JP3076160U - 光屈折部材における光反射防止装置 - Google Patents

光屈折部材における光反射防止装置

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JP3076160U JP2000006473U JP2000006473U JP3076160U JP 3076160 U JP3076160 U JP 3076160U JP 2000006473 U JP2000006473 U JP 2000006473U JP 2000006473 U JP2000006473 U JP 2000006473U JP 3076160 U JP3076160 U JP 3076160U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗布膜の厚みをできるだけ低減しながら、しか
も光の反射をより効果的に防止でき、更に簡単に塗装す
ることのできる光屈折部材における光反射防止装置を提
供する。 【解決手段】円形状のレンズ1の外周面1aの全周にわ
たって黒色の筆記具用インキが塗布されて、筆記具用イ
ンキの塗布膜5が形成されている。この筆記具用インキ
として、耐光性がありかつ水溶性または油溶性の染料が
着色剤として用いられているインキが使用される。ま
た、この筆記具用インキが用いられている筆記具として
は、例えば油性マーカーペン、マーキングペン、あるい
はサインペン等のフェルトペンがあり、これらのフェル
トペンは、いずれも文具店等で市販されているものであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、レンズやプリズム等の光屈折部材に入射してくる不要な光がこの光 屈折部材によって反射するのを防止する、光屈折部材における光反射装置の技術 分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
レンズやプリズム等の光屈折部材は、この光屈折部材に入射してくる入射光の 入射方向に対して、この光が光屈折部材を通過した通過光の進行方向を異なる方 向に屈折させるものである。このような光の屈折特性を有する光屈折部材は、従 来からカメラやプリンタ等の種々の光学機器に利用されている。
【0003】 ところで、このような光屈折部材においては、例えば図4に示すように光屈折 部材であるレンズ1に、このレンズが用いられている光学機器に必要な入射光2 が入射して来るばかりでなく、この光学機器に不要な入射光3も入射して来る。 この不要な入射光3はレンズ1に入射してくると、このレンズ1内を通過し、支 持部材4によって支持されるレンズ1の外周面1aにおいて反射してレンズ1か ら出射されるようになる。このため、この不要な光はノイズとなって、光学機器 が得ようとする光画像に悪影響を与えるようになる。
【0004】 そこで、従来は、図5に示すようにレンズ1の外周面1aを顔料系の黒色塗料 により塗装して、この外周面1aに顔料系の塗布膜5′を形成し、この塗布膜5 ′により、この不要な光の反射を防止している。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにレンズ1の外周面1aを顔料系の黒色塗料により塗 装した場合は、図5に示すようにその塗布膜5′の厚みtが比較的厚いものとな る。このため、支持部材4によって支持されているレンズ1の位置が塗布膜5′ によって正規の位置からずれてしまうことがある。一般に光学機器は精密機器で あり、このようにレンズ1の位置が正規の位置からわずかでもずれると、光学機 器は高精度に機能しなくなってしまうという問題がある。特に、顔料系の塗料に よる塗装では塗りにむらが生じやすいので、このように塗布膜5′の厚みtがあ ると、この塗布膜5′の厚みtにもむらが生じやすくなり、レンズ1の位置がよ り一層ずれやすくなってしまうばかりでなく、高精度に塗装を行う必要があるた め、手間とコストがかかってしまう。
【0006】 本考案は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、塗布 膜の厚みをできるだけ低減しながら、しかも光の反射をより効果的に防止でき、 更に簡単に塗装することのできる光屈折部材における光反射防止装置を提供する ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の考案は、光屈折部材の被塗装面に塗 布膜を形成し、この塗布膜により光の反射を防止するようになっている光屈折部 材における光反射防止装置において、前記塗布膜が耐光性のある染料系のインキ または塗料による塗布膜であることを特徴としている。
【0008】 また、請求項2の考案は、前記インキまたは塗料が筆記具用のインキまたは塗 料であることを特徴としている。 更に、請求項3の考案は、前記塗布膜がフェルトペンで塗装された塗布膜であ ることを特徴としている。 更に、請求項4の考案は、前記光屈折部材がレンズまたはプリズムであること を特徴としている。
【0009】
【作用】
このように構成された本考案においては、光屈折部材の、光の反射を防止する 面に耐光性のある染料系の塗布膜が形成され、この塗布膜により光の反射が防止 される。このような耐光性のある染料系の塗布膜では、その厚みが従来の顔料系 の塗料に比べてより均一にかつきわめて薄くなるので、光屈折部材は支持部材に より正規の位置に高精度に支持されるようになる。 特に、請求項3の考案のように染料系の塗料を用いた市販されている安価なフ ェルトペンで光屈折部材の被塗装面を塗装してこの光屈折部材の被塗装面に塗布 膜を形成することにより、簡単にかつ安価に塗布膜が形成されるようになる。
【0010】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態について説明する。 図1は、本考案に係る光屈折部材における光反射防止装置の一例を概略的に示 す斜視図である。なお、前述の従来例と同じ構成要素には同じ符号を付すことに より、その詳細な説明は省略する。 この例の光反射防止装置では、前述の従来の場合と同様に、光の反射を防止す るために、円形状のレンズ1の光の反射防止に必要な外周面(本考案の被塗装面 に相当)1aの全周にわたって黒色の筆記具用インキが塗布されて、筆記具用イ ンキの塗布膜5が形成されている。この筆記具用インキとして、耐光性がありか つ水溶性または油溶性の染料が着色剤として用いられているインキが使用される 。また、この筆記具用インキが用いられている筆記具としては、例えば油性マー カーペン、マーキングペン、あるいはサインペン等のフェルトペンがあり、これ らのフェルトペンは、いずれも文具店等で市販されているものである。
【0011】 このようにレンズ1の外周面1aの全周にわたって耐光性のある染料系の塗布 膜5を形成するにあたっては、黒色の前述のフェルトペンにより外周面1aをこ のフェルトペンに用いられているインキで塗布する。その場合、図1に示すよう にレンズ1を例えば図示しないターンテーブルにセットし、このターンテーブル を回転してレンズ1を回転させる。そして、回転しているレンズ1の外周面1a にフェルトペン6を当てることにより、この外周面1aに染料系の塗布膜5を形 成する。このようにすれば、レンズ1の外周面1aに対する筆記具用インキの塗 布がきわめて簡単になり、厚みのより均一なかつ薄い塗布膜5が短時間で形成さ れるようになる。また、ターンテーブルでレンズ1を回転させるだけではなく、 フェルトペン6を外周面1aに当てるのも機械で自動的に行うようにすれば、大 量のレンズ1の外周面1aに対して、より一層短時間でより高精度の塗布膜5を 形成することが可能となる。
【0012】 ところで、染料系の塗布膜は紫外線により影響を受けやすく、この紫外線の影 響により塗布膜5の反射防止機能が損なわれる。そこで、前述のように筆記具用 インキに耐光性のある染料が用いられるが、前述の市販されているフェルトペン 6に用いられている筆記具用インキが前述の光学機器の反射防止装置に実用に供 し得る程度に耐光性を有しているか否かを確認するために、このフェルトペン6 のインキの塗布膜5の耐光性試験を実施した。なお、この耐光性試験は都立産業 技術研究所に依頼した。
【0013】 テスト条件 1. 試験の種類 促進耐光試験 2. 装置の種類 紫外線ロングライフウェザ−メータ 3. 装置の型式 スガ試験機株式会社製 WELーSH−2CーB 4. 試験条件 1)光源 紫外線ロングライフカーボンアークランプ 2灯 2)放電電圧電流 120〜145V、15〜17A 3)ブラックパネル温度 63±1℃ 4)試験片回転わく 直径 約80cm 回転数 約1rpm 5. 試験時間 100時間 6. 依頼品(試験片) 光学レンズ 6個 (円形ガラス板;直径60φ、厚み8mm (フェルトペン3種類:メーカーが異なる) 7. 実施年月 平成12年7月
【0014】 促進耐光試験は次のようにして実施された。図3(a)および(b)に示すよ うに、上記円形ガラス板の上面に、それぞれメーカーの異なる3種類のフェルト ペンでこれらのフェルトペンに用いられているインキを全面塗布して塗布膜8を 形成した試験片を用い、図3(c)および(d)に示すようにこれらの試験片の 上面半分を遮蔽板9で覆う。この状態で、図3(d)に示すように遮蔽板9で覆 われない試験片の上面部分に紫外線を100時間連続して照射し、そのときの試 験片の塗布膜8の変化を遮蔽板9で覆われた試験片の上面部分と対比して観察し た。
【0015】 試験の結果、3種類のフェルトペンの間で若干の差異が認められたものの、い ずれのフェルトペンの場合にも、試験片の塗布膜8の変化は少なく、これらのフ ェルトペンによる塗布膜8はいずれもレンズの反射防止装置として実用に供し得 るものであった。 このように、フェルトペン6のインキによる染料系の塗布膜5は紫外線による 影響を受け難く、経時的変化がほとんどなく、光屈折部材の光反射防止装置とし て十分に使用できることがわかった。
【0016】 この例の光屈折部材における光反射装置によれば、レンズ1の外周面1aにフ ェルトペン6で染料系の塗料を塗装して染料系の塗布膜5を形成し、この塗布膜 5により光の反射を防止するようにしているので、染料系の塗布膜5の厚みを従 来の顔料系の塗料による塗布膜5′に比べて均一にかつきわめて薄くすることが できる。したがって、レンズ1の外周面1aに染料系の塗布膜5を形成すること で、光の反射を効果的に防止できるようにしつつ、しかも、レンズ1を支持部材 4により正規の位置に高精度に支持できるようになる。
【0017】 また、フェルトペン6は従来から一般に文具店等において市販されているとと もに、比較的安価であるので、レンズ1の外周面に、簡単にかつ安価に塗布膜5 を形成することができるようになる。
【0018】 なお、使用する筆記具用インキの塗布は、前述のフェルトペン以外の任意の他 の手段を用いることができることは言うまでもない。 また、筆記具用インキに用いられている染料に、より一層の耐光性を持たせる ために、紫外線劣化防止剤をこの染料に添加することもできる。 更に、前述の例では円形状のレンズ1の外周面1aに染料系の塗布膜5を形成 するものとしているが、本考案はこれに限定されるものではなく、楕円形状、長 円形状等の他の形状のレンズにも適用することができるとともに、凸レンズに限 定されることなく、凹レンズにも適用することができる。また、本考案はレンズ に限定されることなく、プリズム等の他の光屈折部材にも適用することができる 。
【0019】
【考案の効果】
以上の説明から明らかなように、本考案の光屈折部材における光反射防止装置 によれば、耐光性のある染料系の塗布膜を光屈折部材の光の反射を防止する面に 形成しているので、この塗布膜により光の反射を効果的に防止できる。このよう な耐光性のある染料系の塗布膜を用いることにより、その厚みを従来の顔料系の 塗料に比べてより均一にかつきわめて薄くできる。したがって、光屈折部材を支 持部材により正規の位置に高精度に支持できるようになる。
【0020】 特に、請求項3の考案によれば、染料系の塗料を用いた市販されている安価な フェルトペンで光屈折部材の被塗装面に塗布膜を形成しているので、簡単にかつ 安価に塗布膜を形成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係る光屈折部材における光反射防止
装置の一例を概略的に示す斜視図である。
【図2】 図1に示す例のフェルトペンによる耐光性の
ある染料を用いたインキの塗布方法を説明する図であ
る。
【図3】 図1に示す例の耐光性試験を説明し、(a)
はこの耐光性試験に用いられた試験片の平面図、(b)
は(a)における試験片の正面図、(c)は耐光性試験
の方法を説明する平面図、(d)は耐光性試験の方法を
説明する正面である。
【図4】 従来のレンズにおける光反射防止装置の一例
を概略的に示す図である。
【図5】 図4に示すレンズの部分拡大図である。
【符号の説明】
1…レンズ、1a…外周面、5…塗布膜、6…フェルト
ペン

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光屈折部材の被塗装面に塗布膜を形成
    し、この塗布膜により光の反射を防止するようになって
    いる光屈折部材における光反射防止装置において、 前記塗布膜は耐光性のある染料系のインキまたは塗料に
    よる塗布膜であることを特徴とする光屈折部材における
    光反射防止装置。
  2. 【請求項2】 前記インキまたは塗料は筆記具用のイン
    キまたは塗料であることを特徴とする請求項1記載の光
    屈折部材における光反射防止装置。
  3. 【請求項3】 前記塗布膜はフェルトペンで塗装された
    塗布膜であることを特徴とする請求項2記載の光屈折部
    材における光反射防止装置。
  4. 【請求項4】 前記光屈折部材はレンズまたはプリズム
    であることを特徴とする請求項2または3記載の光屈折
    部材における光反射防止装置。
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