JP3072575U - 傘の張り布および傘 - Google Patents

傘の張り布および傘

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明達 謝
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株式会社裕源
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックフィルムを原材料として製造さ
れる傘の張り布を焼却したときに発生する有害物質を除
去する。 【解決手段】 プラスチックフィルムを原材料として製
造される張り布6およびこれを用いた傘1であって、
プラスチックフィルムからなる張り布6の原材料に消石
灰系複合物を添加し、一般ゴミと共に焼却したときに発
生する有害物質と結合させて除去するようにした。消
石灰系複合物を人工の石炭灰精製物とした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、プラスチックフィルムを主な素材として製造される傘の張り布および このプラスチック製の張り布を用いた傘に関するものである。特に、焼却したと きに発生する有害物質を除去する物質を原材料に添加した傘の張り布およびこの プラスチック製の張り布を用いた傘に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばポリ塩化ビニールのようなプラスチックフィルムを原材料として 製造された傘の張り布が、日常的に大量使用されている。そして、これらの傘の 張り布を焼却したときに塩化水素ガスが発生し、猛毒であるダイオキシンを発生 させることが知られている。
【0003】 焼却炉から発生する猛毒であるダイオキシシ(有機塩素系化合物)による人体 や動植物への影響、土壌汚染などが深刻な社会問題となっている。ゴミの焼却率 が高く、小型焼却炉が多いわが国では、諸外国に比べてダイオキシンの発生量が 非常に多いと言われている。焼却炉の排ガス規制は近年ようやく強化されつつあ るが、大半のダイオキシンが含まれる焼却灰、飛灰の処理はまだ手付かずの状態 で放置されており、1日も早い恒久的対策が必要とされている。焼却炉における ダイオキシンの発生は、都市ゴミから発生する塩化水素ガスが主要因である。
【0004】 1997年の通産省調査資料によれば、都市の家庭ゴミ排出量は3295万ト ン、産業廃棄物総量は2億4012万トンで、廃棄物総量は家庭ゴミの約7倍の 量であった。そのうち、プラスチック廃棄物は年間合計約415万トンが排出さ れており、家庭ゴミ中の量は約320トンで、家庭ゴミ全体の約10%を占め、 産業廃棄物中95万トンであった。同年のプラスチック総生産量は約600万ト ンで、生産量の約70%が廃棄物となったわけである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
プラスチック廃棄物の処理は、プラスチックの持つ性質上、処理方法として困 難な面と容易な面とを併せ持っている。廃棄物処理でよく使われる、埋め立てや 焼却といった方法において、プラスチック類は全て大きな障害となっている。埋 め立ての場合、プラスチックは分解されることなく長期にわたって土壌中に残留 し、その地域の土壌の性質を不安定にする。また、プラスチック中に含まれてい る有害物質(安定剤や顔料など)が溶け出して二次的公害を引き起こす可能性も ある。一般ゴミの埋立地を捜すことも非常に難しい状況の中、プラスチック廃棄 物の埋め立て場所はさらに厳しく制限され、埋め立て処理をすることはすでに事 実上不可能となっている。
【0006】 プラスチック類を焼却処理する場合、プラスチック類は燃焼する際高温状態を 引き起こし、焼却炉を傷めるばかりでなく、PUやPVC等は燃焼後、塩化水素 、シアン、SOx、NOx等の有害気体の発生を促し、焼却処理をより困難なも のにしている。また、プラスチック廃棄物を焼却処理しても資源を有効利用する ことはできない。
【0007】 本考案は、上記の事情にかんがみなされたもので、プラスチックフィルム製の 傘の張り布を焼却炉内で一般ゴミと共に燃焼した際に発生する有毒ガスを強力に 除去し、同時に酸性雨の原因であるSox、Nox等の酸性ガスも減少させ、酸 性物質及び熱量減少により焼却炉壁の劣化を防止し、ダイオキシン対策、地球環 境を守るプラスチックフィルム製の傘の張り布を提供するとともに、これを張り 布として用いた傘を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本考案は、 A.プラスチックフィルムを主な素材として加工される傘の張り布において、上 記プラスチックフィルムからなる原材料に消石灰系複合物を添加し、焼却したと きに発生する有害物質と結合させて除去するようにしたことを特徴としている。 また、プラスチックフィルムとして好ましくはエチレン酢酸ビニル共重合体(E VA)のフィルムを用いる。
【0009】 B.上記消石灰系複合物を人工の石炭灰精製物としたことを特徴としている。
【0010】
【作用】
上記の構成によって、本考案のプラスチックフィルム製の傘の張り布は、以下 の作用をする。
【0011】 上記A.の構成により、プラスチックフィルム製の傘の張り布を焼却炉内で一 般ゴミと共に燃焼した際に発生する有毒ガスは、プラスチックフィルムの原材料 に添加されている消石灰系複合物と結合して除去される。その結果、ダイオキシ ンの発生要因となる塩化水素ガスの排出が大幅に減少し、酸性雨の原因であるS Ox、NOx等の酸性ガスの排出も減少する。また、燃焼熱量を減少させて、酸 性ガスの減少と共に焼却炉壁の劣化を防止する。さらに、燃焼後の重金属残留物 質の残留をなくし、二次的公害による汚染を防止する。
【0012】 上記B.の横成により、プラスチックフィルムの原材料に添加されている消石 灰系複合物である人工の石炭灰精製物は、火力発電所から大量に発生する石炭灰 から人工的に安価に製造できるものであり、入手が容易で、コストも安価であり 、プラスチックフィルムの原材料への添加も容易である。
【0013】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の一実施の形態を添付の図面に基づいて具体的に説明する。 図1において、符号1はこうもり傘で、このこうもり傘1は、中棒2の上端部 に設けた親骨取付け部3に、複数の親骨5,5…の上端部を枢着し、これら親骨 5,5…の下端側を受骨4,4…で支持して、中棒2に対して摺動可能となって おり、親骨5,5…が開閉可能である。この親骨5,5…には、張り布として、 本考案に係るプラスチックフィルム6が使用される。このプラスチックフィルム 6は、消石灰類(石炭灰/人工石炭灰/などその他一切を含む)をエチレン酢酸 ビニル共重合体(EVA)フィルムに混入し、傘として用いる。実施例の石炭灰 は、ゴミ固形燃料(RDF)中に消石灰系複合物である人工の石炭灰精製物(人 工ゼオライトともいわれている)が重量比で2〜7%、原体添加率で15〜20 %添加されている(以下、HDPEと略称)。この人工の石炭灰精製物は、火力 発電所から大量に排出される石炭灰を科学プラントで特殊精製処理して人工的に 製造されるもので、比較的安価に、かつ容易に入手できるものである。
【0014】 そして、人工の石炭灰精製物は多気孔の表面を有し、この気孔により一般ゴミ をプラスチックフィルムと共に焼却したときに発生する有害物質(ガス)と結合 して固定化させ、除去する性能を有している。なお、人工の石炭灰精製物に代え て他の消石灰系複合物を用いてもよいものである。人工石炭灰精製物の特徴は、 以下の通りである。
【0015】 .焼却炉中で発生した塩化水素と効率よく反応して吸着し、塩化カルシウム 他となる。 Ca(OH)2+2HCl→CaCl2十2H20 .この反応は物理的吸着でなく化学反応であるので、塩化水素を強固に捕捉 して離さない。 .生成された塩化カルシウム他は、焼却炉中の高温条件でも分解しない。 .焼却後の灰分として残る消石灰は無害であり、水酸化カルシウムは土壌改 良剤として、また、塩化カルシウムは融雪剤や食品添加物として利用することが できる。 .人工の石炭灰精製物は重金属を含有しておらず、燃焼時の熱量を減少させ る。
【0016】 人工の石炭灰精製物の塩化水素除去性について試験を行った結果、電気炉中で の塩ビ材料燃焼時、100gの人工石炭灰精製物は、約80gの塩化水素を除去 することが判明した。この結果から、傘の張り布150gの場合、都市ゴミ中の 塩素源0.4%としたとき、人工石炭灰精製物の原体添加率15%で、塩化水素 発生量12gのうち5.9gを除去し、塩化水素除去率は49%となった。人工 石炭灰精製物の原体添加率30%で、塩化水素発生量12gのうち11.8gを 除去し、塩化水素除去率は98%となった。従って、傘の張り布における人工石 炭灰精製物の原体添加率は30%程度が望ましいことになる。
【0017】 また、傘の張り布15g、都市ゴミ中の塩素源0.4%としたとき、人工石炭 灰精製物の原体添加率10%で、塩化水素発生量2gのうち1.2gを除去し、 塩化水素除去率は60%となった。人工石炭灰精製物の原体添加率15%で、塩 化水素発生量2gのうち1.8gを除去し、塩化水素除去率は90%となった。 従って、傘の張り布における人工石炭灰精製物の原体添加率は15〜20%程度 が望ましいことになる。
【0018】 厚さ24μのHDPEのフィルム物性は、以下の通りである。 ・引張強度及び伸度:人工石炭灰精製物を添加しないものに比べほとんど変わら なかった。 ・ヒートシール強度:人工石炭灰精製物を添加しないものと同等の1kgf以上 の強度を有している。 印刷適正:セロハンテープ、紙テープ剥離試験による剥離は認められなかった。 ・色調、透明性:色調はきれいな乳白色、透明性は内容物が見える程度である。 ・製品形態は、高温度マスターバッチの形態で利用でき、フィルムシートまたは 射出成形で利用可能である。
【0019】 HDPEの安全性は、以下の通りである。 ・安全に、安心して使用できるものである。 ・成型品は、水が介在すると弱アルカリ性を示す。 ・アルカリ性は問題になる程度ではない。 ・皮膚刺激性は特に問題ない。
【0020】 ・硬度:モース硬度は2〜3で、一般無機フィラーような加工金属部の摩耗はな い。 ・比重:一般無機フイラーより軽量である。 ・燃焼カロリー:傘の張り布では、炭酸カルシウム添加の傘の張り布と同等また はやや低い燃焼カロリーを示した。 ・抗菌性:強力な抗菌性を有し、衛生的な傘の張り布となる。 ・大腸菌には15%以上、黄色ブドウ球菌には20%以上で、抗菌効果が認めら れる。
【0021】 ・塩基性を有しており、酸性中和シート等への利用が考えられる。 ・一定量の人工石炭灰精製物の成分を分析した結果は、 C=5.3%、O=4.5%、Mg=0・5%、A1=21.8%、Si=5 4.5%、K=1.2%、Ca=9.0%、Ti=0.7%、Fe=2.5%で あり、重金属(Pb、Cd、Ba、Cr、Sb、As、Seなど)は全く含有し ておらず、焼却炉で燃焼させた後も重金属が残留することはなく、二次的公害に よる汚染を引き起こすことはない。
【0022】
【考案の効果】
以上説明したように本考案のプラスチックフィルム製の傘の張り布およびこの 張り布を用いた傘は、上記の構成を有することによって以下の作用効果を奏する ことができる。
【0023】 .プラスチックフィルムからなる原材料に消石灰系複合物を添加し、ゴミを 焼却したときに発生する有害物質と結合させて除去するようにしたので、プラス チックフィルム製の傘の張り布を焼却炉内で一般ゴミと共に燃焼した際に発生す る有害物質は、プラスチックフィルムの原材料に添加されている消石灰系複合物 と結合して除去される。その結果、ダイオキシンの発生要因となる塩化水素の排 出を大幅に減少させ、酸性雨の原因であるSOx、NOx等の酸性ガスの排出も 減少させることができる。また、燃焼熱量を減少させて、酸性ガスの減少と共に 焼却炉壁の劣化を防止することができる。さらに、燃焼後の重金属残留物質の残 留をなくし、二次的公害による汚染を防止することができる。
【0024】 .消石灰系複合物を人工の石炭灰精製物としたので、プラスチックフィルム の原材料に添加されている消石灰系複合物である人工石炭灰精製物は、火力発電 所から大量に発生する石炭灰から人工的に安価に精製できるものであり、入手が 容易で、コストも安価であり、プラスチックフィルムの原材料への添加も容易で ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案によるプラスチックフィルム製の張り
布を用いた傘の斜視図である。
【符号の説明】
1 こうもり傘、 2 中棒、 3 親骨取付け部、
4受骨、 5 親骨、 6 プラスチックフィルム製の
張り布。

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムを主な素材として
    加工される傘の張り布において、上記プラスチックフィ
    ルムからなる原材料に消石灰系複合物を添加し、焼却し
    たときに発生する有害物質と結合させて除去するように
    したことを特徴とするプラスチックフィルム製の傘の張
    り布。
  2. 【請求項2】 上記消石灰系複合物を人工の石炭灰精製
    物としたことを特徴とする請求項1に記載の傘の張り
    布。
  3. 【請求項3】 上記プラスチックフィルムとしてエチレ
    ン酢酸ビニル共重合体フィルムを用いたことを特徴とす
    る請求項1に記載の傘の張り布。
  4. 【請求項4】 原材料に消石灰系複合物を添加して加工
    したプラスチックフィルムを張り布として用いたことを
    特徴とする傘。
  5. 【請求項5】 上記消石灰系複合物を人工の石炭灰精製
    物としたことを特徴とする請求項4に記載の傘。
  6. 【請求項6】 上記プラスチックフィルムとしてエチレ
    ン酢酸ビニル共重合体フィルムを用いたことを特徴とす
    る請求項4に記載の傘。
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