JP3079687B2 - 液体中の気泡除去装置 - Google Patents

液体中の気泡除去装置

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JP3079687B2 JP03261377A JP26137791A JP3079687B2 JP 3079687 B2 JP3079687 B2 JP 3079687B2 JP 03261377 A JP03261377 A JP 03261377A JP 26137791 A JP26137791 A JP 26137791A JP 3079687 B2 JP3079687 B2 JP 3079687B2
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正明 荻原
積 藤井
道夫 青山
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石川島播磨重工業株式会社
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  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は宇宙での材料実験で利用
するため無重力環境下あるいは微小重力環境下で液体中
の気泡を除去する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】宇宙空間で液体を利用する機会は、宇宙
開発の進展につれてますます増加するものと考えられる
が、これに伴い、宇宙空間で利用される液体中に気泡が
含まれていることは、実験条件の擾乱や液体システムの
性能低下をもたらすために、液体中に含まれる気泡を効
率よく分離して除去する技術の開発も不可欠である。
【0003】かかる観点から従来より宇宙開発に必要な
基礎技術として、無重力下あるいは微小重力下で液体中
の気泡を移動させて除去する装置の開発が進められてい
る。
【0004】図5は従来の気泡除去装置を示すもので、
液体bが存在する容器a内に、リング状(格子状)電極
cを同心状に設置すると共に、該リング状電極cの中心
に直状棒電極dを配置し、両電極cとdに高い電位差v
を与えることにより直状棒電極dからリング状電極cへ
向けてより弱くなる不平等電界を生じさせることができ
るようにし、容器a内を液体bと気泡eからなる気液2
相で満たすことにより、不平等電界内の気泡e群は電界
の弱い方向へ向けて静電気力Fを受けて気泡e群を移動
させるようにしてある。上記気泡(分極粒子)eに作用
する静電気力Fは、 F=2πr3 ε0 ε1 (ε2 −ε1 )/(2ε1 +ε2 )・gradE2 …(1) で表わされる。
【0005】但し、r :気泡eの半径 ε0 :真空誘電率 ε1 :液体bの比誘電率 ε2 :気泡eの比誘電率 E :不平等電界 (1) 式でε2 −ε1 <0であるから、静電気力Fの方向
は、常にgradE2 の方向とは逆、すなわち、電界の2乗
の傾きの小さくなる方向で、その大きさはgradE2 に比
例する。
【0006】次に、従来では、上記(1) 式による静電気
力Fを、直状棒電極dからリング状電極cの方向へ向け
て受けることにより、リング状電極cの外側に集められ
た気泡の除去を、リング状電極cの外側に配置する気体
透過膜と減圧装置により行うようにしてある。すなわ
ち、図6に概略を示す如く、たとえば、テフロンに網目
状の孔を設けて液体は透過できず気泡のみが透過できる
性質を有する気体透過膜fを、リング状電極cを取り囲
むように設け、該気体透過膜fの外側に気体室gを設
け、且つ該気体室gに減圧装置hを設けて、減圧装置h
により気体室gを真空にし、圧力差により気泡eを気体
透過膜fを通して気体室gに吸い出し、気体室gより容
器aの外へ気泡eを除去させるようにしたものが知られ
ている(油圧と空気圧 第20巻第7号 平成元年11
月)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
気泡除去装置では、 (i) 液体b中の気泡eを移動させた後、容器aの外へ排
出するのに気体透過膜fを用いているが、気体透過膜f
は、液体bは透過できず気泡eのみが透過できるもので
あることから、細孔の径は小さく、排気効率が悪いこ
と、 (ii)大きな気泡は除去できないこと、 (iii) 気泡eを移動させた後の液体bを移動させる機能
がないので、残留気泡が液体中に再混入する可能性があ
ること、 (iv)電界傾度が小さいため、気泡eに作用する力が小さ
いこと、等の問題がある。
【0008】そこで、本発明は、液体中に存在する気泡
を移動させると、気体透過膜を用いることなく気体と接
触させて排出できるようにすると共に、電界傾度を大き
くして排出効果を大きくし、又、大きな気泡の除去もで
きるようにし、更に、液体の移動もできるようにしよう
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、液体の存在する容器内の上部に、電源に
接続したメッシュ状電極を液面に沿わせて水平に配設
し、且つ上記容器の外側には、3相以上の多相交流電源
に接続した3相以上の多相交流電極を並列させてスパイ
ラル状に巻き付けてなる電気流体力学ポンプ素子を配設
する。又、上記容器に、上部の液体を底部に戻す循環ラ
インを設け、気泡を除去した後の液体を循環させること
ができるようにする。
【0010】
【作用】3相以上の多相交流電極に印加することによ
り、容器内の液体は、容器内に発生する不平等進行波電
界による電気流体力学効果により移動させられ、液体中
の気泡もメッシュ状電極の方へ移動させられる。メッシ
ュ状電極に運ばれた気泡は、電界の弱いメッシュ状電極
の中央部へ押しやられる。この際、メッシュ状電極は、
電界の傾きが大きいので、気泡に作用する力が大きく、
したがって、気泡はメッシュ状電極の中央部に容易に集
められる。集められた気泡は、外部空間にも発生する電
気力線に比例する力により外部空間に押し出され、外部
空間の気体と接触することにより排出される。循環ライ
ンを設けておけば、気泡とともにメッシュ状電極の方へ
移動させられた液体を容器の底部に戻せるので、気泡を
分離した後の液体に気泡が再混入することが防げる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0012】図1乃至図3は本発明の一実施例を示すも
ので、気泡3が存在する液体(たとえば、シリコンオイ
ル)2を入れた容器1の上端部に、心線部6を絶縁材7
で被覆してなる電線4と5を織物の平織り状に織って構
成したメッシュ状電極8を、水平状態にして配置し、電
線4と5を交流電源9に接続して電線4と5間に電気力
線10が生じるようにする。
【0013】上記容器1の外周部には、下端部から上端
部にかけて、心線部を絶縁材で被覆してなる3本1組の
電線(ビニール電線)11a,11b,11cを電極と
して並列状態でスパイラル状に密に巻き付けることによ
り、電気流体力学ポンプ素子12を構成し、該電気流体
力学ポンプ素子12における各電線11a,11b,1
1cを3相交流電源13に接続し、該3相交流電源13
から各電線11a,11b,11cに電圧を印加するこ
とにより電気流体力学ポンプ素子12の内周部及び外周
部に不平等進行波電界を発生させ、この不平等進行波電
界による電気流体力学効果により容器1内に入れられた
液体2を容器1の下部から上部へ移動させる力を付与さ
せるようにする。
【0014】なお、上記電気流体力学ポンプ素子自体に
ついては、本出願人が既に特許出願している(特願平3
−89416号)。
【0015】又、上記容器1の上部と底部との間には、
上方へ移動させられた液体2を循環させるための循環ラ
インとしてのパイプ14を設ける。
【0016】容器1内に気泡3が存在する液体2を入れ
ると、該容器1内の液体2及び気泡3は、容器1の外周
部の電気流体力学ポンプ素子12により発生させられる
不平等進行波電界による電気流体力学効果により上方位
置のメッシュ状電極8の方へ運ばれると同時に、上方へ
行くに従い中央方向へ寄せられる。
【0017】メッシュ状電極8の位置に運ばれた液体2
中の気泡3は、メッシュ状電極8の電線4,5間に生じ
る電気力線10の接線に沿う電界による気泡の分極電荷
と電界との間で相互作用力を受けるので、気泡3は前記
(1) 式に従って電界の弱い方向、すなわち、メッシュ状
電極8の中央部(図2のAの位置)に集められる。又、
図1(ロ)に示す如く、メッシュ状電極8の電線4,5
間に生じる電気力線10は、外部空間15にも存在する
ので、メッシュ状電極8の中央部に集められた気泡3
は、外部空間15に押し出される。16は液面である。
この際、メッシュ状電極8は、縦糸に相当する電線4と
横糸に相当する電線5で織られている構成上、電界の傾
きが大きい(すなわち、前記(1) 式のgradE2 が大き
い)ので、気泡3に作用する力が大きく、気泡を分離し
て集める作用を確実に行わせることができる。
【0018】上記メッシュ状電極8で集められた気泡3
は、容器1の頂部の外部空間15の気体と接触し、図1
で矢印Bの方向へ自然に排出される。
【0019】移動中に気泡3を分離した液体2は、循環
パイプ14を通り容器1の底部に循環移動できるため、
上記分離した気泡3が液中に再混入するおそれはない。
この際、循環パイプ14の上方位置を、気泡3の少ない
容器1の壁付近とすれば、より効果を高めることができ
る。
【0020】なお、上記実施例では、メッシュ状電極8
の電源を、交流電源9とした場合を示したが、図4に示
す如く、直流電源15に電線4,5を接続させるように
してもよいこと、メッシュ状電極8のメッシュの大きさ
は任意に変えて、大きな径の気泡をも容易に除去できる
ようにすることができること、液体移送用の電気流体力
学ポンプ素子12は3相交流電極の場合を示したが、3
相以上多相交流電極としてもよいこと、メッシュ状電極
8は電線4と5を平織り状に織った構成のものを示した
が、平行に配した電線4と5を単に直角方向に重ね合わ
せた構成のものとしても同様であること、その他本発明
の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは
勿論である。
【0021】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の液体中の気泡
除去装置によれば、気泡が存在する液体を入れる容器の
外周部に、液体移送用の3相又は多相交流電極を並列に
且つ密にしてスパイラル状に巻き付けて電気流体力学ポ
ンプ素子を構成し、且つ該電気流体力学ポンプ素子に発
生する不平等電界により移動させられた液体及び気泡
を、分離させて電界の弱い方向へ集めるメッシュ状電極
を、容器の上部に配置した構成としてあるので、容器内
の液体と液体中の気泡が電気流体力学効果によりメッシ
ュ状電極に運ばれると、メッシュ状電極の電界が弱い中
央部分へ気泡は集められ、集められた気泡は外部の気体
に接触して分離排出されるため、従来の如き気体透過膜
を圧力差で透過させることなく気泡の除去が容易にで
き、しかも、メッシュ状電極は、電界傾度が大きいた
め、気泡に作用する力が大きく、排出効果が大きく、更
に、静電界のため電力消費が零である、という効果があ
り、又、容器に循環パイプを設けて移動させられた液体
を循環させるようにすることにより分離された気泡が液
体中に再混入するおそれがなく、更に、メッシュ状電極
はメッシュの目開きを変えることにより容器に大きな径
の気泡除去を可能にできる、という効果も奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体中の気泡除去装置の一実施例の概
要を示すもので、(イ)は側面図であり、(ロ)はメッ
シュ状電極の一部の拡大斜視図である。
【図2】メッシュ状電極の部分を拡大して示す概略図で
ある。
【図3】メッシュ状電極を構成する電線の断面図であ
る。
【図4】本発明の他の例を示すメッシュ状電極の概略図
である。
【図5】従来の気泡除去装置の概要を示す図である。
【図6】従来の気泡除去機構の部分を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 容器 2 液体 3 気泡 4,5 電線 6 心線部 7 絶縁材 8 メッシュ状電極 9 交流電源 11a,11b,11c 電線(3相交流電極) 12 電気流体力学ポンプ素子 13 3相交流電源 14 循環パイプ(循環ライン) 15 外部空間 17 直流電源
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−184259(JP,A) 特開 平2−168874(JP,A) 特開 平2−27191(JP,A) 特開 昭52−34405(JP,A) 特開 昭60−134760(JP,A) 特開 昭63−209462(JP,A) 実開 昭52−36717(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 19/00 B01D 19/02 H02K 44/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体の存在する容器内の上部に、心線部
    を絶縁材で被覆してなる電線を織物状に配列させて構成
    したメッシュ状の電極を水平に配置し、該メッシュ状電
    極を交流又は直流電源に接続し、且つ上記容器の外周部
    に、3相以上多相交流電源に接続した3相以上多相交流
    電極を並列させてスパイラル状に巻き付けてなる電気流
    体力学ポンプ素子を配設したことを特徴とする液体中の
    気泡除去装置。
  2. 【請求項2】 容器内の液体を上部位置から底部へ循環
    させる循環ラインを、容器の側部に設けた請求項1記載
    の液体中の気泡除去装置。
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JP4646125B2 (ja) * 2005-09-27 2011-03-09 ヤマハ株式会社 マイクロチップとこれを用いた気泡分離方法
JP5816849B2 (ja) * 2012-02-08 2015-11-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 気体溶解装置
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