JP3075701B2 - デュアルプレート逆止弁 - Google Patents

デュアルプレート逆止弁

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JP3075701B2
JP3075701B2 JP09099263A JP9926397A JP3075701B2 JP 3075701 B2 JP3075701 B2 JP 3075701B2 JP 09099263 A JP09099263 A JP 09099263A JP 9926397 A JP9926397 A JP 9926397A JP 3075701 B2 JP3075701 B2 JP 3075701B2
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義則 万木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本体部の耐食性
と、弁座部の開口率を高め、圧力損失を軽減した2枚の
半円板状弁体を有し、特に弁の開閉時に想定される主要
部の損傷を未然に防ぐようにしたウエハー形のデュアル
プレート逆止弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半円板状の2枚一対の弁体をばね
で付勢しつつ1本のヒンジピンによって本体に軸支し、
常時は弁体をばねの弾発力で閉弁位置に付勢、保持し、
正常流の流体圧力によって弁体をばねの弾発力に抗して
開弁位置に回動させて流体の流過を許容し、一方逆流が
発生したときは、ばねの弾発力で弁体を速やかに閉弁す
るようにしたウエハー形のデュアルプレート逆止弁は公
知であり、その一例を図6に示す。
【0003】図6において、ハウジング(本体)1にヒ
ンジピン2によって回動自在に支持された2枚の半円状
弁体3a,3bが、ヒンジピン2の周りに巻装され両端
部を2枚の弁体の背面にそれぞれ当接させたコイルばね
4によって、閉弁方向(2枚の弁体そのものは開く方
向)に付勢されている。なお、図中、5は開弁時、両弁
体の背面に挟まれた位置に設置されたストップピン、6
はフラット状の平面弁座部、7はヒンジピン2の上流側
に設けられた中央リブ(支柱部)である。
【0004】上記ヒンジピン2とストップピン5とは、
通常それぞれハウジング1に穿設された孔に挿通して該
ハウジング1に固定され、ハウジングの外方から取付け
られるネジプラグ8によって固定されている。該ネジプ
ラグ8は、ピン自体や、弁体3a,3b、ばね4等の部
品が必要に応じて容易に交換及び取り外せることが必要
となっている。
【0005】一方、従来は、これらのプラグ8が、例え
ば長期にわたる振動によって緩んでリークを生じること
があり、又温度差による熱膨脹や収縮にっても緩むとい
う問題点が生じていた。又リークは、局所的な腐食や、
いづれはリークや弛緩となる腐食状況に曝されたプラグ
8のネジ山によって生じた。
【0006】上記のような問題点を改良したものとし
て、特公平5− 78712号公報に開示されており、図7に
示す。このものは、環形ハウジング11の内壁に形成さ
れる、直径方向に互いに対向し且つ軸方向に伸びるスロ
ットに嵌合して挿入部材12が形成され、該部材12の
各々は、二つの貫通横孔を有し、ヒンジピン13とスト
ップピン14が嵌入して組立てられ、該挿入部材12
は、通常断面が楔形のリング15によって所定の位置に
保持され、該楔形の保持リング15は、ハウジング内面
の一端部の対応するスロットに嵌合し、直径方向に対向
して設けられる皿ネジ16によって該スロット内部に保
持されている。上記ヒンジピン13には、弁板17a,
17bが回動自在に支持され、ばね(スプリング)18
によって閉弁方向に付勢されている。また、保持リング
15とハウジング11との接合領域は、ガスケット19
のほぼ中心部分の下流側端面11aにおいて符号11b
のところで終端しており、リング15とハウジング11
との間のリークは該ガスケット19によって遮断される
ようになっている。図中、10は配管フランジである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来公
知のデュアルプレート逆止弁(図6)においては、ヒン
ジピン2及びストップピン5は、ハウジング1に穿設さ
れた孔に挿通され、ネジプラグ8によって固定されてい
るため、長期に亙る振動や温度差及び局所的な腐食によ
り外部リークを発生し、そのためそれを防止する手段が
必要であった。
【0008】また、図7に開示されたものは、上記図6
のものの問題点を解決する一手段であるが、従来のウエ
ハー形デュアルプレート逆止弁のハウジング内面(流体
通路)は剛性材料即ち鋳造品の鋳放し状態であり、その
ため耐食性ステンレス鋼等高価なものを除き余り耐食性
がないのが現状である。又このものにおいても、図6
(b)の支柱部(中央リブ)7と同様のハウジング直径
方向に横切る図示しない支柱部が流路中にあるため、流
体抵抗の最大原因になり、そのため開口率が低下すると
いう問題点となっていた。
【0009】また、ヒンジピン13とストップピン14
をそれぞれ軸支しハウジング11内に支持される挿入部
材12と、これらのピン13と14とのシール性を考慮
せずに、配設時に該挿入部材12を所定位置に保持する
楔形のリング15とハウジング11との接合領域に設置
されるガスケット19のほぼ中心部分に該接合領域が位
置するように設置することが必要になり、この規定位置
に正しくガスケット19を設けない限り、外部リークを
止めることができないという問題点があった。
【0010】他方、上記した従来のデュアルプレート逆
止弁においては、2枚の弁体を軸支するヒンジピンの本
体における軸支持部の摩耗・損傷の最大の原因として想
定される槌打現象(チャタリング)は、流体圧力又は流
量が著しく小さいとき、これらの流体圧力、流量の変
動、脈動等により、弁体の開閉動作が激しくなり、その
結果、ヒンジピンやストップピンの本体支持部が長年に
亙って変形、損傷するという問題点があった。
【0011】また、ポンプの非常急停止等によって配管
内の送水が急に断たれたときに2枚の弁体がばね力で速
やかに閉弁し、次いで出口側配管内の水が逆流しようと
して生じる逆流衝撃波(ウォータハンマ)を緩和するた
めに、2枚の弁体の上流側と下流側をバイパスするバイ
パス通路を、本体に設け、該バイパス通路を開閉弁によ
って開閉するようにしたものは既に従来公知(一例とし
て実開昭60−173776号公報参照)であるが、このもの
は、バイパス通路及び開閉弁を共に本体に設けているた
め構造が複雑になるという問題点があった。
【0012】本発明は、上記した従来技術の問題点を解
決し、腐食性の各種流体の使用に耐えることができると
共に、ヒンジピン及びストップピンの本体支持部におけ
る振動、衝撃による摩耗損傷に伴う流体の外部漏洩の発
生を防止し、更に、弁の開閉時に想定される弁体、軸受
部等の主要部の損傷を未然に防ぐようにしたデュアルプ
レート逆止弁を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明が採った手段は、剛性材料からなる中空円筒
状本体の流体通路を直径方向に横切って設置されたヒン
ジピンとストップピンと、該ヒンジピンに回動自在に軸
支され、本体の流体通路を選択的に開放又は閉鎖する2
枚一対の半円板状の弁体と、該弁体を常時閉鎖方向に付
勢するばねとを備えたデュアルプレート逆止弁におい
て、中空円筒状本体の全内周面に、補強材と一体加硫成
形した弾性材からなるシートリングを挿嵌し、上記ヒン
ジピン及びストップピンの両端部を、上記シートリング
の補強材によって支持し、これらヒンジピン及びストッ
プピンの両端部を本体の内側に軸支し、上記2枚一対の
半円板状の弁体に複数の開口部を設け、該開口部に、ば
ねで閉鎖方向に付勢され入口側流体が微小圧力時に開放
する副弁体と、ばねで閉鎖方向に付勢され出口側流体が
過大圧力時に開放する副弁体を取付けたことを特徴とし
ている。
【0014】また、ヒンジピンにより軸支される2枚の
半円板状弁体とシートリングとの回動面を面接触させ
て、一次シールを形成すると共に、該シートリングのヒ
ンジピン挿着部に軸封機構を設けて二次シールを形成
し、2枚一対の半円板状弁体に上記した2種類の副弁体
を取付けたことを特徴としている。
【0015】また、2枚一対の弁体の外周縁のシートリ
ングへの着座面を傾斜面とすると共に、該弁体の直径方
向の着座面を平面とし、各弁体の背面のほぼ中央部に、
弁開放時に互いに当接する凸部を設け、2枚一対の半円
板状弁体に上記した2種類の副弁体を取付けたことを特
徴としている。
【0016】また、中空円筒状本体の全内周面に挿嵌さ
れるシートリングの両端面を軸方向に拡大延長して当該
弁の配設時にガスケットの役割をさせると共に、該シー
トリングの両端面を直径方向に拡大してヒンジピン部及
びストップピン部からの流体の外部漏洩を防止し、2枚
一対の半円板状弁体に上記した2種類の副弁体を取付け
たことを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に記載した実施例を用いて説明する。図1は、本発明の
一実施形態を示すデュアルプレート逆止弁の全閉状態
(Y−Y線の左側)と全開状態(Y−Y線の右側)を示
す断面図である。
【0018】図において、21は中空円筒形状の本体で
あって、円筒状の流体通路22が貫通して形成されてお
り、図示しない配管パイプのフランジ間に挟持して配設
されるウエハー形の構造を有している。本体21の流体
通路22の中央には、本体21を直径方向に横断して固
定されたヒンジピン23を介して2枚一対の半円板状の
弁体24(24a,24b)が回動自在に軸支されてい
る。弁体24は、ヒンジピン23に巻装されたばね25
の弾発力を受けて常時閉弁する方向に付勢されており、
また該ヒンジピン23と平行してストップピン26が設
けられていることは従来のもの(図6)と変りはない。
【0019】本発明では、上記中空円筒形状の本体21
の両端部は、中間部に比較してやや肉厚にして断面形状
より補強すると共に、全内周面に、補強材27と一体加
硫成形したゴム、軟弾性の合成樹脂等の弾性材料からな
るシートリング28が挿嵌(嵌め込んで装着)されてい
る。この挿嵌されるのに好ましいように本体21の内周
面の全面または両端部のみ精度を上げて加工してもよ
く、またこのことは、本体21の内周面に接する補強材
27の外面に適用してもよく、或いは該補強材27の端
部を除く中間部を凹ませてもよい。
【0020】上記のように補強材27にシートリング2
8の弾性材を一体加硫成形することでシートリング(弁
座)が完成するが、該シートリング28は、その入口部
28aと出口部28bの中間部の内側に、閉弁時、上記
2枚の弁体24の外周縁部の傾斜面24cと当接着座す
る傾斜した弁座部28cを一体に形成し、本体21の入
口・出口端面に延び、図示しない配管パイプのフランジ
間に挟持して配設される時にフランジガスケットの役目
をするようになっている。シートリング28の入口側流
体通路22のシートリング入口部28a及び出口部28
bの弾性材料の厚みは、上記傾斜部28cと比較して薄
肉にしてもよい。また、上記シートリングの傾斜部28
cの傾斜面28dの当接角度は、60°内外であり、弁
体24の着座による面圧並びに衝撃を補強材27の傾斜
面27aと共に吸収するようになっている。上記傾斜角
度を60°とすると、弁体周縁部24cの傾斜角度は6
0°よりやゝ大きく加工することにより、当接部がシー
トリングの傾斜面28dの上方となり、且つ当接面が少
なくなって、シール性を確実なものにしている。
【0021】上記のように、弁体の着座はばねの付勢と
二次側圧力の逆流等によるため、傾斜面28dへの振
動、衝撃等を考慮して他の部分より肉厚に形成されてお
り、同時に補強材傾斜部27aも同形にして一体に形成
されている。
【0022】上記のように、図示しない配管フランジと
のシートリング接続部28eは、配設時の相手フランジ
面と当接する部分であり、円筒部から曲折して成形され
る。該部の外形は、図1(b)に拡大して示すように、
補強材27より若干大きく、仮にヒンジピンやストップ
ピンのピン部23,26から流体が漏洩した場合の外部
漏洩防止のためのパッキン的役割を果している。また、
本体21の軸方向の巾よりαだけ延出して形成されてお
り、配設時の図示しない配管フランジ間のガスケットの
役割をなし、これにより、通常用いられる副資材(ガス
ケット)を不要にしてコスト低下を図っている。
【0023】なお、シートリング28の弾性材料は、流
体条件により変更取替え可能なように耐食・耐熱性のあ
るEPDM、耐油性のあるNBR、耐酸性のあるIIR
及び耐候性のあるCR等の材質を準備しており、またシ
ートリング28の内周面の表面硬度は、JIS・Aスプ
リング硬さでHS70〜90、好ましくはHS80内外
である。
【0024】上記シートリング28の内側に取付けられ
る弁体24は、2枚の半円板状の弁体24a,24bと
からなり、これら両弁体の基部を背面側に変位(シフ
ト)してそれぞれ形成された複数の軸受ボス29a,2
9b(図2に示された実施例では、弁体24aの軸受ボ
ス29aは、直径方向(ヒンジピン23の方向)の外側
に配設され、弁体24bの軸受ボス29bはその内側に
配設されている。)を、本体21に固定して取付けられ
たヒンジピン23に挿通して回動自在に軸支されてお
り、流体通路22の入口(図1で下部)から流入した流
体の圧力によって、出口方向に図1の右側弁体24bの
ように回動されて両弁が同時に開弁し、流路22が開放
されるようになっている。
【0025】この開弁時において、弁体自身の回り過ぎ
防止のためにストップピン26が設けられているが、弁
体ボス部座24dのストップピン当接直前に、弁体の背
面24eのほぼ中央部に一体に形成された凸部24fが
先に当接するようにし、ストップピン26部への振動、
衝撃等を緩和している。また該凸部24fは、弁体加工
時における切削用爪としても使用することができ、これ
により、弁体外周傾斜面24cの精度向上を図ることが
できる。また本発明では、上流側に従来の中央リブ(支
柱部)(図6の7)を設けておらず、全開時流体が直接
弁体ボス部29の前面に沿って2分されるように構成さ
れている。
【0026】一方、弁体の閉弁時には、両弁体24a,
24bの外周縁に形成された傾斜面24cが、弾性シー
トリング28の内側に一体に形成された弁座傾斜部28
cの傾斜面28dに当接着座するようになっているが、
この際、2枚一対の弁体24a,24bのヒンジピン2
3と平行した直径方向の端面に、閉弁時、互いに当接す
るように形成されたフラット状の着座平面24g同士の
当接により、閉弁時、前記弁体周縁部の傾斜面24cと
シートリング28の傾斜面28dとの面圧並びに衝撃を
緩和する役割を果すようになっている。
【0027】上記両弁体24a,24bを閉弁方向に付
勢するばね25は、図2に示すように、両弁体の軸受ボ
ス29a,29bが設けられていないヒンジピン23の
中央部に互いに対向するようにして巻装され、ばね25
と軸受ボス29b並びにばね25同士が、回動時それぞ
れ隣接干渉するのを防止するために、ブッシュ30aと
30bを挿着して円滑な弁体24の回動を図っている。
【0028】更にまた、2枚一対の半円板状弁体24に
は、複数の開孔が設けられており、該開口部の一つに、
図5(a)に示すような、コイルばね31aによって閉
鎖方向に付勢された、入口側流体が微小圧力時に開放す
る副弁体31が取付けられており、他の開口部には、図
5(b)に示すような、コイルばね32aによって閉鎖
方向に付勢された、出口側流体が過大圧力時に開放する
副弁体32が取付けられている。
【0029】上記した図5(a)に示す副弁体31は、
出口側に配置され、弁体24の開口部に嵌着され流体流
路31bを有する弁棒ガイド31cを貫通する弁棒31
dによって支持され、該弁棒31dの周りに巻装された
ばね力の弱いコイルばね31aによって、上記開口周辺
部に形成された弁座31eに常時当接されている。図に
おいて、31fは六角ナット、31gは割りピンであ
る。
【0030】図5(b)に示す副弁体32も、該副弁体
32が入口側に配置され、且つばね力の強いコイルばね
32aを有すること以外、上記した副弁体31と同一の
構成部品で構成されている。
【0031】上記した副弁体31と副弁体32は、通
常、図1(a)の弁体24aに示されたC部と、弁体2
4bに示されたD部にそれぞれ設けられるが、2枚の弁
体24a,24bの何れか一方の弁体に、2種類の副弁
体31と32を並設してもよく、又、これら2種類の副
弁体31と32を2枚の弁体24a,24bの何れにも
設けてもよい。
【0032】また、ヒンジピン23を介して回動する弁
体24のボス部平面24hは、シートリング28の面接
触部28fと面接触し、一次シール的役割をすると共
に、ヒンジピン23が垂直時においてスラスト軸受的役
割をする。また、ヒンジピン23やストップピン26と
の嵌合面周方向に形成される断面台形の軸封部28g
(図3)は、各ピン23,26の軸封作用をすると同時
に、閉弁或いは開弁時における振動、衝撃等を緩和する
役割をしている。
【0033】また、これらのピン23,26の両端部を
支持する補強材27の該支持部に設けられる軸受33
は、これらのピンが水平時におけるラジアル軸受的役割
をしている。なお、図1(a)において、24jは弁体
の正面、24kは弁体の回動軌跡を示す。
【0034】図3は、図2のA部(ボス部)の要部拡大
断面図で、Y−Y′線の左側イは、ヒンジピン23を挿
入した組立状態を示し、同右側ロは、ヒンジピン23を
挿入する前の状態を示している。
【0035】また図4は、図2のA部の他の実施例を示
す要部拡大断面図で、Y−Y″線の左側ハでは、ヒンジ
ピン23の端部を支持する補強部材27に設けられた軸
受33の下端面と、シートリング28及びヒンジピン2
3の三者に接するようにしてOリング34が設けられ、
該ピン23部の軸封作用を行なっている。また同Y−
Y″線の右側ニでは、補強材27を貫通するヒンジピン
23の周面にOリング34を設けて該ピン部の軸封作用
を行なっている。以上は、ヒンジピン23について説明
したが、ストップピン26についても同様である。
【0036】一方、釣りボルト35は、各ピン23,2
6と同方向に本体に固着されており、配設時に各ピンの
方向性(垂直又は水平)を確認できるようにしている。
一般に、水平配管において、各ピンを水平方向にして配
設する場合には、上方部にある弁体と下方部にある弁体
との作用力は同一でなく、同時に弁体の開閉を行なうた
めにはばね力を異ならせる必要があり、実際の仕様条件
に対して問題を生じる場合がある。
【0037】これに対して、同様に水平配管において各
ピンを垂直方向にして配設した場合には、弁体が左右対
称に配置されることになり、弁体への作用力は同一とな
り、この結果弁の開閉も同じであり、問題を生じること
が少ない。又垂直配管における配管時には、各ピンは水
平方向になるが問題の発生はない。
【0038】これらの説明において、各ピンが垂直又は
水平方向に配設されるために、弁体自重及び受圧力を受
けるように弁体とシートリングとを面接触部28fのス
ラスト受けとし、又、水平時には前記したようにシート
リング補強材27部に軸受33を挿嵌して各ピンへの荷
重を受けている。
【0039】中空円筒状本体21を、金属製剛性材料に
よって形成する外、非金属製材料、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂お
よび、エポキシ、フェノール等の熱硬化性樹脂によって
形成することができる。また、上記の樹脂材料にガラス
繊維や炭素繊維を加え強度を一層高めることができる。
また、補強材27は、通常は金属製剛性材料によって形
成する外、非鉄金属製材料で構成される。
【0040】上記した実施形態(実施例)によれば、剛
性材料からなる本体21の全内周面に補強材27と一体
加硫成形した弾性材からなるシートリング28を挿嵌し
たことにより、腐食性流体にも適用され、広範囲の流体
仕様に対応できると共に、弾性材と補強材とを一体加硫
したことにより、円筒部と傾斜部との肉厚の変化が自由
に設定でき、また一体加硫による補強的効果等、各部材
の特性を発揮し、相乗効果がある。また、部品としての
量産効果によるコスト利点があり製品全体の廉価につな
がり、また、損傷可能性の高いシートリングや弁体等の
部品の組立及び交換が容易である。
【0041】従来弁の入口部に設けられた本体直径方向
の支柱部(中央リブ)を除去し、閉弁時における弁体の
着座部を平面当りから傾斜面28dに形成したことによ
り、流体通路22も拡大され、圧力損失(流体抵抗)を
減ずることができる。
【0042】また、ヒンジピン23とストップピン26
の両端部をシートリングの補強材27によって支持し、
これら両ピンの両端部を本体21の内側に軸支したこと
により、これら両ピンの軸封部が本体21の内部に形成
されることになり、外方から封栓等を用いなくて済むの
で、流路外への漏洩を確実に防止すると共に、これらの
両ピンに作用する振動、衝撃等の緩衝的効果の2役を果
すことができる。
【0043】また、ヒンジピン23により軸支される2
枚の半円板状弁体24とシートリング28との回動面を
面接触28fさせて一次シールを形成すると共に、該シ
ートリング28のヒンジピン挿通部に軸封機構28gを
設けて二次シールを形成したことにより、弁体のスラス
ト軸受作用及びヒンジピンに沿った外部漏洩を防ぐこと
ができる。
【0044】また、弁体24の直径方向の着座面24g
を平面としたことにより、閉弁時におけるシートリング
の傾斜面28dへの逆流圧力による過大衝撃を緩和し、
また弁体24a,24bの背面24eのほぼ中央部に、
弁開放時に互いに当接する凸部24fを設けたことによ
り、全開時において両ボス部座24dがストップピン2
6に当接する直前に凸部24f同士が当接し、ストップ
ピン26の衝撃振動等を防止すると共に、ピン部からの
外部漏洩の軽減を図ることができる。他方、上記両ボス
部座24dにより、弁体外周等の切削加工時の切削用座
としても代用することができる製造(加工)方法として
の利点もある。このことは、凸部24fについても同様
である。
【0045】また、シートリング28の接続部28eを
本体21の巾より若干大(α+α)としてガスケットの
締め代により配設時のガスケット的役割をなし、同様
に、上記接続部28eの外径寸法を本体21の内径寸法
より若干大として、ピン部23,26から仮に漏洩した
流体を本体外に漏れるのを防止する。
【0046】更に又、2枚一対の半円板状弁体に2種類
の副弁体31,32を取付けたことにより、図5(a)
において、入口側の微小圧力は流体通路31bを通過
し、副弁体31の裏面(背面)に作用する面圧力がコイ
ルばね31aの閉弁方向への付勢力より勝った時に開弁
し、弁座31eより流体が入口側より流体通路22へ流
出する。この際、コイルばね31aの力は開弁圧力の如
何により計算されて製作される。なお、該ばね31aは
六角ナット31fにより保持され、割ピン31gで固着
される。このように該弁31のばね31aは軟い目に設
定される。
【0047】一方、図5(b)に示す副弁体32は、定
格圧力以上の過大圧力時に、上記と同様の作用により開
弁し、出口側(二次側)より流体通路22の一次側へ流
出させる。又ばね32aのばね力は、上記ばね31aと
比較して硬い目に設定される。このようにして、弁体等
の槌打現象(チャタリング)並びに水撃防止(ウォータ
ハンマ)を防止し、弁の損傷を防止することができる。
【0048】また、本体を非金属製材料にすることによ
り、より一層の軽量化、量産化、及び美的感覚を図るこ
とができ、又着色顔料を混合しておくことにより製品後
の塗装作業を省略することができる。
【0049】なお、2枚一対の半円板状弁体の外周縁を
傾斜面にする代りに、従来例(図5)におけるようにフ
ラット状の平面弁座にすることもできるが、この場合、
弁座部の開口率は、従来例同様に、上記した実施例のも
のより劣ることになる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
剛性材料からなる中空円筒状本体の流体通路を直径方向
に横切って設置されたヒンジピンとストップピンと、該
ヒンジピンに回動自在に軸支され、本体の流体通路を選
択的に開放又は閉鎖する2枚一対の半円板状の弁体と、
該弁体を常時閉鎖方向に付勢するばねとを備えたデュア
ルプレート逆止弁において、中空円筒状本体の全内周面
に、補強材と一体加硫成形した弾性材からなるシートリ
ングを挿嵌し、上記ヒンジピン及びストップピンの両端
部を、上記シートリングの補強材によって支持し、これ
らヒンジピン及びストップピンの両端部を本体の内側に
軸支し、上記2枚一対の半円板状の弁体に複数の開口部
を設け、該開口部に、ばねで閉鎖方向に付勢され入口側
流体が微小圧力時に開放する副弁体と、ばねで閉鎖方向
に付勢され出口側流体が過大圧力時に開放する副弁体を
取付けたことにより、次のような効果が奏される。
【0051】(i)腐食性流体にも適用され、広範囲の
流体仕様に対応することができる。
【0052】(ii)弾性材と補強材とを一体加硫したこ
とにより、円筒部と傾斜部との肉厚の変化や、一体加硫
による補強的効果等、各部材の特性を発揮し相乗効果が
ある。
【0053】(iii) ヒンジピンとストップピンの軸封部
が本体の内部に形成されることになり、外方から封栓等
を用いなくても済むので、流路外への漏洩を確実に防止
すると共に、これら両ピンに作用する振動・衝撃等の緩
衝的効果の2役を果すことができる。
【0054】(iv)入口側流体が微小圧力時に開放し、
弁体等の槌打現象を防止する微小圧力開放弁的効果で弁
の損傷を防止し、また、出口側流体が過大圧力時に開放
し、弁体等の水撃現象を防止する逃し弁又バイパス弁的
効果により弁の損傷を防止することができる。
【0055】(v)部品としての量産効果によるコスト
利点があり、製品全体の廉価につながり、また損傷可能
性の高いシートリングや弁体等の本体以外の部品を予め
組み立てておき、それを本体に挿入することにより、組
立が容易に行われる。
【0056】また、ヒンジピンにより軸支される2枚の
半円板状弁体とシートリングとの回動面を面接触させて
一次シールを形成すると共に、該シートリングのヒンジ
ピン挿通部に軸封機構を設けて二次シールを形成し、2
枚一対の半円板状弁体に上記した2種類の副弁体を取付
けたことにより、上記した効果(i)〜(v)に加え、
ヒンジピンに沿った流体の外部漏洩を防止すると共に、
弁体のスラスト軸受効果並びに補強材の支持部によるラ
ジアル軸受効果を有する。
【0057】また、2枚一対の弁体の外周縁のシートリ
ングへの着座面を傾斜面とすると共に、該弁体の直径方
向の着座面を平面とし、各弁体の背面のほぼ中央部に、
弁開放時に互いに当接する凸部を設け、2枚一対の半円
板状弁体に上記した2種類の副弁体を取付けたことによ
り、上記した効果(i)〜(v)に加え、従来弁の入口
部に設けられていた支柱部の除去と相俟って傾斜面に形
成された着座部により、流路中の開口率を高めると共
に、より効果的なシールを発揮することができる。ま
た、弁体の直径方向の着座平面により、閉弁時における
シートリングの傾斜面の過大衝撃を緩和すると共に、各
弁体背部に設けた凸部により、全開時におけるストップ
ピン部での衝撃振動等を防止することができる。
【0058】また、中空円筒状本体の全内周面に挿嵌さ
れるシートリングの両端面を軸方向に拡大延長すると共
に、シートリングの両端面を直径方向に拡大し、2枚一
対の半円板状弁体に上記した2種類の副弁体を取付けた
ことにより、上記した効果(i)〜(v)に加え、配設
時、配管フランジに対するガスケット的役割を果すと共
に、ピン部から仮に漏洩した流体を本体外に洩れるのを
防ぐ効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態(実施例)を示す
デュアルプレート逆止弁の全閉状態(左側)と全開状態
(右側)を示す断面図であり、(b)は図(a)のB部
の要部拡大断面図である。
【図2】上半部は図1のII−II線断面図で全閉状態を示
し、下半部は図1の上面図で同じく全閉状態を示す。
【図3】図2のA部の要部拡大断面図で、Y−Y′線左
側のイはヒンジピン組立後の状態を示し、同右側のロは
ヒンジピン組立前の状態を示す。
【図4】図2のA部の他の実施例を示す要部拡大断面図
で、Y−Y″線の左側ハと同右側ニは異った実施形態を
示す。
【図5】(a)は副弁体を出口側に設ける微小圧力開放
弁の断面側面図であり、(b)は副弁体を入口側に設け
る過大圧力開放弁の断面側面図である。
【図6】従来例を示し、(a)は一部断面正面図、
(b)は断面側面図である。
【図7】異った従来例を示し,(a)は正面図、(b)
は要部断面側面図である。
【符号の説明】
21 本体 22 流体通路 23 ヒンジピン 24,24a,24b 弁体 24c 外周傾斜面 24d ボス部座 24e 背面 24f 凸部 24g 直径平面 24h ボス部平面 25 ばね 26 ストップピン 27 シートリング補強材 27a 補強材傾斜部 28 シートリング 28a シートリング入口部 28b シートリング出口部 28c シートリング傾斜部 28d シートリング傾斜面 28e 接続部 28f 面接触部 28g 軸封部 29,29a,29b ボス部 30a,30b ブッシュ 31,32 副弁体 31a,32a コイルばね 31b,32b 流体通路 31c,32c 弁棒ガイド 31d,32d 弁棒 31e,32e 弁座 31f,32f 六角ナット 31g,32g 割りピン 33 軸受 34 Oリング 35 釣りボルト

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性材料からなる中空円筒状本体の流体
    通路を直径方向に横切って設置されたヒンジピンとスト
    ップピンと、該ヒンジピンに回動自在に軸支され、本体
    の流体通路を選択的に開放又は閉鎖する2枚一対の半円
    板状の弁体と、該弁体を常時閉鎖方向に付勢するばねと
    を備えたデュアルプレート逆止弁において、中空円筒状
    本体の全内周面に、補強材と一体加硫成形した弾性材か
    らなるシートリングを挿嵌し、上記ヒンジピン及びスト
    ップピンの両端部を、上記シートリングの補強材によっ
    て支持し、これらヒンジピン及びストップピンの両端部
    を本体の内側に軸支し、上記2枚一対の半円板状の弁体
    に複数の開口部を設け、該開口部に、ばねで閉鎖方向に
    付勢され入口側流体が微小圧力時に開放する副弁体と、
    ばねで閉鎖方向に付勢され出口側流体が過大圧力時に開
    放する副弁体を取付けたことを特徴とするデュアルプレ
    ート逆止弁。
  2. 【請求項2】 ヒンジピンにより軸支される2枚の半円
    板状弁体とシートリングとの回動面を面接触させて一次
    シールを形成すると共に、該シートリングのヒンジピン
    挿通部に軸封機構を設けて二次シールを形成したことを
    特徴とする請求項1記載のデュアルプレート逆止弁。
  3. 【請求項3】 2枚一対の弁体の外周縁のシートリング
    への着座面を傾斜面とすると共に、該弁体の直径方向の
    着座面を平面とし、各弁体の背面のほぼ中央部に、弁開
    放時に互いに当接する凸部を設けたことを特徴とする請
    求項1又は2記載のデュアルプレート逆止弁。
  4. 【請求項4】 中空円筒状本体の全内周面に挿嵌される
    シートリングの両端面を軸方向に拡大延長して当該弁の
    配設時にガスケットの役割をさせると共に、該シートリ
    ングの両端面を直径方向に拡大してヒンジピン部及びス
    トップピン部からの流体の外部漏洩を防止したことを特
    徴とする請求項1ないし3の何れか1項記載のデュアル
    プレート逆止弁。
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