JP3070520B2 - フォトマスク及び露光方法 - Google Patents

フォトマスク及び露光方法

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JP3070520B2 JP13469397A JP13469397A JP3070520B2 JP 3070520 B2 JP3070520 B2 JP 3070520B2 JP 13469397 A JP13469397 A JP 13469397A JP 13469397 A JP13469397 A JP 13469397A JP 3070520 B2 JP3070520 B2 JP 3070520B2
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路等
の製造工程において、パターンを形成するリソグラフィ
工程に用いられるフォトマスク及びフォトマスクを用い
た露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子の製造工程における半
導体基板上にパターンを形成する工程では、主に光リソ
グラフィ(転写)による技術が用いられている。光リソ
グラフィ技術では、縮小投影露光装置によりフォトマス
クのパターンを感光性樹脂が塗布された半導体基板上に
転写し、現像により感光性樹脂の所定のパターンを得
る。ここで、フォトマスク(単にマスクとも言う)とは
透明領域と遮光領域からなるパターンが形成された露光
用原板であり、縮小率が1:1以外では特にレチクルと
も呼ばれる場合もある。パターン転写後の感光性樹脂を
エッチングマスクとして、半導体基板上に成膜された材
料をエッチングすることにより、半導体素子の回路を作
成することができる。なお、この感光性樹脂はエッチン
グに耐えるという意味でレジストとも呼ばれている。
【0003】近年、半導体集積回路が高集積化している
ため、半導体素子形成のためのパターンの微細化も進展
している。これまで光リソグラフィ技術においては、主
に露光装置の開発、とりわけ投影レンズ系の高NA化及
び露光光の短波長化によって、半導体素子パターンの微
細化に対応してきた。
【0004】NAとは、即ち開口数を表し、レンズがど
れだけ広がった光を収束できるかに対応している。この
NA値が高NA化されて大きくなるほど、より広がった
光を集めることができ、レンズの性能は良いとされる。
また、一般にレーレー(Rayleigh)の式として
よく知られているように、解像度R(解像できる限界の
微細パターンの寸法)とNAには、 R=K1×λ/NA (1) の関係があり、NAを大きくするほど解像度はより微細
になる。ここで、K1は感光性樹脂の性能等のプロセス
に依存する定数である。
【0005】しかしながら、露光装置の高NA化により
解像力は向上するものの、逆に焦点位置のずれが許容で
きる範囲である焦点深度(DOF)が減少するため、こ
の点で更なる微細化が困難となっている。因みに、焦点
深度を定義するものとしては、単位パターンが形成可能
であることの他に、パターンの寸法、レジスト膜の減少
の度合い及び側壁の角度などが用いられる。式(1)と
同様にレーレーの式として、焦点深度DOFとNAに
は、 DOF=K2×λ/NA2 (2) の関係が成り立つことが知られている。ここで、K2
プロセスに依存する定数である。式(2)より、NAを
大きくする程、焦点深度は狭くなりわずかな焦点位置の
ずれも許容できなくなることがわかる。現在、高NA化
は既に技術的限界が近づいていると言われており、さら
なる高NA化によるパターン微細化への対応は困難であ
る。
【0006】一方、前記式(1)及び式(2)が表す通
り、露光光を短波長化させて解像度Rを微細化し、パタ
ーン微細化へ対応する手段も考えられる。式(1)及び
式(2)より、露光光の波長λを短くすると焦点深度D
OFも比例して狭くなるように思われる。しかし、同程
度の解像度Rを得るには、露光光がより短波長であるほ
どレンズのNA値はより小さな値で十分となり、NAを
高くする必要がない。また、式(2)に示したように、
焦点深度は露光光の波長λに比例しNAの2乗に逆比例
するため、短波長化は焦点深度確保に効果がある。
【0007】しかしながら、この短波長化による焦点深
度確保の効果はそれほど大きくはなく、現在光フォトリ
ソグラフィに用いられている、最も短波長のKrFエキ
シマレーザー光(波長λ=248nm)によっても、
0.25μm以下の微細パターンでは焦点深度の低下が
問題となっている。また、さらに短波長であるArFエ
キシマレーザー光(波長λ=193nm)やそれ以下の
波長を有するレーザー光では、露光装置における光学部
品の耐光性や、感光性樹脂材料の透明性及び耐エッチン
グ性等の問題があり、確実な実用化がなされていない。
【0008】そこで、前記手段以外の手段によりパター
ンの微細化に対応するため、様々な超解像手法が検討さ
れている。一般に、超解像手法とは照明光学系、フォト
マスク及び投影レンズ系瞳面における透過率及び位相を
制御することにより、結像面での光強度分布を改善する
手法である。これらの各種の超解像手法のうち、所謂変
形照明法と呼ばれる照明光学系の最適化により解像特性
を向上させる手法が、近年その実現性の高さから特に注
目を集めている。
【0009】変形照明法は、フライアイレンズ等で形成
される有効光源の形状を変化させる手段であり、通常フ
ライアイレンズの直後に様々な形状の絞りあるいはフィ
ルターが配置される。この手法は有効光源の形状、即ち
絞りの形状により区別される。例えば、絞りの中央部を
遮光してリング型の照明光源を用いる照明法は輪帯照明
法と呼ばれ、また、四隅に用いる場合は4点照明法ある
いは四重極照明法と呼ばれている。
【0010】通常の照明方法では、マスクパターンの回
析光のうち、少なくとも0次と±1次回析光の3光束の
干渉により像を結像させている。そのため、パターンが
微細になると±m1次光の回析角度が大きくなり、投影
レンズの瞳内に入らなくなる。一方、回析しない0次光
はパターンの平均の明るさの情報しか持っていないた
め、0次光ではパターンは解像しない。
【0011】一方、マスクを斜めからの光で照明した場
合には、±1次光のうちどちらか一方が投影レンズに入
射され、0次光と投影レンズに入射した一方の±1次光
との2光束の干渉でパターンが結像されるようになる。
この2光束干渉の結像は3光束干渉の結像に比べて、焦
点が合った位置であるベストフォーカスでの像質は低下
するものの、焦点位置をずらしたときの像のぼけが小さ
いため、焦点深度が向上する。
【0012】しかしながら、この変形照明法は回析光が
生じる周期パターンに対してのみ有効であり、明確な回
析光が生じない孤立パターンにおいては2光束干渉によ
る結像とはならず全く効果がない。
【0013】そこで、孤立ラインパターンの結像に対し
ては、特開平4−268714号公報に記載の技術であ
る、パターン周辺に解像及び転写しない微細パターンを
配置して、フォトマスクを透過した露光光に周期性を持
たせる手法が提案されている。図7には、特開平4−2
68714号公報に記載の従来の露光方法に用いる補助
パターンマスクの1例を示す。図7(a)はマスクパタ
ーンを有する透明基板の平面図であり、図7(b)はマ
スクパターンを有する透明基板の断面図を示す。この透
明基板11においては、結像面上に転写する孤立ライン
パターン12の左右近傍に、露光装置の限界解像度以下
の転写されない微細なパターンである補助パターン13
を配置して、マスクパターンを形成している。この補助
パターン13の幅が大きい程、孤立ラインパターンの焦
点深度を拡大する効果が高いことは明らかである。これ
らの補助パターン自体が半導体基板上に転写されてしま
うと半導体素子の機能に悪影響を及ぼす。そのためフォ
トマスク作製時の誤差による補助パターン幅W2の変動
やフォトマスクを使用した露光の際の露光量変動等の様
々な要因を考慮して、補助パターンが解像しないように
設定及び形成する必要がある。
【0014】また、特開平4−273428号公報に記
載の技術では、孤立ラインパターンと同程度の補助パタ
ーンを用いる手法を提案している。図8には特開平4−
273428号公報に記載の従来の露光方法に用いる補
助パターンマスクの1例を示す。図8(a)はマスクパ
ターンを有する透明基板の平面図であり、図8(b)は
マスクパターンを有する透明基板の断面図である。この
技術に記載されたマスクパターンは、透明基板11上の
補助パターン13が孤立ラインパターン12と同程度の
幅W3を有する。そのため、ベストフォーカス位置にお
いては確実に転写されてしまう。しかし焦点位置を変化
させると、補助パターンの像はすぐにコントラストが低
下して転写されなくなる。この技術では複数の焦点位置
で露光を行うことにより孤立パターンのみを強調して転
写している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の露光方法には以下の問題点が存在する。特開平4−
268714号公報に記載の技術では、微細な解像限界
以下の補助パターン13のマスクを安定して作製するこ
とは困難であるため、この補助パターン13のマスクに
よる技術は実用化されていない。
【0016】また、特開平4−273428号公報に記
載の孤立ラインパターン12と同程度の幅を有する補助
パターン13を用いる露光方法は、補助パターン13を
消去する為の露光工程において孤立ラインパターン12
にも光が照射されるため、孤立ラインパターン形成時の
寸法制御が困難であった。この補助パターン13を消去
する為の露光光は、孤立ラインパターン12には焦点が
合っていない(所謂ぼけた状態)とはいえ、少なからず
形成される孤立ラインパターン12の寸法を変化させ
る。また、この問題点は前記特開平4−268714号
公報に記載の露光方法についても同様に存在する。
【0017】本発明が解決しようとする課題は、安定し
て作製することが困難な微細パターンを用いずに孤立ラ
インパターンの焦点深度を拡大でき、併せて焦点位置変
化による寸法変動を小さく抑えることにより寸法精度を
向上できるフォトマスク及び露光方法を提供することで
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のフォトマスクは、遮光膜により透明基板上
に選択的に形成された、透明領域と遮光領域からなる所
定のパターンを有するフォトマスクにおいて、前記透明
領域が遮光領域に接する第1の透明領域と、第1の透明
領域に接する第2の透明領域より成り、第1の透明領域
を透過した後の光と第2の透明領域を透過した後の光と
の位相差が170度以下であり、第1の透明領域を透過
した後の光と第2の透明領域を透過した後の光との干渉
により形成される結像面上の遮光部と、前記遮光領域に
より形成される結像面上の遮光部とが分離していること
を特徴とする。
【0019】また、本発明のフォトマスクは、第1の透
明領域の幅が、接する遮光領域の幅1倍以上2倍以下と
することを特徴とする。
【0020】本発明のフォトマスクは、第1の透明領域
を透過した後の光と第2の透明領域を透過した後の光と
の位相差が120度以上170度以下であることを特徴
とする。
【0021】本発明のフォトマスクは、第1の透明領域
を透過した後の光と第2の透明領域を透過した後の光と
の位相差が150度以上170度以下であることを特徴
とする。
【0022】本発明の露光方法は、遮光膜により透明基
板上に選択的に形成された透明領域と遮光領域からなる
所定のパターンを有し、前記透明領域が、遮光領域に接
した第1の透明領域と第1の透明領域に接する第2の透
明領域より成り、第1の透明領域及び第2の透明領域
が、第1の透明領域及び第2の透明領域を透過する前の
光と透過した後の光に170度以下の位相差を生じさせ
るフォトマスクを用いて、複数の焦点位置で露光を行う
ことを特徴とする。
【0023】本発明の露光方法は、露光を行う複数の焦
点位置の間隔が、0.5μm以上1μm以下であること
を特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明のフォトマスクは、透明基
板上の孤立ラインパターンの周辺を透過した露光光(透
過光)に170度以下の位相差を生じさせる。位相差を
生じさせる手段としては、孤立ラインパターンの周辺の
透明基板を周囲よりも深くエッチングし、透明基板にお
ける露光光の透過距離を変えることによる。
【0025】また、本発明の露光方法は上記フォトマス
クを用いて、複数の焦点位置で露光を行う。複数の焦点
位置で露光する方法は、四点照明もしくは輪帯照明を用
いて偏向することにより、透過光に位相差を生じさせる
手段による。光源は水銀ランプ等の輝線ランプやレーザ
ー光線が用いられる。
【0026】フォトマスクの透過光に位相差が生じる
と、位相変化部では干渉により光強度が低下する。即
ち、位相が変化した部分は遮光パターンと同様に、回析
を生じさせ結像面上に遮光部を形成する。位相差が約3
0度〜90度と小さい場合、形成される遮光部は転写さ
れず、前記従来の特開平4−268714号公報に記載
の技術のような、遮光膜の微細な補助パターンと同様の
効果を示す。また、補助パターン的な効果としては、9
0度までの範囲で位相差を大きくするとメインパターン
である孤立ラインパターンの解像範囲は拡大される。そ
のため、位相差を大きくするとフォーカス特性の傾きが
極端に大きくなる。
【0027】一方、位相差90度以上の位相変化部で
は、孤立ラインパターンと同じく感光性樹脂に転写され
る遮光部を形成する。しかし、位相差が180度以外で
は、焦点位置の方向によっては、わずかな焦点位置の違
いにより形成される遮光部の光強度が大幅に変化する。
よって、従来の特開平4−273428号公報に記載
の、孤立ラインパターンと同程度の補助パターンを用い
て複数焦点位置で露光を行う方法に比べ、焦点位置をわ
ずかに変化させることにより不要パターン、即ち位相変
化部で形成される遮光部によるパターンの除去が可能と
なる。併せて、同一マスク上の他の必要なパターンのコ
ントラストを低下させることもない。
【0028】
【実施例】
(実施例1−フォトマスク)以下、本発明のフォトマス
クの一実施例について図面を用いて説明する。なお、こ
こでは露光装置として、縮小率5倍(マスクパターン寸
法:結像面上パターン寸法=5:1)、NA=0.5
5、コヒーレンスファクターσ=0.8、80%輪帯照
明のKrFエキシマレーザー露光装置を用いる。
【0029】図1には本発明のフォトマスクの一例を示
す。図1(a)はフォトマスクの平面図であり、図1
(b)はフォトマスクの断面図である。合成石英からな
る透明基板1上には、クロムにより形成された孤立ライ
ンパターン2を有する。孤立ラインパターン2の幅はマ
スク上において1μm、結像面上では0.2μmであ
る。この孤立ラインパターン2の周辺の第1の透明領域
4は、透明基板1が周囲よりも深くエッチングされてい
る(エッチング部3)。また、第1の透明領域4の幅W
は、マスク上において1.5μm、結像面上では0.3
μmである。第1の透明領域4の透過光は、第1の透明
領域4周辺のエッチングされていない通常の透明領域で
ある第2の透明領域5の透過光と位相差を生じる。この
位相差はエッチング部3の深さdに比例する。
【0030】KrFエキシマレーザー光(波長λ=24
8nm)に対する透明基板1の屈折率nは1.48であ
るので、エッチング部3の深さd(nm)で生じる位相
差θ(度)は、 θ=(n−1)d/λ×360 (3) =0.697×d となる。
【0031】図2には本発明のフォトマスク及び通常の
0.2μm孤立ラインパターンのフォトマスクのフォー
カス特性(CD−フォーカス曲線)を示す。この図は、
シリコン基板上に塗布された膜厚0.7μmの感光性樹
脂にパターン形成を行った場合のシミュレーション結果
を示すものである。図2において、焦点位置が0μmと
は即ち感光性樹脂表面に焦点が合った状態であり、焦点
位置(焦点面)が上にずれる方向を「+」、下にずれる
方向を「−」と定義する。焦点深度の定義を設計寸法の
±10%の範囲、即ちライン寸法0.18μmから0.
22μmの焦点範囲とすると、通常の孤立ラインパター
ンの焦点深度は0.3μmである。
【0032】図2中の○を結んだ曲線で示した通常の孤
立ラインパターンの場合、焦点位置の「+」側におい
て、パターン寸法と焦点位置の関係であるフォーカス特
性が大きく傾いていることが分かる。このため、パター
ン寸法の制御が困難になっている。
【0033】これに対して、本発明のフォトマスクでは
位相差が大きくなるにつれ、「+」焦点側での傾きが補
正され、位相差が30度(図2中の●を結んだ曲線)及
び60度(図2中の■を結んだ曲線)では、フォーカス
特性が比較的平坦になっている。また、位相差60度に
おいては、焦点深度も0.7μmに拡大している。しか
し、さらに位相差を大きくするとフォーカス特性の傾き
が極端に大きくなるため、形成されるパターンの寸法の
精度の観点から焦点深度は狭くなる。
【0034】位相差が焦点深度の傾きに及ぼす影響は、
σ値(コヒーレンスファクター)及び変形照明の形状の
照明条件に大きく依存する。特にσ値が小さい条件下に
おいては、位相差が焦点深度の傾きに及ぼす影響は大き
くなる。また、本実施例のように、σ値が大きくかつ輪
帯照明を用いている場合は、位相差によるフォーカス特
性の傾きが比較的小さくなる。一般的には、位相差は3
0度〜60度の範囲でフォーカス特性が比較的平坦にな
り、かつ広い焦点深度が得られる。
【0035】なお、第1の透明領域の幅は極端に小さい
と、位相差により形成される遮光部とメインパターンで
ある孤立ラインパターンの遮光部が分離しなくなる。ま
た、当然のことながら第1の透明領域の幅が広すぎて
も、補助パターンとしての効果がない。一般的には、通
常の補助パターンと同様に孤立ラインパターンと同程度
乃至2倍の幅とすることが望ましい。
【0036】(実施例2−露光方法1)次に本発明の露
光方法の一実施例について説明する。本露光方法では、
実施例1で用いた図1に記載のフォトマスクを用いる。
この際、エッチング深さを129nmとし、第1の透明
領域と第2の透明領域の透過光の位相差は90度として
いる。
【0037】まず、この位相差90度のフォトマスクの
露光特性について説明する。図3には本発明の露光方法
の焦点位置による光強度分布の変化を示す。図中の値は
それぞれ焦点位置を示している。また、図2と同様に、
焦点位置が上にずれる方向を「+」、下にずれる方向を
「−」としている。この場合、孤立ラインパターンの中
心はX=0μmに位置している。孤立ラインパターンの
右側、即ち結像面上の位置における400nm付近の相
対光強度が小さい暗部は、90度の位相差の境界部によ
り形成されたもので、補助パターンと同様に孤立ライン
パターンに周期性を与える効果を有している。
【0038】通常のフォトマスクの光強度は、ベストフ
ォーカス位置を中心に対称的に光強度が変化する。しか
し、本フォトマスクのように0度もしくは180度以外
の位相差を有する光の場合はこの対称性が崩れ、光強度
が焦点位置により異なる変化を示す。図3に示す位相差
90度の場合においては、特に+側の焦点位置では、焦
点位置0μmと比較して孤立ラインパターン部の光強度
分布にはほとんど影響を与えていない。そこで、このフ
ォトマスクを用いて2回に分けて露光を行った。1回目
の露光は通常の焦点位置で行い、2回目は+0.5μm
のフォーカスオフセットをつけて行い、意図的にフォー
カスをずらした。
【0039】図4には本発明の露光方法による0.2μ
m孤立ラインパターン、及び同一マスク上に存在する
0.2μmL/S(ラインアンドスペース)パターンの
フォーカス特性を示す。L/Sパターンとは周期パター
ンのうち特にライン寸法とスペース寸法が等しいパター
ンを指し、解像性能を示す尺度として利用されている。
図中の●を結んだ曲線が0.2μm孤立ラインパターン
を示しており、○を結んだ曲線が0.2μmL/Sパタ
ーンを示している。この場合の焦点位置は+0.5μm
である。また、孤立ラインパターンの露光光の位相差は
90度である。
【0040】0.2μm孤立ラインパターンのフォーカ
ス特性(図中の●を結んだ曲線)は、図2で示した位相
差90度の場合の焦点位置を+0.5μm移動した場合
の結果となる。これより、フォーカス特性の傾きは焦点
位置を+0.5μm変えて露光することにより小さく抑
えられていることが分かる。そのため、0.2μm孤立
ラインパターンの焦点深度が0.8μmに拡大されてい
る。
【0041】また、図4中には0.2μmL/Sパター
ンのフォーカス特性を併せて示している(図中の○を結
んだ曲線)。一般に良く知られているように、L/Sパ
ターンに多重焦点露光法を用いると焦点深度を低下させ
る場合がある。しかし、本実施例では焦点位置間隔が
0.5μmと小さいので、L/Sパターンの焦点深度低
下は少ない。さらに、L/Sパターンと孤立ラインパタ
ーンの寸法差も縮まり良好に露光できることが分かる。
【0042】(実施例3−露光方法2)次に、本発明の
露光方法の他の実施例について説明する。本露光方法に
おいても、実施例1で用いた図1に記載のフォトマスク
を用いる。エッチング深さは244nmとし、第1の透
明領域と第2の透明領域の透過光の位相差は170度と
している。
【0043】図5には本発明の露光方法の焦点位置の違
いによる光強度分布の変化を示す。図中の値はそれぞれ
焦点位置を示している。孤立ラインパターンの中心はX
=0μmに位置し、結像面上の位置における400nm
付近の相対光強度が小さい暗部は、170度の位相差の
境界部により形成されたものである。この光強度分布に
おいて、ある一定の値以上の光強度が与えられている領
域の感光性樹脂は現像により除去され、また、その値以
下の光強度の領域では感光性樹脂が残存しパターンが形
成される。ここで、相対光強度の境界値を0.3と仮定
する。この場合、焦点位置が0μmにおいては相対光強
度が0.2程度に低下しているため、位相差170度の
境界部は転写される。しかし、焦点位置を+0.5μm
以上ずらして再び露光すると、孤立ラインパターンの相
対光強度はほとんど変化せず、補助パターン部の光強度
が大幅に上昇するため、補助パターンのみを消去するこ
とができる。
【0044】本露光方法においては、焦点位置をずらし
た露光により不要な補助パターンの転写を消去しても、
メインパターンである孤立ラインパターンの光強度分布
があまり劣化しない。図6には本発明の露光方法による
0.2μm孤立ラインパターンのフォーカス特性を示
す。ここでは、同じ露光量で露光を2回行い、焦点位置
は+0.75μmと+1μmとしている。また、それぞ
れの焦点位置での位相差は前記の通り170度である。
図中の○を結んだ曲線は焦点位置が+0.75μmの場
合であり、●を結んだ曲線は焦点位置が+1μmの場合
をそれぞれ示す。2回の露光の焦点位置をずらすと徐々
にフォーカス特性は平坦になり、+1μmの場合には
2.1μmの焦点深度が得られている。また、二つの焦
点位置の間隔をさらに広げていくと、孤立ラインパター
ン部にも光が到達するようになり焦点深度の低下が生じ
る。本露光方法は、位相変化部による補助パターンの転
写を防止することで焦点位置間隔の最小値が決定され
る。また、孤立ラインパターン部の光強度の劣化により
焦点位置間隔の最大値が決まる。さらに、位相差が18
0度に近いほどフォーカス特性の傾きは小さくなり、分
離範囲も向上する。ただし、位相差が180度では位相
変化部の転写の防止が困難になる。よって、位相差は1
20〜170度、より好ましくは150〜170度の範
囲とする。
【0045】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような優れた効果を奏する。
本発明のフォトマスクは、位相変化により補助パターン
を形成しているので、位相変化で生じた位相差によりメ
インパターンのフォーカス特性を制御できる。そのた
め、マスクに特別なパターン等を形成することなく、良
好に露光が行うことができる効果を有する。また、本発
明の露光方法は、前記本発明のフォトマスクを用いて複
数の焦点位置で露光を行うことにより、位相変化部の転
写性を低下できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフォトマスクの一例を示す図であ
り、図1(a)はフォトマスクの平面図であり、図1
(b)はフォトマスクの断面図である。
【図2】 本発明のフォトマスク及び通常の0.2μm
孤立ラインパターンのフォトマスクのフォーカス特性を
示す図である。
【図3】 本発明のフォトマスクの透過光の位相差が9
0度である場合の光強度分布を示す図である。
【図4】 本発明の露光方法による0.2μm孤立ライ
ンパターン及び0.2μmL/Sパターンのフォーカス
特性を示す図である。
【図5】 本発明の露光方法の焦点位置の違いによる光
強度分布の変化を示す(透過光の位相差が170度のフ
ォトマスクの場合)。
【図6】 本発明の露光方法による0.2μm孤立ライ
ンパターンのフォーカス特性を示す図である。
【図7】 特開平4−268714号公報に記載の技術
による、従来の露光方法の補助パターンマスクの1例を
示す図であり、図7(a)はマスクパターンを有する透
明基板の平面図であり、図7(b)はマスクパターンを
有する透明基板の断面図である。
【図8】 特開平4−273428号公報に記載の技術
による、従来の露光方法の補助パターンマスクの1例を
示す図であり、図8(a)はマスクパターンを有する透
明基板の平面図であり、図8(b)はマスクパターンを
有する透明基板の断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 孤立ラインパターン 3 エッチング部 4 第1の透明領域 5 第2の透明領域 11 透明基板 12 孤立ラインパターン 13 補助パターン

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮光膜により透明基板上に選択的に形成
    された、透明領域と遮光領域からなる所定のパターンを
    有するフォトマスクにおいて、前記透明領域が遮光領域
    に接する第1の透明領域と、第1の透明領域に接する第
    2の透明領域より成り、第1の透明領域を透過した後の
    光と第2の透明領域を透過した後の光との位相差が17
    0度以下であり、第1の透明領域を透過した後の光と第
    2の透明領域を透過した後の光との干渉により形成され
    る結像面上の遮光部と、前記遮光領域により形成される
    結像面上の遮光部とが分離していることを特徴とするフ
    ォトマスク。
  2. 【請求項2】 前記第1の透明領域の幅が、接する遮光
    領域の幅の1倍以上2倍以下とする請求項1に記載のフ
    ォトマスク。
  3. 【請求項3】 前記第1の透明領域を透過した後の光と
    第2の透明領域を透過した後の光との位相差が120度
    以上170度以下である請求項1又は請求項2に記載の
    フォトマスク。
  4. 【請求項4】 第1の透明領域を透過した後の光と第2
    の透明領域を透過した後の光との位相差が150度以上
    170度以下である請求項1〜請求項3のいずれか一に
    記載のフォトマスク。
  5. 【請求項5】 遮光膜により透明基板上に選択的に形成
    された透明領域と遮光領域からなる所定のパターンを有
    し、前記透明領域が、遮光領域に接した第1の透明領域
    と第1の透明領域に接する第2の透明領域より成り、第
    1の透明領域及び第2の透明領域が、第1の透明領域及
    び第2の透明領域を透過する前の光と透過した後の光に
    170度以下の位相差を生じさせるフォトマスクを用い
    て、複数の焦点位置で露光を行うことを特徴とする露光
    方法。
  6. 【請求項6】 前記露光を行う複数の焦点位置の間隔
    が、0.5μm以上1μm以下である請求項5に記載の
    露光方法。
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