JP3072566U - 梯子昇降者用墜落防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】梯子に対して簡単に組み合わせて装着すること
ができ、その使用によって梯子昇降者に対する墜落事故
を確実に防止するようにした梯子昇降者用墜落防止装置
を提供すること。 【解決手段】過大荷重の負荷時に巻き出しロックされる
命綱５を備えた墜落防止器具６、墜落防止器具を梯子Ｌ
の上部側Ｌａに取り付ける墜落防止器具取り付け手段７
を含む上部側構成要素２と、引寄せロープ８を巻き出し
自在に内蔵するリール部材９、リール部材を梯子の下部
側Ｌｂに取り付けるリール部材取り付け手段１０を含む
下部側構成要素３と、上部側構成要素における命綱の巻
き出し自由端側と、下部側構成要素における引き寄せロ
ープの巻き出し自由端側とを連結する連結手段４とから
なる梯子昇降者用墜落防止装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、梯子を用いた昇降作業にあって、梯子の昇降時における墜落事故を 防止するため、梯子に取り付けて用いる梯子昇降者用墜落防止装置に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、従来の典型的な梯子は、長さ方向に長尺な一対の梯子縦柱に対し 、該一対の梯子縦柱間に、長さ方向に所定の間隔を隔てて複数の横桟を平行に連 結した構造のものからなっている。この梯子は、該梯子を立て掛ける対象構造物 に対して所望の傾斜角度をもたせて立て掛けて用いるものであり、作業者を所望 の第１の高度部位から所望の第２の高度部位に昇降移動させるためのものとして 多用されている。

【０００３】 この梯子による昇降作業は、高所への移動をともなう点において、墜落事故とい う危険性を有するものであった。しかしながら、従来の梯子に対しては、上記す る墜落事故を防止するための手段が施されておらず、墜落事故が多発している現 状にあり、墜落事故防止のためのシステムの開発が要望されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、この考案は、梯子に対して簡単に組み合わせて装着することができ、そ の使用によって梯子昇降者に対する墜落事故を確実に防止するようにした梯子昇 降者用墜落防止装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記する目的を達成するものにあって、具体的には、予め設定され た以上の過大荷重の負荷時に巻き出しロックされる命綱を備えた墜落防止器具と 、前記墜落防止器具を梯子の上部側に取り付ける墜落防止器具取り付け手段とを 含む上部側構成要素と、 引寄せロープを巻き出し自在に内蔵するリール部材と、前記リール部材を前記梯 子の下部側に取り付けるリール部材取り付け手段とを含む下部側構成要素と、前 記上部側構成要素における命綱の巻き出し自由端側と、前記下部側構成要素にお ける引き寄せロープの巻き出し自由端側とを連結する連結手段とからなる梯子昇 降者用墜落防止装置を構成するものである。

【０００６】 さらに、この考案は、前記上部側構成要素に対して、前記梯子の上部側を、該梯 子を立て掛ける対象構造物に固定するための固定手段を設けた梯子昇降者用墜落 防止装置を構成するものである。

【０００７】 さらにまた、この考案は、前記上部側構成要素における墜落防止器具取り付け手 段が、一端に、前記墜落防止器具に対する連結部を備え、他端に、前記梯子に対 する連結部を備えた一対のロープ部材からなる梯子昇降者用墜落防止装置を構成 するものでもある。

【０００８】 さらにまた、この考案は、前記上部側構成要素における墜落防止器具取り付け手 段が、前記墜落防止器具を固定支持する剛直なフレーム部材からなり、前記フレ ーム部材は、下端側に、前記梯子の横桟に係合するＵ字状係合部を備え、上端側 に、前記梯子の横桟にフック止めされるフック止め部を備えたものからなる梯子 昇降者用墜落防止装置を構成するものである。

【０００９】

【考案の実施の態様】

以下、この考案になる梯子昇降者用墜落防止装置について図面に示す具体的な実 施例にもとづいて詳細に説明する。 図１は、この考案にかかる梯子昇降者用墜落防止装置について、その第１の具体 的な実施例を示すものであり、図１Ａは、この考案になる梯子昇降者用墜落防止 装置を梯子に装着した状態を示す概略的な正面図であり、図１Ｂは、梯子の上部 側にあって、上部側構成要素における墜落防止器具取り付け手段並びに対象構造 物に固定するための固定手段の状態を示す概略的な側面図である。

【００１０】 一方、図２は、当該梯子昇降者用墜落防止装置について、その第２の具体的な実 施例を示すものであり、図２Ａは、この考案になる梯子昇降者用墜落防止装置を 梯子に装着した状態を示す概略的な正面図であり、図２Ｂは、梯子の上部側にあ って、上部側構成要素における墜落防止器具取り付け手段並びに対象構造物に固 定するための固定手段の状態を示す概略的な側面図である。

【００１１】 さらに、図３は、当該梯子昇降者用墜落防止装置における第２の実施例にあって 、上部側構成要素における墜落防止器具取り付け手段の詳細を示すもので、図３ Ａは、その概略的な正面図であり、図３Ｂは、その概略的な側面図である。

【００１２】 まず、図１に基づいて、この考案の第１の実施例になる梯子昇降者用墜落防止装 置の基本的な構成について説明する。図１に示すように、この考案が適用される 梯子Ｌは、長さ方向に長尺な一対の梯子縦柱４１、４１に対し、該一対の梯子縦 柱間に、長さ方向に所定の間隔を隔てて複数の横桟４２を平行に連結した構造の ものからなっている。この梯子Ｌは、該梯子を立て掛ける対象構造物Ｓｔに対し て所望の傾斜角度をもたせて立て掛けて用いるものであり、作業者を所望の第１ の高度部位（例えば、地上あるいは作業現場）から所望の第２の高度部位（例え ば、作業現場あるいは地上）に昇降移動する際に、極めて一般的に用いられてい るものである。

【００１３】 この発明になる梯子昇降者用墜落防止装置１は、上記する梯子Ｌに対して適用さ れるものであり、基本的には、上部側構成要素２、下部側構成要素３および前記 上部側構成要素２と下部側構成要素３との間を連結する連結手段４との組み合わ せによって構成されるものである。

【００１４】 この発明において、前記上部側構成要素２は、過大荷重の負荷時に巻き出しロッ クされる命綱５を備えた墜落防止器具６と、墜落防止器具６を梯子Ｌの上部側Ｌ ａに取り付ける墜落防止器具取り付け手段７とを含むものからなっている。一方 、前記下部側構成要素３は、引寄せロープ８を巻き出し自在に内蔵するリール部 材９と、前記リール部材９を前記梯子Ｌの下部側Ｌｂに取り付けるリール部材取 り付け手段１０とを含むものからなっている。

【００１５】 この発明になる梯子昇降者用墜落防止装置１に用いられる墜落防止器具６は、命 綱５を巻き取り収容するリール本体１１を含むものであり、このリール本体１１ に対して、前記命綱５を、巻き出し自在に、且つ、常時巻き取り方向に巻き取り 付勢されているものであり、更には、墜落によるような過大荷重が負荷された際 には、命綱５の巻き出しが瞬時的にロックされるように構成されている。

【００１６】 前記墜落防止器具６における命綱５の巻き出し方向自由端５ａには、フック部材 １２が取り付けられており、前記命綱５は、前記フック部材１２を介して作業者 が着用する安全ベルトに対して連結されるようになっている。

【００１７】 図１に示す第１の実施例において、前記上部側構成要素２における墜落防止器具 取り付け手段７は、一対のロープ部材１３、１３によって構成されている。前記 一対のロープ部材１３、１３は、それぞれ同一形態のものであり、一端１３ａが 比較的小さなループ状になっていて前記墜落防止器具６に対する連結部１４をな し、例えば、カラビナ１６等の手段により前記墜落防止器具６に連結されるよう になっている。前記ロープ部材１３における他端１３ｂは、比較的大きなループ 状になっていて、前記梯子Ｌに対する連結部１５をなし、この比較的大きなルー プ状の連結部１５を前記梯子Ｌにおける縦柱４１の上端４１ａから挿通して、前 記墜落防止器具６を梯子Ｌに対して吊り下げ状態に取り付ける。

【００１８】 さらに、この考案になる梯子昇降者用墜落防止装置１は、前記上部側構成要素２ に関連して、前記梯子Ｌの上部側Ｌａを、該梯子を立て掛ける対象構造物Ｓｔに 固定するための固定手段１７を備えている。前記固定手段１７は、図１Ａおよび 図１Ｂに示されるように、例えば、一端にバックル１８を備えたベルト１９によ って構成されるものである。このベルト１９は、好ましくは、ループ構成片２０ を備えていて、それによって形成されるループ部に、前記墜落防止器具取り付け 手段７におけるロープ部材１３の他端１３ｂ側ループ部に絡ましておくことによ って、分離を防止できるようになっている。

【００１９】 一方、この発明において、前記下部側構成要素３は、引寄せロープ８を巻き出し 自在に内蔵するリール部材９と、前記リール部材９を前記梯子Ｌの下部側Ｌｂに 取り付けるリール部材取り付け手段１０とを含むものからなっている。

【００２０】 前記下部側構成要素３におけるリール部材９は、引寄せロープ８を巻き出し自在 に、且つ、常時巻き取り方向に弱巻き取り付勢されているものである。前記下部 側構成要素３におけるリール部材取り付け手段１０は、バックル付連結ベルトか らなるものであって、前記梯子Ｌの下部側における二本の横桟４２、４２に対し て、これを巻き込むようにして設置されるようになっている。

【００２１】 前記上部側構成要素２における命綱５の巻き出し自由端側５ａと、前記下部側構 成要素３における引き寄せロープ８の巻き出し自由端側８ａとを連結する連結手 段４は、前記命綱５の巻き出し自由端側５ａに設けた引き寄せロープ連結用バッ クル２１と、前記引き寄せロープ８の巻き出し自由端側８ａに設けた先端バック ル連結用トング２２とからなっている。

【００２２】 次いで、図２および図３に基づいて、この考案の第２の実施例になる梯子昇降者 用墜落防止装置について説明する。図２に示すように、第２の実施例になる梯子 昇降者用墜落防止装置１は、基本的には、上部側構成要素２、下部側構成要素３ および前記上部側構成要素２と下部側構成要素３との間を連結する連結手段４と の組み合わせによって構成されるものである。

【００２３】 この発明において、前記上部側構成要素２は、過大荷重の負荷時に巻き出しロッ クされる命綱５を備えた墜落防止器具６と、墜落防止器具６を梯子Ｌの上部側Ｌ ａに取り付ける墜落防止器具取り付け手段７とを含むものからなっている。一方 、前記下部側構成要素３は、引寄せロープ８を巻き出し自在に内蔵するリール部 材９と、前記リール部材９を前記梯子Ｌの下部側Ｌｂに取り付けるリール部材取 り付け手段１０とを含むものからなっている。

【００２４】 この発明になる梯子昇降者用墜落防止装置１に用いられる墜落防止器具６は、命 綱５を巻き取り収容するリール本体１１を含むものであり、このリール本体１１ に対して、前記命綱５を、巻き出し自在に、且つ、常時巻き取り方向に巻き取り 付勢されているものであり、更には、墜落によるような過大荷重が負荷された際 には、命綱５の巻き出しが瞬時的にロックされるように構成されている。

【００２５】 前記墜落防止器具６における命綱５の巻き出し方向自由端５ａには、フック部材 １２が取り付けられており、前記命綱５は、前記フック部材１２を介して作業者 が着用する安全ベルトに対して連結されるようになっている。

【００２６】 図２に示す第２の実施例において、前記上部側構成要素２における墜落防止器具 取り付け手段７は、前記墜落防止器具６を固定支持する剛直なフレーム部材２３ からなり、前記フレーム部材２３は、下端側２３ａに、前記梯子Ｌの横桟４２Ａ に係合するＵ字状係合部２４、２４を備え、上端側２３ｂに、前記梯子Ｌの横桟 ４２Ｂにフック止めされるフック止め部２５、２５を備えたものからなっている 。前記フック止め部２５は、横桟４２Ｂを受け入れる凹部２６と、該凹部２６に 横桟４２Ｂを受け入れた後に、これをロックするロック片２７を含むものからな っている。

【００２７】 図３に示すように、墜落防止器具取り付け手段７は、横桟４２Ａ、４２Ｂ間の間 隔に応じて、前記フレーム部材２３におけるＵ字状係合部２４とフック止め部２ ５との間の間隔を調節するための間隔調節手段２８を有している。前記間隔調節 手段２８は、前記Ｕ字状係合部２４が形成されている可動部材２９と、フレーム 部材２３に設けてある長孔３０と、可動部材２９をフレーム部材２３に固定する 固定ネジ３１とを含むものからなっている。

【００２８】 この考案になる梯子昇降者用墜落防止装置１は、第１の実施例のものにあっては 、図１に示すように、梯子Ｌに対して取り付けられ，第２の実施例のものにあっ ては、図２に示すように、梯子Ｌに対して取り付けられる。この場合、梯子Ｌは 、その上部側Ｌａにおいて固定手段１７により対象構造物Ｓｔに固定支持される ようになっている。

【００２９】 上記するようにセットされた梯子昇降者用墜落防止装置１に対し、地上Ｇ側にい る作業者は、まず、引寄せロープ８を引いて、前記墜落防止器具６における命綱 ５の巻き出し、その方向自由端５ａに取り付けてあるフック部材１２を手元に引 き寄せ、これを自身の安全ベルトに連結し、梯子を登っていく。このように予め 準備しておくことにより、梯子を登っている過程で、梯子を踏み外して墜落した 場合、前記墜落防止器具６が瞬時的に作動して、命綱５により作業者を確保して 、墜落を確実に防止する。

【００３０】

【考案の効果】

以上の構成になる梯子昇降者用墜落防止装置は、構造が簡単であり、製造が容易 であって、多量生産に適合し得る点において、経済的にも極めて有利に作用する ものであり、さらに、構成部材が少ないものであるという点においても極めて実 効性の高いものであるといえる。

【００３１】 さらに、この考案になる梯子昇降者用墜落防止装置は、梯子Ｌに対して簡単に組 み合わせて装着することができ、作業性の点において極めて有効に作用し、且つ 、その使用によって梯子昇降者に対する墜落事故を確実に防止することができ、 安全性の点においても極めて有効に作用するものといえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、この考案にかかる梯子昇降者用墜落防
止装置について、その第１の具体的な実施例を示すもの
であり、図１Ａは、この考案になる梯子昇降者用墜落防
止装置を梯子に装着した状態を示す概略的な正面図であ
り、図１Ｂは、梯子の上部側にあって、上部側構成要素
における墜落防止器具取り付け手段並びに対象構造物に
固定するための固定手段の状態を示す概略的な側面図で
ある。

【図２】図２は、当該梯子昇降者用墜落防止装置につい
て、その第２の具体的な実施例を示すものであり、図２
Ａは、この考案になる梯子昇降者用墜落防止装置を梯子
に装着した状態を示す概略的な正面図であり、図２Ｂ
は、梯子の上部側にあって、上部側構成要素における墜
落防止器具取り付け手段並びに対象構造物に固定するた
めの固定手段の状態を示す概略的な側面図である。

【図３】図３は、当該梯子昇降者用墜落防止装置におけ
る第２の実施例にあって、上部側構成要素における墜落
防止器具取り付け手段の詳細を示すもので、図３Ａは、
その概略的な正面図であり、図３Ｂは、その概略的な側
面図である。

【符号の説明】

Ｌ 梯子 ４１ 梯子縦柱 ４２ 横桟 Ｓｔ 梯子を立て掛ける対象構造物 １ 梯子昇降者用墜落防止装置 ２ 上部側構成要素 ３ 下部側構成要素 ４ 連結手段 ５ 命綱 ６ 墜落防止器具 ７ 墜落防止器具取り付け手段 ８ 引寄せロープ ９ リール部材 １０ リール部材取り付け手段 １１ リール本体 １２ フック部材 １３、１３ 一対のロープ部材 １４ 連結部 １５ 連結部 １６ カラビナ １７ 固定手段 １８ バックル １９ ベルト ２０ ループ構成片 ２１ 引き寄せロープ連結用バックル ２２ 先端バックル連結用トング ２３ フレーム部材 ２４ Ｕ字状係合部 ２５ フック止め部 ２６ 凹部 ２７ ロック片 ２８ 間隔調節手段 ２９ 可動部材 ３０ 長孔 ３１ 固定ネジ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 芳本 充陽 兵庫県西宮市浜４−９−１ マリーナパー クシティ桜のまち703 (72)考案者 寺脇 弘 京都府京都市南区久世殿城町446−１ プ レリヴィエール102 (72)考案者 平林 寛輝 奈良県大和郡山市北西町31番地の８

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 過大荷重の負荷時に巻き出しロックされ
   る命綱を備えた墜落防止器具と、前記墜落防止器具を梯
   子の上部側に取り付ける墜落防止器具取り付け手段とを
   含む上部側構成要素と、引寄せロープを巻き出し自在に
   内蔵するリール部材と、前記リール部材を前記梯子の下
   部側に取り付けるリール部材取り付け手段とを含む下部
   側構成要素と、前記上部側構成要素における命綱の巻き
   出し自由端側と、前記下部側構成要素における引き寄せ
   ロープの巻き出し自由端側とを連結する連結手段とから
   なることを特徴とする梯子昇降者用墜落防止装置。
2. 【請求項２】 前記上部側構成要素に対して、前記梯子
   の上部側を、該梯子を立て掛ける対象構造物に固定する
   ための固定手段を設けたことを特徴とする請求項１に記
   載の梯子昇降者用墜落防止装置。
3. 【請求項３】 前記上部側構成要素における墜落防止器
   具取り付け手段が、一端に、前記墜落防止器具に対する
   連結部を備え、他端に、前記梯子に対する連結部を備え
   た一対のロープ部材からなることを特徴とする請求項１
   に記載の梯子昇降者用墜落防止装置。
4. 【請求項４】 前記上部側構成要素における墜落防止器
   具取り付け手段が、前記墜落防止器具を固定支持する剛
   直なフレーム部材からなり、前記フレーム部材は、下端
   側に、前記梯子の横桟に係合するＵ字状係合部を備え、
   上端側に、前記梯子の横桟にフック止めされるフック止
   め部を備えたものからなることを特徴とする請求項１に
   記載の梯子昇降者用墜落防止装置。