JP3070800B2 - 酸化亜鉛の溶解方法およびその装置 - Google Patents

酸化亜鉛の溶解方法およびその装置

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JP3070800B2 JP5104134A JP10413493A JP3070800B2 JP 3070800 B2 JP3070800 B2 JP 3070800B2 JP 5104134 A JP5104134 A JP 5104134A JP 10413493 A JP10413493 A JP 10413493A JP 3070800 B2 JP3070800 B2 JP 3070800B2
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康秀 岡田
浩 中野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不溶性陽極を用いる金
属帯の連続電気亜鉛めっきなどにおいて、消費される亜
鉛イオンをめっき液中に補給するための酸化亜鉛の溶解
方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、家電製品等においては耐
食性向上の要求が高まり、従来から利用されている亜鉛
めっき鋼板に加えて、最近開発された亜鉛−ニッケルめ
っき鋼板等の合金めっき鋼板の需要も著しい増加を見せ
ている。こうした需要増に対処するため、高能率生産の
可能な高電流密度による高速めっき法が採用されている
が、高速めっき法においては陽極交換を頻繁に行わねば
ならない可溶性陽極方式よりも、陽極交換の必要のない
イリジウム系等の不溶性陽極を用い、消費される金属イ
オンを連続的に補給する方式が有利であることはいうま
でもない。
【0003】めっき槽としては縦型槽、横型槽、ラジア
ルセル等が使用され、いずれも金属帯に接近させて設け
られた陽極と金属帯との隙間にめっき液を噴出させる構
造であり、循環タンクとめっき槽との間でめっき液が循
環している。めっき液としては、通常硫酸系の電解液が
使用される。また、めっき液中への亜鉛イオンの補給方
法には、金属亜鉛を直接めっき液に接触させることによ
り溶解させる方法と、酸化亜鉛等の金属化合物を溶解さ
せる方法とがあり、めっき槽へのめっき液の循環系統に
接続する溶解槽を設けて行われる。粒状、あるいは塊状
の金属亜鉛を直接溶解させる方法は溶解速度が低いの
で、粉末状の亜鉛化合物を溶解させる方が能率的であ
り、例えば、特開昭50-85531号公報によれば、めっき液
中の亜鉛分の補給を水酸化亜鉛、炭酸亜鉛の単独または
混合物、あるいはこれらと酸化亜鉛との混合物で行うこ
とが記載されており、特公昭58-13639号公報によれば、
酸化亜鉛または塩基性塩を予め水に分散させてからめっ
き浴中へ投入することが記載されている。
【0004】特開昭50-85531号公報による水酸化亜鉛、
炭酸亜鉛の単独または混合物、あるいはこれらと酸化亜
鉛との混合物の直接投入は、これらの薬品が塊状化しや
すく、塊状化したもの(以下継子(ままこ)という)は
溶解しないという欠点がある。この点を改善し、予め水
に分散させてからめっき浴中へ投入する特公昭58-13639
号公報による方法は、継子の発生は防止されるものの、
分散処理のための高速攪拌機(ホモジナイザ)等が必要
であること、めっき液内に水分が過剰に供給されてしま
うためエバポレータ等の水分除去手段が必要となるこ
と、めっき液中で酸化亜鉛の凝集・成長により難溶解性
の固形物が発生して溶解速度が低下すること、鋼板から
溶出しためっき液中の鉄イオンが、液のpHによって酸
化亜鉛の表面に水酸化物として析出して酸化亜鉛の溶解
を妨げることなどの問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解消し、簡単な装置により、安定して効率よく
酸化亜鉛が溶解する酸化亜鉛の溶解方法およびその装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の酸化亜鉛の溶解
方法は、連続電気亜鉛めっきにおける酸化亜鉛の溶解方
法であって、めっき槽へのめっき液の供給系統に接続し
て設けられた酸化亜鉛の溶解槽に供給するめっき液のp
Hを監視し、この値が 1.8を超えた場合に前記溶解槽へ
酸化亜鉛の供給を停止することを特徴とする。また、
本発明の酸化亜鉛の第2の溶解方法は、不溶性陽極を用
いる金属帯の連続電気亜鉛めっき設備における酸化亜鉛
の溶解方法であって、めっき槽へのめっき液の循環系統
に接続して設けられた酸化亜鉛の溶解槽内のめっき液の
pHを監視し、この値が 2.3を超えた場合に前記溶解槽
への酸化亜鉛の供給を停止することを特徴とする。さら
に、本発明の酸化亜鉛の溶解装置は、不溶性陽極を用い
る金属帯の連続電気亜鉛めっき設備における酸化亜鉛の
溶解装置であって、めっき槽へのめっき液の循環系統に
接続して設けられた酸化亜鉛の溶解槽に循環めっき液を
供給する給液配管内、あるいは溶解槽内のpHを測定す
るpH計を備えたことを特徴とする。
【0007】また、本発明の酸化亜鉛の第2の溶解方法
は、不溶性陽極を用いる金属帯の連続電気亜鉛めっき設
備における酸化亜鉛の溶解方法において、酸化亜鉛の溶
解槽内のめっき液のpHを監視し、この値が 2.3を超え
た場合に酸化亜鉛の供給を停止することを特徴とする。
さらに、本発明の酸化亜鉛の溶解装置は、不溶性陽極を
用いる金属帯の連続電気亜鉛めっき設備における酸化亜
鉛の溶解装置において、酸化亜鉛の溶解槽に液を供給す
る給液配管内、あるいは溶解槽内のpHを測定するpH
計を備えたことを特徴とする。
【0008】
【作 用】酸化亜鉛の溶解反応は、めっき液中の水素イ
オンの存在により、 ZnO + 2H+ → Zn2+ + H2O ・・・(1) となるものであって、この反応によりめっき液中の水素
イオンは消費され、pHは上昇する。
【0009】一方、めっき液中には鋼板から溶出した鉄
イオンが含まれており、pHの上昇によって、たとえば
pHが 2.1を超えると、 Fe3+ + 3OH- → Fe(OH)3 ・・・(2) の反応が起こるといわれている。また、液全体のpHが
低い場合でも、溶解反応の起こっている酸化亜鉛表面近
傍においてはそれ以上のpH値となっているものと考え
られる。反応(2)の結果として発生するFe(OH)
3(水酸化第二鉄)が酸化亜鉛の表面に被膜を形成し、
溶解反応に悪影響を及ぼし、反応速度を低下させる。
【0010】そこで、第1に、溶解させる液のpHを
2.1よりも十分低い値、すなわち 1.8以下として、反応
(1)の溶解に寄与する水素イオンの量を多くするこ
と、つぎに、溶解過程のpHを管理し、反応(2)の進
行を抑制することの2点が有効である。本発明者らは、
小型の溶解槽にpH 1.75 のめっき液 1m3を入れ、 6kg
の酸化亜鉛を投入して攪拌溶解実験を行った。図3、図
4はこの経過時間によるpHと鉄付着量の推移を示すグ
ラフである。
【0011】図3に見られるように、溶解開始 4分後以
降、すなわちめっき液のpHが 2.1を超えた段階から、
pHの変化の速度が低下している。また、図4から、溶
け残りの酸化亜鉛に付着した鉄の量は、時間とともにま
すます増加している。以上の実験結果から、 1)めっき液のpHが 2.1を超えると、pHの変化が小
さくなる。すなわち、溶解反応が鈍化する。 2)めっき液のpHが 2.1以下の段階から、水酸化第二
鉄は発生している。 3)めっき液のpHが 2.1を超えると、水酸化第二鉄の
発生量はますます増加する。したがって被膜は厚くな
る。
【0012】また、これらの結果を基に、酸化亜鉛の初
期投入量について調査した結果、初期投入量を少なくす
ることにより、めっき液のpHが 2.3程度までは良好な
溶解性を維持できることがわかった。さらに、鉄付着量
が 1.5%を超えるような溶解残渣については、溶解性が
著しく低下しており、pHを下げても溶解は困難である
ことがわかった。
【0013】
【実施例】実施例1 本発明の溶解方法を実現した溶解装置の第1の実施例を
図1に示す。1は溶解槽、2は攪拌機、3は酸化亜鉛供
給装置、4a、4bはpH計、5は循環めっき液を溶解槽1
に供給する給液配管、6は溶解槽内のめっき液をめっき
槽への循環系統に戻す液送ポンプ、7は制御器である。
【0014】本実施例の溶解槽1は1槽のみで、この溶
解槽1に供給される給液配管5内のめっき液のpHをp
H計4aで監視し、この計測値が所定のpH値すなわち
1.8を超えた場合は、制御器7に予め設定したプログラ
ムに従って酸化亜鉛供給装置3により酸化亜鉛の供給を
停止するか、めっき液中に硫酸を直接投入する等の操作
を行う。一方、溶解槽1内の溶解液のpHをpH計4bで
監視し、この計測値が所定のpH値すなわち 2.3を超え
た場合も、酸化亜鉛供給装置3により酸化亜鉛の供給を
停止する等の操作を行うのである。
【0015】実施例2 本発明の溶解方法を実現した溶解装置の第2の実施例を
図2に示す。各符号は図1と同様であるが、本実施例の
溶解槽1は3槽(1a、1b、1c)が回分式に配置されてお
り、第1槽1aに供給される給液配管5内のめっき液のp
HをpH計4aで監視し、この計測値が所定のpH値を超
えた場合は、制御器7に予め設定したプログラムに従っ
て酸化亜鉛供給装置3により酸化亜鉛の供給を停止する
等の操作を行う。一方、溶解槽内のpHは最終の第3槽
1c内の溶解液のpHで代表させてpH計4bで監視し、こ
の計測値が所定のpH値を超えた場合も、酸化亜鉛供給
装置3により酸化亜鉛の供給を停止する等の操作を行う
のは第1の実施例と同様である。
【0016】
【発明の効果】従来の方法では、5分以上かかっても84
%程度しか溶解しなかったのに較べ、本発明によれば5
分で99%以上が溶解し、設備としても特に大形、あるい
は高価な分散処理機等を必要とせずに小形の簡易な設備
で、安定した溶解速度が実現して溶解歩留りも向上する
という、すぐれた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す溶解装置の構成図
である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す溶解装置の構成図
である。
【図3】酸化亜鉛の溶解におけるpHの推移を示すグラ
フである。
【図4】酸化亜鉛の溶解における鉄付着量の推移を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 溶解槽 2 攪拌機 3 酸化亜鉛供給装置 4 pH計 5 給液配管 6 送液ポンプ 7 制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 浩 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (72)発明者 池永 孝雄 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 平5−255900(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 21/14 C25D 3/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続電気亜鉛めっきにおける酸化亜鉛の
    溶解方法であって、めっき槽へのめっき液の循環系統に
    接続して設けられた酸化亜鉛の溶解槽(1)に供給する
    循環めっき液のpHを監視し、この値が 1.8を超えた場
    合に前記溶解槽(1)への酸化亜鉛の供給を停止するこ
    とを特徴とする酸化亜鉛の溶解方法。
  2. 【請求項2】 不溶性陽極を用いる金属帯の連続電気亜
    鉛めっき設備における酸化亜鉛の溶解方法であって、
    っき槽へのめっき液の循環系統に接続して設けられた
    化亜鉛の溶解槽(1)内のめっき液のpHを監視し、こ
    の値が 2.3を超えた場合に前記溶解槽(1)への酸化亜
    鉛の供給を停止することを特徴とする酸化亜鉛の溶解方
    法。
  3. 【請求項3】 不溶性陽極を用いる金属帯の連続電気亜
    鉛めっき設備における酸化亜鉛の溶解装置であって、
    っき槽へのめっき液の供給系統に接続して設けられた
    化亜鉛の溶解槽(1)に循環めっき液を供給する給液配
    管(5)内、あるいは溶解槽(1)内のpHを測定する
    pH計(4a、4b)を備えたことを特徴とする酸化亜
    鉛の溶解装置。
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