JP3074886U - 高吸収率を有する生理用品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生理用品の人体の皮膚に対する密着性を増強
し、同時に排泄される血液、もしくは尿液などが外部に
遺漏する事態を改善し、使用者の使い心地を向上するこ
とによって、より安全な防護を与えることのできる高吸
収率を有する生理用品を提供することを目的とする。 【手段】 高吸収率を有する吸収綿体を含む生理用品で
あって、該吸収綿体１０は、拡散層１２と、高分子吸収
体を含んでなる吸収層１４と、防水層１６とをこの順に
一体に積層状に結合してなり、前記吸収綿体１０の左右
両側辺の相対する適宜な位置には、圧縮成形によって一
体に鞍馬状構造１８を形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、高分子吸収体による高吸収率を有する生理用品に係るものであっ て、特に婦女子の生理期間中や産後などに用いられる生理用ナプキン、あるいは 、嬰児用の使い捨ておむつ、成人の失禁用おむつ、吸収パット、成人用紙おむつ などに応用され、人間工学に適い、且つ左右側辺から液体の漏れ出ることを防ぐ 鞍馬状構造を備えた高吸収率を有する生理用品に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

現在一般に使用されている生理用品は、婦女子、嬰児、老年者などの身体に接 触する製品に応用されている。婦女子にとって言えば、生理期間中使用されるナ プキンは、使用者の歩行、運動、もしくは睡眠時などにおける寝返り、横臥、弓 なり、うつ伏せ、仰向けなど、ありとあらゆる姿勢をとる場合があり、使用して いる生理用品に捩れ、変形などが発生し、排泄された血液が外部に遺漏すること があるのみならず、生理期間中において身体の不適応性が高い少数の人にとって 、使い心地の良さと、安全性を達成することができないものといえる。 周知の生理用ナプキンは、下穿き内面側に貼着して使用されるが、やはり人体 に対して密着する効果を得ることができない。このため排泄された血液が外部に 遺漏するという困惑を招く。さらに、例え細幅部の左右側辺に遺漏防止手段を設 けたとしても、実際に使用する状況における理想と現実の間に、大きな差が極め て容易に発生する。 即ち、例え側辺に遺漏防止手段を設けても、これを側辺に直立させたまにして おくことができず、折りたたまれて生理用ナプキンの使用面と同一の平面状とな ってしまい、予期する効果を得ることができない。 排泄された血液が遺漏する事態が一旦発生した場合、その処理は非常に手間が かかり不便なものである。このため婦女子は生理期間中において、このような遺 漏が発生しないか随時留意しなければならず、かなり大きな心理的負担となって いる。また、睡眠時においても安心することができず、睡眠の妨げとなり、日常 生活の規律と仕事に対する態度に影響を与えやすい。

【０００３】 また、目下嬰児用に使用されている生理用品としての紙おむつなどは、側辺遺 漏防止のため折り目を付け、かつゴム紐を設けて嬰児の大腿部に密着させ、側辺 からの遺漏を防止するようにしているが、この種の紙おむつで嬰児の臀部を包む 場合、嬰児の肌に対する接触点が完全に密着することはできない。特に寝返りを 打ったり、転がったりする動作を行なうと、緊密でない被覆のため尿液が容易に 外部に遺漏する。 また、前述の生理用ナプキン、もしくは紙おむつにおいて、付加される側辺遺 漏防止用の折り目部の材質は、単一層の不織布部による粗雑な吸収綿体が使用さ れている。このため、皮膚に対して容易に摩擦が発生し、使用者の使い心地に影 響を与える。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、以上に述べる周知の技術にみられる欠点である生理用品と人体の 皮膚との間の密着性の悪さに鑑みて、開発されたものである。 すなわち、この考案は生理用品の人体の皮膚に対する密着性を増強し、同時に 排泄される血液、もしくは尿液などが外部に遺漏する事態を改善し、使用者の使 い心地を向上することによって、より安全な防護を与えることのできる高吸収率 を有する生理用品を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案による生理用品は、左右側縁に鞍馬状構造を形成した生理用品であっ て、高い吸収率を具える吸収綿体を含んでなり、人体の股下である大腿付け根の 内側に相対する位置に当たり、且つ前記吸収綿体の両側縁の相対する適宜な位置 に対して、それぞれ外方向から内方向にかけて圧縮加工を施し、鞍馬状の構造を 一体に形成してなるもので、該吸収綿体は、拡散層と、高分子吸収体（ＳＡＰ） を含む吸水層と、防水層とを積層状体に結合したものである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

この考案は、高い吸収率を有する吸収綿体の左右側縁に、鞍馬状の構造を形成 した生理用品であって、生理用品と人体の皮膚との間に緊密な接触を発生させ、 両者の間の密着性を高めるようにしたものである。

【０００７】

【実施例】

具体的な実施例を挙げて、図面を参照に、この考案の目的、技術内容、特徴及 びその効果を以下に詳述する。 図１は、この考案に係る高吸収率を有する生理用品における実施形態を示す吸 収綿体の断面図で、前記吸収綿体１０は拡散層１２と、高分子吸収体を含んでな る吸収層１４と、防水層１６とを一体にこの順に積層状態に結合してなる。

【０００８】 図２はこの考案に係る高吸収率を有する生理用品を人体に装着した状態の脚部 方向から見上げた状態の斜視図で、図３は前記生理用品の細幅方向を断面して示 す断面図である。これらの図において、鞍馬状構造１８は、人体の股下の大腿付 け根内側に相対する部位に位置し、かつ吸収綿体１０の左右両側辺の適宜な位置 に相対して圧縮成形によって一体に形成したものである。 即ち、前記吸収綿体１０は、人体の外部生殖器官に接触する左右両外側の相対 する位置に、外方向から内方向にかけて一体に圧縮成形を施すことによって、鞍 馬状構造１８を形成したもので、このため、吸収綿体１０の両側は、自然に立ち あがるようになり隔絶の作用を担い、左右側辺からの遺漏を防止する。

【０００９】 この考案による鞍馬状構造を備えた高い吸収率を有する生理用品を以って、短 冊状の生理用ナプキン２０とした場合を図４に開示する。 上述の吸収綿体１０を以って短冊状の生理用ナプキン２０を形成した場合、そ の圧縮成形によって形成される鞍馬状構造１８の位置は、ちょうど女性の両大腿 間の外部生殖器官下方に位置するようにして使用するもので、排泄された血液を 直接受けるところである。また、左右の鞍馬状構造１８は、人体の股下とそれぞ れ緊密に接触するので、高い密着性を有し、確実に左右側辺からの遺漏を防止す ることができる。

【００１０】 また、図５に開示するように、生理用ナプキン２０の後端部を後方に延伸させ 、幅を徐々に広げて扇状の円弧形状とした後部エリア２２を形成することによっ て、吸収綿体１０による吸収面積を多くし、夜間における使用時に更なる安全性 を具えることができる。

【００１１】 図６はこの考案の高い吸収率を有する生理用品を紙おむつ２４とした状態を示 す全体斜視図である。 前記紙おむつ２４は、中央部分を前記吸収綿体１０によって形成し、これを展 開した場合、略Ｈ字状を呈する。臀部を被覆する紙おむつ２４の後方、及び腰に 接触する箇所の後縁端部に形成した貼着部２６と、高い吸収率を有する吸収綿体 １０と、腰のサイズを調整して腹部側に折り曲げられる前端縁位置決め部２８と からなる。股下に対応する位置にあたる吸収綿体１０上には、圧縮成形によって 鞍馬状構造１８が形成され、紙おむつ２４で臀部全体を被覆した場合、鞍馬状構 造１８の吸収綿体１０が、ちょうど人体の股下の位置にあたるようにし、且つ後 端縁の左右貼着部２６を前端縁位置決め部２８にそれぞれ貼着することで、人体 と緊密に接触した紙おしめとして使用され、遺漏防止の安全性を達成することが できる。

【００１２】 図７は、前記に示した図２相当図で、この考案による高い吸収率を有する生理 用品の吸収綿体１０の大腿部に近い位置にあたる左右両側端に、弾性を有するゴ ム紐３０を設けた状態の変形例である。この変形例によれば、ゴム紐３０を設け たことにより前記鞍馬状構造１８は、さらに立体的となり、人体との密着性が更 に高まる。

【００１３】 この考案による生理用品は、生理用ナプキンに応用しようとも、紙おむつに応 用しようとも、いずれの使用においても、排泄物が外部に遺漏するという状況が 発生しにくく、且つこの考案は、鞍馬状構造によって立体的な隔絶構造が自然に 立ちあがって形成され、周知の側辺遺漏防止手段に取って代わることができる。 このため、好ましい使い心地を得ることができ、使用上さらに快適なものとなる 。

【００１４】 以上の説明は、この考案の好ましい実施例であって、その技術思想、特徴、及 び目的を開示して、当業者が内容を理解して実施できるようにするためのもので ある。よって、以上の実施例を以って、この考案の実用新案登録請求の範囲を限 定するものではない。およそこの考案に開示する精神に基づいてなされる均等効 果の変更、修正などは、いずれもこの考案の実用新案登録請求の範囲に属すもの とする。

【考案の効果】

この考案による生理用品は鞍馬状構造を有し、人体の皮膚に対する密着性を増 強し、同時に排泄される血液、もしくは尿液などが外部に遺漏する事態を改善し 、使用者の使い心地を向上することによって、より安全な防護を与えることので きる生理用品を提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る高吸収率を有する生理用品にお
ける実施形態を示す吸収綿体の断面図。

【図２】この考案に係る高吸収率を有する生理用品を人
体に装着した状態の脚部下方向から見上げた状態の斜視
図。

【図３】この考案の生理用品の細幅方向を断面して示す
断面図。

【図４】この考案の高吸収率を有する生理用品を生理用
ナプキンとした状態の斜視図。

【図５】図４の変形例を示す斜視図。

【図６】この考案の高吸収率を有する生理用品を紙おむ
つとした状態の斜視図。

【図７】図６の変形例を示す図２相当図。

【符号の説明】

１０ 吸収綿体 １２ 拡散層 １４ 吸収層 １６ 防水層 １８ 鞍馬状構造 ２０ 生理用ナプキン ２２ 後部エリア ２４ 紙おむつ ２６ 後端縁貼着部 ２８ 前端縁位置決め部 ３０ ゴム紐

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ Ａ６１Ｆ 13/539

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高吸収率を有する吸収綿体を含む生理用
   品であって、 該吸収綿体は、拡散層と、高分子吸収体を含んでなる吸
   収層と、防水層とこの順に一体に積層状に結合してな
   り、 該吸収綿体の左右両側辺の相対する適宜な位置には、圧
   縮成形によって一体に鞍馬状構造を形成したことを特徴
   とする高吸収率を有する生理用品。
2. 【請求項２】 前記吸収綿体は、臀部を被覆する後方の
   位置、及び腰の位置の後端縁に形成された貼着部と、腰
   のサイズを調整する前端縁位置決め部とを備えた紙おむ
   つとして使用できるようにしたことを特徴とする請求項
   １に記載の高吸収率を有する生理用品。
3. 【請求項３】 前記吸収綿体は全体を短冊形状とし、細
   幅左右側縁に圧縮成形によって形成された鞍馬状構造を
   有し、前記鞍馬状構造部が人体の股下の位置にあたるこ
   とを特徴とする請求項１に記載の高吸収率を有する生理
   用品。
4. 【請求項４】 前記吸収綿体の後端縁が後方に延伸し、
   徐々に幅を広げ扇状の円弧形状を有する後部エリアを形
   成したことを特徴とする請求項３に記載の高吸収率を有
   する生理用品。
5. 【請求項５】 前記吸収綿体の側辺に、さらに弾性を有
   するゴム紐を設けることを特徴とする請求項１に記載の
   高吸収率を有する生理用品。