JP3071602U

JP3071602U - 電動制御間隙調整機能を有するツインスクリュー回転子機構

Info

Publication number: JP3071602U
Application number: JP2000001199U
Authority: JP
Inventors: 宏聲方; 明信劉; 俊宏陳
Original assignee: Industrial Technology Research Institute ITRI
Current assignee: Industrial Technology Research Institute ITRI
Priority date: 2000-02-02
Filing date: 2000-03-03
Publication date: 2000-09-14
Anticipated expiration: 2006-03-03
Also published as: TW501675U; US6257839B1

Abstract

(57)【要約】【課題】電動制御間隙調整機能を有するツインスクリ
ュー回転子機構。【解決手段】本考案は、一つのケース内にブシュが収
容され、さらに一対の、相互に噛み合い回転するスクリ
ュー回転子がブシュの内部に収容され、これらスクリュ
ー回転子のネジ山が同じピッチを有し、各一つのネジ山
がその螺旋ピッチ内でブシュの内環壁と共同で囲んで若
干の気室を形成し、気室の体積がケースの入口端から出
口端へと徐々に縮小され、これによりネジ山のピークが
囲んで形成する外周径が逆錐形を呈し、一つの電動駆動
装置が該ブシュに伝動してそれにスクリュー回転子との
軸方向相対移動を形成させ、ネジ山のピークとブシュ内
環壁間の間隙を改変でき、これにより各気室内部の流体
圧力を調整し、それにより起動パワー、起動電流を減少
し、運転中に随時間隙を調整可能で、運転パワーを調整
でき、これにより運転をより順調とできる。また本考案
は異なる工程の要求に合わせて、機動的に回転子とケー
ス間の間隙を調整できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種の流体圧力を増減可能な流体機構に係り、特に起動パワー、起動電流を低減できる電動制御間隙調整機能を有するツインスクリュー回転子機構であり、気体の真空ポンプ、圧縮機、或いは水、油のポンプ、或いはその他の流体媒体に応用可能な電動制御間隙調整機能を有するツインスクリュー回転子機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

周知のツインスクリュー回転子には、例えば図１に示されるＫＡＳＨＩＹＡＭＡＩＮＤＵＳＴＲＩＥＳ，ＬＴＤ．製のものがあり、それは空気真空ポンプに使用され、その相互に噛み合った一対のスクリュー回転子８１、８２が同じピッチＰ’と同じ歯高Ｈ’を有し、このため回転伝送過程中、気室８１０、８２０の体積は改変しない。しかし、出口端８０に伝送された時に、突然高圧区に連通し、圧力差が過大であるために、騒音を発生し、気体の逆流を形成し、並びに伝送気室の容積が不変であるため、消耗パワーが比較的大きいという状況を呈した。

【０００３】図２はもう一つの周知の技術である米国パテントＮｏ．５，６６７，３７０であり、それは、二つの相互に噛み合うスクリュー回転子８３、８４の歯高Ｈ”が等高に保持され、ピッチが入口端より出口端８０１に向けて徐々に減少され（Ｐ ₁ ＞Ｐ₂ ）た構造を有し、これにより気室８３０、８４０の体積が伝送過程で徐々に減少し、一方で伝送し、一方で加圧し、これにより伝送並びに圧縮されて出口端８０１にいたる時に、高圧区との圧力差が減少し、これにより気体の逆流と騒音が減少され、且つ気室体積が回転子８３、８４の運転に伴い徐々に縮小し、運転パワーが低減される。しかしこのような異なるピッチを有する螺子山の外形と圧力角は各断面で異なり、このため加工が困難で且つ製造コストが非常にかかり、理想的とは言えなかった。

【０００４】図３は本願の出願人が過去に台湾パテント申請した台湾パテント出願番号第８８２０７３１２号の「ツインスクリュー回転子装置」であり、それは二つの相互に噛み合うスクリュー回転子９１、９２において異なる歯高Ｈが形成されて歯高Ｈが入口端より出口端９０に向けて徐々に減少され、且つそのピッチが同じに保持されて加工に便利とされ、気室９１０、９２０の体積も入口端から出口端９０に向けて徐々に減少し、ゆえに一方で伝送し一方で加圧する機能を達成してパワー消耗と騒音を減少する効果を達成し、また加工に便利な効果を達成している。そのうち、ピッチＰは同じに保持され、歯高Ｈは入口端から出口端９０に向けて徐々に減少し、このためその外周径Ｄは逆錐形、内周径ｄは正錐形を呈する。

【０００５】しかし、上述の図２、図３に示される容積変化式のツインスクリュー回転子は起動開始する時、起動パワーがいずれも非常に大きく、図３に示される技術によると、入口端９０１から出口端９０に至る各気室９１０、９２０の流体圧力は起動開始時にいずれも同じ（入口端圧力Ｐｉ＝出口端圧力Ｐｏ）であり、回転子が回転する時、気室９１０、９２０の容積が徐々に縮小し、これにより起動時の回転子の最も出口に近い気室の圧力Ｐｍａｘは出口端圧力Ｐｏより大きく、二つのスクリュー回転子９１、９２をより大きなパワーと電流を以て駆動される必要がある。ある時間の運転後、入口端９０１部分の流体圧力が徐々に下がってはじめて（例えば減圧され真空とされる）、入口端９０１に接近する気室９１０、９２０の流体圧力が徐々に下がり、その必要とするパワーが徐々に下降して作業パワーとなる。このような機構を起動する時に必要な大パワー、大電流は震動、異音或いは関連部分の不安定な運転を形成し、理想的とはいえず、ゆえに起動パワーを下げられるか或いは運転パワーを調整可能なツインスクリュー回転子装置が必要とされている。また、異なる工程の要求に合わせて機動的に回転子とケース間の間隙を調整できるようにすることが求められている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の主要な目的は、一種の電動制御間隙調整機能を有するツインスクリュー回転子機構を提供することにあり、それは、内部圧力を調整して起動パワー、起動電流を低減してモータのオーバーロードを防止し、運転をより安定させることができる機構であると共に、異なる工程の要求に合わせて、機動的に回転子とケース間の間隙を調整できるものとする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、電動制御間隙調整機能を有するツインスクリュー回転子機構において、一つのケースとされて、該ケースの内壁に囲まれて中空収容室が形成され、該ケースに一つの入口と一つの出口がある、上記ケースと、一つのブシュとされ、環状を呈し、該ケースの中空収容室中に収容され、該ブシュの中央を貫通し内環壁に囲まれてなる収容空間を具え、該ブシュの外周に、該ケースの内壁に対応して該内壁に沿って軸方向に移動する外環壁が設けられた、上記ブシュと、一対のスクリュー回転子とされ、相互に噛み合い並びに該ブシュの収容空間内に収容される上記一対のスクリュー回転子と、一つの電動駆動装置とされ、該ブシュを駆動してこれらスクリュー回転子に対する軸方向の相対移動を行わせて内部圧力を調整する、上記電動駆動装置とを具備したことを特徴とする、電動制御間隙調整機能を有するツインスクリュー回転子機構としている。請求項２の考案は、前記電動駆動装置が、前記ブシュに固定されたラックと該ラックと噛み合い伝動する駆動歯車を具えたことを特徴とする、請求項１に記載の電動制御間隙調整機能を有するツインスクリュー回転子機構としている。請求項３の考案は、前記スクリュー回転子が、少なくとも一つのネジ山が螺旋状に設けられて形成されたことを特徴とする、請求項１に記載の電動制御間隙調整機能を有するツインスクリュー回転子機構としている。請求項４の考案は、前記ネジ山の歯根、側壁及び内環壁が囲んで形成する少なくとも一つの気室があり、この気室の体積がケースの入口端より出口端に向けて徐々に減少することを特徴とする、請求項３に記載の電動制御間隙調整機能を有するツインスクリュー回転子機構としている。

【０００８】

【考案の実施の形態】

本考案は、一つのケースとされて、該ケースの内壁に囲まれて中空収容室が形成され、該ケースに一つの入口と一つの出口がある、上記ケースと、一つのブシュとされ、環状を呈し、該ケースの中空収容室中に収容され、該ブシュの中央を貫通し内環壁に囲まれてなる収容空間を具え、該ブシュの外周に、該ケースの内壁に対応して該内壁に沿って軸方向に移動する外環壁が設けられた、上記ブシュと、一対のスクリュー回転子とされ、相互に噛み合い並びに該ブシュの収容空間内に収容される上記一対のスクリュー回転子と、一つの電動駆動装置とされ、該ブシュを駆動してこれらスクリュー回転子に対する軸方向の相対移動を行わせて内部圧力を調整する、上記電動駆動装置とを具備する。

【０００９】本発明の電動駆動装置はブシュに固定された一つのラックと、該ラックと噛み合い回転する一つの駆動歯車を具え、該電動駆動装置はモータ或いはその他の等価手段により駆動される。

【００１０】本発明はさらに一つの制御装置を具え、それは圧力検出ユニット或いは感温素子或いは電流計或いは電圧計を具えてケースの中空収容室の出口端近くの圧力或いは温度或いはモータ電流、電圧を検出し、これにより電動駆動装置を制御してブシュにスクリュー回転子との間の軸方向相対移動を行わせる。

【００１１】本考案はさらに一つの案内機構を具え、該案内機構は該ブシュの該ケースに対する軸方向移動を案内する。該案内機構はブシュの外環壁に設けられた案内溝と、ケース内壁の案内ブロックで組成されるか、あり溝、凸塊、凹溝或いはその他の等価案内構造とされる。

【００１２】そのうち、外周径は入口端より出口端に向けて、線形、非線形、内凹弧形、外凸弧形方式で低減する。本考案の構造は新規であり、産業上の利用価値を有し、且つ確実にその機能が増進され、ゆえに特許の要件に符合する。

【００１３】

【実施例】

図４は本考案の空気真空ポンプに応用した一つの実施例を示す。本実施例は、ケース１、ブシュ２、一対のスクリュー回転子３、４及び一つの電動駆動装置５を具備する。

【００１４】ケース１は上蓋１、環状ケース１２及び下蓋１３で組成され、上蓋１１は減圧し真空とする容器に連接する一つの入口１１１を具えている。環状ケース１２の内部に内壁１２１に囲まれて形成された中空収容室１０がある。下蓋１３には外界大気と連通する出口１３１が開設されている。

【００１５】ブシュ２は一つの環状体とされ、本実施例においては特に双環状を呈し、ケース１の中空収容室１０中に収容され、ブシュ２の中央を貫通して内環壁２１に囲まれてなる収容空間２０が設けられ、且つブシュ２は該ケース１の内壁１２１に対応する外環壁２２を具備する。ブシュ２の外環壁２２の二側それぞれに一つの案内溝７１、７２が設けられ、ケース１の内壁１２１の二側それぞれに対応する案内ブロック７３、７４が設けられ、案内溝７１、７２と案内ブロック７３、７４の形成する案内機構７の案内作用によりブシュ２がケース１の内壁１２１に沿って軸方向に移動する。

【００１６】スクリュー回転子３、４は相互に噛み合い、並びにブシュ２の収容空間２０内に収容されている。本実施例によると、各一つのスクリュー回転子３、４に１条のネジ山３０、４０がらせん状に設けられている（当然、ダブルネジ山、トリプルネジ山を採用可能である）。ネジ山３０、４０の歯根３４、４４はそれぞれ逆錐形の外周径Ｄ１、Ｄ２を形成し並びに相互に噛み合い、図示されるように、本考案の各一つのネジ山３０、４０のピッチは同じで、且つ外周径Ｄ１、Ｄ２は入口１１１より出口端１３１に向けて低減し、本実施例によると線形方式で低減している。

【００１７】各一つのネジ山３０、４０はそれぞれその螺旋ピッチの間隔と内壁１２１とで囲む複数の気室３５、４５を形成し、即ち、歯根３４、４４、側壁３２、３３、４２、４３及び内環壁２１の間に気室３５、４５が形成される。図示されるように、これらネジ山３０、４０のピーク３１、４１が囲んで形成する外周径Ｄ１、Ｄ２とブシュ２の内環壁２１が対応し相互に接し、ゆえにブシュ２の内環壁２１もまた二つの相互に接する双逆錐形を呈する。各一つのネジ山３０、４０の二側に二つの側壁３２、３３、４２、４３が形成され、その底部の歯根３４、４４が囲んで形成する内根径ｄ１、ｄ２は正錐形を呈する。該ピーク３１、４１と歯根３４、４４間の歯高Ｈ１、Ｈ２はケース１の入口端１１１から出口端１３１へと徐々に減少し、ゆえにこれら気室３５、４５の体積はケース１の入口端１１１より出口端１３１へと徐々に減少する。

【００１８】本実施例によると、電動駆動装置５がラック５１、５２と駆動歯車５３で組成され、ラック５１、５２はそれぞれブシュ２に固定され、駆動歯車５３はモータ５４の電動を受けてラック５１、５２と噛み合い、ブシュ２を駆動して案内機構７に沿って上下に移動させ、これによりブシュ２とスクリュー回転子３、４が軸方向の相対移動を発生する。

【００１９】図６に示されるように、ツインスクリュー回転子を起動開始する時、入口端１１１から出口端１３１に至る各気室３５、４５の流体圧力は起動開始時にいずれも１大気圧とされる。この時、モータ５４がまず運転し、ブシュ２を僅かに軸方向に下に移動させる。図７に示されるように、スクリュー回転子４の外周径Ｄ２は逆錐形を呈し、このためブシュ２の僅かな軸方向下向きの移動によりピーク４１と内環壁２１間の間隙ｔが増加し、二つのスクリュー回転子３、４が噛み合い回転し、図中下方の比較的高圧の気室４５の気体がこの間隙ｔを通り上方の比較的低圧の気室４５’に逆流し、こうして同時に全ての１大気圧力の気室４５、４５’を圧縮することがなく、ゆえに大パワー、大電流で運転起動する必要がない。

【００２０】図８に示されるように、ある時間運転後、入口端１１１近くの流体圧力は下がり、気室４５、４５’の圧力も下がり、さらにモータ５４がブシュ２を駆動して徐々に軸方向に上昇させ、ピーク４１と内環壁２１の密接状態を回復させ、継続して作業パワー内運転を維持させる。

【００２１】本発明は起動時の利用に限られず、運転過程で安定した運転パワーに調整制御するか、或いは安全制御に用いられる。また本発明は異なる工程の要求に合わせて、機動的にスクリュー回転子とケース間の間隙を調整できる。例えば、上の例では一つの制御装置６（図４）を加えて、圧力検出ユニット６１（或いは感温ユニット）を出口端１３１近くの中空収容室１０内に設けて高圧区の気体圧力（或いは温度）を検出する。検出した圧力８或いは温度が設定値より高い時には、制御装置６が警示信号を発生してモータ５４を駆動しブシュ２を僅かに軸方向に下に移動させ（図６）、こうして二つのスクリュー回転子３、４の噛み合わせ運動パワーが過高となるのを防止して電流を安定させる。また予測できない過高圧力、過高温度が発生した場合にも迅速にブシュ２を軸方向に下降させて、意外の危険を回避することができる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は、一種の電動制御間隙調整機能を有するツインスクリュー回転子機構を提供し、それは、内部圧力を調整して起動パワー、起動電流を低減してモータのオーバーロードを防止し、運転をより安定させることができる機構であると共に、異なる工程の要求に合わせて、機動的に回転子とケース間の間隙を調整できる効果を提供する。

【図面の簡単な説明】

【図１】周知のツインスクリュー回転子装置の断面図で
ある。

【図２】別の周知のツインスクリュー回転子装置の断面
図である。

【図３】さらに別の周知のツインスクリュー回転子装置
の断面図である。

【図４】本考案の実施例の下蓋除去後の底面図である。

【図５】図４の実施例の組合せ断面図である。

【図６】図４の実施例の起動開始時の断面図である。

【図７】図４の実施例の起動開始時の部分拡大断面図で
ある。

【図８】図４の実施例のある時間運転後の部分拡大断面
図である。

【符号の説明】

１ケース１０中空収容室１１
上蓋１１１入口１２環状ケース１２１内壁１３下蓋１３１出口２２外環壁２ブシュ２０収容空間２１
内環壁３、４スクリュー回転子３０、４０ネジ
山３１、４１ピーク３２、３３、４２、４３
側壁３４、４４歯根３５、４５、４５’ 気
室５電動駆動装置５１、５２ラック
５３駆動歯車６制御装置６１圧力検出ユニット
５４モータ７案内機構７１、７２案内溝７３、７４案内ブロック８０、８０１、９０出口端９０１入口端Ｐ、Ｐ’、Ｐ₁ 、Ｐ₂ ピッチＨ、Ｈ’、Ｈ” 歯
高ｔ間隙Ｄ、Ｄ１、Ｄ２外周径ｄ、ｄ１、ｄ２内根径Ｈ１、Ｈ２歯高Ｐｉ入口端圧力Ｐｏ出口端圧力Ｐｍａｘ
最大圧力

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】電動制御間隙調整機能を有するツインス
クリュー回転子機構において、一つのケースとされて、該ケースの内壁に囲まれて中空
収容室が形成され、該ケースに一つの入口と一つの出口
がある、上記ケースと、一つのブシュとされ、環状を呈し、該ケースの中空収容
室中に収容され、該ブシュの中央を貫通し内環壁に囲ま
れてなる収容空間を具え、該ブシュの外周に、該ケース
の内壁に対応して該内壁に沿って軸方向に移動する外環
壁が設けられた、上記ブシュと、一対のスクリュー回転子とされ、相互に噛み合い並びに
該ブシュの収容空間内に収容される上記一対のスクリュ
ー回転子と、一つの電動駆動装置とされ、該ブシュを駆動してこれら
スクリュー回転子に対する軸方向の相対移動を行わせて
内部圧力を調整する、上記電動駆動装置とを具備したこ
とを特徴とする、電動制御間隙調整機能を有するツイン
スクリュー回転子機構。
【請求項２】前記電動駆動装置が、前記ブシュに固定
されたラックと該ラックと噛み合い伝動する駆動歯車を
具えたことを特徴とする、請求項１に記載の電動制御間
隙調整機能を有するツインスクリュー回転子機構。
【請求項３】前記スクリュー回転子が、少なくとも一
つのネジ山が螺旋状に設けられて形成されたことを特徴
とする、請求項１に記載の電動制御間隙調整機能を有す
るツインスクリュー回転子機構。
【請求項４】前記ネジ山の歯根、側壁及び内環壁が囲
んで形成する少なくとも一つの気室があり、この気室の
体積がケースの入口端より出口端に向けて徐々に減少す
ることを特徴とする、請求項３に記載の電動制御間隙調
整機能を有するツインスクリュー回転子機構。