JP3075615B2 - 射出成形機の成形条件設定方法 - Google Patents
射出成形機の成形条件設定方法Info
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- JP3075615B2 JP3075615B2 JP03338521A JP33852191A JP3075615B2 JP 3075615 B2 JP3075615 B2 JP 3075615B2 JP 03338521 A JP03338521 A JP 03338521A JP 33852191 A JP33852191 A JP 33852191A JP 3075615 B2 JP3075615 B2 JP 3075615B2
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- Japan
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- resin
- injection molding
- molding machine
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- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形における最適
な充填速度、計量値、保圧圧力、保圧時間及び冷却時間
等の成形条件を射出成形機に設定する方法に関するもの
である。
な充填速度、計量値、保圧圧力、保圧時間及び冷却時間
等の成形条件を射出成形機に設定する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形品における重量の安定
化、製品の外観の均一化等を図るための最良な成形状態
を得るには、現場サイドにおいて、射出成形品の重量や
外観等を見て適当な成形条件を設定するという固有技術
に頼っていた。
化、製品の外観の均一化等を図るための最良な成形状態
を得るには、現場サイドにおいて、射出成形品の重量や
外観等を見て適当な成形条件を設定するという固有技術
に頼っていた。
【0003】これらの固有技術は、必ずしも、射出成形
品の重量、外観等の安定した最良の成形条件とはいえる
ものではなく、不良品が生じてロスが大きいという問題
点があった。
品の重量、外観等の安定した最良の成形条件とはいえる
ものではなく、不良品が生じてロスが大きいという問題
点があった。
【0004】しかして、この問題点に鑑み、金型内の樹
脂に向けて発信された超音波の反射波を利用して金型内
の樹脂の挙動を観察し、成形条件の設定に利用する提案
がなされている。
脂に向けて発信された超音波の反射波を利用して金型内
の樹脂の挙動を観察し、成形条件の設定に利用する提案
がなされている。
【0005】例えば、特開昭60─247511号公報
には、金型内のプラスチックの温度及び挙動を超音波を
使用して検出する方法が記載され、特開平1─1965
61号公報には、固化物の固化状態を超音波により検出
する方法が記載され、特開平3─61018号公報に
は、金型内のゲート内の樹脂に向けて発信した超音波の
速度変化もしくは振幅変化を設定条件と比較し、設定条
件に到達した時点で保圧を解除する方法が記載され、特
開平3─110116号公報には、金型内の樹脂に向け
て発信した超音波の速度変化の測定値を予め設定された
良品成形時に得られる設定値と比較し、設定値に到達し
た時点を冷却時間とする方法が記載され、特開平3─1
10117号公報には、金型内のゲート内の樹脂に向け
て発信した超音波の速度変化を良品成形時の設定速度値
と比較し、設定速度に達した時点を保圧時間とする方法
が記載されている。
には、金型内のプラスチックの温度及び挙動を超音波を
使用して検出する方法が記載され、特開平1─1965
61号公報には、固化物の固化状態を超音波により検出
する方法が記載され、特開平3─61018号公報に
は、金型内のゲート内の樹脂に向けて発信した超音波の
速度変化もしくは振幅変化を設定条件と比較し、設定条
件に到達した時点で保圧を解除する方法が記載され、特
開平3─110116号公報には、金型内の樹脂に向け
て発信した超音波の速度変化の測定値を予め設定された
良品成形時に得られる設定値と比較し、設定値に到達し
た時点を冷却時間とする方法が記載され、特開平3─1
10117号公報には、金型内のゲート内の樹脂に向け
て発信した超音波の速度変化を良品成形時の設定速度値
と比較し、設定速度に達した時点を保圧時間とする方法
が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の公報に
記載された従来の方法は、いずれも金型内の樹脂に向け
て超音波を発信し、良品成形時に得られる設定値と比較
する方法を採用するものである。この良品成形時の設定
値は、射出成形品の重量や外観等を見て判断する固有技
術により決定したものであって、設定値自体が最良な成
形条件とはいえないという問題点がある。
記載された従来の方法は、いずれも金型内の樹脂に向け
て超音波を発信し、良品成形時に得られる設定値と比較
する方法を採用するものである。この良品成形時の設定
値は、射出成形品の重量や外観等を見て判断する固有技
術により決定したものであって、設定値自体が最良な成
形条件とはいえないという問題点がある。
【0007】本発明は、上記の如き従来の問題点を解決
するためになされたものであって、その目的とするとこ
ろは、射出成形品の重量や外観等を見て判断する従来の
固有技術により決定することなく、樹脂内を通過する超
音波の伝播速度の変化状態を観察することにより、金型
内の樹脂の挙動を直接検出しながら、バリや圧力不足の
ない最適成形条件を把握し、その最適成形条件を射出成
形機に設定することにより、重量や外観等の安定した射
出成形品を製造することを目的とするものである。
するためになされたものであって、その目的とするとこ
ろは、射出成形品の重量や外観等を見て判断する従来の
固有技術により決定することなく、樹脂内を通過する超
音波の伝播速度の変化状態を観察することにより、金型
内の樹脂の挙動を直接検出しながら、バリや圧力不足の
ない最適成形条件を把握し、その最適成形条件を射出成
形機に設定することにより、重量や外観等の安定した射
出成形品を製造することを目的とするものである。
【0008】
【課題が解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、成形品形成用キャビティが設けられた射出成形用金
型を備えた射出成形機において、金型内に超音波を発信
し、キャビティ内の樹脂を通過して反射する反射波時間
を連続的に検出して伝播速度に換算しつつ、キャビティ
内に充填する樹脂の充填速度、計量値、保圧圧力又は保
圧時間の成形条件を変えて1ショット毎の伝播速度の変
化状態を観察し、この変化状態より対応する充填速度、
計量値、保圧圧力又は保圧時間の最適成形条件を把握
し、この最適成形条件を射出成形機に設定する射出成形
機の成形条件設定方法である。
は、成形品形成用キャビティが設けられた射出成形用金
型を備えた射出成形機において、金型内に超音波を発信
し、キャビティ内の樹脂を通過して反射する反射波時間
を連続的に検出して伝播速度に換算しつつ、キャビティ
内に充填する樹脂の充填速度、計量値、保圧圧力又は保
圧時間の成形条件を変えて1ショット毎の伝播速度の変
化状態を観察し、この変化状態より対応する充填速度、
計量値、保圧圧力又は保圧時間の最適成形条件を把握
し、この最適成形条件を射出成形機に設定する射出成形
機の成形条件設定方法である。
【0009】本願の請求項2の発明は、請求項1の充填
速度、計量値、保圧圧力及び保圧時間の最適成形条件の
把握し、この最適成形条件を射出成形機に設定する操作
をこの順で行い、最終的にこれら全部の最適成形条件を
射出成形機に設定する射出成形機の成形条件設定方法で
ある。
速度、計量値、保圧圧力及び保圧時間の最適成形条件の
把握し、この最適成形条件を射出成形機に設定する操作
をこの順で行い、最終的にこれら全部の最適成形条件を
射出成形機に設定する射出成形機の成形条件設定方法で
ある。
【0010】本願の請求項3の発明は、成形品形成用キ
ャビティに通じるスプルーが設けられた射出成形用金型
を備えた射出成形機において、金型内に超音波を発信
し、スプルー内の樹脂を通過して反射する反射波時間を
連続的に検出して伝播速度に換算しつつ、スプルー内に
充填する樹脂の冷却時間を充分に与えた1ショットの伝
播速度の変化状態を観察し、冷却時に対応する伝播速度
が一定値になる時点を最適冷却時間として把握し、この
最適冷却時間を射出成形機に設定することを特徴とする
射出成形機の成形条件設定方法である。
ャビティに通じるスプルーが設けられた射出成形用金型
を備えた射出成形機において、金型内に超音波を発信
し、スプルー内の樹脂を通過して反射する反射波時間を
連続的に検出して伝播速度に換算しつつ、スプルー内に
充填する樹脂の冷却時間を充分に与えた1ショットの伝
播速度の変化状態を観察し、冷却時に対応する伝播速度
が一定値になる時点を最適冷却時間として把握し、この
最適冷却時間を射出成形機に設定することを特徴とする
射出成形機の成形条件設定方法である。
【0011】本発明においては、伝播速度とは、金型内
に充填された樹脂中を通過する超音波の速度のことであ
るが、以下の説明においては、伝播速度として、下記の
式1にて示す伝播速度、即ち、超音波が通過する樹脂が
充填された金型の樹脂充填部の厚さDの2倍(超音波が
往復通過する距離)を、超音波が樹脂中を通過するに要
する時間Tで割ったものを当てて説明することにする。
に充填された樹脂中を通過する超音波の速度のことであ
るが、以下の説明においては、伝播速度として、下記の
式1にて示す伝播速度、即ち、超音波が通過する樹脂が
充填された金型の樹脂充填部の厚さDの2倍(超音波が
往復通過する距離)を、超音波が樹脂中を通過するに要
する時間Tで割ったものを当てて説明することにする。
【0012】伝播速度=超音波が通過する樹脂が充填さ
れた金型の樹脂充填部の厚さD(一定)×2/T・・・
式1 超音波が通過する樹脂が充填された金型の樹脂充填部の
厚さDとは、例えば、キャビティ内に充填した樹脂を対
象とする場合には、その樹脂が充填されたキャビティの
部分の厚さを意味し、スプルー内に充填した樹脂を対象
とする場合には、その樹脂が充填されたスプルーの部分
の厚さを意味する。
れた金型の樹脂充填部の厚さD(一定)×2/T・・・
式1 超音波が通過する樹脂が充填された金型の樹脂充填部の
厚さDとは、例えば、キャビティ内に充填した樹脂を対
象とする場合には、その樹脂が充填されたキャビティの
部分の厚さを意味し、スプルー内に充填した樹脂を対象
とする場合には、その樹脂が充填されたスプルーの部分
の厚さを意味する。
【0013】超音波が通過するに要する時間樹脂中を通
過する時間Tとしては、超音波の発信時点から金型内に
充填された樹脂中を通過することなく金型面と樹脂との
境界面から反射する一次反射波を検出するのに要する時
間t1 と、超音波の発信時点から金型内に充填された樹
脂中を通過して樹脂と金型面の境界面から反射する一次
反射波を検出するのに要する時間t2 との差、即ちT=
t2 −t1 を当てることにする。
過する時間Tとしては、超音波の発信時点から金型内に
充填された樹脂中を通過することなく金型面と樹脂との
境界面から反射する一次反射波を検出するのに要する時
間t1 と、超音波の発信時点から金型内に充填された樹
脂中を通過して樹脂と金型面の境界面から反射する一次
反射波を検出するのに要する時間t2 との差、即ちT=
t2 −t1 を当てることにする。
【0014】
【作用】本願の請求項1の発明の射出成形機の成形条件
設定方法は、金型内に超音波を発信し、キャビティ内の
樹脂を通過して反射する反射波時間を連続的に検出して
伝播速度に換算しつつ、キャビティ内に充填する樹脂の
充填速度、計量値、保圧圧力又は保圧時間の成形条件を
変えて1ショット毎の伝播速度の変化状態を観察し、こ
の変化状態より対応する充填速度、計量値、保圧圧力又
は保圧時間の最適成形条件を把握し、この最適成形条件
を射出成形機に設定することにより、金型内の樹脂の挙
動を直接検出しながら、重量や外観等の安定した射出成
形品を製造するための基礎条件としての、充填速度、計
量値、保圧圧力又は保圧時間の最適成形条件を把握し
て、その最適成形条件を射出成形機に設定することがで
きる。
設定方法は、金型内に超音波を発信し、キャビティ内の
樹脂を通過して反射する反射波時間を連続的に検出して
伝播速度に換算しつつ、キャビティ内に充填する樹脂の
充填速度、計量値、保圧圧力又は保圧時間の成形条件を
変えて1ショット毎の伝播速度の変化状態を観察し、こ
の変化状態より対応する充填速度、計量値、保圧圧力又
は保圧時間の最適成形条件を把握し、この最適成形条件
を射出成形機に設定することにより、金型内の樹脂の挙
動を直接検出しながら、重量や外観等の安定した射出成
形品を製造するための基礎条件としての、充填速度、計
量値、保圧圧力又は保圧時間の最適成形条件を把握し
て、その最適成形条件を射出成形機に設定することがで
きる。
【0015】本願の請求項2の発明の射出成形機の成形
条件設定方法は、請求項1の充填速度、計量値、保圧圧
力及び保圧時間の、最適成形条件の把握及びその最適成
形条件を射出成形機に設定する操作を、この順で行い、
最終的にこれら全部の最適成形条件を射出成形機に設定
することにより、金型内の樹脂の挙動を順次直接検出し
ながら、最終的にバリや圧力不足のない充填速度、計量
値、保圧圧力及び保圧時間の最適成形条件を設定して、
重量や外観等の安定した射出成形品を製造することがで
きる。
条件設定方法は、請求項1の充填速度、計量値、保圧圧
力及び保圧時間の、最適成形条件の把握及びその最適成
形条件を射出成形機に設定する操作を、この順で行い、
最終的にこれら全部の最適成形条件を射出成形機に設定
することにより、金型内の樹脂の挙動を順次直接検出し
ながら、最終的にバリや圧力不足のない充填速度、計量
値、保圧圧力及び保圧時間の最適成形条件を設定して、
重量や外観等の安定した射出成形品を製造することがで
きる。
【0016】本願の請求項3の発明の射出成形機の成形
条件設定方法は、金型内に超音波を発信し、スプルー内
の樹脂を通過して反射する反射波時間を連続的に検出し
て伝播速度に換算しつつ、スプルー内に充填する樹脂の
冷却時間を充分に与えた1ショットの伝播速度の変化状
態を観察し、冷却時に対応する伝播速度が一定値になる
時点を最適冷却時間として把握し、この最適冷却時間を
射出成形機に設定することにより、金型内の樹脂の挙動
を直接検出しながら、重量や外観等の安定した射出成形
品を製造するための基礎条件としての、冷却時間の最適
成形条件を把握して、その最適成形条件を射出成形機に
設定することができる。
条件設定方法は、金型内に超音波を発信し、スプルー内
の樹脂を通過して反射する反射波時間を連続的に検出し
て伝播速度に換算しつつ、スプルー内に充填する樹脂の
冷却時間を充分に与えた1ショットの伝播速度の変化状
態を観察し、冷却時に対応する伝播速度が一定値になる
時点を最適冷却時間として把握し、この最適冷却時間を
射出成形機に設定することにより、金型内の樹脂の挙動
を直接検出しながら、重量や外観等の安定した射出成形
品を製造するための基礎条件としての、冷却時間の最適
成形条件を把握して、その最適成形条件を射出成形機に
設定することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により図面を参照して
説明する。図1は、本願の請求項1及び請求項2の発明
の実施例に適用される射出成形機における金型1の部分
を示している。
説明する。図1は、本願の請求項1及び請求項2の発明
の実施例に適用される射出成形機における金型1の部分
を示している。
【0018】金型1は、スプルー14が設けられた固定
金型11と、移動金型12との間に、成形すべき製品の
外面形状に対応する内面形状を備えたキャビティ13が
設けられている。移動金型12は油圧シリンダ5により
図中矢符号方向に往復移動自在とされている。
金型11と、移動金型12との間に、成形すべき製品の
外面形状に対応する内面形状を備えたキャビティ13が
設けられている。移動金型12は油圧シリンダ5により
図中矢符号方向に往復移動自在とされている。
【0019】固定金型11の外側面には、超音波探触子
2が設けられている。超音波探触子2は、スプルー14
の末端とキャビティ13の末端のほぼ中間に向けて超音
波を発信できる位置に設けられた取付部21に、取付面
にグリセリン等の接触物質を介して取付られている。
2が設けられている。超音波探触子2は、スプルー14
の末端とキャビティ13の末端のほぼ中間に向けて超音
波を発信できる位置に設けられた取付部21に、取付面
にグリセリン等の接触物質を介して取付られている。
【0020】超音波探触子2には、超音波計測器3が接
続されている。超音波計測器3は、例えば0.001〜
1秒毎に5MHzの発信波を発信するとともに、その反
射波を計測するようになっている。
続されている。超音波計測器3は、例えば0.001〜
1秒毎に5MHzの発信波を発信するとともに、その反
射波を計測するようになっている。
【0021】また、超音波計測器3には、超音波探触子
2により受信されたキャビティ13内を通過して反射さ
れた一次反射波に基づいて、成形1サイクルにおけるキ
ャビティ13内の樹脂の挙動を随時検出する検出手段
(図示せず)が設けられており、この検出手段はソフト
ウェアによって構成されている。超音波計測器3の出力
は、表示器4に表示されるようになっている。
2により受信されたキャビティ13内を通過して反射さ
れた一次反射波に基づいて、成形1サイクルにおけるキ
ャビティ13内の樹脂の挙動を随時検出する検出手段
(図示せず)が設けられており、この検出手段はソフト
ウェアによって構成されている。超音波計測器3の出力
は、表示器4に表示されるようになっている。
【0022】図2は、本願の請求項3の発明の実施例に
適用される射出成形機における金型6の部分を示してい
る。図1に示す金型1の部分と異なる点は、超音波探触
子2が、スプルー14の入口付近に向けて超音波を発信
できるように取付部21に、取付面にグリセリン等の接
触物質を介して取付られている点である。その他の点に
ついては図1に示すものと同じなので、図2中に対応す
る符号のみを付してその説明を省略する。
適用される射出成形機における金型6の部分を示してい
る。図1に示す金型1の部分と異なる点は、超音波探触
子2が、スプルー14の入口付近に向けて超音波を発信
できるように取付部21に、取付面にグリセリン等の接
触物質を介して取付られている点である。その他の点に
ついては図1に示すものと同じなので、図2中に対応す
る符号のみを付してその説明を省略する。
【0023】次に、上記金型1を使用した本願の請求項
1及び請求項2の発明の実施例を図1を参照して説明す
る。図1において、まず、射出成形機によって樹脂を金
型1のキャビティ13内に射出することにより、キャビ
ティ13内にて、樹脂は充填、保圧切換え、保圧・計
量、冷却という1サイクルの射出工程を経る。この間、
超音波計測器3により超音波探触子2から金型1内に
0.001〜1秒毎に5MHzの発信波を発信する。キ
ャビティ13内に充填された樹脂と固定金型11との境
界面111や移動金型12の境界面121で反射し、そ
の一次反射波や二次反射波が再び固定金型11を介して
超音波探触子2を介して、超音波計測器3にて計測され
る。
1及び請求項2の発明の実施例を図1を参照して説明す
る。図1において、まず、射出成形機によって樹脂を金
型1のキャビティ13内に射出することにより、キャビ
ティ13内にて、樹脂は充填、保圧切換え、保圧・計
量、冷却という1サイクルの射出工程を経る。この間、
超音波計測器3により超音波探触子2から金型1内に
0.001〜1秒毎に5MHzの発信波を発信する。キ
ャビティ13内に充填された樹脂と固定金型11との境
界面111や移動金型12の境界面121で反射し、そ
の一次反射波や二次反射波が再び固定金型11を介して
超音波探触子2を介して、超音波計測器3にて計測され
る。
【0024】図3は、発信波及び反射波の波形を示すも
のである。図3中、aは発信波の波形を示す。b1 及び
b2 は、それぞれ、キャビティ13内に充填された樹脂
と固定金型11との境界面111から反射する一次反射
波及び二次反射波の波形を示す。c1 及びc2 は、それ
ぞれ、キャビティ13内に充填された樹脂と移動金型1
2の境界面121で反射する一次反射波及び二次反射波
の波形を示す。通常、超音波探触子2からキャビティ1
3内に充填された樹脂と固定金型11との境界面111
までの距離に比べて、樹脂の厚さが小さいので、c1 及
びc2 の波形は、グラフ上、b1 とb2 の間に現れる。
のである。図3中、aは発信波の波形を示す。b1 及び
b2 は、それぞれ、キャビティ13内に充填された樹脂
と固定金型11との境界面111から反射する一次反射
波及び二次反射波の波形を示す。c1 及びc2 は、それ
ぞれ、キャビティ13内に充填された樹脂と移動金型1
2の境界面121で反射する一次反射波及び二次反射波
の波形を示す。通常、超音波探触子2からキャビティ1
3内に充填された樹脂と固定金型11との境界面111
までの距離に比べて、樹脂の厚さが小さいので、c1 及
びc2 の波形は、グラフ上、b1 とb2 の間に現れる。
【0025】前記の式1における時間t1 は、超音波の
発信時点からキャビティ13内に充填された樹脂と固定
金型11との境界面111から反射する一次反射波(b
1 )の検出時点までの時間として検出される。又式1に
おける時間t2 は、超音波の発信時点から移動金型12
の境界面121で反射する反射波(c1 )の検出時点ま
での時間として検出される。そして、超音波が樹脂内を
通過する時間は、T=t2 −t1 となる。
発信時点からキャビティ13内に充填された樹脂と固定
金型11との境界面111から反射する一次反射波(b
1 )の検出時点までの時間として検出される。又式1に
おける時間t2 は、超音波の発信時点から移動金型12
の境界面121で反射する反射波(c1 )の検出時点ま
での時間として検出される。そして、超音波が樹脂内を
通過する時間は、T=t2 −t1 となる。
【0026】図4は、キャビティ13内における樹脂
の、充填、保圧切換え、保圧・計量、冷却という1サイ
クルの時間(秒)と、キャビティ13内に充填された樹
脂内を伝播する超音波の伝播速度(m/秒)との関係を
示すグラフである。
の、充填、保圧切換え、保圧・計量、冷却という1サイ
クルの時間(秒)と、キャビティ13内に充填された樹
脂内を伝播する超音波の伝播速度(m/秒)との関係を
示すグラフである。
【0027】以上の方法にて、1サイクル中のキャビテ
ィ13内の樹脂の挙動を伝播速度の変化状態を観察する
ことによりとらえ、各工程において、充填速度、計量
値、保圧圧力又は保圧時間の成形条件を変更していき、
その時の伝播速度変化を比較しながら、重量が均一化
し、バリや圧力不足のない外観の良好な最適成形条件を
把握し、この最適成形条件を射出成形機に設定する。
ィ13内の樹脂の挙動を伝播速度の変化状態を観察する
ことによりとらえ、各工程において、充填速度、計量
値、保圧圧力又は保圧時間の成形条件を変更していき、
その時の伝播速度変化を比較しながら、重量が均一化
し、バリや圧力不足のない外観の良好な最適成形条件を
把握し、この最適成形条件を射出成形機に設定する。
【0028】次に、上記金型6を使用した本願の請求項
3の実施例を図2を参照して説明する。上記の実施例と
異なる点は、金型内のキャビティ13に通じるスプルー
14内の樹脂に超音波を発信して、1サイクル中のスプ
ルー14内の入口付近の樹脂の挙動を伝播速度の変化状
態を観察することによりとらえ、冷却時間を充分与えて
おいて、その時の伝播速度変化を比較しながら、重量が
均一化し、バリや圧力不足のない外観の良好な最適成形
条件を把握し、この最適成形条件を射出成形機に設定す
る点である。
3の実施例を図2を参照して説明する。上記の実施例と
異なる点は、金型内のキャビティ13に通じるスプルー
14内の樹脂に超音波を発信して、1サイクル中のスプ
ルー14内の入口付近の樹脂の挙動を伝播速度の変化状
態を観察することによりとらえ、冷却時間を充分与えて
おいて、その時の伝播速度変化を比較しながら、重量が
均一化し、バリや圧力不足のない外観の良好な最適成形
条件を把握し、この最適成形条件を射出成形機に設定す
る点である。
【0029】実施例1 射出成形機として、電動射出成形機ファナック75トン
を用い、成形用樹脂として、ポリスチレン(電気化学工
業社製:商品名「MW1」)を用い、金型として、ゲー
トがダイレクトゲート、型の大きさ270×300×2
70(mm)のものを用いて、皿型の射出成形品を製造
した。
を用い、成形用樹脂として、ポリスチレン(電気化学工
業社製:商品名「MW1」)を用い、金型として、ゲー
トがダイレクトゲート、型の大きさ270×300×2
70(mm)のものを用いて、皿型の射出成形品を製造
した。
【0030】1.最適成形条件の把握及び設定 図1に示す金型1を用い、以下の如く、キャビティ13
の樹脂の挙動をその伝播速度を検出することにより観察
して、充填速度、計量値、保圧圧力及び保圧時間の最適
成形条件の把握及び設定を行った。
の樹脂の挙動をその伝播速度を検出することにより観察
して、充填速度、計量値、保圧圧力及び保圧時間の最適
成形条件の把握及び設定を行った。
【0031】実施例1─(1)(充填時間) キャビティ容量80%程度の計量値にて、充填速度を1
ショット毎に、30,40,50,60,70mm/秒
の5段階に、充填速度の小さい方から条件をかえて、1
ショットの時間(秒)と樹脂の式1の伝播速度(m/
秒)との関係を観察した。その結果を図5に示す。
ショット毎に、30,40,50,60,70mm/秒
の5段階に、充填速度の小さい方から条件をかえて、1
ショットの時間(秒)と樹脂の式1の伝播速度(m/
秒)との関係を観察した。その結果を図5に示す。
【0032】図1におけるキャビティ13内に充填され
る樹脂は、キャビティ13内に充填されると同時に急速
に冷却されていく。樹脂のキャビティ13内への充填速
度を大きくしていくと、キャビティ13内に充填される
樹脂の充填終了時点がはやくなってくる。
る樹脂は、キャビティ13内に充填されると同時に急速
に冷却されていく。樹脂のキャビティ13内への充填速
度を大きくしていくと、キャビティ13内に充填される
樹脂の充填終了時点がはやくなってくる。
【0033】図5〜に示す如く、充填速度を30m
m/秒〜60mm/秒の範囲でかえたとき、樹脂が固化
状態になるタイミングがはやくなってくるので、それに
対応して、超音波の発信時点から移動金型12の境界面
121で反射する一次反射波(c1 )の検出時点までの
時間t2 は小さくなってきて、式1の伝播速度は、1サ
イクル時間に対してその値が大きくなるタイミングがは
やくなってくる。
m/秒〜60mm/秒の範囲でかえたとき、樹脂が固化
状態になるタイミングがはやくなってくるので、それに
対応して、超音波の発信時点から移動金型12の境界面
121で反射する一次反射波(c1 )の検出時点までの
時間t2 は小さくなってきて、式1の伝播速度は、1サ
イクル時間に対してその値が大きくなるタイミングがは
やくなってくる。
【0034】しかし、図5,に示す如く、充填速度
を60mm/秒から60mm/秒にかえた段階では、樹
脂が固化状態に近づいているので、超音波の発信時点か
ら移動金型12の境界面121で反射する一次反射波
(c1 )の検出時点までの時間t2 は差がなくなってき
て、式1の伝播速度は、1サイクル時間に対してその値
が大きくなるタイミングの差がなくなってくる。
を60mm/秒から60mm/秒にかえた段階では、樹
脂が固化状態に近づいているので、超音波の発信時点か
ら移動金型12の境界面121で反射する一次反射波
(c1 )の検出時点までの時間t2 は差がなくなってき
て、式1の伝播速度は、1サイクル時間に対してその値
が大きくなるタイミングの差がなくなってくる。
【0035】このように式1の伝播速度の値の差がほと
んどなくなった状態に対応する充填速度60mm/秒を
最適充填速度として把握し、射出成形機にこの条件を設
定する。
んどなくなった状態に対応する充填速度60mm/秒を
最適充填速度として把握し、射出成形機にこの条件を設
定する。
【0036】実施例1─(2)(計量値) 充填速度を60mm/秒に固定し、保圧圧力の影響を受
けないように保圧圧力を低く(270kg/cm2 )
し、保圧時間を短く(1〜2秒)し、保圧切換え位置を
固定しておいて、計量値を99.5,100.5,10
1.5,102.5mmの4段階に、充填速度の小さい
方から条件をかえて、1ショットの時間(秒)と樹脂の
伝播速度(m/秒)との関係を観察した。その結果を図
6に示す。
けないように保圧圧力を低く(270kg/cm2 )
し、保圧時間を短く(1〜2秒)し、保圧切換え位置を
固定しておいて、計量値を99.5,100.5,10
1.5,102.5mmの4段階に、充填速度の小さい
方から条件をかえて、1ショットの時間(秒)と樹脂の
伝播速度(m/秒)との関係を観察した。その結果を図
6に示す。
【0037】図6〜に示す如く、計量値を99.0
mm〜101.5mmの範囲でかえたとき、キャビティ
13内における樹脂の密度が大きくなってくるので、超
音波の発信時点から移動金型12の境界面121で反射
する一次反射波(c1 )の検出時点までの時間t2 は小
さくなってきて、式1の伝播速度が大きくなってくる。
mm〜101.5mmの範囲でかえたとき、キャビティ
13内における樹脂の密度が大きくなってくるので、超
音波の発信時点から移動金型12の境界面121で反射
する一次反射波(c1 )の検出時点までの時間t2 は小
さくなってきて、式1の伝播速度が大きくなってくる。
【0038】しかし、図6,に示す如く、計量値を
101.5mmから102.5mmにかえた段階では、
キャビティ13内の樹脂の内圧が型締め力よりも高くな
ってしまって、型開き状態となるため、超音波が通過す
る樹脂の厚さが大きくなることにより、式1の伝播速度
は逆に小さくなってくる。
101.5mmから102.5mmにかえた段階では、
キャビティ13内の樹脂の内圧が型締め力よりも高くな
ってしまって、型開き状態となるため、超音波が通過す
る樹脂の厚さが大きくなることにより、式1の伝播速度
は逆に小さくなってくる。
【0039】このように式1の伝播速度が最大値を示す
のに対応する計量値101.5mmを最適計量値として
把握し、射出成形機にこの条件を設定する。実施例1─(3)(保圧圧力) 充填速度を60mm/秒に固定し、計量値を101.5
mmに固定しておいて、保圧圧力を290,310,3
30,350kg/cm2 の4段階に、保圧圧力の小さ
い方から条件をかえて、1ショットの時間(秒)と樹脂
の伝播速度(m/秒)との関係を観察した。その結果を
図7に示す。
のに対応する計量値101.5mmを最適計量値として
把握し、射出成形機にこの条件を設定する。実施例1─(3)(保圧圧力) 充填速度を60mm/秒に固定し、計量値を101.5
mmに固定しておいて、保圧圧力を290,310,3
30,350kg/cm2 の4段階に、保圧圧力の小さ
い方から条件をかえて、1ショットの時間(秒)と樹脂
の伝播速度(m/秒)との関係を観察した。その結果を
図7に示す。
【0040】図7〜に示す如く、保圧圧力を290
kg/cm2 〜330kg/cm2 の範囲でかえたと
き、キャビティ13内における樹脂の密度が大きくなっ
てくるので、超音波の発信時点から移動金型12の境界
面121で反射する一次反射波(c1 )の検出時点まで
の時間t2 は小さくなってきて、式1の伝播速度が大き
くなってくる。
kg/cm2 〜330kg/cm2 の範囲でかえたと
き、キャビティ13内における樹脂の密度が大きくなっ
てくるので、超音波の発信時点から移動金型12の境界
面121で反射する一次反射波(c1 )の検出時点まで
の時間t2 は小さくなってきて、式1の伝播速度が大き
くなってくる。
【0041】しかし、図7,に示す如く、保圧圧力
を330kg/cm2 から350kg/cm2 にかえた
段階では、キャビティ13内の樹脂の内圧が型締め力よ
りも高くなってしまって、型開き状態となるため、超音
波が通過する樹脂の厚さが大きくなることにより、式1
の伝播速度は逆に小さくなってくる。
を330kg/cm2 から350kg/cm2 にかえた
段階では、キャビティ13内の樹脂の内圧が型締め力よ
りも高くなってしまって、型開き状態となるため、超音
波が通過する樹脂の厚さが大きくなることにより、式1
の伝播速度は逆に小さくなってくる。
【0042】この式1の伝播速度が最大値を示すのに対
応する保圧圧力330kg/cm2 を最適保圧圧力とし
て把握し、射出成形機にこの条件を設定する。実施例1─(4)(保圧時間) 充填速度を60mm/秒に固定し、計量値を101.5
mmに固定し、保圧圧力を330kg/cm2 に固定し
ておいて、保圧時間を3,4,5,6秒の4段階の、保
圧時間が少ない方から条件をかえて、1ショットの時間
(秒)と樹脂の伝播速度(m/秒)との関係を観察し
た。その結果を図8に示す。
応する保圧圧力330kg/cm2 を最適保圧圧力とし
て把握し、射出成形機にこの条件を設定する。実施例1─(4)(保圧時間) 充填速度を60mm/秒に固定し、計量値を101.5
mmに固定し、保圧圧力を330kg/cm2 に固定し
ておいて、保圧時間を3,4,5,6秒の4段階の、保
圧時間が少ない方から条件をかえて、1ショットの時間
(秒)と樹脂の伝播速度(m/秒)との関係を観察し
た。その結果を図8に示す。
【0043】図1に示すキャビティ13内に充填される
樹脂は、保圧時間を大きくしていくと、キャビティ13
内の樹脂が冷却固化することにより体積が収縮するの
で、その収縮分だけで樹脂が新たに充填される。そして
最終的にはキャビティ13内の全樹脂が固化状態にな
る。
樹脂は、保圧時間を大きくしていくと、キャビティ13
内の樹脂が冷却固化することにより体積が収縮するの
で、その収縮分だけで樹脂が新たに充填される。そして
最終的にはキャビティ13内の全樹脂が固化状態にな
る。
【0044】図8〜に示す如く、保圧時間を3秒〜
5秒にかえたとき、キャビティ13内に新たに充填され
る樹脂の固化が進行するので、超音波の発信時点から移
動金型12の境界面121で反射する一次反射波
(c1 )の検出時点までの時間t2 は小さくなってき
て、式1の伝播速度が大きくなってくる。
5秒にかえたとき、キャビティ13内に新たに充填され
る樹脂の固化が進行するので、超音波の発信時点から移
動金型12の境界面121で反射する一次反射波
(c1 )の検出時点までの時間t2 は小さくなってき
て、式1の伝播速度が大きくなってくる。
【0045】しかし、図8,に示す如く、保圧時間
を5秒から6秒にかえた段階では、キャビティ13内に
は新たに充填される樹脂はなくなり、キャビティ13内
の全樹脂の冷却が終了に近づくので、超音波の発信時点
から移動金型12の境界面121で反射する一次反射波
(c1 )の検出時点までの時間t2 の差はなくなってき
て、式1の伝播速度の差はなくなってくる。
を5秒から6秒にかえた段階では、キャビティ13内に
は新たに充填される樹脂はなくなり、キャビティ13内
の全樹脂の冷却が終了に近づくので、超音波の発信時点
から移動金型12の境界面121で反射する一次反射波
(c1 )の検出時点までの時間t2 の差はなくなってき
て、式1の伝播速度の差はなくなってくる。
【0046】このように、式1の伝播速度の差がほとん
どなくなる状態に対応する保圧時間5秒を最適保圧時間
として把握し、射出成形機にこの条件を設定する。図1
に示す金型を用い、以下の如く、キャビティ13の樹脂
の挙動をその伝播速度を検出することにより観察して、
冷却時間の最適成形条件の把握及び設定を行った。
どなくなる状態に対応する保圧時間5秒を最適保圧時間
として把握し、射出成形機にこの条件を設定する。図1
に示す金型を用い、以下の如く、キャビティ13の樹脂
の挙動をその伝播速度を検出することにより観察して、
冷却時間の最適成形条件の把握及び設定を行った。
【0047】実施例1─(5)(冷却時間) 充填速度を60mm/秒に固定し、計量値を101.5
mmに固定し、保圧圧力を330kg/cm2 に固定
し、保圧時間を5秒に固定しておいて、1ショットの時
間(秒)と樹脂の式1の伝播速度(m/秒)との関係を
観察した。その結果を図9に示す。
mmに固定し、保圧圧力を330kg/cm2 に固定
し、保圧時間を5秒に固定しておいて、1ショットの時
間(秒)と樹脂の式1の伝播速度(m/秒)との関係を
観察した。その結果を図9に示す。
【0048】図9に示す如く、1サイクル時間に対して
式1の伝播速度が一定となったときに、キャビティ13
内で全樹脂が固化状態になった時点として把握し、その
ときの冷却時間10秒を最適冷却時間として射出成形機
に設定する。
式1の伝播速度が一定となったときに、キャビティ13
内で全樹脂が固化状態になった時点として把握し、その
ときの冷却時間10秒を最適冷却時間として射出成形機
に設定する。
【0049】2.成形品の成形 充填速度を60mm/秒、計量値を101.5mm、保
圧圧力を330kg/cm2 、保圧時間を5秒、冷却時
間10秒の成形条件を射出成形機に設定しておいて、前
記の射出成形機及び成形用樹脂を用いて、図10に示す
如き皿型の成形品6の射出成形を行った。その成形品6
(n=75)の平均重量並びにそのバラツキ最大値と最
小値の差(R)、図10に示す成形品6のXにて示す部
分(n=75)の平均肉厚並びにそのバラツキ最大値と
最小値の差(R)を測定した。その結果及び成形条件
と、得られた成形品の平均重量(g)及び式1の伝播速
度(m/秒)の関係を表1に示す。
圧圧力を330kg/cm2 、保圧時間を5秒、冷却時
間10秒の成形条件を射出成形機に設定しておいて、前
記の射出成形機及び成形用樹脂を用いて、図10に示す
如き皿型の成形品6の射出成形を行った。その成形品6
(n=75)の平均重量並びにそのバラツキ最大値と最
小値の差(R)、図10に示す成形品6のXにて示す部
分(n=75)の平均肉厚並びにそのバラツキ最大値と
最小値の差(R)を測定した。その結果及び成形条件
と、得られた成形品の平均重量(g)及び式1の伝播速
度(m/秒)の関係を表1に示す。
【0050】又、図10に示す成形品6の矢印Yにて示
す部分のうねりの状態(高さ)、矢印Zにて示す部分
〔図10(b)の断面図に示すリブ部71に対応する成
形品表面部〕のヒケ状態を測定した。その結果を表2に
示す。
す部分のうねりの状態(高さ)、矢印Zにて示す部分
〔図10(b)の断面図に示すリブ部71に対応する成
形品表面部〕のヒケ状態を測定した。その結果を表2に
示す。
【0051】比較例1〜8 充填速度、計量値、保圧圧力及び保圧時間を表1に示す
成形条件にかえたこと以外は実施例1と同様にして成形
品の射出成形を行った。
成形条件にかえたこと以外は実施例1と同様にして成形
品の射出成形を行った。
【0052】その成形条件、得られた成形品の平均重量
(g)及び式1の伝播速度(m/秒)の関係を表1に示
す。比較例9 成形条件に任意条件1(充填速度を30mm/秒、計量
値を99.0mm、保圧圧力を50kg/cm2 、保圧
時間を6秒、冷却時間12秒)を射出成形機に設定して
おいて、前記の射出成形機及び成形用樹脂を用いて、図
10に示す如き皿型の成形品7の射出成形を行った。そ
の成形品6(n=75)の平均重量並びにそのバラツキ
最大値と最小値の差(R)、図10に示す成形品6のX
にて示す部分(n=75)の平均肉厚並びにそのバラツ
キ最大値と最小値の差(R)を測定した。その結果及び
成形条件を表1に示す。
(g)及び式1の伝播速度(m/秒)の関係を表1に示
す。比較例9 成形条件に任意条件1(充填速度を30mm/秒、計量
値を99.0mm、保圧圧力を50kg/cm2 、保圧
時間を6秒、冷却時間12秒)を射出成形機に設定して
おいて、前記の射出成形機及び成形用樹脂を用いて、図
10に示す如き皿型の成形品7の射出成形を行った。そ
の成形品6(n=75)の平均重量並びにそのバラツキ
最大値と最小値の差(R)、図10に示す成形品6のX
にて示す部分(n=75)の平均肉厚並びにそのバラツ
キ最大値と最小値の差(R)を測定した。その結果及び
成形条件を表1に示す。
【0053】又、図10に示す成形品6の矢印Yにて示
す部分のうねりの状態(高さ)、矢印Zにて示す部分の
ヒケ状態を測定した。その結果を表2に示す。比較例10 成形条件に任意条件1(充填速度を50mm/秒、計量
値を100.5mm、保圧圧力を220kg/cm2 、
保圧時間を4秒、冷却時間12秒)を射出成形機に設定
しておいて、前記の射出成形機及び成形用樹脂を用い
て、図10に示す如き皿型の成形品6の射出成形を行っ
た。その成形品6(n=75)の平均重量並びにそのバ
ラツキ最大値と最小値の差(R)、図10に示す成形品
6のXにて示す部分(n=75)の平均肉厚並びにその
バラツキ最大値と最小値の差(R)を測定した。その結
果及び成形条件を表1に示す。
す部分のうねりの状態(高さ)、矢印Zにて示す部分の
ヒケ状態を測定した。その結果を表2に示す。比較例10 成形条件に任意条件1(充填速度を50mm/秒、計量
値を100.5mm、保圧圧力を220kg/cm2 、
保圧時間を4秒、冷却時間12秒)を射出成形機に設定
しておいて、前記の射出成形機及び成形用樹脂を用い
て、図10に示す如き皿型の成形品6の射出成形を行っ
た。その成形品6(n=75)の平均重量並びにそのバ
ラツキ最大値と最小値の差(R)、図10に示す成形品
6のXにて示す部分(n=75)の平均肉厚並びにその
バラツキ最大値と最小値の差(R)を測定した。その結
果及び成形条件を表1に示す。
【0054】又、図10に示す成形品6の矢印Yにて示
す部分のうねりの状態(高さ)、矢印Zにて示す部分の
ヒケ状態を測定した。その結果を表2に示す。
す部分のうねりの状態(高さ)、矢印Zにて示す部分の
ヒケ状態を測定した。その結果を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】実施例2 実施例1に準じて最適成形条件として把握した、充填速
度を70mm/秒、計量値を73.5mm、保圧圧力を
400kg/cm2 、保圧時間を8秒、冷却時間10秒
の成形条件を射出成形機に設定しておいて、前記の射出
成形機及び成形用樹脂を用いて、図示しないプロペラ型
の成形品の射出成形を行った。
度を70mm/秒、計量値を73.5mm、保圧圧力を
400kg/cm2 、保圧時間を8秒、冷却時間10秒
の成形条件を射出成形機に設定しておいて、前記の射出
成形機及び成形用樹脂を用いて、図示しないプロペラ型
の成形品の射出成形を行った。
【0058】成形時における型開きの状況を観察し、得
られた成形品の平均重量(n=75)を測定した。その
結果及び成形条件を表3に示す。比較例11〜22 充填速度、計量値、保圧圧力及び保圧時間を表3に示す
成形条件にかえたこと以外は実施例2と同様にして成形
品の射出成形を行った。
られた成形品の平均重量(n=75)を測定した。その
結果及び成形条件を表3に示す。比較例11〜22 充填速度、計量値、保圧圧力及び保圧時間を表3に示す
成形条件にかえたこと以外は実施例2と同様にして成形
品の射出成形を行った。
【0059】成形時における型開きの状況を観察し、得
られた成形品の平均重量(n=75)を測定した。その
結果及び成形条件を表3に示す。
られた成形品の平均重量(n=75)を測定した。その
結果及び成形条件を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
【効果】本願の請求項1の発明の射出成形機の成形条件
設定方法は、上記の如き構成ととされているので、樹脂
内を通過する超音波の伝播速度の1ショット毎の変化状
態を観察することにより、金型内の樹脂の挙動を直接検
出しながら、重量や外観等の安定した射出成形品を製造
するための基礎条件としての、充填速度、計量値、保圧
圧力又は保圧時間の最適成形条件を把握して、その最適
成形条件を射出成形機に設定することができる。
設定方法は、上記の如き構成ととされているので、樹脂
内を通過する超音波の伝播速度の1ショット毎の変化状
態を観察することにより、金型内の樹脂の挙動を直接検
出しながら、重量や外観等の安定した射出成形品を製造
するための基礎条件としての、充填速度、計量値、保圧
圧力又は保圧時間の最適成形条件を把握して、その最適
成形条件を射出成形機に設定することができる。
【0062】本願の請求項2の発明の射出成形機の成形
条件設定方法は、上記の如き構成ととされているので、
樹脂内を通過する超音波の伝播速度の1ショット毎の変
化状態を観察することにより、金型内の樹脂の挙動を順
次直接検出しながら、最終的にバリや圧力不足のない充
填速度、計量値、保圧圧力及び保圧時間の最適成形条件
を設定して、重量や外観等の安定した射出成形品を製造
することができる。
条件設定方法は、上記の如き構成ととされているので、
樹脂内を通過する超音波の伝播速度の1ショット毎の変
化状態を観察することにより、金型内の樹脂の挙動を順
次直接検出しながら、最終的にバリや圧力不足のない充
填速度、計量値、保圧圧力及び保圧時間の最適成形条件
を設定して、重量や外観等の安定した射出成形品を製造
することができる。
【0063】本願の請求項3の発明の射出成形機の成形
条件設定方法は、上記の如き構成ととされているので、
樹脂内を通過する超音波の伝播速度の変化状態を観察す
ることにより、金型内の樹脂の挙動を直接検出しなが
ら、重量や外観等の安定した射出成形品を製造するため
の基礎条件としての、冷却時間の最適成形条件を把握し
て、その最適成形条件を射出成形機に設定することがで
きる。
条件設定方法は、上記の如き構成ととされているので、
樹脂内を通過する超音波の伝播速度の変化状態を観察す
ることにより、金型内の樹脂の挙動を直接検出しなが
ら、重量や外観等の安定した射出成形品を製造するため
の基礎条件としての、冷却時間の最適成形条件を把握し
て、その最適成形条件を射出成形機に設定することがで
きる。
【図1】本発明の実施例に使用する金型の部分を示す断
面図である。
面図である。
【図2】本発明の異なる実施例に使用する別の金型の部
分を示す断面図である。
分を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例における、超音波の発信波及び
反射波の波形の説明図である。
反射波の波形の説明図である。
【図4】本発明の実施例における、1サイクル時間と式
1の伝播速度との関係を示す説明図である。
1の伝播速度との関係を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例における、最適充填速度を把握
する際の、1サイクル時間と式1の伝播速度を示す説明
図である。
する際の、1サイクル時間と式1の伝播速度を示す説明
図である。
【図6】本発明の実施例における、最適計量値を把握す
る際の、1サイクル時間と式1の伝播速度を示す説明図
である。
る際の、1サイクル時間と式1の伝播速度を示す説明図
である。
【図7】本発明の実施例における、最適保圧圧力を把握
する際の、1サイクル時間と式1の伝播速度を示す説明
図である。
する際の、1サイクル時間と式1の伝播速度を示す説明
図である。
【図8】本発明の実施例における、最適保圧時間を把握
する際の、1サイクル時間と式1の伝播速度を示す説明
図である。
する際の、1サイクル時間と式1の伝播速度を示す説明
図である。
【図9】本発明の実施例における、最適冷却時間を把握
する際の、1サイクル時間と式1の伝播速度を示す説明
図である。
する際の、1サイクル時間と式1の伝播速度を示す説明
図である。
【図10】(a)は、本発明の実施例により得られた成
形品を示す斜視図、(b)は、その成形品の縦断面図で
ある。
形品を示す斜視図、(b)は、その成形品の縦断面図で
ある。
1,6 金型 2 超音波探触子 3 超音波計測器 11 固定金型 12 移動金型 13 キャビティ 4 表示器 5 油圧シリンダ 7 成形品
Claims (3)
- 【請求項1】 成形品形成用キャビティが設けられた射
出成形用金型を備えた射出成形機において、金型内に超
音波を発信し、キャビティ内の樹脂を通過して反射する
反射波時間を連続的に検出して伝播速度に換算しつつ、
キャビティ内に充填する樹脂の充填速度、計量値、保圧
圧力又は保圧時間の成形条件を変えて1ショット毎の伝
播速度の変化状態を観察し、この変化状態より対応する
充填速度、計量値、保圧圧力又は保圧時間の最適成形条
件を把握し、この最適成形条件を射出成形機に設定する
ことを特徴とする射出成形機の成形条件設定方法。 - 【請求項2】 請求項1の充填速度、計量値、保圧圧力
及び保圧時間の、最適成形条件の把握及びその最適成形
条件を射出成形機に設定する操作を、この順で行い、最
終的にこれら全部の最適成形条件を射出成形機に設定す
ることを特徴とする射出成形機の成形条件設定方法。 - 【請求項3】 成形品形成用キャビティに通じるスプル
ーが設けられた射出成形用金型を備えた射出成形機にお
いて、金型内に超音波を発信し、スプルー内の樹脂を通
過して反射する反射波時間を連続的に検出して伝播速度
に換算しつつ、スプルー内に充填する樹脂の冷却時間を
充分に与えた1ショットの伝播速度の変化状態を観察
し、冷却時に対応する伝播速度が一定値になる時点を最
適冷却時間として把握し、この最適冷却時間を射出成形
機に設定することを特徴とする射出成形機の成形条件設
定方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-77662 | 1991-04-10 | ||
JP7766291 | 1991-04-10 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0538742A JPH0538742A (ja) | 1993-02-19 |
JP3075615B2 true JP3075615B2 (ja) | 2000-08-14 |
Family
ID=13640087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03338521A Expired - Lifetime JP3075615B2 (ja) | 1991-04-10 | 1991-12-20 | 射出成形機の成形条件設定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3075615B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100894704B1 (ko) * | 2007-05-02 | 2009-04-24 | 서강대학교산학협력단 | 사출 성형에서의 초음파 가진 조건 설계방법 |
CN113866267B (zh) * | 2021-09-15 | 2024-04-19 | 浙大宁波理工学院 | 一种模压复材制品飞边超声检测装置及控制方法 |
-
1991
- 1991-12-20 JP JP03338521A patent/JP3075615B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0538742A (ja) | 1993-02-19 |
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