JP3073066B2 - 自動車用音場補正機能を有する音響再生装置 - Google Patents

自動車用音場補正機能を有する音響再生装置

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JP3073066B2
JP3073066B2 JP03282927A JP28292791A JP3073066B2 JP 3073066 B2 JP3073066 B2 JP 3073066B2 JP 03282927 A JP03282927 A JP 03282927A JP 28292791 A JP28292791 A JP 28292791A JP 3073066 B2 JP3073066 B2 JP 3073066B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音場補正機能を有する
自動車用音響再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】典型的な先行技術は本件出願人による特
開平2−7699に開示されており、これは簡略化され
て図8に示されている。自動車の車室において、主スピ
ーカ1からの直接音DRは、運転者などの聴取者2の右
耳ERに入射する。このスピーカ1からの破線で示され
る経路を辿り、窓ガラスなどの窓板3において反射した
音RRもまた、右耳ERに入射する。聴取者2のヘッド
レストには、補助スピーカ4が設けられ、この補助スピ
ーカ4から右耳ERに入射される直接音HRaは、反射
音RRと同一の音圧レベルで逆相とされて相互に干渉す
る。こうして補助スピーカ4からの直接音HRaによっ
て反射音RRをキャンセルして打消す。聴取者2の左耳
ELに向けられた補助スピーカ5もまた、その左耳EL
に入射する反射音を打消す音響を発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような図8に示さ
れる先行技術では、補助スピーカ4,5は聴取者2側に
向けられているので、右補助スピーカ4からの音響が聴
取者2の左耳ELに到達し、また左補助スピーカ5から
の音響が聴取者2の右耳ERに到達し、したがって希望
する音場が正確に得られないという問題がある。
【0004】さらにこの先行技術では、反射音RRと補
助スピーカ4からの直接音HRaとが相互に干渉して反
射音RRが打消される領域が狭く、したがって右耳ER
および聴取者2の位置が僅かにずれただけで、補助スピ
ーカ4の直接音HRaによる反射音RRの打消しが不可
能になる。このことは、もう1つの補助スピーカ5に関
しても同様である。
【0005】本発明の目的は、反射音を確実に打消すこ
とができ、しかもその反射音を打消すことができる領域
を広くすることができるようにした自動車用音場補正機
能を有する音響再生装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、主スピーカ
と、自動車の開閉可能な窓板の開閉状態を検出する検出
手段と、検出手段の出力に応答し、主スピーカから窓板
で反射して聴取位置の窓板側の聴取者の耳に伝播する音
のみで構成される音場の前記開閉状態に対応する伝達関
数の逆関数である伝達関数を有し、主スピーカへ与える
音響信号が入力される打消し音響信号発生手段と、打消
し音響信号発生手段からの出力が与えられ、聴取位置の
聴取者の前記耳付近に設けられ、窓板寄りに正面軸を傾
斜させた補助スピーカとを含むことを特徴とする自動車
用音場補正機能を有する音響再生装置である。
【0007】また本発明は、聴取位置の前方左方に設け
られ、左の音響信号が与えられる左主スピーカと、聴取
位置の前方右方に設けられ、右の音響信号が与えられる
右主スピーカと、聴取位置の近傍で左方に設けられ、左
の窓板寄りに正面軸を傾斜させた左補助スピーカと、聴
取位置の近傍で右方に設けられ、右の窓板寄りに正面軸
を傾斜させた右補助スピーカと、自動車の開閉可能な左
の窓板の開閉状態を検出する第1検出手段と、自動車の
開閉可能な右の窓板の開閉状態を検出する第2検出手段
と、第1検出手段の出力に応答し、右の主スピーカから
左側の窓板で反射して聴取位置の聴取者の左側の耳に伝
播する音のみで構成される音場の前記左側の窓板の開閉
状態に対応する伝達関数の逆関数である伝達関数を有
し、右の音響信号が入力され、出力を、左の補助スピー
カに与える第1打消し音響信号発生手段と、第2検出手
段の出力に応答し、左の主スピーカから右側の窓板で反
射して聴取位置の聴取者の右側の耳に伝播する音のみで
構成される音場の前記右側の窓板の開閉状態に対応する
伝達関数の逆関数である伝達関数を有し、左の音響信号
が入力され、出力を、右の補助スピーカに与える第2打
消し音響信号発生手段とを含むことを特徴とする自動車
用音場補正機能を有する音響再生装置である。
【0008】さらにまた本発明は、聴取位置の前方左方
に設けられ、左の音響信号が与えられる左主スピーカ
と、聴取位置の前方右方に設けられ、右の音響信号が与
えられる右主スピーカと、聴取位置の近傍で左方に設け
られ、左の音響信号が与えられる左補助スピーカと、聴
取位置の近傍で右方に設けられ、右の音響信号が与えら
れる右補助スピーカと、自動車の開閉可能な左の窓板の
開閉状態を検出する第1検出手段と、自動車の開閉可能
な右の窓板の開閉状態を検出する第2検出手段と、第1
検出手段の出力に応答し、右の主スピーカから左側の窓
板で反射して聴取位置の聴取者の左側の耳に伝播する音
のみで構成される音場の前記左側の窓板の開閉状態に対
応する伝達関数の逆関数である伝達関数を有し、右の音
響信号が入力され、出力を、左の補助スピーカに加えて
与える第1打消し音響信号発生手段と、第2検出手段の
出力に応答し、左の主スピーカから右側の窓板で反射し
て聴取位置の聴取者の右側の耳に伝播する音のみで構成
される音場の前記右側の窓板の開閉状態に対応する伝達
関数の逆関数である伝達関数を有し、左の音響信号が入
力され、出力を、右の補助スピーカに加えて与える第2
打消し音響信号発生手段とを含むことを特徴とする自動
車用音場補正機能を有する音響再生装置である。
【0009】また本発明は、聴取位置の前方左方に設け
られ、左の音響信号が与えられる左主スピーカと、聴取
位置の前方右方に設けられ、右の音響信号が与えられる
右主スピーカと、自動車の開閉可能な左の窓板の開閉状
態を検出する第1検出手段と、自動車の開閉可能な右の
窓板の開閉状態を検出する第2検出手段と、第1検出手
段の出力に応答し、右の主スピーカから左側の窓板で反
射して聴取位置の聴取者の左側の耳に伝播する音のみで
構成される音場の前記左側の窓板の開閉状態に対応する
伝達関数の逆関数である伝達関数を有し、右の音響信号
が入力され、出力を、左の主スピーカに加えて与える第
1打消し音響信号発生手段と、第2検出手段の出力に応
答し、左の主スピーカから右側の窓板で反射して聴取位
置の聴取者の右側の耳に伝播する音のみで構成される音
場の前記右側の窓板の開閉状態に対応する伝達関数の逆
関数である伝達関数を有し、左の音響信号が入力され、
出力を、右の主スピーカに加えて与える第2打消し音響
信号発生手段とを含むことを特徴とする自動車用音場補
正機能を有する音響再生装置である。
【0010】
【作用】本発明に従えば、補助スピーカは、聴取位置の
聴取者の耳付近に設けられ、窓板寄りに正面軸が傾斜さ
れており、この補助スピーカには、主スピーカから窓板
で反射して聴取者の窓板側の聴取者の耳に伝播する音の
みで構成される音場の窓板開閉状態に対応する伝達関数
の逆関数である伝達関数を有する打消し音響信号発生手
段に、主スピーカへ与える音響信号が入力されたときに
得られる打ち消し音響信号発生手段からの出力が与えら
れ、こうして補助スピーカからの音響出力によって、窓
板、さらにはその窓板付近の車室内壁から反射してくる
主スピーカによる音響の打消しを行うことができる。
【0011】こうして聴取者のたとえば右耳付近に設け
られている補助スピーカからの直接音が、その聴取者の
反対側である左耳に入ることが防がれ、あるいはまた聴
取者の左耳付近に設けられている補助スピーカからの直
接音が聴取者の右耳に入射されることが防がれ、こうし
て希望する音場を得ることができるようになる。
【0012】さらに本発明に従えば、この補助スピーカ
の正面軸は、窓板寄りに傾斜されており、聴取者の耳に
向けて正面軸が設定されてはいないので、スピーカから
の音響の窓板による反射音の打消し領域を広くすること
ができる。したがって聴取者の頭の位置、したがって耳
の位置がずれても、反射音の打消しを補助スピーカによ
って確実に行うことができ、希望する音場を得ることが
できる領域を広くすることができる。
【0013】また本発明に従えば、自動車の車室の運転
席および/または助手席などの聴取位置の前方左右に主
スピーカがそれぞれ備えられ、聴取位置の近傍で左右に
は補助スピーカが設けられ、これらの左右の補助スピー
カは、左右の窓ガラスなどのような開閉可能な窓板寄り
に正面軸がそれぞれ傾斜されており、左右の窓板の開閉
状態は、第1および第2検出手段によってそれぞれ検出
され、第1および第2検出手段の各出力にそれぞれ応答
する第1および第2打消し音響信号発生手段には、右お
よび左の音響信号が入力され、各出力は、左右の補助ス
ピーカにそれぞれ与えられ、これらの第1および第2打
消し音響信号発生手段の伝達関数は、右および左の主ス
ピーカから左側および右側の各窓板で反射して聴取位置
の聴取者の左側および右側の耳に伝播する音のみで構成
される各音場の前記左側および前記右側の各窓板の開閉
状態に対応する伝達関数の逆関数であり、これによって
左右の各窓板による右および左の主スピーカからの音響
の反射音が左右の補助スピーカでそれぞれ打消されるこ
とになる。
【0014】さらに本発明に従えば、左右の各補助スピ
ーカには、左右の主スピーカにそれぞれ与えられるべき
左右の各音響信号がそれぞれ与えられて、音場が形成さ
れる。この場合、補助スピーカの正面軸は、窓板寄りに
向けられず、補助スピーカは、聴取位置の近傍に設けら
れていればよい。
【0015】さらに本発明に従えば、補助スピーカを省
略し、第1および第2打消し音響信号発生手段から得ら
れる出力を、前述の左右の補助スピーカにそれぞれ加え
て与える代りに、左右の主スピーカにそれぞれ加えて与
えるようにしてもよい。
【0016】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の全体の構成を示
す簡略化した系統図である。自動車6の車室7には運転
席および助手席である聴取位置としての座席8,9が設
けられており、その前方左右に主スピーカFL,FRが
それぞれ取付けられる。これらの主スピーカFL,FR
には、音響信号発生源10から左音響信号がライン11
を介して、また右音響信号がライン12を介して、さら
に増幅回路13,14を介して与えられる。座席8,9
のヘッドレスト8a,9aには、補助スピーカHR,H
Lがそれぞれ設けられる。
【0017】図2は、座席8付近の拡大した平面図であ
る。車室7を形成する自動車6の側部には、開閉可能な
左右の窓ガラスである窓板33,34が上下に昇降変位
可能に設けられ、その窓板33,34の上下の開閉状態
は、第1検出手段35,36によって検出される。自動
車6の扉に設けられる右側の窓板34には、左主スピー
カFLからの音響が参照符16で示されるように伝播さ
れ、その窓板34によって参照符17で示されるように
反射し、座席8に着座している聴取者である運転者の右
耳ER2に入射してくる。補助スピーカHRは、この反
射音17を打消すために、正面軸18が、窓板34寄り
に傾斜されており、音場の正面方向19に対して角度θ
を有する。この角度θは、たとえば数1で示されるよう
に選ばれる。
【0018】
【数1】0°≦θ≦45° 角度θを大きくし過ぎると、補助スピーカHRからの音
響が窓板34で反射されてその反射音が右耳ER2に入
射されるおそれがあり、したがって角度θを数1のよう
に選んで、補助スピーカHRからの音響の窓板34によ
る反射音が右耳ER2に入射しないようにする。助手席
9のヘッドレスト9aに設けられている補助スピーカH
Rもまた、補助スピーカHRと対称に設けられ、窓板3
3による主スピーカFRからの音響の反射音を打消す。
【0019】左音響信号は、ライン11から、第2打消
し音響信号発生手段20を経て、その出力は増幅回路2
1によって増幅されて右補助スピーカHRに与えられ
る。右音響信号はライン12からもう1つの第1打消し
音響信号発生手段22に与えられ、その出力は増幅回路
23で増幅され、左補助スピーカHLに与えられる。
【0020】図3を参照して、左主スピーカFLからの
直接音は図1の参照符24で示されるようにして運転席
8の聴取者の左耳EL2に、図3(1)で示される音圧
レベルで入射される。この左主スピーカFLからの直接
音はまた、聴取者の右耳ER2に、図3(2)の小さい
音圧レベル25で示されるようにして入射される。さら
に左主スピーカFLからの直接音16は、窓板34によ
って反射され、その反射音17は、図3(2)の音圧レ
ベル26で示されるようにして右耳ER2に入射され
る。この実施例ではこのような反射音17の音響を打消
すために、第2打消し音響信号発生手段20は、左主ス
ピーカFLから開閉される窓板34で反射して運転席8
の窓板34側の聴取者の右耳ER2に伝播する音16,
17のみで構成される音場の伝達関数HL1の逆関数1
/HL1である伝達関数を有する。これによって補助ス
ピーカHRからの音響は、反射音17を打消し、したが
って右耳ERには、反射波17が入射することが防がれ
る。このための構成を図4および図5を参照してさらに
説明する。
【0021】図4は、窓板34を示す車室7側から見た
一部の正面図である。自動車6の扉37には、透明な窓
ガラスなどの窓板34が昇降可能に設けられており、こ
の窓板34の開閉状態、すなわち開度は、第2検出手段
36によって検出される。
【0022】図5は、第2検出手段36の具体的な構成
を示す電気回路図である。ドア37の開口部38の上下
に沿って抵抗体39が設けられており、この抵抗体39
の上下の各端部40,41は、一方の電位+Vccと接
地電位とされる。窓板34には接触片42が取付けられ
ており、この接触片42は、抵抗体39に接触して摺動
する。したがってこの接触片42のライン43から導出
される電圧は、窓板34の上下の位置、したがってその
窓板34の開閉状態を表す。もう1つの左の窓板33お
よび第1検出手段35もまた、同様に構成され、その窓
板33の開閉状態を表す信号はライン44から導出さ
れ、第1打消し音響信号発生手段22に与えられる。
【0023】第2打消し音響信号発生手段20は、第2
検出手段36の出力に応答し、左の主スピーカFLから
右側の窓板34で反射して運転席8の運転者である聴取
者の右側の耳ER2に伝播する音のみで構成される音場
の前記右側の窓板34の開閉状態に対応する伝達関数H
L1の逆関数1/HL1である伝達関数を有する。この
第2打消し音響信号発生手段20には、ライン11から
の左の音響信号が入力され、その出力は増幅回路21を
経て、右の補助スピーカHRに与えられる。
【0024】補助スピーカHRは、聴取者の窓板34側
の右耳ER2付近に設けられており、窓板34寄りに正
面軸が角度θだけ傾斜されているので、その補助スピー
カHRからの直接音が、右耳ER2および左耳EL2に
入射することが防がれ、これによって希望する音場が確
実に得られることになる。しかもこの補助スピーカHR
は、上述のように窓板34寄りに正面軸18が傾斜され
ており、したがって反射音17を打消すことができる領
域が広い。したがって聴取者の頭および耳ER2,EL
2の位置がずれても、反射音17を確実に打消して、希
望する音場を得ることができる。このことは助手席9に
おける聴取者に関しても同様である。第1打消し音響信
号発生手段22は、主スピーカFRから開閉される窓板
33で反射して助手席9の窓板33側の聴取者の左耳E
R1に伝播する音のみで構成される音場の伝達関数HR
1の逆関数1/HR1である伝達関数を有する。すなわ
ち第1打消し音響信号発生手段22は、第1検出手段3
5の出力に応答し、右の主スピーカFRから左側の窓板
33で反射して助手席9である聴取位置の助手の聴取者
の左側の耳ER1に伝播する音のみで構成される音場の
前記左側の窓板33の開閉状態に対応する伝達関数HR
1の逆関数1/HR1である伝達関数を有する。この第
1打消し音響信号発生手段22には、ライン12からの
右の音響信号が入力され、その出力は増幅回路23を経
て左の補助スピーカHLに与えられる。右主スピーカF
Rからの音27は、窓板33によって反射され、その反
射音29は、左補助スピーカHLからの音30によって
打消される。
【0025】本発明の他の実施例として、主スピーカF
Lと補助スピーカHRとそれらに関連する増幅回路1
3,21および一方の打消し音響信号発生手段20だけ
が設けられ、主スピーカFRと補助スピーカHLなどが
省略されたときにおいても、反射音17による悪影響を
防ぐことができ、本発明を実施することができる。
【0026】上述の実施例では運転席8と助手席9とが
設けられたけれども、本発明の他の実施例としてたとえ
ば運転席8だけが設けられ、そのヘッドレスト8aに補
助スピーカHR,HLがそれぞれ設けられるようにして
もよく、このときもまた、本発明が同様に実施される。
【0027】図6は、本発明の他の実施例の全体の構成
を示す系統図である。この実施例は、前述の実施例に類
似し、対応する部分には同一の参照符を付す。特にこの
実施例では自動車6の左右の各側部で車室7に向けて、
補助スピーカHL,HRがそれぞれ設けられる。補助ス
ピーカHL,HRは、助手席9および運転席8である各
聴取位置の近傍に配置され、この実施例では、それらの
座席9,8のわずかに後方に配置され、直接音を耳EL
1,ER2にそれぞれ与えて各座席9,8における音場
の効果を向上するとともに、これらの座席9,8よりも
後方の後部座席における音場効果をも向上させる。左右
の窓板33,34に関連して、前述の実施例と同様に第
1および第2検出手段35,36が設けられ、これらの
各出力は、ライン44,43をそれぞれ介して第1およ
び第2打消し音響信号発生手段22,20にそれぞれ与
えられ、それらの伝達関数が前述の実施例と同様にして
変化される。
【0028】ライン12の右音響信号は、加算回路47
の一方の入力に与えられ、その出力は増幅回路21に与
えられる。第2打消し音響信号発生手段20には、ライ
ン11からの左音響信号が与えられ、その出力は加算回
路47の他方の入力に与えられて、右音響信号に加えら
れる。また同様にしてライン11の左音響信号は加算回
路48の一方の入力に与えられ、その加算出力は増幅回
路23に与えられる。ライン12からの右音響信号は第
1打消し音響信号発生手段22に与えられ、その出力は
加算回路48の他方の入力に与えられ、こうしてその出
力は左音響信号に加算される。
【0029】こうして補助スピーカHLからの音響は、
右主スピーカFRが左側の窓板33に反射して助手席9
の聴取者の左側の耳ER1に入射される反射音を打消
す。また同様にして右補助スピーカHRは、左主スピー
カFLから窓板34に反射して運転席8の聴取者の右耳
ER2に入射される反射音を打消す。またこのような実
施例によれば、運転席8および助手席9における聴取者
の頭、したがって耳の位置が変化しても、反射音の打消
される領域が比較的広いので、希望する音場で聴取する
ことが可能である。
【0030】図7は、本発明のさらに他の実施例の全体
の構成を示す系統図である。この実施例は前述の実施例
に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。注目
すべきはこの実施例では、前述の実施例における補助ス
ピーカHR,HLが省略され、反射音の打消しのための
音響信号は、左右の主スピーカFL,FRに与えられる
信号に加えられる。
【0031】左主スピーカFLには、増幅回路13を介
するライン11からの左音響信号が与えられるととも
に、ライン12からの右音響信号が第1打消し音響信号
発生手段22を経て、増幅回路23からライン53を経
て与えられ、こうして加算回路51において加算された
音響信号は、左主スピーカFLに与えられる。第1検出
手段35の出力は第1打消し音響信号発生手段22に与
えられる。この第1打消し音響信号発生手段22の伝達
関数は、第1検出手段35の出力に応答し、右の主スピ
ーカFRから左側の窓板33で反射して助手席9の聴取
者の左側の耳EL1に伝播する音のみで構成される音場
の前記左側の窓板33の開閉状態に対応する伝達関数H
R1の逆関数HR1の逆関数1/HR1である。
【0032】また同様にして右主スピーカFRには、ラ
イン12からの右音響信号が増幅回路14によって増幅
され、加算回路52の一方の入力に与えられる。ライン
11からの左音響信号は第2打消し音響信号発生手段2
0を経て、増幅回路21から加算回路52の他方の入力
に与えられる。加算回路52の出力は、右スピーカFR
に与えられる。この第2打消し音響信号発生手段20の
伝達関数は、第2検出手段36からライン43を介する
出力に応答し、左の主スピーカFLから右側の窓板34
で反射して運転席8の運転者である聴取者の右側の耳E
R2に伝播する音のみで構成される音場の前記右側の窓
板34の開閉状態に対応する伝達関数HL1の逆関数1
/HL1である伝達関数を有する。こうして運転席8お
よび助手席9における聴取者は、反射音に悪影響される
ことなく、希望する音場で音響信号を聴取することがで
きる。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、補助スピ
ーカを、自動車の開閉可能な窓板側の聴取者の耳付近に
設け、その補助スピーカの正面軸を、窓板寄りに傾斜さ
せ、この補助スピーカには、主スピーカから窓板で反射
して聴取位置の窓板側の聴取者の耳に伝播する音のみで
構成される前記窓板の開閉状態に対応した音場の伝達関
数の逆関数である伝達関数を有し、主スピーカへ与える
音響信号を入力するようにしたので、窓板による主スピ
ーカからの音の反射音の打消しを行うことができるのは
勿論、補助スピーカからの直接音が、窓板側の耳だけで
なく、反対側の耳に入射されることを防ぐことができ、
窓板の開閉状態に拘らず常に希望する音場を得ることが
可能になる。さらにこの補助スピーカの正面軸は、上述
のように窓板寄りに傾斜されており、すなわち窓板に向
けられて打消しを行う音響が補助スピーカから発生され
るので、聴取者の頭、したがって耳の位置がずれても、
その反射音の打消しを行う領域が広いので、希望する音
場を得ることが可能である。
【0034】さらに本発明によれば、自動車の車室の運
転席および/または助手席などのような聴取位置の前方
左右に主スピーカをそれぞれ設け、聴取位置の近傍で左
右には補助スピーカがそれぞれ設けられ、これらの左右
の各補助スピーカの正面軸は、左右の窓ガラスなどのよ
うな窓板寄りにそれぞれ傾斜されており、左右の窓板の
開閉状態は、第1および第2検出手段によって検出さ
れ、第1および第2検出手段の各出力に応答する第1お
よび第2打消し音響信号発生手段は、右および左の各音
響信号が入力され、各出力は左右の補助スピーカにそれ
ぞれ与えられ、これらの第1および第2打消し音響信号
発生手段の伝達関数は、右および左の主スピーカから左
側および右側の各窓板で反射して聴取位置の聴取者の左
側および右側の耳に伝播する音のみで構成される各音場
の前記左側および前記右側の各窓板の開閉状態に対応す
る伝達関数の逆関数であり、こうして各窓板による反射
音を打消すことができるようになる。
【0035】さらに本発明によれば、補助スピーカを省
略し、第1および第2打消し音響信号発生手段からの出
力を、左右の各主スピーカにそれぞれ加えて与えるよう
にして、構成の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体の構成を示す簡略化し
た系統図である。
【図2】運転席8付近の拡大した平面図である。
【図3】図1および図2に示される実施例の聴取状態を
示す図である。
【図4】窓板34および第2検出手段36に関連する構
成を示す簡略化した正面図である。
【図5】第2検出手段36の具体的な構成を示す電気回
路図である。
【図6】本発明の他の実施例の全体の構成を示す系統図
である。
【図7】本発明のさらに他の実施例の全体の構成を示す
系統図である。
【図8】先行技術を簡略化して示す平面図である。
【符号の説明】
6 自動車 7 車室 8 運転席 9 助手席 10 音響信号発生源 13,14,21,23 増幅回路 20,22 打消し音響信号発生手段 33 左側の窓板 34 右側の窓板 35,36 検出手段 47,48,51,52 加算回路 FR,FL 主スピーカ HR,HL 補助スピーカ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04S 1/00 G10K 11/178 H04R 3/12 H04R 5/02 B60R 11/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主スピーカと、 自動車の開閉可能な窓板の開閉状態を検出する検出手段
    と、 検出手段の出力に応答し、主スピーカから窓板で反射し
    て聴取位置の窓板側の聴取者の耳に伝播する音のみで構
    成される音場の前記開閉状態に対応する伝達関数の逆関
    数である伝達関数を有し、主スピーカへ与える音響信号
    が入力される打消し音響信号発生手段と、 打消し音響信号発生手段からの出力が与えられ、聴取位
    置の聴取者の前記耳付近に設けられ、窓板寄りに正面軸
    を傾斜させた補助スピーカとを含むことを特徴とする自
    動車用音場補正機能を有する音響再生装置。
  2. 【請求項2】 聴取位置の前方左方に設けられ、左の音
    響信号が与えられる左主スピーカと、 聴取位置の前方右方に設けられ、右の音響信号が与えら
    れる右主スピーカと、 聴取位置の近傍で左方に設けられ、左の窓板寄りに正面
    軸を傾斜させた左補助スピーカと、 聴取位置の近傍で右方に設けられ、右の窓板寄りに正面
    軸を傾斜させた右補助スピーカと、 自動車の開閉可能な左の窓板の開閉状態を検出する第1
    検出手段と、 自動車の開閉可能な右の窓板の開閉状態を検出する第2
    検出手段と、 第1検出手段の出力に応答し、右の主スピーカから左側
    の窓板で反射して聴取位置の聴取者の左側の耳に伝播す
    る音のみで構成される音場の前記左側の窓板の開閉状態
    に対応する伝達関数の逆関数である伝達関数を有し、右
    の音響信号が入力され、出力を、左の補助スピーカに与
    える第1打消し音響信号発生手段と、 第2検出手段の出力に応答し、左の主スピーカから右側
    の窓板で反射して聴取位置の聴取者の右側の耳に伝播す
    る音のみで構成される音場の前記右側の窓板の開閉状態
    に対応する伝達関数の逆関数である伝達関数を有し、左
    の音響信号が入力され、出力を、右の補助スピーカに与
    える第2打消し音響信号発生手段とを含むことを特徴と
    する自動車用音場補正機能を有する音響再生装置。
  3. 【請求項3】 聴取位置の前方左方に設けられ、左の音
    響信号が与えられる左主スピーカと、 聴取位置の前方右方に設けられ、右の音響信号が与えら
    れる右主スピーカと、 聴取位置の近傍で左方に設けられ、左の音響信号が与え
    られる左補助スピーカと、 聴取位置の近傍で右方に設けられ、右の音響信号が与え
    られる右補助スピーカと、 自動車の開閉可能な左の窓板の開閉状態を検出する第1
    検出手段と、 自動車の開閉可能な右の窓板の開閉状態を検出する第2
    検出手段と、 第1検出手段の出力に応答し、右の主スピーカから左側
    の窓板で反射して聴取位置の聴取者の左側の耳に伝播す
    る音のみで構成される音場の前記左側の窓板の開閉状態
    に対応する伝達関数の逆関数である伝達関数を有し、右
    の音響信号が入力され、出力を、左の補助スピーカに加
    えて与える第1打消し音響信号発生手段と、 第2検出手段の出力に応答し、左の主スピーカから右側
    の窓板で反射して聴取位置の聴取者の右側の耳に伝播す
    る音のみで構成される音場の前記右側の窓板の開閉状態
    に対応する伝達関数の逆関数である伝達関数を有し、左
    の音響信号が入力され、出力を、右の補助スピーカに加
    えて与える第2打消し音響信号発生手段とを含むことを
    特徴とする自動車用音場補正機能を有する音響再生装
    置。
  4. 【請求項4】 聴取位置の前方左方に設けられ、左の音
    響信号が与えられる左主スピーカと、 聴取位置の前方右方に設けられ、右の音響信号が与えら
    れる右主スピーカと、 自動車の開閉可能な左の窓板の開閉状態を検出する第1
    検出手段と、 自動車の開閉可能な右の窓板の開閉状態を検出する第2
    検出手段と、 第1検出手段の出力に応答し、右の主スピーカから左側
    の窓板で反射して聴取位置の聴取者の左側の耳に伝播す
    る音のみで構成される音場の前記左側の窓板の開閉状態
    に対応する伝達関数の逆関数である伝達関数を有し、右
    の音響信号が入力され、出力を、左の主スピーカに加え
    て与える第1打消し音響信号発生手段と、 第2検出手段の出力に応答し、左の主スピーカから右側
    の窓板で反射して聴取位置の聴取者の右側の耳に伝播す
    る音のみで構成される音場の前記右側の窓板の開閉状態
    に対応する伝達関数の逆関数である伝達関数を有し、左
    の音響信号が入力され、出力を、右の主スピーカに加え
    て与える第2打消し音響信号発生手段とを含むことを特
    徴とする自動車用音場補正機能を有する音響再生装置。
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