JP3075686U - 椅 子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】公園や遊園地等に腰掛や遊具として設置される
造形物を大人の鑑賞にも耐え得るような造形美を有した
ものにすると同時に、その造形美をいささかも損なうこ
となく、腰掛としての機能美も有したものにする。 【解決手段】全体が花の形に象られると共に、その花弁
（ｆ_１〜ｆ_５）を背板（１）や前脚（４、５）とし、花
弁が着生する花床（ｇ）を後脚（６）とした背もたれ椅
子に成形されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、公園、遊園地、保育園、幼稚園、学校等に設置する腰掛や遊具とし て、あるいは店舗のディスプレイ等として好適な椅子に関する。

【０００２】

【従来の技術】

公園や遊園地、幼稚園等には、子供達が腰掛や遊具として楽しく使えるように 動植物や乗物、アニメ・キャラクター等の形を象ったコンクリート製あるいはプ ラスチック製の造形物が設置されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この種の造形物は、専ら動植物や乗物等の具象的モチーフを忠実に象った形状 とすることに設計の主眼が置かれ、腰掛としての設計的配慮は殆どなされていな い。これは、腰掛としての諸機能を付与するような設計にすると、必然的に背板 や座板、肘掛などを有する椅子の形となり、動植物や乗物等の具象的モチーフを 象った形状とすることが困難になるからである。

【０００４】したがって、動植物の形を象った従来の造形物は、幼児を楽しませ るための遊具か単なるオブジェにすぎないものが大半で、大人の鑑賞に耐え得る ような造形美と、腰掛としての機能美とを兼備するものは殆どなかった。

【０００５】ところで、近時は、環境保全のために廃プラスチックの回収・再生 利用が提唱されているが、回収した廃プラスチックの用途は未だ少なく、その再 生利用が十分に図られていないのが実情である。

【０００６】そこで本考案は、公園や遊園地等に腰掛や遊具として設置されるプ ラスチック成形可能な造形物に着目し、その需要を増大させて廃プラスチックの 再生利用を促進するために、これを大人の鑑賞にも耐え得る造形美と、腰掛とし ての機能美とを兼備した有用性の高いものにすることを技術的課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために、本考案は、三以上の花弁を有する花の形に象られ た椅子であって、少なくとも一つの花弁を背板とし、二以上の花弁を前脚とし、 花弁が着生する花床を後脚とする背もたれ椅子に成形されていることを特徴とす る。

【０００８】この椅子は、花の形を忠実に象った造形物でありながら、背板や、 前脚、後脚を有した背もたれ椅子の形を呈している。つまり、花の形を全く損な うことなく、これをそのまま背もたれ椅子の形とする斬新な創意工夫が施されて いる。

【０００９】したがって、大人の鑑賞にも耐え得る造形美と、腰掛としての機能 美とを兼備した椅子として、多大な需要が見込める。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施形態を図面によって具体的に説明する。 図１は本考案に係る椅子の一例を示す斜視図、図２はその側面図である。

【００１１】本例に示す椅子は、プラスチック成形によって、全体が五つの花弁 ｆ_１〜ｆ_５を有するゆりの花の形に象られると同時に、その一つの花弁ｆ_１を背 板１とし、該花弁ｆ_１の左右両側に形成された二つの花弁ｆ_２及びｆ_３を肘掛２ 及び３とし、残る二つの花弁ｆ_４及びｆ_５を前脚４及び５とし、それら五つの花 弁ｆ_１〜ｆ_５が着生する花床（花托）ｇの部分を後脚６とする背もたれ椅子に成 形されている。

【００１２】また、椅子の前脚４及び５とする花弁ｆ_４及びｆ_５の上には、花の 中心部から水平方向に突出するプラスチック製の座板７が載設されている。

【００１３】なお、各花弁ｆ_１〜ｆ_５は、例えば白色あるいは赤色等に着色した プラスチックで成形されている。また、座板７は、黄色あるいはオレンジ色等に 着色したプラスチックで成形されて、あたかも花の雄しべや雌しべの如き外観を 呈している。

【００１４】これにより、椅子全体が、五弁のゆりの花を象った造形物として、 その造形美を呈すると同時に、ゆりの花の各花弁ｆ_１、ｆ_２、ｆ_３、ｆ_４、ｆ_５ が、各々椅子の背板１、肘掛２及び３、前脚４及び５となり、また、花弁ｆ_１〜 ｆ_５を着生させる花床ｇが、後脚６となって、背もたれ付きの三脚椅子を構成す るため、ゆりの花としての造形美を損なうことなく、腰掛としての機能美も呈す る。

【００１５】したがって、本考案の椅子は、幼児のみならず、大人にとっても十 分魅力的な外観を呈するので、公園や遊園地等に腰掛や遊具として設置する造形 物や、店舗のディスプレイ等としても有用性が高く、多大な需要が見込める。

【００１６】また、本考案の椅子は、アルミ合金等の金属やコンクリートで成形 しても良いが、これを廃プラスチックで成形すれば、その廃プラスチックの再生 利用を促進して環境保全に資することができる。

【００１７】なお、花弁の数は花の種類によって異なるが、少なくとも三以上の 花弁を有する花であれば、背もたれ椅子に成形することができる。また、花弁の 数が著しく多い花の形を象る場合は、背板とする花弁の数や、前脚とする花弁の 数も必然的に多くなる。

【００１８】また、椅子の大きさや、花の形によっては、前脚の上に座板を載設 しなくてもその上に腰掛けることができ、且つ座り心地も悪くない場合もあり、 その場合は座板を省略することもできる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案の椅子は、花の形を象った造形物としてその造形美を呈すると同時に、 花の形を全く損なうことなく、背板や、前脚、後脚を有する背もたれ椅子に構成 されて、腰掛としての機能美をも呈する。

【００２０】したがって、公園や遊園地等に腰掛や遊具として設置される造形物 や、店舗のディスプレイ等として多大な需要が見込めるので、これを廃プラスチ ックで成形することによりその廃プラスチックの回収・再生利用が促進されて、 環境保全に資することができるという大変優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る椅子の一例を示す斜視図

【図２】図１に示す椅子の側面図

【符号の説明】

１……………背板 ２……………肘掛 ３……………肘掛 ４……………前脚 ５……………前脚 ６……………後脚 ７……………座板 ｆ_１……………花弁 ｆ_２……………花弁 ｆ_３……………花弁 ｆ_４……………花弁 ｆ_５……………花弁 ｇ……………花床（花托）

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】三以上の花弁を有する花の形に象られた椅
   子であって、少なくとも一つの花弁（ｆ_１）を背板
   （１）とし、二以上の花弁（ｆ_４、ｆ_５）を前脚（４、
   ５）とし、花弁が着生する花床（ｇ）を後脚（６）とす
   る背もたれ椅子に成形されていることを特徴とする椅
   子。
2. 【請求項２】背板（１）とする花弁（ｆ_１）の左右両側
   に、肘掛（２、３）とする花弁（ｆ_２、ｆ_３）が形成さ
   れている請求項１記載の椅子。
3. 【請求項３】前脚（４、５）とする花弁（ｆ_４、ｆ_５）
   の上に、花の中心部から水平方向に突出する座板（７）
   が載設されている請求項１又は２記載の椅子。