JP3076666U - 簡易トイレ兼用洗面手洗い器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】身体の自由がきかない者に対する訪問介護の場
合、排泄には簡易トイレを用いていたが、従来のものは
汲み取り式であり、使用後の後処理が大変であった。
又、洗面や手洗いの際には、洗面台を被介護者の近傍ま
で運ばねばならず、排泄の世話の場合と同様、手間がか
かっていた。更に、簡易トイレと洗面台とを別々に用意
しなければならず、スペースを取ると共に運搬も大変で
あった。 【構成】少なくとも前面及び上面の２面が開放された箱
体１内に、電動圧送式簡易水洗便器３を位置せしめると
共に、箱体１の上面開口部に、中央にシンクを形成した
蓋材７を匡体１後面上縁を枢支軸として起倒自在に枢支
し、更にこの蓋材７の上面に給水用蛇口９を付設し、匡
体１内の配管を介して電動圧送式簡易水洗便器３及び給
水用蛇口９を外部の上水道及び下水道と接続できる様に
した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、簡易トイレ兼用洗面手洗い器、詳しくは移動が容易で、特に訪問 介護用として最適な簡易トイレ兼用洗面手洗い器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

介護とは、身体の自由がきかない高齢者や病人あるいは身体障害者の日常生活 の世話をすることであるが、各種介護サービスのなかでも、排泄の世話や洗面、 身体の洗浄の大きなウェートを占めている。

【０００３】 介護を受ける者、つまり被介護者は身体の自由がきかないので、訪問介護の場 合、排泄や洗面の際には簡易トイレや移動式洗面台を被介護者の近傍まで移動さ せ、これを用いて排泄や洗面などをさせることが広く行われている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来、この介護作業に用いている簡易トイレの多くは汲み取り式であり、使用 後の後処理が大変であった。これに対して、水洗式の便器は、衛生的で後処理の 必要もないが、配管設備等の制約から室内における自由な移動は不可能であり、 簡単に被介護者の近傍に移動させることはできず、訪問介護の際には使用できな かった。

【０００５】 又、従来においては便器と洗面手洗い器とは別体となっており、介護作業の都 度これらを別々に用意して作業現場まで移動させなければならず、大変面倒であ った。

【０００６】 本考案は介護において大きなウェートを占めるこの排泄及び洗面手洗いの世話 を容易に実施でき、介護者の負担を軽減させると共に、コンパクトで保管や運搬 も容易な簡易トイレ兼用洗面手洗い器を提供せんとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前面及び上面の２面が開放された箱体１内に、電動圧送式簡易水洗便器３を位 置せしめると共に、箱体１の上面開口部に、中央にシンク８を形成した蓋材７を 箱体１後面上縁を枢支軸として起倒自在に枢支し、更にこの蓋材７の上面に給水 用蛇口９を付設し、箱体１内の配管を介して電動圧送式簡易水洗便器３及び給水 用蛇口９を外部の上水道及び下水道と接続できる様にして簡易トイレ兼用洗面手 洗い器を構成することにより、上記課題を解決せんとするものである。

【０００８】

【実施の形態】

図１はこの考案に係る簡易トイレ兼用洗面手洗い器の一実施形態の便器として 使用する際の状態を示した斜視図、図２は同じく洗面手洗い器として使用する際 の状態を示した斜視図である。

【０００９】 図中１は前面及び上面が開放された有底の箱体であり、金属や合成樹脂で形成 されている。なお、側面の隅角部１７はいずれも円弧状に面取りされており、被 介護者への安全に配慮が加えられている。そして、この箱体１の底板２上には電 動圧送式簡易水洗便器３が固定されている。電動圧送式簡易水洗便器３とは、便 器に付設された排水ポンプの作用により、汚水を所望の場所まで圧送できる様に なっている便器であり、主に仮設トイレ、仮設建築物等において用いられている 。

【００１０】 そして、この電動圧送式簡易水洗便器３には、給水管４，排水管５及び圧送ポ ンプ駆動用電力線６の一端が接続されており、この給水管４，排水管５及び圧送 ポンプ駆動用電力線６の他端は箱体１の外部に引き出されている。

【００１１】 一方、図中７は、箱体１の後面上縁を枢支軸として起倒自在に枢支された蓋材 であり、その上面中央には凹穿したシンク８が形成されている。更に、この蓋材 ７には給水用蛇口９が取り付けられており、蓋材７の裏面においてこの給水用蛇 口９と給水管４とは接続されている。

【００１２】 又、この蓋材７の前面には巻き取り自在に遮蔽カーテン１０が取り付けられて おり、必要に応じて箱体１の前面開口部を覆うことができる様になっている。一 方、シンク８の底面には排水口１１が設けられており、この排水口１１に止水栓 １２を嵌合できる様になっている。

【００１３】 更に、この蓋材７の上面周縁には前面を除いてコ字形に上方に立ち上がった水 止め板１６が取り付けられている。又、この蓋材７の左右側面にはコ字形の取っ 手１３が、箱体１の側面にはトイレットペーパーホルダー１４がそれぞれ設けら れている。

【００１４】 更に、箱体１の左右側壁の上端には、排便の際に、身体を保持するコ字形のハ ンドレール１５が取り付けられている。

【００１５】 次に、この簡易トイレ兼用洗面手洗い器の使用法を説明すると、この簡易トイ レ兼用洗面手洗い器を使用する際には、これを設置すべき部屋の壁面に水道管に 接続された給水口及び浄化槽あるいは下水道管に接続された排水口を設けておき 、給水管４，排水管５の端末をこれら給水口及び排水口に接続する。なお、この 接続はワンタッチタイプのソケットを用いて行えば、着脱が容易となり便利であ る。

【００１６】 又、これら接続を延長パイプを介して行えば、部屋内においてかなり広い範囲 で移動可能となり、なお一層便利である。更に、圧送ポンプ駆動用電力線６を部 屋の電気コンセントに接続する。

【００１７】 この状態において、排泄の際には図１に示す様に蓋材７を上方に回動させ、電 動圧送式簡易水洗便器３を露出させ、これに被介護者を着座させて排便を行わせ る。排便終了後は、圧着ポンプを駆動して汚水を排水管５を通して外部の浄化槽 や下水道管に強制的に排出させる。

【００１８】 一方、洗面や手洗いに用いるときは、図２に示す様に蓋材７を箱体１の上面に かぶせ、給水用蛇口９から水をシンク８内に放出させ、これによって洗面や手洗 いを行う。この洗面や手洗いに用いた水は、排出口１１を通って電動圧送式簡易 水洗便器３に流し込み、排泄の際発生した汚水の場合と同様に排水管５を通って 外部に排出させることになる。

【００１９】 なお、シンク８を用いての洗面手洗いの際には遮蔽カーテン１０を下げておけ ば、電動圧送式簡易水洗便器３が見えず、外観上好ましい。

【００２０】

【効果】

この考案に係る簡易トイレ兼用洗面手洗い器は上記の通りの構成を有するもの であり、コンパクトで、室内において自由に移動させることが出来、訪問介護に おいて用いた場合、特に便利で実用的価値が高いものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る簡易トイレ兼用洗面手洗い器の
一実施形態の便器として使用する際の状態を示した斜視
図。

【図２】同じく、洗面手洗い器として使用する際の状態
を示した斜視図。

【符号の説明】

１ 箱体 ２ 底板 ３ 電動圧送式簡易水洗便器 ４ 給水管 ５ 排水管 ６ 圧送ポンプ駆動用電力線 ７ 蓋材 ８ シンク ９ 給水用蛇口 １０ 遮蔽カーテン １１ 排水口 １２ 上水栓 １３ 取っ手 １４ トイレットペーパーホルダー １５ ハンドレール １６ 水止め板 １７ 隅角部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面及び上面の２面が開放された箱体１
   内に、電動圧送式簡易水洗便器３を位置せしめると共
   に、箱体１の上面開口部に、中央にシンク８を形成した
   蓋材７を箱体１後面上縁を枢支軸として起倒自在に枢支
   し、更にこの蓋材７の上面に給水用蛇口９を付設し、箱
   体１内の配管を介して電動圧送式簡易水洗便器３及び給
   水用蛇口９を外部の上水道及び下水道と接続できる様に
   したことを特徴とする簡易トイレ兼用洗面手洗い器。