JP3071916B2 - 光スイッチとその製造方法 - Google Patents

光スイッチとその製造方法

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JP3071916B2
JP3071916B2 JP3341531A JP34153191A JP3071916B2 JP 3071916 B2 JP3071916 B2 JP 3071916B2 JP 3341531 A JP3341531 A JP 3341531A JP 34153191 A JP34153191 A JP 34153191A JP 3071916 B2 JP3071916 B2 JP 3071916B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧を印加することに
より簡単に光の回折/直進または透過/反射のいずれか
一方を制御することのできる、光スイッチとその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、実時間ホログラム媒体を用いた光
スイッチが、大規模光スイッチやフレキシブル光スイッ
チへの応用を目的として検討されている(参考文献1:
山崎ほか,1991年電子情報通信学会秋季大会予稿
集、B−286(1991))。図13は従来のホログラム
媒体を用いた光スイッチの構成及び動作を示す図であ
る。この光スイッチ1は、ITOからなる平板状の透明
電極2と櫛形状の透明電極3の間に、一対の液晶配向膜
4,5がこれらの液晶配向膜4,5それぞれの配向方向
が直角になるように配置され、これらの液晶配向膜4,
5間にネマティック液晶6が配置されたものである。こ
のネマティック液晶6は、液晶配向膜4,5により、分
子方向が90度以上ねじられた、いわゆるツイスト・ネ
マティック液晶となる。この光スイッチ1では、透明電
極2,3間に電圧を印加しない場合、ネマティック液晶
6の屈折率が変化しないので、図13(a)に示すよう
に照射されたレーザー光Lは光スイッチ1をそのまま通
過する。また、透明電極2と一つおきの透明電極3aの
間に電圧を印加した場合、電圧が印加されたネマティッ
ク液晶6aの分子方向が変化することにより屈折率が変
化し、図14に示す様に、光スイッチ1は屈折率n1
領域7と屈折率n2の領域8を交互に配置した位相型回
折格子9となる。但し、n1≠n2である。この場合、入
射されたレーザー光Lは回折し進行方向が変化する。し
たがって、透明電極2,3間の電圧を変化させることに
より、光の回折/直進を制御する光スイッチとすること
ができる。
【0003】この光スイッチ1においては、図14に示
す様に、光の入射角θ0と出射角θ1の関係は次式で表わ
すことができる。 sinθ0+sinθ1=mλ/d (m=0,±1,±2,…)…(1) 但し、λは入射される光の波長、dは屈折率の異なる領
域7,8の周期の間隔である。(1)式より、屈折率が
異なる領域7,8の周期の間隔dは光の回折角(θ1
θ0)に影響を与え、屈折率の異なる領域7,8の周期
の間隔dが狭ければ狭いほど、光の回折角(θ1−θ0
を大きくすることができる。したがって、この光の回折
角(θ1−θ0)を大きくできれば、光スイッチと光を受
光する面の間隔を狭くすることができ、この光スイッチ
1を用いた光制御装置をも小型化することができる。
【0004】また、図15の様に光の透過量を制御した
光スイッチ11も知られている。この光スイッチ11
は、一対の偏光膜12,13の光の偏光方向が互いに平
行となるように、上述した光スイッチ1の表面1aに偏
光膜12を、また裏面1bに偏光膜13をそれぞれ設け
たものである。偏光膜12を通過したレーザ光Lは直線
偏光となる。透明電極2,3間に電圧を印加しない場合
では、ネマティック液晶6は光を透過させる領域とな
り、この光スイッチ11は回折格子にはならず入射した
レーザ光Lを全て直進させる。また、透明電極2,3a
間のみに電圧を印加した場合では、電圧が印加されない
透明電極2と透明電極3bとの間では、レーザ光Lはネ
マティック液晶6bにより偏光され、偏光膜13を透過
する。一方、透明電極2と透明電極3aとの間では、ネ
マティック液晶6aの分子方向が変化し、直線偏光され
たレーザ光Lはネマティック液晶6aでは偏光されず、
偏光膜13を透過できなくなる。したがって、電圧が印
加された透明電極3aと電圧が印加されない透明電極3
bを交互に配置すると、光を透過させない領域と光を透
過させる領域が交互に形成され、よく知られた振幅形回
折格子の構造になりレーザ光Lを回折させる。このよう
に、レーザ光の進行方向を変えられる光スイッチとして
動作する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光スイッチ1,11には以下に述べるような問題点があ
った。まず、光スイッチ1においては、透明電極2,3
は、通常のフォトリソグラフィ技術を用いて加工した場
合、幅5μm程度までしか加工することができないとい
う問題がある。また、例えばX線リソグラフィの様に極
めて解像度の高いフォトリソグラフィ技術を用いて1μ
m程度の細い幅で電極を加工することができたとして
も、このような間隔が狭い電極を有する光スイッチで
は、透明電極2,3a間に挟まれたネマティック液晶6
aに加わる電界が、透明電極2,3b間に挟まれたネマ
ティック液晶6bに漏れ、十分な屈折率差が得られない
という問題もある。また、光スイッチ11においても光
スイッチ1と同様に、透明電極2,3は、通常のフォト
リソグラフィ技術を用いて加工した場合、幅5μm程度
までしか加工することができないという問題がある。ま
た、例えばX線リソグラフィの様に極めて解像度の高い
フォトリソグラフィ技術を用いて1μm程度の細い幅で
電極を加工することができたとしても、このような間隔
が狭い電極を有する光スイッチでは、透明電極2,3a
間に挟まれたネマティック液晶6aに加わる電界が、透
明電極2,3b間に挟まれたネマティック液晶6bに漏
れ、ネマティック液晶6の分子の方向が複雑になり、十
分な光透過強度比が得られないという問題もある。
【0006】以上の理由から、従来の光スイッチ1,1
1では、屈折率が異なる領域の間隔は100μm程度ま
でしか縮めることができないという欠点がある。例え
ば、ヘリウム−ネオンレーザーを用いて入射角0度で波
長633nmのレーザ光を照射した場合、1次の回折光
(m=±1)の出射角はたかだか1度であり、光制御装
置を小型化できる光スイッチの作製が困難である。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、従来の様々な問題点や欠点を解決するとと
もに、電圧を印加することにより簡単に光の回折/直進
または透過/反射のいずれか一方を制御することのでき
る、光スイッチとその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は下記の様な光スイッチとその製造方法を採
用した。すなわち、請求項1記載の光スイッチは、屈折
率の異なる複数の領域からなり、これらの領域のうち1
つ以上の領域に電界を印加することにより当該領域の屈
折率を変化させ、光の回折/直進または透過/反射のい
ずれか一方を制御する光スイッチであって、前記屈折率
の異なる複数の領域の両面に、それぞれ偏光板を設けて
なり、前記屈折率の異なる複数の領域は、少なくとも、
液晶からなる第1の領域と高分子材料からなる第2の領
域からなり、前記第1の領域に電界を印加することによ
り該第1の領域の屈折率を変化させることを特徴として
いる。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】また、請求項2記載の光スイッチの製造方
法は、屈折率の異なる複数の領域が、少なくとも、液晶
からなる第1の領域と高分子材料からなる第2の領域か
らなり、これら複数の領域のうち1つ以上の領域に電界
を印加することにより当該領域の屈折率を変化させ、光
の回折/直進または透過/反射のいずれか一方を制御す
る光スイッチの製造方法であって、前記高分子材料は、
光または熱のいずれか一方を加えることにより硬化する
硬化型高分子材料からなり、前記液晶と該硬化型高分子
材料との混合物を、2つの透明電極間に充填し、その
後、該混合物に複数のレーザー光を照射し、レーザー光
の干渉パターンによる光の強弱層により前記液晶と前記
硬化型高分子材料とを分離し、前記液晶からなる第1の
領域と前記硬化型高分子材料からなる第2の領域を形成
することを特徴と徴としている。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】 本発明の請求項1記載 の光スイッチでは、入射
するレーザ光を一旦偏光板で偏光し、その後第1の領域
を透過させる。このレーザ光は液晶により偏光し、もう
1つの偏光板により該レーザ光が遮断される。一方、第
2の領域では光は偏光されずそのまま直進する。したが
って、液晶からなる第1の領域では光を透過せず、高分
子材料からなる第2の領域では光を透過する回折格子と
することが可能になり、よく知られた振幅形回折格子の
原理(参考文献2:ボルン、ウオルフ著,「光学の原
理」東海大学出版)に従い光を回折する。また、第1の
領域に電圧を加えることにより、液晶分子が1方向に整
列し、この第1の領域では光の偏光がおこらなくなり、
この第1の領域でも光が透過するようになる。したがっ
て、回折格子の構造がなくなり光を直進させることが可
能になり、光の回折/直進を制御することが可能にな
る。この光スイッチでは、高分子材料は電界により偏光
が変化しないので、液晶に加える電界は高分子材料の偏
光に何等影響を与えない。したがって、微細な間隔で液
晶と高分子材料を配置すれば液晶の電界による偏光変化
の特性を、光スイッチにおける光の透過量変化に用いる
ことができる。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】また、請求項2記載の光スイッチの製造方
法では、液晶と硬化型高分子材料との混合物を、2つの
透明電極間に充填し、その後、複数のレーザー光を液晶
と硬化型高分子材料との混合物に照射すれば、レーザー
光の干渉パターンによる光の強弱層により、液晶と硬化
型高分子材料が分離される。すなわち、光を加えること
により硬化する光硬化型高分子材料と液晶の混合物にレ
ーザー光による干渉パターンを照射すると、光強度が強
い領域で光硬化型高分子材料が硬化する。また、前記高
分子材料が熱硬化型高分子材料である場合、光強度が強
い領域で発熱がおこり熱硬化型高分子材料が硬化する。
したがって、光の弱い領域には主に液晶が集り、屈折率
が異なる薄層を干渉パターンに従った微細間隔で繰返し
形成することが可能になる。また、レーザーの干渉パタ
ーンによる光の強弱層は、レーザー光の照射方向を調節
することにより光の波長程度の間隔で光強度に強弱を生
じさせることが可能である。
【0022】
【0023】
【0024】
【実施例】以下、本発明の各実施態様について図面に基
づいて説明する。 (第1実施例および第1参考例) 図1は本発明の第1実施例である光スイッチの製造方法
を説明する上で参考となる、第1参考例の光スイッチの
構成及び動作を示す図である。この光スイッチ21は、
例えば、薄厚500オングストロームのITO膜からな
る2つの平行な透明電極22,23間に、屈折率が電界
によりn1からn2まで可変なネマティック液晶(例え
ば、メルク社製E−7、n1=1.75,n2=1.5
2)(第1の領域)24と、屈折率n3の光硬化型の高
分子材料(例えば、ラックストラックLCR0208、
n3=1.5)(第2の領域)25とが交互に配列され
ている。また、ネマティック液晶24と、高分子材料2
5のそれぞれの幅は500nmである。前記高分子材料
25は、熱硬化型の高分子材料(例えば、エポキシ樹
脂、n3=1.5)に置き換えることもできる。
【0025】この光スイッチ21においては、図1
(a)に示すように、透明電極22,23間に電圧を加
えない場合では、ネマティック液晶24の屈折率をn1
とすると、全体として屈折率がn3/n1/n3…n3/n
1/n3(n1=1.75、n3=1.5)の構造の回折格
子に等しくなり、位相形回折格子の原理(参考文献2:
ボルン、ウオルフ著,「光学の原理」東海大学出版)に
従い、入射光L1を回折し光の進行方向を変える動作を
する。
【0026】また、図1(b) に示すように、透明電極
22,23間に電圧を加えた場合では、ネマティック液
晶24の屈折率をn2とすると、全体として屈折率がn3
/n2/n3…n3/n2/n3(n2=1.52、n3
1.5)の構造となり、各領域の屈折率差がほとんどな
くなる。このため、光の回折が起こらなくなり、光を直
進させる動作をする。
【0027】次に、本発明の第1実施例である光スイッ
チの製造方法について図2を基に説明する。まず、同図
(a)に示す様に、例えば、薄厚500オングストロー
ムのITO膜からなる2つの平行な透明電極22,23
間に、屈折率が電界によりn1からn2まで可変なネマテ
ィック液晶(例えば、メルク社製E−7、n1=1.7
5,n2=1.52)と、屈折率n3の光硬化型の高分子
材料(例えば、ラックストラックLCR0208、n3
=1.5)との混合物(以下、単に混合物と略称)26
を充填する。この混合物26は、ネマティック液晶と熱
硬化型の高分子材料(例えば、エポキシ樹脂、n3=
1.5)との混合物とすることもできる。
【0028】次に、同図(b)に示すように、この混合
物26に例えば波長488nmの複数のアルゴンレーザ
ー光27,27を照射する。このときこれらのアルゴン
レーザー光27,27は干渉を起こし、特定間隔d(例
えば1μm間隔)でレーザー光に強弱が生じた干渉パタ
ーン28が得られる(同図(c))。
【0029】これらのアルゴンレーザー光27,27の
強弱は、光の波長と2つ光の入射角により決定される微
細な間隔で生じる(参考文献4:大越孝敬著、ホログラ
フィ、電子通信学会編、(1977))。この干渉パターン
28が照射された混合物26は、光強度が強い領域で光
硬化型の高分子材料25が硬化する。また、混合物が熱
硬化型高分子材料を含んでいる場合では、光強度が強い
領域で発熱がおこり熱硬化型高分子材料が硬化する。し
たがって、この干渉パターン28の光強度の弱い領域に
は主にネマティック液晶24が集まることとなる。この
結果、ネマティック液晶24と光硬化型の高分子材料2
5が良好に分離された光スイッチ21が作製できる(同
図(d))。
【0030】以上説明した様に、この第1参考例の光ス
イッチ21によれば、2つの平行な透明電極22,23
間に、ネマティック液晶24と高分子材料25とを交互
に配列することとしたので、ネマティック液晶24に電
界を印加することにより屈折率を変化させ、ネマティッ
ク液晶24と高分子材料25との屈折率差を変化させる
ことができる。したがって、光の回折/直進を制御する
ことができる。
【0031】また、この光スイッチ21では、ネマティ
ック液晶24に加える電界は高分子材料25の屈折率に
何等影響を与えないので、ネマティック液晶24と高分
子材料25とを微細な間隔で配置することができ、ネマ
ティック液晶24の電界による屈折率変化の特性を、光
スイッチにおける屈折率変化に用いることができる。
【0032】そして、本発明の第1実施例である光スイ
ッチの製造方法によれば、混合物26に複数のアルゴン
レーザー光27,27を照射し、これらのアルゴンレー
ザー光27,27の干渉パターン28により光硬化型の
高分子材料25を硬化させることとしたので、アルゴン
レーザー光27を照射するだけの工程で、波長間隔程度
の微細間隔でネマティック液晶24と高分子材料25と
を交互に配列させることができ、極めて回折角が大きい
光スイッチ21を簡便に作製することができる。
【0033】また、2つのアルゴンレーザー光27,2
7の照射方向を変えることによって干渉パターンの方
向、間隔を任意に変えることができ、ネマティック液晶
24と高分子材料25とを任意の間隔で任意の方向に作
製することができる。このため、種々の波長帯域の光に
対し、任意の回折角を有する光スイッチ21を簡便に作
製することができる。
【0034】なお、この光スイッチ21では、ネマティ
ック液晶24及び高分子材料25のそれぞれの屈折率
を、n1=1.75、n2=1.52、n3=1.5の場
合について示したが、ネマティック液晶24の屈折率
は、電圧を印加した時または電圧を印加しないときのい
ずれかが、高分子材料25の屈折率に近ければよく、ネ
マティック液晶24及び高分子材料25のそれぞれの屈
折率は上記に限定されない。
【0035】また、ネマティック液晶24及び高分子材
料25のそれぞれの幅は、この幅を変えることにより回
折角を変えることができるので、設計上求められる回折
角に応じて様々に変更可能である。
【0036】また、屈折率が変化する材料にネマティッ
ク液晶24を用いたが、電圧によって屈折率が変化する
高分子液晶、強誘電性液晶等であっても全く同様の作用
・効果を奏することが可能である。また、熱硬化形高分
子材料としてエポキシ樹脂、光硬化形高分子材料として
ラックストラックLCR0208に限ることはなく、光
あるいは熱で硬化する高分子材料であればよい。
【0037】また、本発明の第1実施例である光スイッ
チの製造方法では、干渉パターンを得る為にアルゴンレ
ーザー光27,27を用いたが、その限りでなく、干渉
光がえられる位相が揃った光源であればよい。
【0038】(第2実施例) 図3は本発明の第2実施例である光スイッチの構成及び
動作を示す図である。この光スイッチ31は、例えば、
光の偏光方向が平行になるように配置された2つの平行
な偏光膜(偏光板)32,33のそれぞれの内側に、例
えば、薄厚500オングストロームのITO膜からなる
透明電極22,23が設けられ、これらの透明電極2
2,23のそれぞれの内側に、液晶配向膜34,35が
液晶の配向方向が直角になるように設けられている。そ
して、これらの液晶配向膜34,35間には、屈折率が
電界によりn1からn2まで可変なネマティック液晶(例
えば、メルク社製E−7、n1=1.75,n2=1.5
2)(第1の領域)24と、屈折率n3の光硬化型の高
分子材料(例えば、ラックストラックLCR0208
3=1.5)(第2の領域)25とが交互に配列され
ている。これらネマティック液晶24と高分子材料25
のそれぞれの幅は500nmである。前記高分子材料2
5は、熱硬化型の高分子材料(例えば、エポキシ樹脂、
3=1.5)に置き換えることもできる。
【0039】この光スイッチ31においては、図3
(a)に示すように、透明電極22,23間に電圧を加
えない場合では、偏光膜32を通過した入射光L1はネ
マティック液晶24により90度偏向し、偏光膜33に
より遮断される。一方、高分子材料25では入射光L1
は偏向されずそのまま直進する。したがって、ネマティ
ック液晶24では入射光L1を透過せず、高分子材料2
5では入射光L1を透過する回折格子ができ、振幅形回
折格子の原理(参考文献2:ボルン、ウオルフ著,「光
学の原理」東海大学出版)に従い、入射光L1を回折し
光の進行方向を変える動作をする。
【0040】また、図3(b)に示すように、透明電極
22,23間に電圧を加えた場合では、ネマティック液
晶24の分子が1方向に整列し、該ネマティック液晶2
4では入射光L1の偏向がおこらなくなる。したがっ
て、ネマティック液晶24でも光が透過するようにな
る。このため、光の回折が起こらなくなり、光を直進さ
せる動作をする。
【0041】次に、光スイッチ31の製造方法について
図4を基に説明する。まず、同図(a)に示す様に、偏
光膜32,33のそれぞれの内側に透明電極22,23
を設け、これらの透明電極22,23のそれぞれの内側
に液晶配向膜34,35を設け、これらの液晶配向膜3
4,35間に、屈折率が電界によりn1からn2まで可変
なネマティック液晶(例えば、メルク社製E−7、n1
=1.75,n2=1.52)と、屈折率n3の光硬化型
の高分子材料(例えば、ラックストラックLCR020
、n3=1.5)との混合物(混合物)36を充填す
る。この混合物36は、ネマティック液晶と熱硬化型の
高分子材料(例えば、エポキシ樹脂、n3=1.5)と
の混合物とすることもできる。
【0042】次に、この混合物36に例えば波長488
nmの複数のアルゴンレーザー光27,27を照射す
る。このときこれらのアルゴンレーザー光27,27は
干渉を起こし、特定間隔d(例えば1μm間隔)でレー
ザー光に強弱が生じた干渉パターンが得られる。この干
渉パターンが照射された混合物36は、光強度が強い領
域で光硬化型の高分子材料25が硬化する。また、混合
物が熱硬化型高分子材料を含んでいる場合では、光強度
が強い領域で発熱がおこり熱硬化型高分子材料が硬化す
る。したがって、アルゴンレーザー光27,27の干渉
パターンの光強度の弱い領域には主にネマティック液晶
24が集まることとなる。この結果、ネマティック液晶
24と光硬化型の高分子材料25が良好に分離される。
次に、光の偏光方向が平行になるように2枚の偏光膜3
2,33を透明電極22,23のそれぞれの外側に配置
し光スイッチ31とする(同図(b))。
【0043】以上説明した様に、この第2実施例の光ス
イッチ31によれば、2つの平行な偏光膜32,33の
それぞれの内側に透明電極22,23が設けられ、これ
らの透明電極22,23のそれぞれの内側に、液晶配向
膜34,35が設けられ、これらの液晶配向膜34,3
5間に、ネマティック液晶24と高分子材料25とが交
互に配列されているとしたので、ネマティック液晶24
に電界を印加することにより偏向方向を変化させ、ネマ
ティック液晶24でも光が透過するようにすることがで
きる。したがって、光の回折/直進を制御することがで
きる。
【0044】また、この光スイッチ31の製造方法によ
れば、混合物36に複数のアルゴンレーザー光27,2
7を照射し、これらのアルゴンレーザー光27,27の
干渉パターンにより光硬化型の高分子材料25を硬化さ
せることとしたので、アルゴンレーザー光27を照射す
るだけの工程で、波長間隔程度の微細間隔でネマティッ
ク液晶24と高分子材料25とを交互に配列させること
ができ、極めて回折角が大きい光スイッチ31を簡便に
作製することができる。
【0045】また、2つのアルゴンレーザー光27,2
7の照射方向を変えることによって干渉パターンの方
向、間隔を任意に変えることができ、ネマティック液晶
24と高分子材料25とを任意の間隔で任意の方向に作
製することができる。このため、種々の波長帯域の光に
対し、任意の回折角を有する光スイッチ31を簡便に作
製することができる。
【0046】なお、ネマティック液晶24及び高分子材
料25のそれぞれの幅は、この幅を変えることにより回
折角を変えることができるので、設計上求められる回折
角に応じて様々に変更可能である。
【0047】また、屈折率が変化する材料にネマティッ
ク液晶24を用いたが、電圧によって分子方向が変化す
る高分子液晶、強誘電性液晶等であっても全く同様の作
用・効果を奏することが可能である。また、熱硬化形高
分子材料としてエポキシ樹脂、光硬化形高分子材料とし
ラックストラックLCR0208に限ることはなく、
光あるいは熱で硬化する高分子材料を用いればよい。
【0048】また、この光スイッチ31の製造方法で
は、干渉パターンを得る為にアルゴンレーザー光27,
27を用いたが、その限りでなく、干渉光がえられる位
相が揃った光源であればよい。
【0049】(第2参考例) 図5は第2参考例である多方向光スイッチ(光制御装
置)の概略構成図である。この多方向光スイッチ41
は、第1参考例の光スイッチ21a,21bを光軸Ax
上に、それぞれのネマティック液晶24と高分子材料2
5との配列方向が互いに直交する様に配置されたもので
ある。ここでは、光スイッチ21aはネマティック液晶
24と高分子材料25を水平に交互に配置し、光スイッ
チ21bはネマティック液晶24と高分子材料25を垂
直に交互に配置している。
【0050】この多方向光スイッチ41においては、光
スイッチ21a,21bそれぞれに電圧を印加すると、
回折格子の構造はできず、入射光は図6(a)のように
直進する。また、光スイッチ21aに電圧を印加せず、
光スイッチ21bのみに電圧を印加すると、光スイッチ
21aにおいて回折格子の構造ができ入射光が回折し、
また光スイッチ21bでは直進するため、入射光は図6
(b)のように上方に折れ曲がる。また、光スイッチ2
1aに電圧を印加し、光スイッチ21bに電圧を印加し
ないと、光スイッチ21bにおいて回折格子の構造がで
き光が回折し、入射光は図6(c)のように横方向に折
れ曲がる。また、光スイッチ21a、光スイッチ21b
共に電圧を印加しないと、光スイッチ21a及び光スイ
ッチ21b共に回折格子の構造ができ光が回折し、入射
光は図6(d)のように斜め上方に折れ曲がる。
【0051】以上の様に、この多方向光スイッチ41に
よれば、第1参考例の光スイッチ21a,21bを光軸
Ax上に、それぞれのネマティック液晶24と高分子材
料25との配列方向が互いに直交する様に配置されるこ
ととしたので、回折格子ができる方向が異なる2つの光
スイッチ21a,21bを組合せることにより4方向に
選択的に光を送る多方向光スイッチを得ることができ
る。
【0052】なお、この多方向光スイッチ41では、光
スイッチ21a,21bそれぞれの回折格子の間隔dを
同じにし、光スイッチ21aにより形成される回折格子
と光スイッチ21bにより形成される回折格子とが直交
するように配置したが、この限りでなく、光スイッチ2
1a,21bそれぞれの回折格子の間隔dや、光スイッ
チ21aにより形成される回折格子と光スイッチ21b
により形成される回折格子の角度をそれぞれ変えること
により光の出射方向を変えることができる。
【0053】また、この多方向光スイッチ41では、2
つの光スイッチ21a,21bにより構成した例につい
て示したが、回折角、回折方向が異なる複数の光スイッ
チにより構成すれば、任意の回折角と任意の回折方向を
有する多方向光スイッチを作成することができる。
【0054】また、光スイッチ21の替わりに、第2実
施例の光スイッチ31を使用しても全く同様の多方向光
スイッチを作成することができる。
【0055】(第3参考例) 図7は第3参考例の多段光スイッチ(光制御装置)の概
略構成図である。この多段光スイッチ51は、第1参考
の光スイッチ21a,21b,…を複数個有する光ス
イッチパネル52が複数枚光軸Ax上に配置され、それ
ぞれの光スイッチパネル52のそれぞれのネマティック
液晶24と高分子材料25との配列方向が互いに平行す
る様に配置されている。ここでは、ネマティック液晶2
4と高分子材料25は水平に交互に配置されている。
【0056】この多段光スイッチ51では、例えば入力
された3つの光信号53は、この多段光スイッチ51を
通過する間に光の進行方向を変え出力される。入力され
た光信号53は光スイッチ21aにより回折格子の形成
状態を変化させることによって、出力側の任意の位置に
光を出射させる。この多段光スイッチ51では、個別の
光スイッチ21a,21b,…での光の回折角が大きい
ため、光入力位置から光出力位置までの長さを短くで
き、多段光スイッチ51を小型化できる。この多段光ス
イッチ51は例えば光交換機等において有効に利用する
ことができる。
【0057】なお、上記の多方向光スイッチ41では、
光スイッチ21a,21bを光軸Ax上に、それぞれの
ネマティック液晶24と高分子材料25との配列方向が
互いに直交する様に配置され、また、上記の多段光スイ
ッチ51では、光スイッチ21a,21b,…を複数個
有する光スイッチパネル52が複数枚光軸Ax上に配置
され、それぞれの光スイッチパネル52のそれぞれのネ
マティック液晶24と高分子材料25との配列方向が互
いに平行する様に配置されるとしたが、これらの光スイ
ッチの配置は上記参考例に限定されることなく、その用
途及び目的に応じて様々な配置が可能である。例えば、
複数の光スイッチ21a,21b,…それぞれを光軸に
対して一定の角度傾けた状態で配置してもよく、また、
これらの光スイッチ21a,21b,…の互いに隣接す
るもの同士のなす角度を光軸に対して漸次拡大もしくは
縮小するようにこれらの光スイッチ21a,21b,…
を配置してもよい。
【0058】(第4参考例) 図8は第4参考例の書込型光スイッチ(光制御装置)の
概略構成図である。この書込型光スイッチ61は、第1
参考例の光スイッチ21において、ネマティック液晶2
4の替わりに強誘電性液晶62を用いたものである。強
誘電性液晶62は、ネマティック液晶24と異なり、一
度屈折率あるいは分子方向を変化させると、電界を加え
ない限りその状態を保持する。したがって、回折角が大
きくかつ回折角、回折方向を記憶することができる光ス
イッチを作成することができる。
【0059】図9は、この書込型光スイッチ61を用い
た光MDF(Main DistributionFrame)63の概略
構成図である。この光MDF63は、複数個の書込型光
スイッチ61,…を2列に平行に配置して2つの多方向
書込型光スイッチ64,64とし、それぞれの書込型光
スイッチ61に光ファイバ65を接続したものである。
この光MDF63では、光ファイバ65から出た光ビー
ム66は多方向書込形光スイッチ64により進行方向が
変えられ、再度多方向書込型光スイッチ64を経て光フ
ァイバ65に出力される。この光MDF63は、光スイ
ッチの回折角が大きいので小型化することができる。
【0060】(第5参考例) 図10は第5参考例の光分光スイッチ(光制御装置)7
1の概略構成図である。この光分光スイッチ71は、
1参考例の光スイッチ21を用いたもので、この光スイ
ッチ21に連続波長の白色光72を入射し、該白色光7
2をそれぞれの波長の光73〜75に分離するものであ
る。この光スイッチ21においては、上述した様に
((1)式参照)、光の回折角(θ1−θ0)は、入射さ
れる光の波長λに依存して変化する。このため、複数の
波長からなる白色光72を光スイッチ21に照射する
と、光の波長に応じて青色光73、緑色光74、赤色光
75に分光することができる。
【0061】この光分光スイッチ71では、光の回折角
を大きくとれるので、波長による分離角を大きく取るこ
とができる。例えば入射角θ=0度で波長633nmの
ヘリウムネオンレーザー光と波長850nmの半導体レ
ーザー光の出射角のちがいは例えば、液晶領域の幅を5
00nm、熱硬化型高分子材料の幅を500nmとした
光分光スイッチでは18度であった。
【0062】(第6参考例) 図11は第6参考例の表示装置(光制御装置)81の概
略構成図である。この表示装置81は、第1参考例の光
スイッチ21を用いたもので、波長420nmの青色の
光が回折角40度で回折されるようにネマティック液晶
24の幅を330nm、高分子材料25の幅を330n
mとした青色を40度回折させる領域82と、波長52
0nmの緑色の光が回折角40度で回折されるようにネ
マティック液晶24の幅を400nm、高分子材料25
の幅を400nmとした緑色を40度回折させる領域8
3と、波長620nmの光が回折角40度で回折される
ようにネマティック液晶24の幅を480nm、高分子
材料25の幅を480nmとした赤色を40度回折させ
る領域84を交互に配置した光スイッチとしている。
【0063】この表示装置81では、青色を40度回折
させる領域82、緑色を40度回折させる領域83、赤
色を40度回折させる領域84の光スイッチはそれぞれ
独立に動作させる。これらの領域82〜84に白色光7
2を照射し、青色を40度回折させる領域82、緑色を
40度回折させる領域83、赤色を40度回折させる領
域84それぞれに回折格子を形成した場合、表示面85
には青領域86、緑領域87、赤領域88が形成され
る。このような光の分離は、光スイッチにおける回折角
が大きいために実現することができる。
【0064】また、青色を40度回折させる領域82、
緑色を40度回折させる領域83、赤色を40度回折さ
せる領域84で回折格子を作らない場合には、光は直進
し、表示面85には光は照射されない。また、青色を4
0度回折させる領域82のみに回折格子を作る場合に
は、青色の光だけが表示面85に照射される。同様に、
緑色を40度回折させる領域83だけの場合には緑色
が、赤色を40度回折させる領域84だけの場合には赤
色が表示される。
【0065】以上説明した様に、この多方向光スイッチ
41によれば、青色を40度回折させる領域82、緑色
を40度回折させる領域83、赤色を40度回折させる
領域84それぞれの光スイッチを制御することにより、
種々の表示色を出せる表示装置81を提供することがで
きる。
【0066】(第7参考例) 図12は第7参考例の反射型光スイッチ91の構成及び
製法を示す図である。この反射型光スイッチ91は、
1参考例の光スイッチ21を変形したもので、2つの平
行な透明電極22,23間に、ネマティック液晶24と
高分子材料25とが交互に、かつ、これらのネマティッ
ク液晶24と高分子材料25の配列方向が入射光L1に
対して斜めになる様に配列されている。
【0067】この反射型光スイッチ91は、同図(b)
に示すように、例えば波長488nmの複数のアルゴン
レーザー光27,27により生じた干渉パターン28
を、混合物26に斜めに照射することによって作成する
ことができる。
【0068】この反射型光スイッチ91においては、ネ
マティック液晶24と高分子材料25との屈折率差が大
きい場合には、多層構造を持つ回折格子の回折条件(参
考文献3:小山、西原著、「光波電子光学」コロナ社)
に従い、入射された光のうち回折波が互いに強め合う条
件の特定波長の光だけが反射され、その他の波長の光は
透過する。また、ネマティック液晶24と高分子材料2
5との屈折率差が小さい場合には、大部分の光は透過す
る。したがって、光の透過/反射を制御することのでき
る反射型光スイッチを提供することができる。
【0069】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の請求
項1記載の光スイッチによれば、屈折率の異なる複数の
領域からなり、これらの領域のうち1つ以上の領域に電
界を印加することにより当該領域の屈折率を変化させ、
光の回折/直進または透過/反射のいずれか一方を制御
する光スイッチであって、前記屈折率の異なる複数の領
域の両面に、それぞれ偏光板を設けてなり、前記屈折率
の異なる複数の領域は、少なくとも、液晶からなる第1
の領域と高分子材料からなる第2の領域からなり、前記
第1の領域に電界を印加することにより該第1の領域の
屈折率を変化させることとしたので、入射するレーザ光
を一旦偏光膜で偏光し、その後第1の領域を透過させる
ことにより、液晶からなる第1の領域では光を透過せ
ず、高分子材料からなる第2の領域では光を透過する回
折格子とすることができる。したがって、光の回折/直
進を制御することができる。
【0070】
【0071】
【0072】この光スイッチでは、硬化型高分子材料
電界により偏光が変化しないので、液晶に加える電界は
硬化型高分子材料の偏光に何等影響を与えない。したが
って、微細な間隔で液晶と硬化型高分子材料を配置する
ことができ、液晶の電界による偏光変化の特性を、光ス
イッチにおける光の透過量変化に用いることができる。
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】また、請求項2記載の光スイッチの製造方
法によれば、前記高分子材料を、光または熱のいずれか
一方を加えることにより硬化する硬化型高分子材料と
し、前記液晶と該硬化型高分子材料との混合物を、2つ
の透明電極間に充填し、その後、該混合物に複数のレー
ザー光を照射し、レーザー光の干渉パターンによる光の
強弱層により前記液晶と前記硬化型高分子材料とを分離
し、前記液晶からなる第1の領域と前記硬化型高分子材
料からなる第2の領域を形成するとしたので、レーザー
光の干渉パターンによる光の強弱層により液晶と硬化型
高分子材料を良好に分離することができる。したがっ
て、屈折率が異なる薄層を干渉パターンに従った微細間
隔で繰返し形成することができる。
【0077】
【0078】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1参考例の光スイッチの構成及び動作を示す
図である。
【図2】本発明の第1実施例である光スイッチの製造方
を示す過程図である。
【図3】本発明の第2実施例の光スイッチの構成及び動
作を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例の光スイッチの製造方法を
示す過程図である。
【図5】第2参考例の多方向光スイッチの概略構成図で
ある。
【図6】第2参考例の多方向光スイッチの動作を説明す
るための図である。
【図7】第3参考例の多段光スイッチの概略構成図であ
る。
【図8】第4参考例の書込型光スイッチの概略構成図で
ある。
【図9】第4参考例の書込型光スイッチを用いた光MD
Fの概略構成図である。
【図10】第5参考例の光分光スイッチの概略構成図で
ある。
【図11】第6参考例の表示装置の概略構成図である。
【図12】第7参考例の反射型光スイッチの構成及び製
法を示す図である。
【図13】従来の光スイッチの構成及び動作を示す図で
ある。
【図14】従来の位相型回折格子を示す概略構成図であ
る。
【図15】従来の光の透過量を制御した光スイッチを示
す概略構成図である。
【符号の説明】
21 光スイッチ 22,23 透明電極 24 ネマティック液晶 25 高分子材料 26 ネマティック液晶と光硬化型の高分子材料との混
合物 27 アルゴンレーザー光 28 干渉パターン 31 光スイッチ 32,33 偏光膜 34,35 液晶配向膜 36 ネマティック液晶と光硬化型の高分子材料との混
合物 41 多方向光スイッチ(光制御装置) 51 多段光スイッチ(光制御装置) 52 光スイッチパネル 61 書込型光スイッチ(光制御装置) 62 強誘電性液晶 63 光MDF(Main Distribution Frame) 64 多方向書込型光スイッチ 65 光ファイバ 66 光ビーム 71 光分光スイッチ(光制御装置) 72 白色光 73 青色光 74 緑色光 75 赤色光 81 表示装置(光制御装置) 82 青色を40度回折させる領域 83 緑色を40度回折させる領域 84 赤色を40度回折させる領域 85 表示面 86 青領域 87 緑領域 88 赤領域 91 反射型光スイッチ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−4205(JP,A) 特開 昭61−86727(JP,A) 特開 平3−183255(JP,A) 特開 平1−128007(JP,A) 特開 平5−72509(JP,A) 特開 平5−80310(JP,A) 特開 昭61−86730(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/29 G02F 1/13 - 1/1333

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率の異なる複数の領域からなり、こ
    れらの領域のうち1つ以上の領域に電界を印加すること
    により当該領域の屈折率を変化させ、光の回折/直進ま
    たは透過/反射のいずれか一方を制御する光スイッチで
    あって、 前記屈折率の異なる複数の領域の両面に、それぞれ偏光
    板を設けてなり、 前記屈折率の異なる複数の領域は、少なくとも、液晶か
    らなる第1の領域と高分子材料からなる第2の領域から
    なり、 前記第1の領域に電界を印加することにより該第1の領
    域の屈折率を変化させることを特徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】 屈折率の異なる複数の領域が、少なくと
    も、液晶からなる第1の領域と高分子材料からなる第2
    の領域からなり、これら複数の領域のうち1つ以上の領
    域に電界を印加することにより当該領域の屈折率を変化
    させ、光の回折/直進または透過/反射のいずれか一方
    を制御する光スイッチの製造方法であって、 前記高分子材料は、光または熱のいずれか一方を加える
    ことにより硬化する硬化型高分子材料からなり、 前記液晶と該硬化型高分子材料との混合物を、2つの透
    明電極間に充填し、その後、該混合物に複数のレーザー
    光を照射し、レーザー光の干渉パターンによる光の強弱
    層により前記液晶と前記硬化型高分子材料とを分離し、
    前記液晶からなる第1の領域と前記硬化型高分子材料か
    らなる第2の領域を形成することを特徴とする光スイッ
    チの製造方法。
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