JP3072758B2 - カラーカメラを用いた画像監視システム - Google Patents

カラーカメラを用いた画像監視システム

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JP3072758B2
JP3072758B2 JP10056015A JP5601598A JP3072758B2 JP 3072758 B2 JP3072758 B2 JP 3072758B2 JP 10056015 A JP10056015 A JP 10056015A JP 5601598 A JP5601598 A JP 5601598A JP 3072758 B2 JP3072758 B2 JP 3072758B2
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岩本 秀治
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラーカメラを
用いた画像監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の監視システムとしては、白黒カメ
ラによる濃淡を用いて、異物のない基準画像との差分に
より異常を検出する方法が主に採用されていた。すなわ
ち、この従来方法においては、初期設定において異常の
ない現画像を予め記憶しておき、監視状態においてカメ
ラから入力される画像と随時差分比較を行う、しかし、
この方法では照明の影響を強く受け、赤色も青色も同じ
明るさであれば分離検出できない欠点を内包している。
また、照明光量変化の影響等を顕著に受けて誤作動しや
すく、また、小枝等、風で動くものがあったり、監視カ
メラが振動等でわずかに動いた場合も異常として誤検出
されやすい。さらに、複数の監視カメラを用いて監視す
る場合、監視カメラの数だけ現画像を記憶する画像メモ
リが必要となり、システムが複雑かつ高価となる。
【0003】他方、白黒カメラをカラーカメラに置き換
えて、カラー画像による画像差異を検出するシステムも
提案されている。しかし、カラー画像が白黒画像の3倍
の情報量を有するため、基準画像を記憶するためのメモ
リ量等が相当なものとなり、システムが大規模化・高価
格化するため、簡単には導入しにくい問題がある。特に
カラー画像による複数台の監視カメラを用いる監視シス
テムを導入しようとすれば、必要なメモリ量は膨大とな
り、システムの複雑化・高価格化の問題が顕著となっ
て、高度かつ広範囲の画像監視システムの普及のネック
となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、カ
ラー画像による高精度・広範囲の自動検出を可能とする
こと、光量変化を受けにくい、誤作動の少ないシステム
をそのシステムの大規模化・複雑化を避け、安価に構成
すること、そのために従来のカラー画像をコンピュータ
で一般に使用される赤・緑・青の各成分の強度で表現す
るRGB画像ではなく、これより情報量を減らし、小さ
な回路規模で高性能な異常検出を可能とすることにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】以上のよ
うな課題を解決するために、本発明では、その特許請求
の範囲の各請求項に記載のとおり、画像監視システムを
構成した。
【0006】例えば請求項1では、それぞれ所定範囲を
監視するための複数台のカラーカメラと、複数台のカラ
ーカメラがつなげられ、各カメラとの接続状態を時分割
で切り替える監視するカメラを順番に選択するシーケン
シャルスイッチと、そのシーケンシャルスイッチによっ
て時分割で接続されているカラーカメラからのカメラ信
号を受け、当該カラーカメラについて画像の異常検出の
ための画像監視処理を、前記シーケンシャルスイッチの
時分割の切替えに従い順次行う画像監視部と、を含むこ
とと特徴とする。
【0007】このように複数のカラーカメラをシーケン
シャルスイッチ機能により時分割に順次監視することに
より、高精度・広範囲に自動監視することができる。し
かも、複数のカラーカメラを用いながら、その画像監視
のためのシステムは、各カメラに共用の1つで足りるか
ら、システムの複雑化を避け、安価なものとできる。
【0008】また、請求項2の発明では、所定範囲を監
視するためのカラーカメラと、前記カラーカメラから出
力される映像信号のデコード処理を通じての映像信号よ
りデータ数の少ない特定数の色グループに統合・集約す
る色グループ統合手段と、その色グループ統合手段によ
り統合された色グループのデータに基づいて画像監視処
理を行う画像監視部と、を含むことを特徴とする。
【0009】これにより、RGB画像に比べて情報量を
少なくし、全体のシステムの簡素化を図ることができ
る。例えば明るさと色(色相・彩度)を分離した表現を
用いることができ、かつ、これにより光量変化の影響を
受けにくいシステムとできる。
【0010】請求項3、の発明では、所定範囲を監視す
るためのカラーカメラと、前記カラーカメラから出力さ
れる映像信号のデコード処理を通じてその映像映像信号
を明るさと色を分離した明るさデータ・色データに分離
するデータ分離手段と、前述の明るさデータにより色デ
ータを補正する補正手段と、その補正された色データを
主体として前記カラーカメラの映像信号をその映像信号
のデータ数よりデータ数の少ない特定数の色グループに
統合・集約する色グループ統合手段と、その色グループ
統合手段により統合された色グループのデータに基づい
て画像監視処理を行う画像監視部と、を含むことを特徴
とする。
【0011】このように色成分を明るさで補正した後、
異常検出の情報として用いることにより、照明の光量変
化や、カメラの絞り変化による影響を排除可能なシステ
ムが実現する。また、主に色成分に着目し、異常検出に
必要な色グループに分類して用いる方法を採用すれば、
情報量を減らし、小さな回路規模で高性能な異常検出が
できる。
【0012】請求項4の発明では、所定範囲を監視する
ためのカラーカメラと、前記カラーカメラの監視エリア
内において予め定められた任意又は規定の数・形状・範
囲の監視領域を画定する監視位置画像メモリと、前記カ
ラーカメラの映像信号をその映像信号よりデータ数の少
ない特定数の色グループに統合・集約する色グループ統
合手段と、その色グループ統合手段により統合された、
前記監視範囲ごとの色グループのデータに基づいて画像
監視処理を行う画像監視部と、を含むことを特徴とす
る。
【0013】このように、監視位置画像メモリを持たせ
ることにより、カメラの監視内に任意又は規定の形状・
範囲の監視範囲を複数設定することができ、小範囲重点
監視エリアの設定や無監視エリアの設定等、監視範囲に
自由度を持たせることができる。
【0014】請求項5の発明は、所定範囲を監視するた
めのカラーカメラと、前記カラーカメラから出力される
映像信号のデコード処理を通じてその映像信号よりデー
タ数の少ない特定数の色グループに統合・集約する色グ
ループ統合手段と、その色グループ統合手段により統合
された実際画像の色グループのデータにおいて、存在を
許可されている色グループの許可色累積総数を計数し、
その許可色累積総数が許可基準値に達しなければ異常、
達していれば正常と判定する判定手段と、を含むことを
特徴とする。
【0015】このように、従来の差分による差異検出機
構と異なり、例えば監視設定エリアにおいて許可色グル
ープ(存在を許可されている色グループ)の総画素数
が、異物の侵入により他の色に置き換わることで減数さ
れるため、基準設定値よりも小さくなった場合、異常検
出とすることができる。また、請求項6の発明のよう
に、例えば監視設定エリアにおいて不許可色グループ
(存在を許可されていない色グループ)の総画素数が、
異物の侵入により計数されるため、基準設定値より大き
くなった場合も異常検出とすることができる。
【0016】以上のような請求項5又は6の発明によれ
ば、基準画像にない色グループ(例えば突発的な外来光
により生ずる色等)においてもこれを許可したり、逆に
人間の肌色を含む色を不許可色グループとして特に指定
することなども可能になる。また、異常検出を行う設定
値の大小を調整することにより、反応する異物の大きさ
を設定でき、小動物には反応しない等の設定も可能であ
る。これら許可・不許可の色グループは、各監視エリア
(指定エリア)毎に独立に設定することもできる。
【0017】また、請求項7のように、許可色グループ
の総画素数と、不許可色グループの総画素数とをともに
用い、許可色グループの総画素数が基準設定値よりも大
きく、かつ不許可色グループの総画素数が基準設定値よ
りも小さい場合は、正常とし、それ以外の場合、すなわ
ち許可色グループの総画素数が基準設定値よりも小さい
場合、不許可色グループの総画素数が基準設定値よりも
大きい場合の少なくともいずれかが生じたとき異常検出
することができる。このように許可色及び不許可色の2
種類の総画素数のOR条件により異常検出すれば、相乗
的により目的に合致した緻密な監視ができる。
【0018】請求項8及び請求項9に示すように、特定
な色グループへの分割・統合(割振りとも言える)は、
カラーカメラから順次送られてくる映像画像の各画素毎
に行うことができる。そして、各画素毎に付与された
(割り振られた)色グループが許可色に属するか否か、
及び/又は不許可色に属するか否かを各画素毎に判断
し、上述の手法により少なくとも一方の総画素数に基づ
き異常を判定することができる。そこで、監視のカラー
カメラに適数の監視領域を予め設定する場合(複数台の
カメラの場合にはそれぞれに設定可能である)、その監
視領域毎に許可色の総画素数及び/又は不許可色の総画
素数を計数し、かつ、その監視領域毎に定められた許可
色基準値及び/又は不許可色基準値との大小により、上
述の手法で異常を判定することができる。
【0019】そして、以上の請求項1〜9の発明の全
て、又はそれらを任意に組合せた発明が設定できる。例
えば、請求項1〜9の全ての条件を含む画像監視システ
ムとすることもできる。さらに、本発明は別の見方をす
れば、画像監視方法とも言えるものである。
【0020】また、本システムを画像入出力機構部、画
像色抽出機構部及び監視画素計数機構部の3つの部分を
含んで構成する場合、その全て又は少なくとも一部をパ
イプライン方式を用いて、画像入力から許可画素数と不
許可画素数の総和を求めるまでの処理をリアルタイム処
理で行うことにより、高速に異常検出が行われるシステ
ムが実現する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例を参照しつつ説明する。図1〜図3に示す
画像監視システムは、大きく分けて図1に示す画像入出
力機構部1、図2に示す監視色抽出機構部20、図3に
示す監視画素計数機構部40の3つの部分を備えてい
る。
【0022】まず、図1の画像入出力機構部1におい
て、この例では8箇所を監視することを前提とし、8台
のカラーカメラ2が配置されている。これらのカラーカ
メラ2は、よく知られたCCDカメラであり、これらカ
ラーカメラ2の8台はビデオスイッチ3に接続されてい
る。IN1〜IN8がそれらの接続端子である。ビデオスイッ
チ3にはカメラコントローラ4が接続され、カメラコン
トローラ4は、ビデオスイッチ3の接続状態となるスイ
ッチ端子を時分割で順次切り替えさせる制御信号をビデ
オスイッチ3に供給する。8台のカラーカメラ2の出力
は、ビデオスイッチ3に接続されたカメラコントローラ
4からの制御信号を受けて、時分割に順番に監視するカ
ラーカメラ2が選択される。この時分割による監視カメ
ラの切替えは、例えば0.1〜2秒程度の範囲内の短時
間に設定することができる。
【0023】選択されたカラーカメラ2の映像信号は、
A/D変換器5によりデジタル信号に変換された後、ビ
デオデコーダ6により、この例では明るさと色を分離し
た1表現形式であるYCrCbにデコードされる。ここで
YCrCbによる映像の表現形式は公知であるため、詳し
い説明は省略するが、Yは明るさの信号、CrCbは2元
の座標系を構成し、色相と彩度を表す色空間である。一
般には、明るさYの座標系に対し、直角な円の半径が彩
度に相当し、ある基準の位相からの角度データが色相に
相当するものといえる。よって、CrCbの両データで彩
度と色相が特定された色情報となる。なおYCrCbによ
る表現形式以外にもYUVによる表現形式でもよい。こ
れは明るさの情報Yと彩度色相に相当するUVの座標系
により色情報を表現するものである。さらに別の表現形
式としてY色差表現でもよい。これはYとR−Y、B−
Yで、明るさYと色情報とを分離して表すもので、大ざ
っぱに言えばR−YがCrに、B−YがCbに相当するも
のといえる。いずれにしても明るさと色を分離した公知
の表現形式(ここではYCrCbによる表現形式)を用い
て、ビデオデコーダ6で明るさと色の情報に分離され、
これらの各データYCrCbがこの例ではそれぞれ8bit
の情報として画像メモリ7(フレームメモリ)に一旦記
憶される。
【0024】画像メモリ7は、入力される画像データI
Y、ICr、ICbを記憶すると同時に、その1フレーム前に
入力され記憶された画像データを、ビデオエンコーダ8
と、図2の監視色抽出機構部20に送出できるように構
成され、休むことなく高速で処理ができるようになって
いる。ビデオエンコーダ8では、画像メモリ7の画像と
上書き用のオーバーレイ画像を合成し、アナログ信号に
変換することにより、カラーモニタ9により映像が見ら
れるようになっている。ここで、オーバーレイ画像は、
異常検出時に異常発生等を知らせる画像データ等がオー
バーレイメモリ11上にホストコンピュータ10により
書き込まれ、異常検出時にはそのオーバーレイ画像が現
画像(実際画像)の上にビデオエンコーダ8で合成さ
れ、これがカラーモニタ9で表示されるようになってい
る。
【0025】以上のような画像入出力機構部1におい
て、カメラコントローラ4は設定した時間毎、例えば
0.5秒毎(短さは最高1/30秒)に監視するカラー
カメラ2を切り替えることで、ビデオスイッチ3ととも
にシーケンシャルスイッチを構成し、1台の自動監視シ
ステムで複数のカメラ映像を監視することにより、コス
トパフォーマンスの向上を図っている。ここで使用され
るビデオデコーダ6には、例えばA/D変換器を内蔵し
たBT829A(Brooktree社製)、ビデオエンコーダ8にはB
T866(Brooktree社製)等が使用可能である。
【0026】図1の画像メモリ7から出力される各8bi
tの明るさ信号DY、及び色信号DCr、DCbは、図2に示す
監視色抽出機構部20に供給される。この例における監
視色抽出機構部20は、例えばLook-Up Table Memory
(以下、LUTMと略称する)を用いた演算方式による構成
例が示されている。つまり、Y-Cr・LUTM21、Y-Cb・LUTM
22、Cr-Cb・LUTM23、Y-C・LUTM24、N-P・LUTM25等
である。LUTMを用いた演算機は、公知のように、メモリ
の予め全ての入力データに対する演算結果をメモリに登
録しておき、アドレス線をデータ入力に用いて、登録さ
れたデータを選択出力することにより字引的に演算結果
を出力する方法である。
【0027】データ処理の流れを概略的に言えば、LUTM
21、22は、明るさの信号により色データに補正をか
け、LUTM23、24で画像データを限られた数の色グル
ープに分割・統合して、8bit・256種類の色グルー
プに統合する。そこで、図1の画像入出力機構部1から
入力される画像データY・Cr・CbにおいてDはデータ
であることを示し、また、前述の通り、Yは明るさを示
し、CrとCbは2次元の色空間(色相彩度空間)を示し
ている。また前述のカメラコントローラ4からの信号は
現在処理中のカメラ番号のデータとして出力され、これ
らがLUTM21、22及び後述の監視位置画像メモリ(PO
SITION MEMORY)26に供給される。
【0028】カメラコントローラ4からの3bitの信号
はLUTM21〜25及び位置画像メモリ26にA16〜A18の
3bitのデータとして供給される。まず初段のY-Cr・LUTM
21には、Crデータと共に明るさ成分であるYデー
タ、及びカメラ番号とが入力され、Crデータにカメラ
毎の明るさによる補正がかけられるようになっている。
同様にY-Cb・LUTM22でもCbデータが明るさ成分であ
るYデータにより補正されて出力されるように構成され
ている。この補正により照明条件変化の影響を受けにく
い色成分データが出力される。例えばカメラの絞りが変
われば明るさデータが変わるが、色データ自身は実際に
は変わっていないにもかかわらず、それにより色データ
Cr・Cbが影響を受けると誤差となるので、明るさデー
タの変化によって色成分データが影響を受けないよう
に、補正を行う。その補正形式としては、例えば色成分
データCrCbを明るさ成分であるYデータの関数とし
て演算したり、あるいは明るさ成分Yのデータに応じた
補正値もしくは補正係数を加えるといったことができ
る。
【0029】Y-Cr・LUTM21に入力されたYデータ及び
Crデータの都合16bitの信号は、8bitの信号とし
て、また、Y-Cb・LUTM22に入力されたYデータ及びC
bデータの都合16bitの信号は、8bitの信号として、
それぞれCr-Cb・LUTM23に供給される。つまり、Cr-Cb・
LUTM23には明るさ成分により補正された色成分Crデ
ータの8bitと、同じく明るさ成分により補正されたC
bデータがそれぞれ8bit、都合16bitの信号として入
力される。また、このCr-Cb・LUTM23には、カメラコン
トローラ4からのカメラ番号の信号も入力される。ここ
で、カラーカメラ毎に色相彩度空間のデータから監視に
必要な複数種(8bit)の色グループに統合(集約)さ
れ、さらにY-C・LUTM24において明るさを含めて監視に
必要な色グループに分割・統合され、ここでは8bit表
現256種類の色グループ番号として結果出力される。
【0030】つまり、例えばCr成分が8bit、Cb成
分が8bitにより特定される色成分6万数千通りある
が、これを256種類の色グループに分割・統合する。
概念的に言えば、監視に必要な色グループが1から25
6まで256通り予め設定(登録)され、これがY-C・LU
TM24に登録されている。Crデータ及びCbデータ等
の全ての組合せは、これら256通りの色グループのい
ずれかに属するようにLUTMでいわばふるい分けられる
(分類される)。言い換えれば、色データの全ての入力
データ(16bitのデータの個々)に対する演算結果
(256の色グループ)をメモリに登録し、アドレス線
をデータ入力に用いて、予め登録されたデータ(すなわ
ち256色グループのいずれか)を選択出力することに
より、16bitの色成分が8bitの色グループに統合され
ることになる。
【0031】この色グループへの統合原理は、例えば、
色相彩度空間を所定数の色グループ(例えば4096
色)に分割し、異物(異常)のない画像からヒストグラ
ム等の統計処理を用いて、画素数の少ない色グループを
隣接する色グループと統合する。これを繰り返し行い、
8bit256色グループにし、さらに明るさを含めた2
56色グループにする。この256色グループは、ホス
トコンピュータによりY-C・LUTM24等に書き込まれ(登
録され)ている。そして、Cr-Cb・LUTM23やY-C・LUTM2
4の監視処理は、各画素毎に高速で256色グループの
いずれかに割り振る処理である。
【0032】なお、LUTM21〜25にはスタティックラ
ム(Static RAM)が用いられており、256通りの色デ
ータは任意に設定することができる。また、カメラ番号
の入力信号もLUTM21〜25に供給されているため、カ
メラ番号毎に異なる256色グループを設定することも
できる。
【0033】このようにして、入力画像24bit(DY:
8bit、DCr:8bit、DCb:8bit)の約16万色の色表
現をカラーカメラ毎に統合・分割し、256種類の色グ
ループ信号として出力することにより、情報量を約1/
6万にまとめることで容易な計算を実現している。
【0034】次に、各カラーカメラ毎に任意の形状・範
囲の監視エリア(監視領域)を設定できるように、監視
位置画像メモリ26(POSI.MEMORY)が設けられてい
る。ここでは、8bitの情報量を持たせ、無監視エリア
と重複しない255領域までの監視エリア(無監視エリ
アを設けない場合は256領域)を任意の形状・範囲で
設定可能である。この監視位置画像メモリ26の監視エ
リアデータ(POSD)は、Xカウンタ27とYカウンタ2
8を用いて処理する入力画像と同期して出力される。X
カウンタ27及びYカウンタ28は、任意のカラーカメ
ラ2の画像枠の全ての画素をX座標及びY座標で与える
ことにより、入力画像と監視エリアデータとの同期を図
る。この監視位置画像メモリ26には、前述のようにカ
メラコントローラ4からカメラ番号の信号が3bitで入
力されており、各カメラ毎に監視エリアデータ(POSD)
を出力可能である。なお、無監視エリアと重複しない2
55領域までの監視エリアの設定は、各カラーカメラ2
の撮影可能領域の特徴、例えば机やその他の調度品が複
雑におかれている場合であるとか、単純な床面であると
かいった特徴に応じて、この監視システムのユーザが適
宜設定できる。いずれにしても、各カラーカメラ2毎
に、無監視エリアを除いて最大255領域の設定ができ
る。このように複数の監視エリアを設定することで、そ
の各監視エリア毎に異常の有無を判断できる利点を生じ
る。
【0035】図2の終段のN-P・LUTM(ルックアップテー
ブルメモリ)25には、監視位置画像メモリ26から出
力される監視エリアデータが入力されるとともに、Y-C・
LUTM24から前述の256通りに統合された色グループ
番号が8bitの信号として入力される。また、カメラコ
ントローラ4からカメラ番号を示す3bitの信号も入力
される。このN-P・LUTM25には、各カラーカメラ毎に各
監視エリアにおける存在を許可される許可色グループと
存在を許可されない不許可色グループとを予め設定して
おき、処理される画素の監視エリアにおいて、その色グ
ループが許可色グループであれば許可色認識信号(POD
T)が1(Hレベル)を示し、そうでなければ0(Lレ
ベル)を出力する。同様に、その色グループが不許可色
グループであれば、不許可色認識信号(NEPT)は1を示
し、そうでなければ0を出力する。例えば、あるカラー
カメラ2の撮影領域において通常であれば認識されるで
あろう色グループは許可色グループとして予めN-P・LUTM
25に登録されている。また、不許可色グループとして
は、例えば本来であればカメラの撮影領域に入ってくる
はずのない色グループ、例えば人の肌の色であるとか、
炎の赤色であるとか、そういった通常では存在し得ない
色グループを不許可色グループとして予めN-P・LUTM25
に記憶させておく。そして、ある監視エリアに属する画
素の256色グループのいずれかのデータが所定のアド
レス線にデータ入力されれば、その色グループは許可色
グループかどうかを表す「1」又は「0」の信号、並び
に不許可色かどうかを表す「1」又は「0」の信号が出
力される。
【0036】そして、図3の監視画素計数機構部40
は、各カラーカメラ2の各監視領域における許可色グル
ープの画素数の総和と、不許可色グループの画素数の総
和を計数する機構となる。ここで、計数回路系41が許
可色グループの計数処理を行い、計数回路系42が不許
可色グループの計数処理を行う。これら計数回路系41
と42の構成自体は同じであるので、許可色グループの
計数回路系41について主に説明する。この許可色グル
ープの計数回路系41は、加算器43と、その出力累計
を記憶する許可画素総和メモリ(P DATA MEMORY)47
等を中核とし、これらがラッチ44及びスリーステート
バッファ(3ST BUF)45を介して接続されるととも
に、バストランスファ(BUS TRNS)46及びメモリコン
トローラ48が付属している。メモリコントローラ48
は、不許可色グループの計数回路系42と共通のもので
ある。
【0037】許可画素総和メモリ47は、初期状態にお
いてゼロクリアされている。初めの処理画素(例えば画
面上の左上の画素)が図2の監視色抽出機構部20で処
理され、この計数機構部40に入ってくると、そのカメ
ラ番号(CNDT)とその画素の監視エリアデータ(POSD)
が許可画素総和メモリ47のアドレス線に入力され、ア
ドレスで示されるデータがデータ・ラッチ44(D-LATC
H)に入力される(初めは0である)。データが確定す
ると、メモリコントローラ48は、ラッチ44に保持信
号を送り、そのデータはメモリ47の入出力にかかわら
ず保持される。許可色認識信号(PODT)の値Aとラッチ
44の値Bとが加算器43により加算される。例えばそ
の画素が許可色グループに属していれば初期値の0に1
が加算されて結果「1」が、そうでなければ「0」が出
力される。この出力値はメモリコントローラ48により
制御され、スリーステートバッファ(3ST BUF)45を
通じて許可画素総和メモリ47の再び同じアドレスに書
き込まれて記憶され、これで1画素の処理が終了する。
【0038】この一連の動作を現在監視状態にあるカラ
ーカメラ2の画面全体に行うと、許可画素総和メモリ4
7には、各監視エリアにおける検出許可色グループの累
積総画素数が結果として記憶される。なお、図2の監視
色抽出機構部20には、選択されているカラーカメラ2
の画面の例えば左上から順次画素が供給され、この画素
が供給される毎にXカウンタ27及びYカウンタ28の
同期作用において特定される画素に対し、N-P・LUTM25
で画素毎に、許可色認識信号(PODT)が出力され、前述
の加算器43では、その最新の許可色認識信号と前回ま
での累積数データ(ラッチ44の値)とが加算され、同
じカメラ番号のカラーカメラで、かつ同じ監視エリア毎
に、許可色認識信号の総和が算出される。
【0039】同様に、不許可色グループの計数回路系4
2においても、不許可画素総和メモリ57(N DATA MEM
ORY)にカメラ番号及び監視エリアのデータが所定のア
ドレス線に入力され、そのアドレスで示されるデータが
データラッチ54に取り出されて保持される。このデー
タは現状より1つ前の画素の不許可画素数の総和であ
り、最初は0である。そして、最新に供給された不許可
色認識信号(NEDT)の値Aと前回までの累積値Bとが加算
され、これが3stバッファ55を介して不許可画素総和
メモリ57の同じアドレスに書き込まれ記憶される。
【0040】以上のように、監視映像の画面全体につい
て図3の加算器43及び53による計数処理を行うと、
許可画素総和メモリ47には各監視エリアにおける検出
許可色グループの累積総画素数が、不許可画素総和メモ
リ57には検出不許可色グループの累積総画素数が結果
として記憶される。従って、累積計算処理終了後、ホス
トコンピュータによりこの情報を読み出し、各監視エリ
ア毎に設定しておいた基準値と比較し、許可画素の総和
が基準値より小さい場合、あるいは不許可画素の総和が
基準値より大きい場合は、判定結果は異常検出となる。
【0041】例えば図5のフローチャートに示すよう
に、S1で監視エリア番号の最初のもののアドレスを指
定し、S2で許可画素総和メモリ47の累積総画素数P
Oを読み出す。S3でその許可色グループの累積総画素
数POが許可基準値PT以上であるかを判断し、それに
達しなければS7の異常の判定となる。S3で許可色グ
ループの累積総画素数POが許可基準値PT以上であれ
ば、S4で不許可画素総和メモリ57の累積総画素数N
Eを読み出す。この不許可色グループの累積総画素数N
Eが不許可基準値NTを超えていればS7で異常の判定
がなされ、それ以下であればS6で正常の判定となる。
S8で監視エリア番号(アドレス)がインクリメントさ
れ、この繰り返しにより、1つのカラーカメラで設定さ
れた適数の監視エリアについて順次上述の判定処理を行
い、全ての監視エリアについてその判定が終わればそれ
で異常判定ルーチンは終了する。この例では、許可色グ
ループの累積総画素数POが許可基準値PT以上で、か
つ不許可色グループの累積総画素数NEが不許可基準値
NT以下であるという2つのAND条件を満たして正常
の判定となり、少なくともいずれかを満足しなければ異
常の判定とする処理が組まれている。
【0042】以上のような異常検出の原理を模式的に示
した図が図7であり、これと比較する従来の方法が図8
である。図8に示す従来の方法は、白黒の濃淡画像の差
分を用いた異常検出の原理図である。この方法において
初期設定において異常のない画像を現画像として予め記
憶しておき、監視状態においてカメラから入力される画
像と随時差分比較を行う。この結果、異物により濃度値
の変化した画素(差分画像)が異物として検出され、こ
の部位の総画素数が基準値より大きい場合、異常として
判定される。例えば基準値が50で、差分画像の検出値
が100であれば異常と判定される。
【0043】この方法を用いた場合、照明の影響を強く
受け、また、赤色も青色も同じ明るさであれば異常の判
別ができない。また、監視領域に小枝等、風で動くもの
があったり、監視カメラが振動等でわずかに動いた場合
も誤検出されやすい。さらに、複数の監視カメラを用い
て監視する場合、監視カメラの数だけ現画像を記憶する
画像メモリが必要となる。また、カラー画像による異常
判定に拡張する場合も、濃淡画像の3倍の容量の画像メ
モリが必要となり、回路規模が大きくなる。
【0044】これに対して、本実施例の画像監視システ
ムでは、図7上段に示すように、設定監視領域(エリ
ア)の許可色画素数が異物により隠れることにより、例
えば600画素から400画素に減少し、これが許可色
基準値500を下回ることにより異常判定としている。
従って、監視領域に小枝等の風で動くものがあったり、
監視カラーカメラが振動等でわずかに動いた場合におい
ても、変化した結果の色が許可色グループに属するよう
に設定してあれば誤作動しない。また、本システムは主
に色により検出を行っているため、照明等の変化に対し
ても強い。さらに、図7の下段に示されるように、設定
監視領域の不許可画素総数が異物の発生により、例えば
0画素から100画素に増加し、これが不許可色基準値
の例えば50を上回ることにより異常判定としている。
これにより、人や火災等の特定の事象による異常検出を
可能にしている。また、本方式は監視カメラの台数が増
加した場合も対応可能である。
【0045】図6の原理図のいずれか一方のみを画像監
視に用いることもできる。つまり、許可色総画素数のみ
検出し、それと許可色基準値との大小を比較する。この
場合は、図2のN-P・LUTM25において、許可色認識信号
PODTのみ出力され、かつ図3の回路系42は省略され、
41のみとなる。逆に、不許可色総画素数のみ検出し、
これが不許可基準値を超えるかどうかで異常を検出する
こともできる。その場合は、図2のN-P・LUTM25におい
て、不許可色認識信号NEDTのみ出力され、図3の回路系
41は省略され、回路系42のみの構成となる。
【0046】ところで、図1〜図3で示したカラーカメ
ラを用いた画像監視システムにおいて、画像監視システ
ムから各監視領域(監視エリア)の許可画素の総和、不
許可画素の総和を得るためには、監視する状態に合わせ
て初期設定を行う必要がある。以下では、各処理構成部
毎の初期設定について説明する。
【0047】(カメラコントローラの設定)カメラコン
トローラ4は複数のカメラ入力を所定の時間間隔(時分
割)で切替える動作を行う。従って、切替えるタイミン
グ時間を、例えば0.1秒に設定することにより、0.
1秒毎にカメラが順番に切替えられ、8台のカメラを制
御しているなら、0.8秒で一巡することとなる。
【0048】(監視エリアの設定)監視エリアは、各カ
メラの監視範囲において独立に無監視領域と、例えば2
55の監視領域とを重複しない任意の形状・大きさで設
定可能である。この情報は監視位置画像メモリ26に設
定記憶させる。無監視領域と255の設定領域で都合8
bitの信号系になるが、例えば255の監視領域は独立
に異常検出が可能であるため、例えば、重点的に監視し
たい場所は小さな範囲で多数の監視領域を設定し、監視
の必要のない場所は、無監視領域にする等の設定が行わ
れる。
【0049】(Y-Cr、Y-Cb LUTM21、22の設定)Y-C
r、Y-Cb・LUTM21、22は、それぞれ、色成分であるC
rCbの情報が適正に出力されるように明るさ成分Yで補
正するLUTMである。このためには、各監視カメラ毎に独
立に明るさの変化に対するCr、Cbの各成分の変化を調
べ、これを補正する情報をLUTM21、22に記憶させて
おく必要がある。これにより、より明るさの変化の影響
を少なくすることが可能となる。
【0050】(Cr-Cb、Y-C LUTM23、24の設定)こ
こでは、各監視カメラ(カラーカメラ)に独立に監視領
域全体において必要な許可色グループと不許可色グルー
プを設定する。まず補正されたCrCb色空間を用いて監
視に必要な色グループに分類する情報をCr-Cr LUTMに設
定し、これに明るさ情報Yを導入して、256の色グル
ープに細分類するための情報をY-C LUTM24に設定す
る。ここでは、Cr-Cr LUTM23を用いて色空間をCrと
Cbの2次元座標で分割・分類できるため、従来のRG
B3次元色空間からの分類に対して設定が容易に行え
る。さらに、Y-C LUTM24を用いてCrCb空間で誤差の
大きくなる低輝度部や高輝度部の分類が容易に行えるこ
ととなる。
【0051】(N-P LUTM25の設定)ここでは、各監視
カメラにおける各監視領域毎にY-C LUTM25から転送さ
れてくる色グループ番号が、存在許可色グループに属せ
ば許可色認識信号(PODT)の出力が1になるように、さ
らにはこれとは独立に存在不許可色グループに属せば不
許可色認識信号(NEDT)に1が出力するように設定す
る。前述のように、存在許可色グループとは、監視領域
において存在が許される色グループであり、異常の認め
られない基準画像にないグループにおいても将来的に存
在の可能性のある色グループを指定しておくことも可能
である。これにより、従来の監視システムの誤動作の要
因であった小枝等の動きや、窓外からの明かり、監視カ
メラの揺れ等の影響を排除することができる。また存在
不許可色グループとは、監視領域において存在が許され
ない色グループであり、例えば人間の肌色や火の赤色を
設定しておくことにより、ここに不審人物の侵入や火災
等の特定の異常検出を行うことを可能にしている。
【0052】(異常判定のための許可色基準画素総数、
不許可色基準画素総数の設定)異常の判定は各監視カメ
ラにおける各監視領域毎の許可色の総画素総数と不許可
色の総画素数によって行われる。異物の存在により監視
領域の許可色の総画素数が減少するため許可色の基準総
数を設定しておき、これよりも下回った場合を異常と判
定し、また、異物の存在により、監視領域の不許可色の
総画素数が増加するため、不許可色基準総数を設定して
おき、これよりも上回った場合異常と判定する。これに
おいて許可色基準画素総数を高く設定することで、より
小さな異物を検出でき、逆に低く設定することにより大
きな異物に対してのみ反応するように設定することが可
能となる。同様に、不許可色基準画素総数を低く設定す
ることで、より小さな異常を検出でき、逆に高く設定す
ることによりより大きな異常に対してのみ反応するよう
に設定することが可能となる。これにより、人間の侵入
には反応するが、小動物には反応しない等の設定が実現
可能になる。
【0053】なお、図2には5つのLUTM21、22、2
3、24及び25が存在するが、これらのLUTMには初期
設定のためにホストコンピュータから予め設定する色グ
ループその他の設定値を書き込めるようになっている。
各LUTMをより詳細に示したものが図4である。この図4
全体が1つのLUTMを構成し、例えば図2のCr-Cb・LUTM2
3に相当するものとなる。図4で入力信号DATA-A及びDA
TA-Bは、それぞれCr、Cb等に相当するもので、それ
がDATA-OUTの8bitの信号となって出力される。Look-Up
Table(Memory)23には、Look-Up Table Memoryコン
トローラ29(以下、LMCN)が付属し、また、そのLMCN
23のデータの入力側にデータフリップフロップ(D-F
F)30、31が、また、出力側にD-FF33が設けら
れ、さらにカメラ番号データのためにD-FF32、34が
存在する。また、ホストコンピュータからのデータバス
(DATA-BUS)は、双方向バストランシーババッファ(B-
TRNS)35を介してLUTM23に接続される。また、ホス
トコンピュータからのアドレスバス(ADRS-BUS)は、バ
スバッファ(B-BUFF)36、37、38を介してLUTM2
3のDATA-A用のアドレス、DATA-B用のアドレス及びカメ
ラ番号のためのアドレスにそれぞれつながっている。
【0054】LUTM23に初期設定を行う場合、ホストコ
ンピュータはLook-Up Table Memory制御信号(LMCNT)
を用いてLTMC29にバス要求命令を送る。これに従い、
LTMC29は、D-FF30〜34のアウトプットコントロー
ル信号(OC)を制御し、D-FF30〜34の出力を非能動
状態とするとともに、B-TRNS35及びB-BUFF36〜38
の出力イネーブル信号(D-FFのOCと同じ働き)を制御
し、これらの出力を能動状態にする。これにより、ホス
トコンピュータがLUTM23に対し読み書きができる状態
になり、初期設定が行われる。
【0055】LUTM23へのデータ入力終了後、ホストコ
ンピュータはLook-Up Table Memory制御信号(LMCNT)
を用いてLTMC29にバス解放命令(演算実行命令)を送
る。これにより、LTMC29はB-TRNS35及びB-BUFF36
〜38の出力イネーブル信号Gを制御し、これらの出力
を非能動状態にするとともに、D-FF30〜34のアウト
プットコントロール信号(OC)を制御し、D-FF30〜3
4の出力を能動状態にする。その結果、LUTM23への入
力データDATA-AとDATA-Bにより字引的に求められた演算
結果がDATA-OUTに出力されるようになる。ここで、D-FF
30、31その他は処理を行う画素の転送クロックを用
いたパイプラインクロック(PL-CK)に同期して動作さ
せることで、パイプライン方式を用いた高速演算処理を
実現している。各D-FFにおけるCKはクロック信号入力の
端子であり、B-TRNS35のDIRはバス方向制御信号入力
の端子である。
【0056】なお、このようなLUTMが図2に示すように
Y-Cr・LUTM21、Y-Cb・LUTM22、Cr-Cb・LUTM23、Y-C・
LUTM24、N-P・LUTM25として存在し、上述のようにそ
れぞれホストコンピュータと接続されて、初期設定等が
できるようになっている。なお、監視領域位置画像メモ
リ26も同様にホストコンピュータに接続され、各カラ
ーカメラ毎に任意かつ複数の監視領域を設定できるよう
になっている。
【0057】図2のように、5個のLUTMを組合せる構成
は、比較的小容量(8bit等)の安価なメモリで構成で
きる利点があるが、これはあくまでも1例示にすぎず、
例えばこれら5つのLUTMを1つの大容量のLUTMで構成す
ることもできる。また、このようなLUTMを用いることな
く、ホストコンピュータのシーケンスプログラムにおい
て同様な映像信号の分析・色グループへの統合・許可色
及び/又は不許可色の判定、さらにはその計数等を行う
ことも可能である。
【0058】本発明の実施形態は種々あるが、その代表
的なものについてまとめれば次のように要約できる。ま
ず、カラー画像を用い、さらに明るさと色を分離した情
報を用いることで、光量の変化の影響を受けにくく、許
可色と不許可色の総画素数を用いて異常を検出するた
め、種々の誤作動、例えば光量の変化や監視領域に風で
揺れるものがあったり、振動で監視カメラがわずかに動
いた場合等に生じやすい誤作動に対して強いシステムで
ある。
【0059】そして、このような色画像を利用した監視
カメラシステムの概念的な構成としては、図6に示すよ
うなビデオデコーダで明るさと色を分離したYUV(Y
は明るさ、UVはCrCbに相対する色空間)にデコー
ドし、画像メモリ(Frame Memory)に記憶する。ビデオ
エンコーダでは、オーバーレイ画像と合成し、カラーモ
ニタに画像を送る。Y-U、Y-V LUTM(Look-Up Table Mem
ory)では、UVデータに明るさ(Y)の補正をかけ、U
-V、Y-C LUTMで色グループに分割・統合する。その結
果、例えば256色グループ番号として出力する(な
お、さらに統合して4bitの16色グループ番号とした
り、10bitの1024色グループ番号として出力する
こともできる)。N-P・LUTMでは各カメラ毎に許可色グル
ープと不許可色グループを予め定めておく。監視エリア
内の画素が許可色グループであれば、許可色認識信号と
して1、不許可色グループであれば不許可色認識信号と
して1を出力する。非監視領域を除く、例えば255の
監視エリアは、監視位置画像メモリ(Posi Memory)で
設定でき、入力画像と同期して出力される。許可色認識
信号により各監視エリアの累積画素総数を許可画素総和
メモリ(P DATA MEMORY)に記憶する。同様に、不許可
色認識信号の累積総画素数を不許可画素総和メモリ(N
DATA MEMORY)に記憶する。各監視エリア毎に設定した
基準値と比較し、異常検出を行う。その図6の構成図
で、最初の段階が画素入出力機構部、次が監視色抽出機
構部、最終段が監視画素計数機構部となる。
【0060】色集団の分割・統合方法として代表的に
は、まずY-U LUTMで色相彩度空間(C)を例えば409
6色グループに分割し、異物のない画像からヒストグラ
ムを用いて、画素数の少ない色グループを隣接する色グ
ループと統合する。これを繰り返し行い、8bit256
色グループにする。さらにY-C・LUTMでは、明るさを含め
た256色グループにする。
【0061】このようなシステムの有効性を実証するた
めに、実際の画像を用いて異常検出のシミュレーション
を行った。ここで、許可色に背景の主な色、不許可色に
肌色の色を設定した。その結果、異物のある画像では、
人の侵入により許可色は基準以下まで減少、不許可色は
基準を上回り、ともに異常と判断された。表1は、その
検出実験結果を示すものである。
【0062】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である画像監視システムにお
ける画像入出力機構部を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例である画像監視システムにお
ける監視色抽出機構部の概念的なブロック図。
【図3】本発明の一実施例である画像監視システムにお
ける監視画像計数機構部のブロック図。
【図4】図2におけるLook-Up Table Memoryをより詳し
く示すブロック図。
【図5】異常判定ルーチンの一例を示すフローチャー
ト。
【図6】本発明の一実施例の全体構成図。
【図7】図1〜図5の実施例の原理を模式的に示す説明
図。
【図8】従来の方式を模式的に示す説明図。
【符号の説明】
1 画像入出力機構部 2 カラーカメラ 3 ビデオスイッチ 4 カメラコントローラ 6 ビデオデコーダ 20 監視色抽出機構部 21 Y-Cr・LUTM(Look-Up Table Memory) 22 Y-Cb・LUTM 23 Cr-Cb・LUTM 24 Y-C・LUTM 25 N-P・LUTM 26 監視領域位置画像メモリ 40 監視画素計数機構部 41 許可色計数用の回路系 42 不許可色計数用の回路系 43 許可色用の加算器 47 許可色累積総数メモリ 53 不許可色の加算器 57 不許可色累積総数メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−326090(JP,A) 特開 平5−205052(JP,A) 特開 平3−245299(JP,A) 特開 平7−280198(JP,A) 特開 平6−333047(JP,A) 特開 平8−249468(JP,A) 特開 平6−259539(JP,A) 特開 平1−150985(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 7/18 G06T 7/00 G08B 25/00 510

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーカメラを用いた画像監視システム
    であって、それぞれ所定範囲を監視するための複数台の カラーカメ
    ラと、複数台のカラーカメラがつなげられ、各カメラとの接続
    状態を時分割で切り替え、監視するカメラを順番に選択
    するシーケンシャルスイッチと、 前記カラーカメラの各監視エリア内において予め定めら
    れた任意の数・形状・範囲の監視領域を画定する監視位
    置画像メモリと、 前記シーケンシャルスイッチによって時分割で接続され
    ているカラーカメラからの映像信号を受け、前記カラー
    カメラの映像信号を その映像信号よりデータ数の少ない
    特定数の色グループに統合・集約する色グループ統合手
    段と、 その色グループ統合手段により統合された実際画像の色
    グループのデータにおいて、存在を許可されている色グ
    ループである許可色累積総数を計数し、その許可色累積
    総数が許可基準値に達しないこと、存在を許可されてい
    ない色グループである不許可色累積総数を計数し、その
    不許可色累積総数が不許可基準値に達することの少なく
    とも一方が生じたときに異常と判定する判定手段とを含
    み、 前記色グループ統合手段は、前記カラーカメラから順次
    送られてくる映像データの各画素毎に前記色グループの
    いずれかへの割振り・統合を行い、かつ前記判定手段
    は、各画素毎に当該色グループが許可色に属するか否
    か、及び/又は不許可色に属するか否かを各画素毎に判
    断するとともに、前記各画素毎に計数した許可色及び/
    又は不許可色の累積総数は、前記複数台のカラーカメラ
    の各撮影範囲において予め定められた前記監視領域毎に
    集計され、かつその監視領域毎に定められた許可基準値
    及び/又は不許可基準値との大小により異常を判定する
    ことを特徴とするカラーカメラを用いた画像監視システ
    ム。
  2. 【請求項2】 カラーカメラを用いた画像監視システム
    であって、 所定範囲を監視するためのカラーカメラと、 前記カラーカメラから出力される映像信号のデコード処
    理を通じてその映像信号よりデータ数の少ない特定数の
    色グループに統合・集約する色グループ統合手段と、 その色グループ統合手段により統合された実際画像の色
    グループのデータにお いて、存在を許可されている色グ
    ループである許可色累積総数を計数し、その許可色累積
    総数が許可基準値に達しないこと、存在を許可されてい
    ない色グループである不許可色累積総数を計数し、その
    不許可色累積総数が不許可基準値に達することの少なく
    とも一方が生じたときに異常と判定する判定手段と、 を含み、かつ、 前記色グループ統合手段は、 ルックアップテーブルメモリを含み、このルックアップ
    テーブルメモリは、色データの全ての入力データに対す
    る出力データを予め記憶しており、アドレス線をデータ
    入力に用いて、前記予め登録された色グループのいずれ
    かの色番号を選択出力することにより、所定の色成分
    (入力データ)がそれより数が少ない量の色グループの
    色番号に統合されて出力されるものであり、 前記判定手段は、前記色グループの色番号に対応して、
    出力データとして当該色番号が前記許可色に該当するか
    どうか、及び/又は前記不許可色に当たるかどうかを予
    め記憶したルックアップテーブルメモリを備え、そのル
    ックアップテーブルメモリは、アドレス線を色番号のデ
    ータ入力に用い、その色番号が前記許可色又は不許可色
    に該当するかどうかを「1」又は「0」の信号として出
    力するものであり、 さらに、その「1」又は「0」を累積する加算器と、そ
    の加算器の出力を記憶する総和メモリを備え、その総和
    メモリの値としきい値との大小を比較して異常を判定す
    ることを特徴とするカラーカメラを用いた画像監視シス
    テム。
  3. 【請求項3】 前記色グループ統合手段は、前記カラー
    カメラから順次送られてくる映像データの各画素毎に前
    記色グループのいずれかへの割振り・統合を行い、かつ
    前記判定手段は、各画素毎に当該色グループが許可色に
    属するか否か、及び/又は不許可色に属するか否かを各
    画素毎に判断し、許可色累積総数が許可基準値に達しな
    いこと、及び/又は不許可色累積総数が不許可基準値に
    達することにより異常を判定する請求項記載のカラー
    カメラを用いた画像監視システム。
  4. 【請求項4】 前記カラーカメラから出力される映像信
    号のデコード処理を通じてその映像映像信号を明るさと
    色を分離した明るさデータ・色データに分離するデータ
    分離手段と、 前述の明るさデータにより色データを補正する補正手段
    と、 その補正された色データを主体として前記カラーカメラ
    の映像信号をその映像信号のデータ数よりデータ数の少
    ない特定数の色グループに統合・集約する色グループ統
    合手段と、 その色グループ統合手段により統合された色グループの
    データに基づいて画像監視処理を行う画像監視部と、 を含む請求項2又は3に記載のカラーカメラを用いた画
    像監視システム。
  5. 【請求項5】 前記カラーカメラの監視エリア内におい
    て予め定められた任意の数・形状・範囲の監視領域を画
    定する監視位置画像メモリと、 前記カラーカメラの映像信号をその映像信号よりデータ
    数の少ない特定数の色グループに統合・集約する色グル
    ープ統合手段と、 その色グループ統合手段により統合された、前記監視領
    域ごとの色グループのデータに基づいて画像監視処理を
    行う画像監視部と、 を含む請求項2ないし4のいずれかに記載のカラーカメ
    ラを用いた画像監視システム。
  6. 【請求項6】 それぞれ所定範囲を監視するための複数
    台のカラーカメラと、 複数台のカラーカメラがつなげられ、各カメラとの接続
    状態を時分割で切り替え、監視するカメラを順番に選択
    するシーケンシャルスイッチと、 そのシーケンシャルスイッチによって時分割で接続され
    ているカラーカメラからのカメラ信号を受け、当該カラ
    ーカメラについて画像の異常検出のための画像監視処理
    を、前記シーケンシャルスイッチの時分割の切替えに従
    い順次行う画像監視部と、 を含む請求項2ないし5のいずれかに記載のカラーカメ
    ラを用いた画像監視システム。
  7. 【請求項7】 前記色グループ統合手段は、 ルックアップテーブルメモリを含み、このルックアップ
    テーブルメモリは、色データの全ての入力データに対す
    る出力データを予め記憶しており、アドレス線をデータ
    入力に用いて、前記予め登録された色グループのいずれ
    かの色番号を選択出力することにより、所定の色成分
    (入力データ)がそれより数が少ない量の色グループの
    色番号に統合されて出力されるものであり、 前記判定手段は、前記色グループの色番号に対応して、
    出力データとして当該色番号が前記許可色に該当するか
    どうか、及び/又は前記不許可色に当たるかどうかを予
    め記憶したルックアップテーブルメモリを備え、そのル
    ックアップテーブルメモリは、アドレス線を色番号のデ
    ータ入力に用い、その色番号が前記許可色又は不許可色
    に該当するかどうかを「1」又は「0」の信号として出
    力するものであり、 さらに、その「1」又は「0」を累積する加算器と、そ
    の加算器の出力を記憶する総和メモリを備え、その総和
    メモリの値としきい値との大小を比較して異常を判定す
    る請求項記載のカラーカメラを用いた画像監視システ
    ム。
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