外周に縁部１０が長方形の環状となって形成されている。

【００１６】 また、前記トレー本体２の収納部４の底面４ａには、複数の小さい窪み１３が 設けられ、この複数の窪み１３、１３間が凹溝１４により連結されている。窪み １３は、収納した生鮮食料品から生じた水分やドリップを流入させるものであり 、凹溝１４は、各窪み１３に流入した水分やドリップが移動する通路となり、こ れにより各窪み１３の量が平均化される。この凹溝１４に水分やドリップを流入 させてもよいことはもちろんである。この凹溝１４は必ずしも必要ないが、各窪 み１３に流入した水分やドリップの量を平均化させたり、水分やドリップを流入 させる役目もあるため、あった方が好ましい。 また、収納部４の底面４ａの外周に沿って環状に凹溝１５が設けられている。 この凹溝１５は、水分やドリップを流入させるものである。

【００１７】 また、前記トレー本体２の底面の裏面２ａと蓋体３の上面３ａには、トレー１ を積み重ねたときの互いに対応する位置に、一方に凹部１６、他方に凸部１７が 形成され、積み重ねたとき互いに合致して嵌合し積み重ねたトレー１の位置が固 定され、ずれが防止されるようになっている。 本例においては、トレー本体２の収納部４底面４ａの裏面２ａに凹部１６が形 成され、蓋体３の台形部９の上面３ａに凸部１７が形成されている。

【００１８】 しかして、前記実施の形態によれば、トレー本体２の収納部４に、生鮮食料品 を容入して、蓋体３を被嵌して収納、保管できる。この時、容入した生鮮食料品 から生ずる水分やドリップは、収納部４底面４ａに設けられた複数の小さい窪み １３、凹溝１４、１５に流入し貯溜されるため生鮮食料品の品質を有効に保持で きるし、水分やドリップが周囲に散ったりすることがない。また、蓋体３は縁部 ５および１０に設けた凹部７、８と凸部１１、１２が互いに嵌合し、しっかりと 被嵌されるし、蓋体３は、トレー本体２の収納部４に対応する部分が突出して台 形部９となっているので、収納部４との間で容積が拡大し、収納部４に容入した 生鮮食料品を蓋体３で押し潰し、損傷させることもない。

【００１９】 また、図５乃至図７に示すようにトレー１を積み重ねると、トレー本体２の底 面の裏面２ａに設けた凹部１６に、蓋体３の上面３ａに設けた凸部１７が嵌合し 、トレー１が上下間で位置固定されてずれることがない。従って、高積みしての 陳列（展示）ができるし、何段も重ねての輸送が可能となる。 この時、蓋体３は縁部５および１０に設けた凹部７、８と凸部１１、１２が互 いに嵌合ししっかりと被嵌されるため、トレー１を積み重ねても蓋体３が座屈し たり、潰れたりすることがなく容入した商品（生鮮食料品）をしっかりと保護す る。

【００２０】 なお、前記実施の形態では、トレー本体２の縁部５に凹部７、８を、蓋体３の 縁部１０に凸部１１、１２を設けたが、これは逆であってもよい。また、トレー 本体２の底面の裏面２ａに凹部１６を、蓋体３の上面３ａに凸部１７を設けたが 、これも逆であってもよい。前記実施の形態は、この考案の内容を説明するため のものであり、技術的範囲を制限するものではない。この考案の技術的範囲を逸 脱しない範囲で種々の変形が許される。

【００２１】 以上詳細に説明した通り、この考案によれば次のような効果を奏する。 （１）高積みしての陳列（展示）や、何段にも重ねての輸送が可能である。従 って、狭い場所に多数を高積みして陳列できるし、１回に多量の商品を輸送可能 となる。

【００２２】 （２）何段にも重ねてもトレーが潰れたり、座屈することがなく、容入した商 品を損傷することなく保存できる。

【００２３】 （３）トレーを運んだり、顧客に説明するためトレーを傾けたり、振ったりし ても、生鮮食料品から生ずる水分やドリップが周りに散ったり、陳列や輸送中に 再び生鮮食料品の表面に付着し品質を低下させることがない。 （４）合成樹脂で一体成形できるため、製造が容易で安価に提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施の形態を示す斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】トレー本体と蓋体と分離した状態を示す斜視図
である。

【図５】トレーを積み重ねた状態を示す斜視図である。

【図６】図５のＣ−Ｃ線断面図である。

【図７】図５のＤ−Ｄ線断面図である。

【符号の説明】

１ トレー ２ トレー本体 ３ 蓋体 ４ 収納部 ４ａ 底面 ５、１０ 縁部 ７、８ 凹部 ９ 台形部 １１、１２ 凸部 １３ 小さい窪み １４、１５ 凹溝 １６ 凹部 １７ 凸部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 トレー本体とこのトレー本体に着脱自在
   に被嵌する蓋体とが、それぞれ合成樹脂にて一体成形さ
   れてなるトレーにおいて、 トレー本体は、断面台形であって、その頂面に皿状の収
   納部が、周囲に縁部を設けて形成され、 蓋体は、前記トレー本体の収納部に対応する位置が台形
   に突出する台形部に形成され、この台形部の基端周囲に
   前記トレー本体の縁部に対応する縁部が形成されてな
   り、 前記トレー本体の縁部と蓋体の縁部との互いに対応する
   位置に、一方に凸部、他方に凹部が形成され、トレー本
   体に蓋体を被嵌すると互いに合致して嵌合することを特
   徴とするトレー。
2. 【請求項２】 前記トレー本体および蓋体の縁部に設け
   た凸部と凹部は、少なくとも前後左右に設けることを特
   徴とする請求項１記載のトレー。
3. 【請求項３】 前記トレー本体底面の裏面と蓋体の上面
   には、トレーを積み重ねたときの互いに対応する位置
   に、一方に凸部、他方に凹部が形成され、積み重ねたと
   き互いに合致して嵌合し積み重ねたトレーの位置が固定
   され、ずれが防止されることを特徴とする請求項１又は
   ２記載のトレー。
4. 【請求項４】 前記トレー本体の底面には、複数の小さ
   い窪みが設けられ、底面の外周に沿って環状に凹溝が設
   けられていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれ
   か１項記載のトレー。
5. 【請求項５】 前記底面に設けられた複数の小さい窪み
   間が凹溝で連結されていることを特徴とする請求項４記
   載のトレー。