JP3075673B2 - 液晶表示パネル - Google Patents

液晶表示パネル

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JP3075673B2
JP3075673B2 JP06199979A JP19997994A JP3075673B2 JP 3075673 B2 JP3075673 B2 JP 3075673B2 JP 06199979 A JP06199979 A JP 06199979A JP 19997994 A JP19997994 A JP 19997994A JP 3075673 B2 JP3075673 B2 JP 3075673B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示パネルに関し、
特にラビング処理の不要な広視角液晶表示パネルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示パネルの中で、表示品位
の高い画像を得るために各画素に薄膜トランジスタをス
イッチング素子として設けたアクティブマトリクス方式
の液晶表示パネルの開発がさかんであるが、この方式は
単純マトリクス方式に比較して、走査線数が増加しても
高いコントラスト比が得られ、大容量が要求されるエン
ジニアリングワークステーション(EWS)や、鮮明な
画像が要求される映像分野において急速に採用が進んで
いる。
【0003】このようなアクティブマトリクス方式の液
晶表示パネルに広く用いられているのがTN(ツイステ
ッドネマティック)方式である。この方式は、対向する
2枚の基板の間に上下で液晶分子が90度ねじれた構造
の液晶パネルを2枚の偏光板により挟持したものであ
る。また、TN方式の中には前記2枚の偏光軸が互いに
直交し、一方の基板の界面にある液晶分子の長軸方向と
同じ側にある偏光板の偏光軸が平行または垂直の関係に
あるNW(ノーマリホワイト)モードと、前記2枚の偏
光軸が互いに平行で、一方の基板の界面にある液晶分子
の長軸方向と同じ側にある偏光板の偏光軸が平行または
垂直の関係にあるNB(ノーマリブラック)モードがあ
る。
【0004】従来、このような液晶表示パネルでは、液
晶分子の配向方向をパネル全面で揃えるため、液晶表示
パネル基板上にポリイミドなどの高分子有機薄膜を形成
し、ナイロン、ポリエステル布等で所定方向に擦る、い
わゆるラビング処理を行っていた。これにより、パネル
全面に渡り単一配向領域(モノドメイン)を実現するこ
とができる。
【0005】しかし、上記のラビング処理法では、ラビ
ング時に薄膜トランジスタの静電破壊、発塵、または膜
汚染などを引き起こす問題があるため、ラビング処理プ
ロセスの削除を図る開発が行われている。例えば、フォ
トリソグラフィ技術を応用して、基板上にマイクログル
ーブを形成しネマティック液晶を配向させる方式(川田
ら:第17回液晶討論会予稿集、2F108 )などが提案さ
れている。
【0006】さて、液晶表示パネルの用途が拡大し、大
面積化、フルカラー化してくると、アクティブマトリク
ス方式の液晶表示パネルであっても、視角の狭さが表示
品位を落とす項目として特に最近クローズアップされて
きた。
【0007】液晶表示装置では、基板間に電圧を印加す
ることにより、液晶分子はねじれ構造をほどきながら電
界の向きに配列しようとするが、このときの液晶分子の
空間的配列状態によりパネルを通過する光の偏光状態が
変化し、透過光が調光される。たとえばNWモードで
は、電圧無印加時に白表示が、また十分に高い電圧印加
時には黒表示が実現されることになる。ところで、液晶
分子の空間的配列状態が同じ状態(印加電圧一定)であ
っても、液晶層に入射してくる光の入射方向により光の
偏光状態は変化するため、パネルの真正面と比較し観察
する方向により光の透過光強度は異なる。さらに、液晶
パネルの透過光強度は2枚のパネル基板間の液晶層の中
心を通り基板に平行な面(ミッドプレーン)に位置する
液晶分子の配列により決定され、ミッドプレーンの液晶
分子の長軸の傾斜方向と、液晶パネルの透過光観察方向
の位置関係により決定されることになる。
【0008】先にあげたラビング法、フォトリソグラフ
ィ法のいずれの液晶配向処理方式でも、ミッドプレーン
に位置する液晶分子が電界により傾斜する方向がパネル
全面で一定方位であるので、見る角度による複屈折の
差、すなわち通過する光の偏光状態の変化が生じ、コン
トラストや色相が見る角度により大きく異なるという視
野角の課題があった。
【0009】このため近年、アクティブマトリクス方式
の液晶表示パネルでは、視野角の拡大を図る技術の開発
が盛んに行われている。1例として、TN型液晶表示パ
ネルの画素を2つの配向状態の異なる領域(ドメイン)
に分割して視野角の拡大を図る方式(T.Takatoriら:JAP
AN DISPLAY ´92,PP.591,(1992)など)が提案されてい
る。この方式は、画素を2分割して各画素中にミッドプ
レーンに位置する液晶分子が電界により傾斜する方向を
2種類存在させ、視角による複屈折の差を互いに補償す
ることで視野角の拡大を図るものである。上記の方式
は、2つのドメインで視角補償を行うため、相補償型と
よぶことができる。
【0010】しかし、上記の方式では1画素の配向領域
を2分割しなくてはならないために、新たに露光プロセ
スや2度のラビング処理を行う必要があり、プロセスが
複雑になっていた。
【0011】さらに進歩した技術として、ラビング処理
を行わず、同時に視野角の拡大を図る画期的な方式が提
案されている(Y.Tokoら:SID 93 DIGEST,PP.622,(199
3))。この方式ではポリイミド配向膜を塗布した基板間
にラビング処理を行わずに液晶材料をネマティック−ア
イソトロピック相転移温度以上で注入したのち冷却し、
液晶分子をランダムに配向させることで液晶分子の配向
方向の異なる領域(ドメイン)を多数形成し、これによ
り視野角の拡大を図るものである。
【0012】以下に、このラビング処理しない、ランダ
ム配向液晶表示パネルの表示方式について図を参照しな
がら説明する。図7はラビング処理しない、ランダム配
向による液晶表示パネルの無電界時の液晶分子の配向を
示した透視図である。対向する一定の間隙を有するポリ
イミド配向膜が形成された上基板701と下基板702
の間に、自発的にほぼ90度のねじれ角を有するカイラ
ルネマティック液晶をネマティック−アイソトロピック
相転移温度以上で封入したのち室温まで冷却すると、基
板界面の液晶分子は基板上の各々のドメイン間ではとり
得る方位は全く等確率でランダムであるが、一つの液晶
ドメイン内では上基板の液晶分子と下基板の液晶分子は
互いに90度ねじれた構造の多数の液晶ドメイン706
が生成する。
【0013】このパネルでは、ミッドプレーンに位置す
る液晶分子705は最初はほぼ水平に配向しているが、
電圧を印加すると誘電的自由エネルギーが小さくなるよ
うに(誘電率異方性>0)傾斜して行き、高印加電圧で
は垂直方向に立って行く。ミッドプレーンの液晶分子7
05は、上下基板の厚み方向の中央に位置する液晶分子
であるので、90度ねじれ角の場合は丁度全ねじれ角
度、即ち上基板の液晶分子703と下基板の液晶分子7
04のなす角度の1/2の45度ねじれた位置に存在す
る。このミッドプレーンの液晶分子705の電圧印加に
よる傾斜方向が視野角方向を決定するため、一つの液晶
ドメイン内では視野角方向は一定であるが、ランダムな
配向方位を持つこれらの液晶ドメインが1画素の中に十
分多数存在することにより、巨視的には平均化され、種
々の観察方向における透過率強度がほぼ対称となり、視
角依存性がなくなるものである。しかし、上記説明から
分かるように、もし1画素中の液晶ドメインの数が十分
多数でないとき、または各液晶ドメインの配向方位が完
全にランダムでない場合は完全に補償できないので、視
角依存性が残存することになる。
【0014】この方式は一画素中に多数の液晶ドメイン
706を存在させることにより補償を行うので、多補償
型ということができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のラ
ンダム配向による広視野角化の方式では、以下のような
課題があった。
【0016】液晶注入時に液晶流動による流動配向欠陥
を避けるため液晶材料をネマティック−アイソトロピッ
ク相転移温度以上で注入しなければならないので特別な
製造装置が必要であること、また、通常行われている真
空液晶注入法では液晶材料を高温でかつ真空にさらすこ
とになり、液晶材料中の低沸点材料が散逸するため、表
示品位および信頼性が低下してしまうという問題があ
る。
【0017】小型映像表示装置や小型情報端末用の液晶
表示パネルではRGB(Red,Green,Blue)の電極ピッチは
例えば50μm以下のものもあるが、このような微小な
画素内でさらに微小な液晶ドメインを多数かつ安定に存
在させることは困難である。特に、電圧を印加したとき
に生じる線状の配向欠陥(ディスクリネーションライ
ン)はエネルギー的に不安定なため、隣接する液晶ドメ
インどうしが融合してより大きな液晶ドメインに成長し
てしまう傾向がある。
【0018】また、液晶ドメインの大きさがが十分小さ
くないと液晶ディスプレイの表示品位が著しく低下して
しまう。なぜならばドメインが大きいと各ドメイン毎の
透過率の差が目立ってしまうという課題が生じる。これ
は斜め方向から観察したときに最も目立ちやすい。(こ
のドメイン毎の透過率の差がザラツキ感として感じられ
る。) さらに、電界印加時に生じるディスクリネーションライ
ンが黒表示のときの高電圧印加時でも消えにくく、これ
による光抜けがコントラストの低下を招いていた。ま
た、偏光素子の交差角を90度(クロスニコル状態)と
したときに偏光素子自体の視角特性が最も良い状態に配
置できていないという問題もあった。
【0019】本発明は前記従来の問題を解決するため、
ラビング処理を行わずに視野角の拡大を図ると共に、微
小な画素内でそれよりさらに微小な液晶ドメインを安定
に存在させ、配向欠陥を高印加電圧時に消滅しやすく
し、ザラツキ感のない液晶表示パネルを提供することを
目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の液晶表示パネルは、表面に透明電極を有す
る少なくとも一対の透明基板の間に液晶層が存在する液
晶表示パネルであって、前記液晶層は、高さが1μm以
上でかつセル厚よりも低い段差によって区切られた液晶
単位セルからなり、無電電界時に液晶分子は基板に対し
て実質的に水平に配列しており、かつ種々の方位を有す
る液晶ドメインからなるとともに、前記透明基板の外側
に少なくとも一枚の偏光板を備えたことを特徴とする。
前記において、種々の方位とはアト ランダム(at rand
om) な方向をいう。
【0021】前記構成において、段差(以下「段差また
は壁面」ともいう)によって区切られた液晶単位セル
が、高分子と液晶の複合体及び高分子ゲルと液晶の複合
体から選ばれる少なくとも一つの複合体であることが好
ましい。
【0022】また前記構成においては、少なくとも基板
付近では周囲が高分子壁によって包囲されたほぼ円形の
微小単位液晶セルからなり、かつ前記単位液晶セルの液
晶層の厚み方向の中心部を通り基板に平行な面に存在す
る液晶分子が、平行面内の種々の方向に対し実質的に均
等な割合で配向しており、液晶分子が基板界面で基板に
対して実質的に平行に配列しており、前記液晶が正の誘
電率異方性を有するネマチック液晶材料であることが好
ましい。
【0023】また前記構成においては、単位液晶セルの
ほぼ中央部に一つの配向欠陥を有していることが好まし
い。また前記構成においては、液晶層のねじれ角が実質
的に90°であることが好ましい。
【0024】また前記構成においては、配向処理を施さ
ずに種々の方位を有する液晶ドメインを形成させたこと
が好ましい。また前記構成においては、単位液晶セルの
平均直径が液晶層の厚み以上であり、かつ画素ピッチ以
下であることが好ましい。
【0025】また前記構成においては、偏光板の交差角
がほぼ90°であることが好ましい。また前記構成にお
いては、液晶材料の自発ピッチPと液晶層の厚みdとの
比d/Pが、ほぼ0.25であることが好ましい。とく
に好ましい液晶材料としては、フッソ系のネマティック
液晶材料で、液晶材料の自発ピッチPと液晶層の厚みd
との比d/Pが、ほぼ0.25であるカイラルネマティ
ック液晶材料である。
【0026】また前記構成においては、段差または壁面
によって区切られた液晶単位セルが、一つの画素よりも
小さいことが好ましい。
【0027】た前記構成においては、種々の方位を有
する液晶ドメインからなる液晶表示パネルであって、少
なくとも2枚の偏光板を交差させ、かつ交差した偏光板
の少なくとも一方の偏光軸に視野角方向を有することが
好ましい。
【0028】また本発明の好ましい液晶表示パネルを実
現するには、液晶材料とUV硬化樹脂との混合組成物か
ら光相分離により作ることができる。
【0029】
【作用】本発明によれば、表面に透明電極を有する少な
くとも一対の透明基板の間に液晶層が存在する液晶表示
パネルであって、前記液晶層は、高さが1μm以上でか
つセル厚よりも低い段差によって区切られた液晶単位セ
ルからなり、無電電界時に液晶分子は基板に対して実質
的に水平に配列しており、かつ種々の方位を有する液晶
ドメインからなるとともに、前記透明基板の外側に少な
くとも一枚の偏光板を備えたことにより、ラビング処理
を行わずに視野角の拡大を図ると共に、微小な画素内で
それよりさらに微小な液晶ドメインを安定に存在させ、
配向欠陥を高印加電圧時に消滅しやすくし、ザラツキ感
のない液晶表示パネルを実現できる。
【0030】前記構成において、段差または壁面によっ
て区切られた液晶単位セルが、高分子と液晶の複合体及
び高分子ゲルと液晶の複合体から選ばれる少なくとも一
つの複合体であるという好ましい例によれば、ラビング
処理を行わずに視野角の拡大をさらに図ると共に、微小
な画素内でそれよりさらに微小な液晶ドメインを安定に
存在させ、配向欠陥を高印加電圧時に消滅しやすくし、
ザラツキ感のない液晶表示パネルを実現できる。
【0031】また前記において、少なくとも基板付近で
は周囲が高分子壁によって包囲されたほぼ円形の微小単
位液晶セルからなり、かつ前記単位液晶セルの液晶層の
厚み方向の中心部を通り基板に平行な面に存在する液晶
分子が、平行面内の種々の方向に対し実質的に均等な割
合で配向しており、液晶分子が基板界面で基板に対して
実質的に平行に配列しており、前記液晶が正の誘電率異
方性を有するネマチック液晶材料であるという好ましい
例によれば、さらに視野角依存性を低くできる。
【0032】また前記において、単位液晶セルのほぼ中
央部に一つの配向欠陥を有しているという好ましい例に
よれば、配向欠陥を中心にほぼ放射状、渦巻状、ほぼ同
心円状に液晶が配列するので、さらに視野依存性を低
くできる。
【0033】また前記において、液晶層のねじれ角が実
質的に90°であるという好ましい例によれば、液晶セ
ル全体として光透過率を最も高く維持できる。また前記
において、配向処理を施さずに種々の方位を有する液晶
ドメインを形成させるという好ましい例によれば、コン
トラスト高く、ザラツキ感や階段調反転がなく広い視
野角の液晶セルとすることができる。
【0034】また前記において、単位液晶セルの平均直
径が液晶層の厚み以上であり、かつ画素ピッチ以下であ
るという好ましい例によれば、配向欠陥を成長させず、
ザラツキ感を低減できる。
【0035】また前記において、偏光板の交差角がほぼ
90°であるという好ましい例によれば、交差した偏光
板の一方の偏光軸を視野角方向に持ってくることによ
り、広い視野角とすることができる。
【0036】また前記において、液晶材料の自発ピッチ
Pと液晶層の厚みdとの比d/Pが、ほぼ0.25であ
るという好ましい例によれば、パネルの輝度を高くでき
明るい画面を得ることができる。
【0037】また前記において、段差または壁面によっ
て区切られた液晶単位セルが、一つの画素よりも小さい
ことが好ましい。
【0038】また前記において、段差の高さが1μm以
上でかつセル厚よりも低いと、電圧印加時に中間調レベ
ルで配向欠陥(ディスクリネーション)が生じてもこの
部分で止まり、それ以上成長しない。
【0039】また前記において、種々の方位を有する液
晶ドメインからなる液晶表示パネルであって、少なくと
も2枚の偏光板を交差させ、かつ交差した偏光板の少な
くとも一方の偏光軸に視野角方向を有するという好まし
い例によれば、交差した偏光板の一方の偏光軸を視野角
方向に持ってくることにより、広い視野角とすることが
できる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明の液晶表示パネ
ルをさらに具体的に説明する。図1は本発明による液晶
表示パネルの一実施例による液晶パネルの断面図である
が、少なくとも透明電極103、104上では周囲が高
分子壁110によって包囲された、パネル正面から見た
ときに略円形の単位液晶セルから構成されている。10
9は単位液晶セル:ドメイン(カイラルネマチック液
晶)である。
【0041】図2は上記単位液晶セルの透視図である。
対向する一定の間隙を有する上基板201と下基板20
2の間に、高分子壁203により隣接する液晶セルと配
向を分離して、ネマティック液晶を包容させてある。前
記高分子壁203はネマティック液晶材料と紫外線硬化
樹脂モノマー混合物を紫外線で光相分離することにより
得ることができる。また、光相分離で得た高分子は複屈
折を殆ど有しないため、交差角が90度の2枚の偏光板
で挟んだ場合、高分子壁を通過する光は遮蔽されるの
で、液晶表示パネルのコントラストの低下には影響しな
い。なお208は単位液晶セルである。
【0042】適切な条件で得た上記の単位液晶セルで
は、ミッドプレーン206に位置する液晶分子207は
ミッドプレーン206上で点対称に配向し、典型的には
配向欠陥の特異点209を中心に略放射状、渦巻状、ま
たは略同心円状に配列するようになる。
【0043】ミッドプレーン206の液晶分子207は
最初はほぼ水平に配向しているが、電圧を印加すると誘
電率異方性のため傾斜して行き、高印加電圧ではほぼ垂
直に向かって立つようになる。ミッドプレーン206の
液晶分子207の長軸の傾斜方向で視野角が決定される
ため、ミッドプレーン206上の個々の液晶分子は一定
の方向を向くが、ミッドプレーン206上全体では液晶
分子が対称に存在するため、水平視野角方向における複
屈折の変化に起因する透過率強度の差が完全に平均化さ
れるため、視角依存性がなくなる。
【0044】従来の視野角拡大方式との違いは、先記の
ドメイン多分割方式では透過率強度を補償するのに複数
のドメインを必要とするのに対し、本発明における液晶
表示パネルでは単一の単位液晶セルで視野角補償が可能
なことであり、従来の多補償または相補償型に対して単
補償型と呼ぶことができる。
【0045】図2は、ネマティック液晶として、カイラ
ル材料を適当量添加して上基板201と下基板202の
間で自発的にほぼ左まわりに90度ねじれるカイラルネ
マティック液晶を用いた例を示しており、上基板201
の特定液晶分子204とその直下にある下基板の液晶分
子205はカイラル材料添加のため90度ねじれた関係
にある。ミッドプレーン206の液晶分子207は、上
下基板の厚み方向の丁度中央に位置する液晶分子である
ので、全ねじれ角度90度のちょうど1/2の45度ね
じれた位置に存在している。
【0046】従って、図2のように、上基板201の液
晶分子204が放射状配向をした場合には、ミッドプレ
ーン206の液晶分子207は渦巻状に、また下基板2
02の液晶分子205は同心円上に配列することにな
る。
【0047】また、90度ねじれカイラルネマティック
液晶を用いた場合、一方の基板界面の液晶分子の配向方
式により図2以外の配列もとることができる。図3
(a)は、ミッドプレーン304の液晶分子305が放
射状配向をした場合、また図3(b)はミッドプレーン
309の液晶分子310が同心円状配向をした場合を示
したものであるが、いずれの場合でも、上基板の液晶分
子とその直下にある下基板の液晶分子はミッドプレーン
上の液晶分子に対して、各々相対的に45度ねじれた関
係にある。なお図3(a)(b)において、301,3
06は高分子壁、302,303,307,308は液
晶分子である。
【0048】図4は、液晶材料としてカイラル材料の添
加していないネマティック液晶を使用したときの単位液
晶セル中の液晶分子の配向を示したものである。この場
合液晶材料にねじれ力がないため、上基板の液晶分子、
その直下のミッドプレーン上の液晶分子およびその直下
にある下基板の液晶分子は長軸方向がほぼ同方向を向く
ことになる。
【0049】このようなカイラル材料の添加していない
ネマティック液晶を使用した場合でも、図4からわかる
ように一つの単位液晶セルの中だけで入射光の入射角度
による複屈折の変化を平均化でき、やはり視角を補償可
能である。しかしながら、図4のような液晶分子の配列
では偏光軸に対して液晶分子の長軸が平行または垂直な
液晶分子を通過する光は偏光状態が変化しないので遮蔽
され、単位液晶セル全体としては透過率が90度ねじれ
のものよりは低くなってしまう。図4において、40
1,406,411は高分子壁、402,403,40
7,408,412,413は液晶分子、404,40
6,414はミッドプレーン、405,410,415
はミッドプレーン上の液晶分子である。
【0050】図5は、配向欠陥すなわち特異点が一つで
ないときの単位液晶セルのミッドプレーン上の液晶分子
の配向状態をパネル正面から見た図である。図5におい
て、501は高分子壁、502はミッドプレーン、50
3は液晶分子、504は特異点である。図2〜図4は、
一つの特異点を中心に略放射状、渦巻状、または略同心
円状に配列した場合であったが、図5のような液晶分子
の配列でも、ミッドプレーン全体としては液晶分子の傾
斜方位がほぼ平均化されるため、やはり広視野角化が可
能である。
【0051】さらに、図2〜図5で示した液晶分子配列
以外でも、単位液晶セルのミッドプレーン上に位置する
液晶分子の方位が、単位液晶セル全体としてほぼ均等に
配向しているならば単一の液晶セルで視角を補償でき
る。
【0052】また本発明の偏光子の配置について、以下
図面を用いて説明する。偏光板をほぼ90度に交差した
場合、その視野角特性は図8に示したように、交差した
間の中心角度(Φ=45度、135度、225度、31
5度)が最も視野角特性が悪くなっている。すなわち、
光漏れが多く、コントラストが落ちている。これは90
度に交差した偏光板角度が、斜めからみることによって
交差角度が大きくなってしまい、これにより光漏れが生
じてしまうことによる。
【0053】ここで図8において81は上側の偏光板の
偏光軸、82は下側の偏光板の偏光子であり、太線の曲
線は等コントラスト曲線を示しており、中央に向かうほ
どコントラストが高いことを示している。83は視角方
向である。
【0054】通常の一軸配向処理を施したねじれネマテ
ィック液晶パネルの場合、ミッドプレーン分子はちょう
どねじれ角の1/2(90度ねじれの場合は45度)に
位置する。ミッドプレーン分子の傾斜方向が視野角方向
となるために、90度ねじれで偏光板がクロスニコル配
置の場合は、光導波路として用いるために、液晶層で複
屈折を生じないように入射偏光軸、または吸収軸を基板
上の分子軸と一致させなくてはならない。そのため交差
偏光板の視野角の狭い部分がちょうど90度ねじれネマ
ティック液晶パネルの場合は視野角方向となってしまう
(図8参照)。しかしながら、図7のようなランダム配
向液晶パネルにおいては、入射偏光軸を一致させる必要
はなく、交差偏光板の最も良い視野角方向(どちらかの
偏光板の偏光軸方向)に合わすことができる。
【0055】本発明の液晶表示パネルは、配向膜および
ラビング処理が不要で、注入時にネマティック−アイソ
トロピック相転移点以上の高温に加熱しなくても作製す
ることが可能であり、ディスクリネーションの成長を抑
制することで十分な黒表示が得られる。そのためコント
ラストが高く、ザラツキ感や階調反転のない表示品位の
優れた広視野角の液晶表示パネルを提供できる。
【0056】また90度に交差させた偏光板の一方の偏
光軸を視野角方向にほぼ一致させることで、より広い視
野角を有する液晶表示パネルを提供できる。以下具体的
実施例を説明する。
【0057】(実施例1)以下、本発明の一実施例の液
晶パネルについて図面を参照しながら説明する。一方の
ガラス基板上に透明電極を設けた基板上に水平配向をす
るような配向膜(日本合成ゴム社製ポリイミド配向膜オ
プトマ−AL−2061)を印刷方式で塗布し、温度1
90℃、30分間、クリーンオーブンで硬化した。
【0058】この基板にエポキシ系接着剤をスクリーン
印刷することでシール部を作成した後、積水ファインケ
ミカル社製ミクロパール(平均粒子系5μm)を均一に
散布した。なおラビング等の配向処理は行わなかった。
【0059】また、もう一方の透明電極付基板には段差
を作成するためにネガ型フォトレジストONNR−20
(東京応化社製)をスピンナーによって塗布し、プリベ
ークをおこない、フォトマスクを用いた通常のプロセス
を経て図1に示すような厚みが2.5μmの格子上段差
を作成した。大きさはちょうど1つの画素を4分割する
ように作成した。図9において92は一つの絵素の大き
さ、91は格子状の段差、93は基板、94は液晶の注
入を行い易くするための切れ目である。切れ目の無い閉
ループ構造では注入が行いにくかった。このように作成
した段差付基板上に配向膜を同様に形成した。
【0060】両方の基板を貼合わせた後、約1kg/c
2 の圧力で均一に加圧したまま、150℃で1時間加
熱硬化して空セルを作成した。この空セルにメルク社製
液晶ZL14792にピッチが20μmとなるようにメ
ルク社製カイラル剤S811を調合添加した液晶材料を
先ず作成した。このとき、ねじれ角が90度となるよう
にした。この液晶材料を真空注入法により、上記空セル
に注入した。注入完了後、エポキシ系封止剤で注入口を
封止した。
【0061】このように作成した液晶パネルは良好な視
野角特性を有しており、角度によって反転する部分がな
かった。また電圧印加時に中間調レベルでこのパネルに
おいては配向欠陥(ディスクリネーション)が生じたが
段差の部分で止まってしまい、それ以上成長しなかった
ために殆ど目だたなかった。
【0062】また比較例として段差の無いパネルで実験
したところ、ディスクリネーションは大きく成長し、ド
メインが見えてしまい中間調レベルでのざらつき感があ
った。
【0063】この段差の高さは少なくともセル厚よりも
小さく、好ましくは1μm以上は必要であった。 (実施例2)以下、本発明の一実施例である高分子ある
いは高分子ゲルと液晶との複合体液晶パネルについて説
明する。
【0064】実施例1と同様に配向膜を形成した空パネ
ルを作成した。このとき段差は形成しなかった。実施例
1と同様なピッチのカイラルネマティック液晶作成し、
紫外線硬化型モノマー(日本有機化学社製2−エチルヘ
キシルアクリレート)を5重量%添加し、実施例1と同
様な方法で注入した。この後、紫外線強度200mW/
cm2 で1分間照射してモノマーを高分子化して硬化さ
せた。
【0065】このように作成した液晶パネルは視角が広
く、また電圧印加による中間調表示時にもディスクリネ
ーションは高分子部分で止まって成長せず、良好な表示
品となった。またモノマーとして多官能性のモノマー
(KAYARAD R−604:日本火薬社製)を用い
て、前述の同様な方法で液晶パネルを作成し、UV照射
により硬化し、高分子ゲル化したところ、同様な良好な
視角特性と良好な中間調表示を示した。
【0066】(実施例3)実施例1で比較例として作成
した液晶パネルに偏光板(日東電工社製NPF−G12
29DU)をクロスニコル配置にして貼り付けた。
【0067】このとき、偏光板の交差の仕方は図10の
ように片方の偏光軸1010が視角方向1030に一致
するように設置した。このときの視角依存特性も図10
に示す。このとき偏光板の視角特性が現れ、偏光軸方向
(視角方向)が最も高い良好な視角依存性を示した。ま
た図10において1020はもう片方の偏光板の偏光軸
を示す。
【0068】また比較例として通常の90度ねじれネマ
ティック液晶パネルで行われているように偏光板の交差
角の1/2の角度が視角方向1130となるようにした
場合の視角依存特性を図11に示す(図11において1
110、1120はそれぞれの偏光軸を示す)。図10
と図11を比較すると視角方向の視野角が広くなってい
ることが分かる。ここでは視角方向をφ=0°としてい
る。
【0069】このような効果は実施例1の段差付き液晶
パネル、実施例2の高分子との複合体パネルでも同様に
得られた。なお、図10、図11とも図中の等コントラ
スト曲線において白丸はコントラスト100以上、×は
コントラスト50以上、三角はコントラスト20以上を
それぞれ示している。
【0070】(実施例4)以下、本発明の一実施例を図
を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施例によ
る液晶表示パネルの断面図である。
【0071】インジウム・錫酸化膜からなる透明電極1
03、104を設けた一対の透明ガラス基板101、1
02を5μm径のプラスチック製のスペーサ106(ミ
クロパール:積水ファイン(株))を介して熱硬化型の
シール材105(ストラクトボンド:三井東圧化学
(株))により液晶注入口を設けて貼り合わせ、150
℃で4時間加熱してシール材105を完全硬化させて空
セルを得た。
【0072】次に、液晶材料として屈折率異方性0.0
9のフッ素系ネマティック液晶ZLI−4792(メル
ク社)8.20グラムとUV重合性材料PN393(メ
ルク社)1.80グラム準備し(高分子−液晶混合材料
に対する液晶材料の比は82重量%)、40℃で十分撹
拌し高分子−液晶の均一な混合溶液を調製した。
【0073】この均一混合溶液を40℃のホットプレー
ト上に予め加温してある上記空セルに液晶注入口から注
入し、注入口を封止したのち、40℃で30mW/cm
2 の紫外線で180秒照射し、高分子壁で囲まれた液晶
表示パネルを作製した。
【0074】この液晶表示パネルを直交ニコル状態の偏
光顕微鏡で観察した結果、直径10〜30μmのほぼ円
形状の液晶ドメイン(単位液晶セル)が形成されてい
た。液晶ドメインの中には配向欠陥がほぼ中央に一つ存
在し、そこを中心に4本の黒帯が放射状にでていること
が観察できた。そして、液晶パネルを固定して偏光子お
よび検光子を回転させると、4本の黒帯は偏光子と同じ
方向に同じ角度だけ回転した。また、各液晶ドメインは
厚みが2μm以下の高分子の壁110により完全に仕切
られているが、この高分子の壁自体は光を透過しないた
め、黒枠を形成していた。
【0075】引き続き、このパネルに、30Hzの種々
の電圧の方形波を印加して液晶ドメインを観察すると、
1.5V前後でディスクリネーションラインが高分子壁
に沿って液晶ドメイン側にリング状に発生し始めるが、
電圧を徐々に上げるとそのリングの直径は次第に小さく
なり、約4Vで消滅した。
【0076】次に、この液晶表示パネルの外側に偏光板
107、108を偏光軸が90度交差するように貼り付
け、写真用のライトボックスの上に置き、室温で0〜1
6V、30Hzの種々の電圧の方形波を印加して液晶パ
ネルの点灯状態を観察した。液晶パネルは約1Vで点灯
し始め、5Vでほぼ完全な黒表示が得られた。また、こ
のパネルに30Hz、5Vの方形波を印加したまま種々
の方向から観察したが、どの方向でもザラツキ感の全く
ない、良好な黒表示が得られた。
【0077】図5は、この液晶パネルの、30Hz、0
V印加時および5V印加時のパネル相対輝度−角度特性
曲線である。パネルの輝度は0.2度視野の輝度計BM
−7(トプコン社)により測定した。また、図5におけ
る縦軸の相対輝度とは、正面の電圧無印加時のパネル輝
度を100%として規格化したものである。いま、電圧
無印加時のパネル輝度と30Hz、5V方形波印加時の
パネル輝度の比をコントラスト比と定義すると、このパ
ネルでは正面でのコントラスト比=(電圧無印加時のパ
ネル輝度)/(30Hz、5V印加時のパネル輝度)は
50以上の値が得られた。また、垂直方向および水平方
向について、コントラスト比=5以上を与える角度範囲
を調べた結果、±70度以上あった。さらに、種々の観
察方向においてパネル輝度−電圧特性を測定したとこ
ろ、印加電圧に対してパネル輝度は全て単調に減少し
た。このことは、本パネルはフルカラー表示においても
階調反転のない優れた表示特性を示すことを意味してい
る。
【0078】次に、この液晶パネルを40℃の恒温糟に
放置し、60μs幅、5Vの方形波の交流パルスを33
ms間隔で印加し電圧の減衰状態を時間に対して積分し
て求める電圧保持率を測定した結果、約80%であっ
た。
【0079】(実施例5)屈折率異方性0.09のフッ
ソ系ネマティック液晶ZLI−4792(メルク社)と
UV重合性材料PN393(メルク社)を、高分子−液
晶混合材料に対する液晶材料の比が70重量%〜95重
量%の間で変化させて準備し、十分撹拌し均一な混合溶
液を調製した後、実施例1と同様な方法で液晶表示パネ
ルを作製した。
【0080】これらの液晶パネルの外側に偏光板を偏光
軸が90度交差するように貼り付け、無電界時および3
0Hz、5Vの方形波印加時のパネル輝度を観察した。
その結果、高分子−液晶混合材料に対する液晶材料の比
が80重量%より少ないパネルでは、無電界時のパネル
輝度は実施例1によるパネルの輝度より低く、また、3
0Hz、5Vの方形波印加時のパネル輝度は実施例1に
よるパネルの輝度より明るく、不完全な黒表示しか得ら
れなかった。そこで、高分子−液晶混合材料に対する液
晶材料の比が75重量%の液晶表示パネルを直交ニコル
の顕微鏡で観察した結果、このパネルでは液晶ドメイン
の直径がセル厚である5μmより小さくほぼ球形の液滴
状となり、パネルの厚み方向において液晶と高分子の界
面で屈折率の差による光散乱が生じ、電圧無印加では入
射偏光の撹乱によるパネル輝度の低下を、また、30H
z、5Vの方形波印加時では散乱光の光漏れによるパネ
ル輝度の上昇を起こしていることがわかった。したがっ
て、本発明による液晶表示パネルでは、単位液晶セルの
平均直径は、光散乱を起こさないセル厚以上が好まし
い。
【0081】(実施例6)液晶材料としてカイラル材料
CN(チッソ石油化学製)をセルギャップdにたいして
自発ねじれピッチPがd/P=0.05〜0.5となる
ように濃度調製した屈折率異方性0.09のフッソ系ネ
マティック液晶ZLI−4792(メルク社)とUV重
合性材料PN393(メルク社)を、高分子−液晶混合
材料に対する液晶材料の比が82重量%となるように準
備し、十分撹拌し均一な混合溶液を調製した後、実施例
1と同様な方法で液晶表示パネルを作製した。
【0082】こうして完成した液晶表示パネルの外側に
偏光板を偏光軸が90度交差するように貼り付け、30
Hzの方形波を印加して種々の電圧におけるパネル輝度
を観察した。
【0083】その結果、d/Pが0.25より小さいパ
ネルおよびd/Pが0.25より大きいパネルではパネ
ルの透過率すなわちパネル輝度がd/P=0.25の時
より暗く、また、d/Pが0.25より大きいパネルで
は暗いばかりでなく激しい緑黄色の着色が観察され、表
示品位は良好でなかった。d/Pがほぼ0.25のパネ
ルでは、パネルの明るさ、色味とも優れていた。
【0084】以上、本発明による液晶表示パネルの実施
例を示したが、高分子壁で包囲された略円形の単位液晶
セルを形成するためには必ずしも光相分離による方法を
使用しなくとも良く、例えばフォトリソグラフィーによ
り高分子壁を形成しても同様な結果が得られる。また、
高分子壁は単位液晶セルの液晶配向を分離するのが目的
なため必ずしも上下基板間でつながっている必要はな
く、基板付近にだけ存在していれば良いことは言うまで
もない。
【0085】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、表面
に透明電極を有する少なくとも一対の透明基板の間に液
晶層が存在する液晶表示パネルであって、前記液晶層
は、高さが1μm以上でかつセル厚よりも低い段差に
って区切られた液晶単位セルからなり、無電電界時に液
晶分子は基板に対して実質的に水平に配列しており、か
つ種々の方位を有する液晶ドメインからなるとともに、
前記透明基板の外側に少なくとも一枚の偏光板を備えた
ことにより、ラビング処理を行わずに視野角の拡大を図
ると共に、微小な画素内でそれよりさらに微小な液晶ド
メインを安定に存在させ、配向欠陥を高印加電圧時に消
滅しやすくし、ザラツキ感のない液晶表示パネルを実現
できる。また、配向膜およびラビング処理が不要で、注
入時にネマティック−アイソトロピック相転移点以上の
高温に加熱しなくても作製することが可能であり、十分
な黒表示が得られるためコントラストが高く、ザラツキ
感や階調反転のない表示品位の優れた広視野角の表示が
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による液晶表示パネルの断面
【図2】本発明の一実施例による液晶表示パネルの90
度ねじれ構造を持つ単位液晶セルの液晶分子の配向を示
す概念図
【図3】本発明の一実施例による液晶表示パネルの90
度ねじれ構造を持つ単位液晶セルの別の配向を有する液
晶分子の配向を示す概念図
【図4】本発明の一実施例による液晶表示パネルのねじ
れ構造を持たない単位液晶セルの液晶分子の配向を示す
概念図
【図5】本発明の一実施例による複数の特異点を持つ単
位液晶セルのミッドプレーン上の液晶分子の配向を示す
概念図
【図6】本発明の一実施例による液晶表示パネルの垂直
および水平方向におけるパネル輝度−角度特性曲線図
【図7】従来のランダム配向液晶表示パネルの各ドメイ
ンの液晶分子の配向を示す概念図
【図8】クロスニコル配置の偏光板の視野角特性を示す
模式図
【図9】本発明の実施例1の段差構成を示す模式図
【図10】本発明の実施例3の偏光軸を視角方向に一致
させたクロスニコル配置偏光板におけるランダム配向液
晶表示パネルの視角特性を示す図
【図11】本発明の比較例である視角方向を偏光板のク
ロスニコル配置の真ん中(45度)に合わせたランダム
配向液晶表示パネルの視角特性を示す図
【符号の説明】
101、201 上ガラス基板 102、202 下ガラス基板 103、104 透明電極 105 シール材 106 スペーサ 107、108 偏光板 109 カイラルネマティック液晶 110 高分子 203 高分子壁 204、205、302、303、307、308、4
02、403、407、408、412、413 液晶
分子 206、304、309、404、409、414、5
02 ミッドプレーン 207、305、310、405、410、415、7
05 ミッドプレーン上の液晶分子 208 単位液晶セル 209、504 特異点 301、306、401、406、411、501 高
分子壁 503 液晶分子 701 上基板 702 下基板 703、704 液晶分子 706 液晶ドメイン 81 一方の偏光板の偏光軸 82 他方の偏光板の偏光軸 83 視角方向 91 高糸状の段差 92 一つの要素の大きさ 93 基板 94 液晶を注入するための切れ目 1010,1110 一方の偏光板の偏光軸 1020,1120 他方の偏光板の偏光軸 1030,1130 視角方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 雅夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−301015(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1334

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に透明電極を有する少なくとも一対
    の透明基板の間に液晶層が存在する液晶表示パネルであ
    って、前記液晶層は、高さが1μm以上でかつセル厚よ
    りも低い段差によって区切られた液晶単位セルからな
    り、無電電界時に液晶分子は基板に対して実質的に水平
    に配列しており、かつ種々の方位を有する液晶ドメイン
    からなるとともに、前記透明基板の外側に少なくとも一
    枚の偏光板を備えたことを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 【請求項2】 段差によって区切られた液晶単位セル
    が、高分子と液晶の複合体及び高分子ゲルと液晶の複合
    体から選ばれる少なくとも一つの複合体である請求項1
    に記載の液晶表示パネル。
  3. 【請求項3】 少なくとも基板付近では周囲が高分子
    によって包囲されたほぼ円形の微小単位液晶セルから
    なり、かつ前記単位液晶セルの液晶層の厚み方向の中心
    部を通り基板に平行な面に存在する液晶分子が、平行面
    内の種々の方向に対し実質的に均等な割合で配向してお
    り、液晶分子が基板界面で基板に対して実質的に平行に
    配列しており、前記液晶が正の誘電率異方性を有するネ
    マチック液晶材料である請求項2に記載の液晶表示パネ
    ル。
  4. 【請求項4】 単位液晶セルのほぼ中央部に一つの配向
    欠陥を有している請求項3に記載の液晶表示パネル。
  5. 【請求項5】 配向処理を施さずに種々の方位を有する
    液晶ドメインを形成させた請求項1,2または3に記載
    の液晶表示パネル。
  6. 【請求項6】 単位液晶セルの平均直径が液晶層の厚み
    以上であり、かつ画素ピッチ以下である請求項1,2ま
    たは3に記載の液晶表示パネル。
  7. 【請求項7】 偏光板の交差角がほぼ90°である請求
    項1,2または3に記載の液晶表示パネル。
  8. 【請求項8】 液晶材料の自発ピッチPと液晶層の厚み
    dとの比d/Pが、ほぼ0.25である請求項1,2ま
    たは3に記載の液晶表示パネル。
  9. 【請求項9】 段差によって区切られた液晶単位セル
    が、一つの画素よりも小さい請求項1または2に記載の
    液晶表示パネル。
  10. 【請求項10】 種々の方位を有する液晶ドメインから
    なる液晶表示パネルであって、少なくとも2枚の偏光板
    を交差させ、かつ交差した偏光板の少なくとも一方の偏
    光軸に視野角方向を有する請求項1に記載の液晶表示パ
    ネル。
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