JP3076944B2 - ほうろう被覆笠木パネルの焼成方法 - Google Patents

ほうろう被覆笠木パネルの焼成方法

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JP3076944B2
JP3076944B2 JP05079169A JP7916993A JP3076944B2 JP 3076944 B2 JP3076944 B2 JP 3076944B2 JP 05079169 A JP05079169 A JP 05079169A JP 7916993 A JP7916993 A JP 7916993A JP 3076944 B2 JP3076944 B2 JP 3076944B2
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glaze
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和司 小谷
安男 榊原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は建築用パネルとして使
用される笠木パネルであつて、表面にほうろう層を被着
した笠木パネルの焼成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近ほうろうパネルは、建築用パネルと
して多く用いられるようになつたが、各種形状のほうろ
うパネルのうち笠木パネルとしては、図4乃至図6に示
すように、巾が狭く細長い頂板1の両縁に縦曲片部2,
3を連設し、さらにこの縦曲片部の下端に内曲片部4,
5を連設するとともに、長手方向両端部に端板6を固設
し、要すれば内部に補強を入れたものが、一般に採用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記笠木パネ
ルは、上記の縦曲片部と内曲片部および端板により、頂
板1の四周を強固な枠体で囲繞したような形状のため、
ほうろう層形成のために施釉品を焼成した際、四周を拘
束された頂板1に大きな焼成歪みが発生するという問題
があつた。
【0004】すなわち、この焼成時には、一般にパネル
長手方向をほぼ水平方向に向けた笠木パネル施釉品8
を、図4(A)に示すように頂板1をほぼ垂直向きにし
て吊手14により吊下げる縦吊り法により、あるいは図
4(B)に示すように頂板1を下向きにかつ水平面状に
して吊下げる舟吊り法により、吊り下げた状態で焼成炉
中を通過させて焼成をおこなつているが、先ず縦吊り法
の場合は、図5に示すように焼成後の頂板1部に複数個
の凹部21と凸部22が発生し、光の反射で明瞭に凹凸
が見えるという外観不良を発生する。また舟吊り法の場
合は、図6に示すように頂板1の全体が大きな凸面状と
なり、平面性を欠き見苦しいものとなる。
【0005】そこで発明者は、焼成時における笠木パネ
ルの向きをいろいろ変えて焼成歪みの発生状況および凹
凸量について種々研究を重ねた結果、吊下げ時の頂板の
向きによつて焼成歪みが抑制されることを知見し、この
発明を完成するに至つた。
【0006】すなわちこの発明は、頂板部の焼成歪みが
少量に抑制され、すぐれた外観を有する笠木パネルが得
られるほうろう被覆笠木パネルの焼成方法を提供しよう
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかしてこの発明のほう
ろう被覆笠木パネルの焼成方法は、金属板から成る笠木
パネル成形品に釉薬を施釉後、焼成することによりほう
ろう層を形成する際、前記施釉後の笠木パネル施釉品を
頂板側を下向きにしてかつ長手方向をほぼ水平方向に向
けるとともに、頂板の表面を水平面に対して20乃至6
0度傾斜させた斜め吊り状態で、焼成をおこなうことを
特徴とする。
【0008】
【作用】この発明の焼成方法によれば、頂板は水平面に
対して傾斜しており、焼成時に800℃前後に加熱され
軟化した頂板は、自重により頂板表面側に向つて付勢さ
れ引張力を受けつつ冷却されるので、縦吊り法のように
自由に変形して凹凸を生じることなく全体が表面側に向
つて膨出した凸面形状となる。また舟吊り法に比べれ
ば、傾斜している分だけ前記自重による引張力は小さい
ので、凸面の突出量は小さい。
【0009】頂板部の水平面に対する傾斜角度が60度
を越えると、凹凸が生じやすいので好ましくなく、また
該傾斜角度が20度未満だと、凸面の突出量が大きくな
るので好ましくない。
【0010】
【実施例】以下図1乃至図3によりこの発明の実施例を
説明する。先ず厚さ1.6mmのほうろう用鋼板に折曲加
工および端板6の溶接加工を施して、図2に示す断面図
における頂板1、縦曲片部2,3の各巾寸法(単位:m
m)が、a=60,b=130,c=500である長さ
2100mmの笠木パネル成形品を10個製作し、試料と
した。
【0011】次に下釉ほうろう層形成用に、フリツトと
して酸化物重量%でSiO2 :44.0%、Na2 O:
12.5%、K2 O:3.0%、B2 3 :18.5
%、Al2 3 :6.0%、CaO:7.5%、Co
O:1.0%、NiO:1.5%、F2 :6.0%から
成るフリツトを用い、このフリツト100重量部に対し
て粘土:7、硅石粉:10、亜硝酸ソ−ダ:0.1、含
水硼砂:0.5、水:50重量部を調合した調合原料を
ミルで粉砕後、50メツシユふるいでオ−ルパスしたも
のを、スリツプ比重1.68〜1.72に調整して下釉
釉薬とした。
【0012】また上釉ほうろう層形成用に、フリツトと
して酸化物重量%でSiO2 :42.0%、TiO2
18.0%、Na2 O:11.0%、K2 O:5.0
%、B2 3 :18.0%、P2 5 :2.0%、
2 :4.0%から成るチタン乳白フリツトを用い、こ
のフリツト100重量部に対して粘土:5、KCl:
0.2、水:50重量部を調合した調合原料をミルで粉
砕後、60メツシユふるいでオ−ルパスしたものを、ス
リツプ比重1.68〜1.72に調整して上釉釉薬とし
た。
【0013】そして先ず前記笠木パネル成形品の10個
の試料に、前記上釉釉薬をスプレ−ガンにより成形品の
表裏両面に施釉して、乾燥後、図1に示すようにチエン
コンベヤ11に沿つて吊下げた吊棒12の両端部近くに
ハンガ13を引掛け、このハンガ13に引掛けた吊手1
4,15の先端部を笠木パネルの内曲片部4,5の基部
に引掛けることにより、笠木パネル施釉品8をその長手
方向をほぼ水平に、頂板1を下側にして、吊下げた。そ
して吊手14,15の長さを変えることにより、頂板1
の表面と水平面9のなす傾斜角θ(図2参照)を10度
とびに変え、θ=20〜60度の5種類(実施例1〜
5)、および比較例としてθ=0、10、70〜90度
の5種類(比較例1〜5)の10種類の吊り方により吊
下げた10個の施釉品を、それぞれ焼成炉において80
0℃で10分間焼成して、厚さ100μmの下釉ほうろ
う層を形成させる下釉がけをおこなつた。なお上記吊下
げ時には、図2における吊手15が内曲片部5から外れ
ないように、内曲片部5に複数個固設した建物躯体への
取付用の金具片(図示を省略した)と吊手15とを針金
で縛る外れ止め処置を施した。
【0014】そして得られた10個の焼成品について、
頂板1部に生じた凹部の数N、および凸部の高さHを測
定した結果を、表1の下釉欄に示す。表中、凹部の数N
=0とは、図3(A)に示すように頂板1全体が1つの
凸面状を呈する状態を示し、このときの凸部の高さH
は、同図に示すようにパネル長手方向両端部から10mm
入つた位置(端部には丸味があるのでそれを避けるた
め)における直尺16とのすきまH1 とH2 の平均値
(単位:mm)である。また凹部の数N=2とは、図3
(B)に示すように凹部21が2個所、凸部22が3箇
所生じた状態を示し、このときの凸部の高さHは、同図
に示すように、前記のN=0の場合と同様にH1とH2
の平均値である。
【0015】続いて前記の10個の下釉がけ品の表面側
に、前記上釉釉薬をスプレ−ガンにより施釉して、前記
下釉がけ時と同じ傾斜角θで吊下げた状態で(θ=30
度で下釉がけをおこなつたものは同じくθ=30度で吊
下げて)、焼成炉において800℃で10分間焼成し
て、下釉ほうろう層の上に厚さ120μmの上釉ほうろ
う層を形成させる上釉がけをおこなつた。そして得られ
た上釉がけ品について、前記下釉がけ品と同様にして頂
板1の凹部の数N、および凸部の高さHを測定した結果
を、表1の上釉欄に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表から判るようにθ=90度の場合は、図
4(A)に示す従来の縦吊り法に相当し、θ=0度の場
合は図4(B)に示す従来の舟吊り法に相当するもので
あつて、前者はN=2で頂板1に大きな凹凸が生じ、後
者はN=0で頂板1は1つの凸面状を呈するが凸部の高
さがH=15mmと大きい。これに対してこの発明の実施
例のθ=20〜60度の5個の試料は、頂板1は1つの
凸面状を呈し、かつその凸部の高さはH=8mm以下と小
さく、良好な外観が得られた。
【0018】この発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、たとえば笠木パネルの材質、形状、寸法などは
上記以外のものとしてもよく、またほうろう釉薬も上記
以外のものとしてもよく、その釉薬に応じて焼成温度等
は変えればよい。また下釉がけ時と上釉がけ時の斜め吊
りの傾斜角θは必ずしも一致させなくてもよい。
【0019】なお焼成時における笠木パネル施釉品の長
手方向は、水平方向に対して±20度程度の範囲内で傾
斜させても焼成歪み状況は変らず、この角度範囲内の傾
斜は本発明にいうほぼ水平方向に包含するものとする。
【0020】またこの発明は下釉がけと上釉がけの2度
に分けずに、1度の焼成でほうろう層を形成する場合
や、笠木パネル成形品の表面側にのみほうろう層を形成
する場合にも適用できるものである。
【0021】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
焼成時における頂板部の傾斜角度を調整するだけで、頂
板が凹凸面状にならず、かつ凸部の高さが小さくなり、
頂板部の焼成歪みが少量に抑制されたすぐれた外観を有
する笠木パネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す笠木パネル施釉品の吊
下げ状態の斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】この発明の実施例および比較例の頂板部の変形
状態および凸部の高さの測定法を示す笠木パネル中央部
縦断面図(模式図)である。
【図4】従来の笠木パネル焼成時の吊下げ法を示す図2
相当図である。
【図5】従来の縦吊り法により焼成した笠木パネルの斜
視図である。
【図6】従来の舟吊り法により焼成した笠木パネルの斜
視図である。
【符号の説明】
1…頂板、8…笠木パネル施釉品、9…水平面、11…
チエンコンベヤ、12…吊棒、13…ハンガ、14…吊
手、15…吊手。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23D 5/00 E04D 13/15

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板から成る笠木パネル成形品に釉薬
    を施釉後、焼成することによりほうろう層を形成する
    際、前記施釉後の笠木パネル施釉品を頂板側を下向きに
    してかつ長手方向をほぼ水平方向に向けるとともに、頂
    板の表面を水平面に対して20乃至60度傾斜させた斜
    め吊り状態で、焼成をおこなうことを特徴とするほうろ
    う被覆笠木パネルの焼成方法。
JP05079169A 1993-03-12 1993-03-12 ほうろう被覆笠木パネルの焼成方法 Expired - Lifetime JP3076944B2 (ja)

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