JP3079098B2 - 溶融炭酸塩燃料電池用正極の製造方法 - Google Patents
溶融炭酸塩燃料電池用正極の製造方法Info
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Description
池(molten carbonate fuel cell、以下「MCFC」と
いう)に使用される正極(cathode)及びその製造方法
に関する。更に詳しくは、MCFC用酸化ニッケル(N
iO)正極の表面にLiCoO2をコーティングして、
電解質に対するNiOの溶解を抑制することにより、電
極の電池性能をそのままに維持しつつ、LiCoO2を
コーティングしていない通常のMCFC用NiO正極よ
りも寿命を延長させる溶融炭酸塩燃料電池用正極及びそ
の製造方法に関する。
用される酸化ニッケル(NiO)は安価であり、電気化
学的な性能が優れているため、正極材料として最適であ
ることが知られている。しかし、電池の運転時間が長時
間になると、NiOが徐々に電解質である溶融炭酸塩に
Niイオンとして溶解し、溶解したNiが電解質マトリ
ックスに析出して電気的な短絡を引き起こすことによ
り、電池の寿命を短縮させるという問題点があった。こ
のような観点から、NiOの電解質に対する溶解問題を
解決するための研究が多く行われてきた。
とにより、電極の溶解を抑制する方法が提示されてい
る。NiOの電解質に対する溶解度は、正極に使用され
るガス中のCO2分圧、電池の運転温度、H2O濃度など
により異なる。したがって、電池の運転条件を、NiO
の溶解を減少させるように制御すれば、電池の性能は若
干低下するものの、NiOの溶解度が減少することによ
り、電池の寿命を延長することができる。例えば、正極
に使用するガス中のCO2分圧を低下させる方法、又は
マトリックスの厚さを増加させる方法により、電池に短
絡が発生する時間を延ばすことにより電池寿命を延長す
ることができる(A.J.Appleby and F.R. Foulkes, Fuel
Cell Handbook」, Vol. 570, Van Nostrand Reinhold,
New York,(1988))。
炭酸塩の組成を制御する方法、又はNiO電極に塩基性
物質などを添加する方法が提示されている。MCFCの
通常的な運転条件の下では、NiOは、酸性溶解反応メ
カニズムにより電解質に溶解するため、電解質の塩基性
を高めて、NiOの電解質に対する溶解度を減少させる
方法である。現在最も広く使用されているモル比62:
38のLi2CO3−K2CO3共融塩の代わりに、Li2
CO3の含有量を更に高めた共融塩を使用する方法、L
i2CO3−Na2CO3共融塩を使用する方法、又はアル
カリ土類金属の炭酸塩(MgCo3、CaCo3、SrC
o3、BaCo3)を、モル比62:38のLi2CO3−
K2CO3電解質に添加する方法が提示されている。ま
た、NiO電極自体にMgOなどのアルカリ土類金属酸
化物を添加する方法も提示されている(J.D.Doyon, T.G
ilbert, G.Davis, J. Electrochem, Soc., Vol.134, p
p.3035-3038, (1987); K.Tanimoto, Y.Miyazaki, M.Ya
nagida, S.Tanabe, K.Kojima,N.Ohtori, H.Okuyama and
T.Kodama, J. of Power Sources, Vol.39, pp.285-29
7 (1992); K.Ota, Proceedings of the Fourth Intern
ational Symposium onCarbonate Fuel Cell Technolog
y, Ed. by J.R.Selman, The Electrochemical Soc., Pe
nnington, NJ, pp.238-252 (1997); H.J.Choi, S.K.Ih
m, T. H. Lim, S.A.Hong, J. of Power Sources, Vol.
61, pp.239-245 (1996))。
ある。LiFeO2、LiMnO2、LiCoO2などの
リチウム化合物がその代替物質として挙げられている。
しかし、LiFeO2及びLiMnO2は電池性能が低い
ため、LiCoO2が現在最も有力な代替物質として注
目されている。しかし、LiCoO2は、それ自体の電
気伝導度がNiOより小さいため、電池性能が既存のN
iO電極よりも劣り、また、強度が非常に低いため、電
極成形に際して、電極を電池に装着することが困難であ
る。さらに、LiCoO2は価格が非常に高いという短
所も有している(Plomp, J.N.J.Veldhuis, E.F.Silters
and S.B. van der Molun, J. of PowerSources, Vol.
39, pp. 369-373 (1992); C.Lagergren, A.Lundblad an
d B.Bergman, J. Electrochem. Soc., Vol. 141, pp. 2
959 (1994))。
を解決するために種々の方法が開示されているが、これ
らの方法を実用化するためにはまだ多くの問題点が残さ
れている。
御する方法の場合には、電池の性能が劣化するという問
題があり、また電池の運転条件の制御だけでは、電池の
寿命を延長させることに限界がある。
は、電解質の塩基性を高めるために既存の電解質の組成
を変化させて、NiO電極の溶解度を若干減少させてい
る。しかし、この方法では、電池の寿命を延長させるこ
とに対して限界があり、また電解質の組成変化は、MC
FCの性能に悪影響を及ぼすという問題点がある。
は、代替物質を利用した正極の電解質に対する溶解度
は、既存のNiO正極に比べて、1/10以下となり非
常に優れた特性を示している。しかし、電気伝導度の低
下に伴う電池性能の低下、電極の機械的強度の低下によ
る燃料電池の大型化への対応の困難性、並びに高い価格
水準など、まだ実用化には解決すべき問題点を多く残し
ている。
CFCの正極材料として通常使用されるNiOに関し
て、従来技術が抱える溶解に対する問題点を除くためな
されたものであり、MCFC用NiO正極の寿命を延長
し得る実用的な材料を提供すること、及びそのような材
料の製造方法を提供することを目的とする。
従来技術の問題点を解決して、従来のMCFC用正極よ
りも長寿命を有する正極を製造するために鋭意研究を重
ねた。その結果、正極の材料であるNiOの表面にLi
CoO2をコーティングして、NiOを安定化させるこ
とにより、電池の性能はそのままに維持しつつ、NiO
正極の溶解を減少させることができ、かつ機械的強度の
問題と価格の問題についても併せて解決することができ
ることを発見し、本発明を完成するに至った。
(MCFC)用NiO正極の表面にLiCoO2をコー
ティングしたMCFC用正極及びその製造方法を提供す
るものである。
図面及び以下の詳細な説明により更に明瞭になるであろ
う。本発明に係る、表面にLiCoO2をコーティング
したMCFC用NiO正極は、以下の二つの方法により
製造することができる。
よる方法である。LiCoO2の製造原料であるリチウ
ム塩及びコバルト塩を化学量論比で水に溶解し、これに
キレート化剤を添加してゾルを生成させる。次に、上記
ゾル中にNiO正極を浸漬し、多孔質のNiO電極の気
孔表面にゲル(gel)を形成させる。次に、気孔表面に
ゲルを形成させた電極を乾燥、焼成して、LiCoO2
層をNiO電極の表面に生成させて、LiCoO2をコ
ーティングしたMCFC用NiO正極を製造する。
である。リチウム塩及びコバルト塩を化学量論比で適切
な溶剤に溶解した溶液を調整した後、この溶液にNiO
電極を浸漬させ、多孔質NiO電極の気孔内部に溶液を
含浸させる。次にこれを乾燥、焼成して、LiCoO2
層をNiO電極の表面に生成させ、LiCoO2をコー
ティングしたMCFC用NiO正極を製造する。
使用されるリチウム塩及びコバルト塩としては、水酸化
物、窒化物、酢酸塩、塩化物、硫酸塩、シュウ酸塩のい
ずれか1種又はこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。
C用正極の製造方法を具体的に説明すれば、以下のとお
りである。まず、リチウム塩及びコバルト塩を1:1の
化学量論比で蒸留水に溶解する。次に、完全に溶解した
水溶液にキレート化剤を添加してゾルを生成させる。次
に、このゾルを約60〜90℃で熟成した後、熟成した
ゾルに通常のMCFC用NiO電極を浸漬して、ゾルを
多孔質NiO電極中の気孔に含浸させ、NiO電極の表
面にゲルを形成させる。
孔に含浸させるには、あらかじめNiO電極を減圧下に
置いた後又は直接に、常圧下若しくは加圧下、又は減圧
下で行われる。多孔質NiO電極をゾル中に浸漬させる
前に、NiO電極を減圧下に置くことは、多孔質内に存
在する空気をあらかじめ除去することを目的とする。ま
た、常圧、加圧、減圧の2以上を用いることもできる。
次に、電極を乾燥した後、焼成することにより、NiO
電極表面にLlCoO2をコーティングした電極を製造
する。図1(a)に、本発明に係るゾルコーティング法
による正極の製造方法のフローチャートを示す。NiO
電極の表面に目的とする量のLiCoO2をコーティン
グするためには、図1に示すように、上記含浸−乾燥−
焼成の工程を繰返すこともできる。
剤としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ
ビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸、アクリ
ル酸、アジピン酸のいずれか1種又はこれらの2種以上
の混合物が用いられる。この方法の利点は、厚いLiC
oO2コーティング層が得られることである。上記キレ
ート化剤の添加量は、上記水溶液中の全金属イオンに対
して、0.5〜2.0倍のモル比が望ましい。
CFC用正極の製造方法は、以下のとおりである。ま
ず、リチウム塩及びコバルト塩を1:1の化学量論比で
適切な溶剤に溶解して溶液を調製する。このとき、Ni
O電極をあらかじめ減圧下に置いた後又は直接に、常
圧、加圧、減圧のいずれか又はこれらの条件を2以上用
いる条件下で、この溶液を多孔質NiO電極の気孔内部
に含浸させた後、上記含浸させた電極を乾燥及び焼成す
ることにより、LiCoO2をコーティングしたNiO
電極を製造する。上記の溶液を多孔質NiO電極の気孔
内部に含浸させる方法としては、浸漬法、噴霧法などが
使用される。LiCoO2コーティング量の制御は、溶
液中のリチウム塩及びコバルト塩の濃度を制御すること
により、又は含浸−乾燥の工程を繰返すことにより、行
なうことができる。図1の(b)は、以上の工程を整理
して示したものである。このようにしてLiCoO2を
コーティングしたNiO電極は、上記のゾルコーティン
グ法の場合と比較すると、より均一でかつ薄いコーティ
ング層を有する電極を得ることができるという利点を備
えている。
しては、酢酸、硝酸、硫酸、塩酸、水、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、アセト
ン、トルエン、ベンゼン、へキサン、ケロセン、のいず
れか1種又はこれらの2種以上の混合物が使用される。
く説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
チウム酢酸塩1モルとコバルト酢酸塩1モルを蒸留水5
00gに溶解した。この水溶液中に溶解する全金属イオ
ンに対して、官能基の数が2.0倍になるようにキレー
ト化剤であるアクリル酸を2モル添加した。このように
調製したゾルを約80℃で24時間熟成した。MCFC
用NiO電極を装入した容器内を減圧にして、多孔質電
極の気孔中に存在する空気を予め除去した後、このNi
O電極を上記のゾル中に浸漬して、多孔質の微細気孔ま
でゾルが容易に含浸するようにした。このゾルが含浸し
た多孔質NiO電極を真空オーブン中で乾燥、焼成し
て、LiCoO2 をコーティングした電極を製造した。
また、目的とする量のLiCoO2がコーティングされ
たNiO電極を得るために、上記の含浸−乾燥−焼成の
工程を数回繰返して、LiCoO2コーティング量が異
なるNiO電極を製造した。この電極とLiCoO2を
コーティングしていない通常のNiO電極とを、それぞ
れMCFCの単位電池に装着して運転を行った。このと
き使用した単位電池の構成及び運転条件を表1に示し
た。
間運転した後、電池を分解し、マトリックスに析出した
Ni量をICP(Inductively Coupled Plasma)分析装
置を用いて分析した。結果を表2に示した。
が1〜2モル%と小さいときには、LiCoO2をコー
ティングしていない通常のNiO電極を使用した場合と
比較して、析出したNi量に著しい差異は認められな
い。しかし、LiCoO2コーティング量が5モル%以
上の場合には、LiCoO2をコーティングしていない
通常のNiO電極を使用した場合と比べて、Niの析出
量が1/2以下の水準に減少しており、NiO電極の電
解質への溶解が著しく抑制されていることが分かる。
グした電極を使用した単位電池及びLiCoO2をコー
ティングしていない通常のNiO電極を使用した単位電
池について、各々1,000時間運転後、マトリックス
中のNi析出分布をEPMA(Electron Probe Micro A
nalyzer)分析装置を使用して比較分析を行なった。図
2に示したように、分析結果をマトリックス断面のNi
ドットマップ(dot map)として表す。図2中で白く見
える部分が析出したNi粒子を表している。図2から、
LiCoO2をコーティングしていない通常のNiO電
極を使用した場合と比べて、本発明に係る方法で製造さ
れた電極を使用した場合は、析出したNi粒子数が著し
く減少していることが分かる。この結果から、本発明の
電極を使用した場合には、NiO電極からのNiの溶解
が著しく減少しており、NiO電極に係るNiの溶解問
題が改善できることが立証された。
用した場合と、本発明によりLiCoO2を5モル%コ
ーテイングした電極を正極として使用した場合におい
て、運転時間が1,000時間経過したときの、電流−
電圧曲線を示すグラフである。図3において、同一電流
密度における電池電圧について比較すると、本発明の電
極を使用した電池と通常の電極を使用した電池の電池電
圧は、ほぼ同一であることが分かる。すなわち、本発明
の電極を使用した場合には、電池の性能には大きい変化
がないことが分かった。
造されたLiCoO2をコーテイングした電極を使用す
る場合は、LiCoO2をコーテイングしない従来の電
極を使用する場合と同一の電池性能を維持しつつ、電池
の寿命を従来の電極に比べて2倍以上延長させることが
分かった。
ルを500gの酢酸に溶解し、0.1モル/リットルの
Co、Liの溶液を調整した。この溶液に、NiO電極
を浸漬して、多孔質電極の気孔内部へ溶液を含浸させ
た。含浸は上記溶液中にNiO電極を24時間浸漬して
行い、その後電極を引き上げて大気中で乾燥した。この
工程を3回繰返した後、溶液が含浸した電極を焼成し
て、LiCoO2が1モル%程度コーティングされたN
iO電極を作製した。この電極を単位電池に装着し、表
1に示した条件と同一条件下で、1,000時間電池を
運転した後、IPC分析を行った。その結果、電解質マ
トリックス内に析出したNi量は1.6重量%であるこ
とが認められた。表2に示したように、LiCoO2を
コーティングしていないNiO電極では、Ni量が3.
2〜3.5重量%が析出しており、LiCoO2をコー
ティングすることにより、Niの析出量は50%以上も
減少し、Niの溶解問題が改善されていることが分かっ
た。
電極上に上記溶液を噴霧して、多孔質電極の気孔内部へ
溶液を含浸させた。この電極を50℃で乾燥後、噴霧−
乾燥工程を3回繰返して実施し、その後焼成して、電極
中にLiCoO2が1モル%程度コーティングされるよ
うにした。この電極を単位電池に装着し、表1と同一条
件下で1,000時間運転した後、IPC分析を行っ
た。その結果、電解質マトリックス内に析出したNi量
は2.0重量%であることが認められた。したがって、
LiCoO2をコーティングしていない通常のNiO電
極に比べて、Ni析出量は40%以上減少していること
が確認された。この事実から本発明により製造された電
極を使用する場合、NiO電極からのNi溶解を著しく
減少させることができる事実が立証された。
料であるNiOをそのまま使用しながら、その表面にL
iCoO2をコーティングすることにより、電解質に対
するNiOの溶解を抑制することが可能となるという効
果が得られる。このLiCoO 2をコーティングしたN
iO正極は、LiCoO2をコーティングしていない通
常のNiO正極と比較して、MCFC用の電極寿命を著
しく延長することができ、その結果、MCFC開発の究
極的な目標である、40,000時間の連続運転が可能
なMCFCを製造することができるという効果が得られ
る。
ィング法による本発明の製造方法のフローチャートを表
す図である。
微鏡写真であり、(a)通常のNiO正極、(b)Li
CoO2コーティング正極を表す写真である。
を比較する図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 リチウム塩及びコバルト塩を化学量論比
で水に溶解し、生成した水溶液にキレート化剤を添加し
てゾルを生成させ、上記ゾル中にNiO電極を浸漬し、
次いで上記電極を乾燥、焼成することを特徴とする溶融
炭酸塩燃料電池用正極の製造方法。 - 【請求項2】 上記リチウム塩及びコバルト塩が、それ
ぞれ、水酸化物、窒化物、酢酸塩、塩化物、硫酸塩、シ
ュウ酸塩のいずれか1種又はこれらの2種以上の混合物
から選択される塩であることを特徴とする請求項1記載
の溶融炭酸塩燃料電池用正極の製造方法。 - 【請求項3】 上記キレート化剤が、ポリエチレングリ
コール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、アク
リル酸、アジピン酸のいずれか1種又はこれらの2種以
上の混合物から選択されるキレート化剤であることを特
徴とする請求項1記載の溶融炭酸塩燃料電池用正極の製
造方法。 - 【請求項4】 上記ゾル中にNiO電極を浸漬させる方
法が、あらかじめNiO電極を減圧下に置いた後又は直
接に、常圧下若しくは加圧下、又は減圧下に置くことの
いずれか1の方法又はこれらを2以上用いる方法である
ことを特徴とする請求項1記載の溶融炭酸塩燃料電池用
正極の製造方法。 - 【請求項5】 上記リチウム塩及びコバルト塩を化学量
論比で溶剤に溶解した溶液を調整し、上記溶液をNiO
電極に含浸させ、次いで上記溶液を含浸した電極を乾
燥、焼成することを特徴とする溶融炭酸塩燃料電池用正
極の製造方法。 - 【請求項6】 上記リチウム塩及びコバルト塩が、それ
ぞれ、水酸化物、窒化物、酢酸塩、塩化物、硫酸塩、シ
ュウ酸塩のいずれか1種又はこれらの2種以上の混合物
から選択される塩であることを特徴とする請求項5記載
の溶融炭酸塩燃料電池用正極の製造方法。 - 【請求項7】 上記溶剤が酢酸、硝酸、硫酸、塩酸、
水、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルア
ルコール、アセトン、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、
ケロセンのいずれか1種又はこれらの2種以上の混合物
から選択される溶剤であることを特徴とする請求項5記
載の溶融炭酸塩燃料電池用正極の製造方法。 - 【請求項8】 上記溶液をNiO電極に含浸させる方法
が、あらかじめNiO電極を減圧下に置いた後又は直接
に、常圧下若しくは加圧下、又は減圧下に置くことのい
ずれか1の方法又はこれらを2以上用いる方法であるこ
とを特徴とする請求項5記載の溶融炭酸塩燃料電池用正
極の製造方法。 - 【請求項9】 上記溶液をNiO電極に含浸させる方法
が、NiO電極の気孔中に上記溶液を噴霧することによ
り含浸させることを特徴とする請求項5記載の溶融炭酸
塩燃料電池用正極の製造方法。
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