JP3071400B2 - 箒に着合して用いる払掃具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、箒に着合して用
いる払掃具、さらに詳しくは、フローリングとかプラス
チック製のタイルなどからなる床面の清掃に適した自在
箒（毛箒）とも称される箒に着合して用いる払掃具に関
する。

【０００２】

【従来の技術】病院や集会室、ホールその他台所とか屋
内の廊下などに用いられている表面が比較的滑らかな床
面の清掃用具として、柄の先端にＴ字形を呈するよう中
間部を回動可能に枢着支持した基部枠の外側縁に、豚や
馬の毛その他ナイロン製等からなる刷毛部（毛束）を整
列状に保持させてなる一般に自在箒（あるいは毛箒）と
称されている清掃箒（以下、自在箒という）が用いられ
ている。

【０００３】ところで、この自在箒は、主として床面上
の塵、埃類を掃き集めるのには適しているが、床面をさ
らに拭き清める道具として従来、濡れ雑巾の他、化学雑
巾とかモップなどが用いられており、このモップとして
例えば実開昭６０−８３５５８号にはモップを構成する
紐材部分を網状のカバーにより被覆するようにした払掃
用具、その他特開昭６１−２６８２２３号にかかる拭き
具が示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記した自在箒は従来
の座敷箒とは異なり、長さが５cm前後の比較的短い刷毛
部を使用しているので、全体が軽量で、しかも刷毛部は
腰が比較的強いため床面に対し柔軟に摺接することによ
り掃き易いといった長所を有している。しかし清掃時に
刷毛部の先端が床面から離れる瞬間、刷毛部の復元によ
る反発力により細かい埃を撥ね上げることになるので病
院などでは衛生上の問題を有していた。

【０００５】また、前記清掃用のモップは、モップの構
成紐を縒りの緩い比較的太い糸を束ねて構成し、これに
着塵剤とかクリーナ液などを浸潤させてなるものである
ため、清掃時に埃を飛散させることはないが、箒のよう
に塵埃類を能率よく掃き集める用途には適していない。
なお、前記実開昭６０−８３５５８号公報に示すモップ
は、網製の被覆カバーによりモップ紐材の千切れとか、
摩耗等を無くすことを目的としたものであって、その機
能は一般のモップと異なるところはない。また特開昭６
１−２６８２２３号の拭き具は、箒としての機能は期待
できない。

【０００６】本発明は、従来の自在箒の有している特徴
を活用しつつ、埃の飛散を無くし、しかもモップなどに
よる拭き掃除を行ったのと同様の清掃を同時に行えるよ
うにした取り扱いが容易で、且つ衛生的な掃除用払掃具
の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ために、本発明の請求項１に係る発明は、柄の先端にＴ
字形を呈するよう中間部を回動可能に枢着支持した基部
枠の外側縁に刷毛部を整列状に保持させて構成した箒に
着合して用いる払掃具であって、上記基部枠と刷毛部の
先端を含む上下略全周を包み込ませうる所要大きさの
布、又は紙を断面Ｕ字形を呈するように折り曲げて形成
した該Ｕ字状の折り曲げ内底部に上記刷毛部の先端部を
位置させると共に上記布又は紙の開口側上縁部を上記基
部枠に着脱自在に保持させて使用することを特徴とす
る。

【０００８】また、請求項２に係る発明は、断面Ｕ字形
に折り曲げた前記布又は紙の開口側上縁部における長さ
方向の１／２弱部分を接合すると共に、上記長さ方向の
残り部分の上縁部に着脱しうる結合部を備えせしめてな
ることを特徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の態様を図面
に基づいて説明する。

【００１０】図１は、自在箒１に払掃具２を着合して示
す要部切欠の斜面図、図４は払掃具２の一部省略斜面
図、図５は同展開図を示している。

【００１１】自在箒１は、周知のように、一端に握り１
１を備えた長尺の柄１２の他端に柄１２とＴ字形を呈す
るように基部枠１３の中間部が取付軸１４により角度変
更自在なるように枢着支持されていて、この基部枠１３
の外側縁に外部へ５cm前後突出させるようにした刷毛部
１５が長手方向へ整列させた状態で基部側を固着するこ
とにより保持されている。なお、刷毛部１５は豚とか馬
などの毛、あるいはナイロン等の合成樹脂製の繊維材に
よって形成されている。

【００１２】払掃具２は、基部枠１３および刷毛部１５
の先端を含む上下全周を略包み込みうる大きさのやや厚
手の布２１（図５はその展開状態を示す）を断面がＵ字
形となるように折り曲げて形成し、この折り曲げ内底部
２１ａに刷毛部１５の先端を対応させるようにして開口
２０側の上縁部２１ｂを基部枠１３の上部分にて着合す
ることにより払掃具２を自在箒１に備えしめる。払掃具
２の布２１は木綿などの織物、厚手の不織布あるいはタ
オルのようなパイル織物とか毛布、タオルケットの類を
用いるとよく、その他払掃具２は前記した布の他、使い
捨てのできる紙綿、着塵性を有する厚手の紙などによっ
て形成してもよい。なお、図示しないが、払掃具２のＵ
字形とされた折り曲げ部２１ｃの外側面にはこの折り曲
げ部分の強度を増すための当て布（紙）を重合しておい
てもよく、また、払掃具２には着塵性を付与するため洗
剤とか、化学クリーン液などを含浸させ、あるいは水を
含ませて使用して用いるとよい。

【００１３】そして、布（紙）２１の開口部２０側の上
縁部２１ｂを着合させる手段としては、上縁部２１ｂの
全巾間の適所に備えた括り紐とかホック（図示なし）に
よって行ってもよいが、この上縁部２１ｂは図１、図２
および図４に示すように、長手方向の半分弱を予め縫
（接）着ａして中間部に柄１２を通す部分ｂを除いた残
りの対接内面に接合用の面ファスナー２２を備えておく
とよい。図６は柄１２を通す部分ｂを除く左右上縁部に
括り紐２３を備えた状態を示している。なお、Ｕ字形と
した払掃具２の両側部はミシン糸などにより接合ｃ，ｃ
しておくとよいのである。

【００１４】上記構成の払掃具２は、Ｕ字形折り曲げ部
２１ｃの内底部２１ａに基部枠１３に備えた刷毛部１５
の先端が対応するよう、基部枠１３を一方の端部から払
掃具２内へ開口部２０を通して差し入れ、図１に示すよ
うに刷毛部１５を含む基部枠１３が払掃具２内に収納せ
しめた状態で開口部２０を面ファスナー２２、あるいは
括り紐２３により閉封させるとよい。

【００１５】このように、払掃具２により箒１の刷毛部
１５の全体を包み込ませた状態にして箒１を使用する
と、床面には刷毛部１５の外部に設けた布（紙）２１が
摺接する。従って清掃時に、内部の刷毛部がクッション
の働きをなすことにより床面に対し布（紙）２１が良好
に、且つ滑らかに摺接すると共に、従来のように刷毛部
１５によって埃を撥ね上げ飛散させる不衛生をなくす
る。しかも、大きな塵はもとより細かい埃を掃き集めう
ると同時に布（紙）２１により床面がモップ類で拭き取
ったように能率よく清掃化されうる。なお、布２１が汚
れると取り外して洗浄すればよく、紙の場合は使い捨て
にするとよい。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、掃く、拭くの作業を一
回で行いうると共に、床面に布（紙）が接することによ
り埃を飛散させる弊害をなくし、しかも床面に対しては
内部の刷毛部の存在により布（紙）が弾性的に当、摺接
することにより能率よく軽快な掃除ができるのである。
また、本発明の払掃具は箒への着脱が容易であり、且つ
刷毛部の汚れ、傷みをなくしうるのである。なお、払掃
具が布製であるときは洗浄により反復使用が可能で経済
的に使用しうる。

【図面の簡単な説明】

【図１】払掃具を備えた箒の要部切欠斜面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】払掃具の一部切欠斜面図である。

【図５】払掃具の展開平面図である。

【図６】払掃具の他の例を示す斜面図である。

【符号の説明】

１ 箒 １２ 柄 １３ 基部枠 １５ 刷毛部 ２ 払掃具 ２０ 開口部 ２１ａ 内底部 ２１ｂ 上縁部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 柄の先端にＴ字形を呈するよう中間部を
   回動可能に枢着支持した基部枠の外側縁に刷毛部を整列
   状に保持させて構成した箒に着合して用いる払掃具であ
   って、上記基部枠と刷毛部の先端を含む上下略全周を包
   み込ませうる所要大きさの布、又は紙を断面Ｕ字形を呈
   するように折り曲げて形成した該Ｕ字状の折り曲げ内底
   部に上記刷毛部の先端部を位置させると共に上記布又は
   紙の開口側上縁部を上記基部枠に着脱自在に保持させて
   使用することを特徴とする箒に着合して用いる払掃具。
2. 【請求項２】 断面Ｕ字形に折り曲げた前記布又は紙の
   開口側上縁部における長さ方向の１／２弱部分を接合す
   ると共に、上記長さ方向の残り部分の上縁部に着脱しう
   る結合部を備えせしめてなることを特徴とする請求項１
   に記載の箒に着合して用いる払掃具。