JP3070222U - 骨伝導受話機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 軽量で薄型、小型で克つ高音質で音楽再生に
適する骨伝導受話機を提供するものである。 【解決手段】圧電セラミック板と金属板を張り合わせた
駆動部と振動伝達部５の一部を柔軟材４で保持して構成
する。柔軟材の反発力で顔側面或いは耳甲介腔面に振動
伝達先端部を圧接して骨伝導振動音を内耳まで伝達す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は電気信号を圧電セラミック素子を用いて振動に変換し、骨伝導音とし て顔側面又は耳甲介腔の表面の一部から内耳に受話信号を伝達して聴く受話機に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

かかる骨伝導受話機は電気信号を振動に変換し、その振動を顔面の側面等から 内耳に伝達する骨伝導によって鼓膜を音波で直接振動をさせなくとも聴感を得ら れるものである。電気信号を骨伝導振動に変換する従来の方法は永久磁石とコイ ルを用い電磁的に行っていた、しかしながら電磁的な変換方法では重く、大型で 消費電力も大きく、音質も不十分で又価格も高価であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の問題点を鑑みなされたものであって、その目的は軽量、小型、 低消費電力で音楽鑑賞にも適する高音質で低価格な骨伝導受話機を提供すること にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前述の骨伝導受話機の課題は長方形の圧電セラミック板と長方形の金属板を張 り合わせた駆動部を用い、その一端から顔面に振動を伝達するための振動伝達部 を接続して構成し、且つこの駆動部と振動伝達部を振動を極力抑制することなく 柔軟材等で囲うように外周ケース内に保持して達成される。 又 金属板と圧電セラミック板を張り合わせた駆動部の構造を円形の金属板と 円形の圧電セラミック板を張り合わせた構造とし、その駆動部のほぼ中央に振動 伝達部を設け、ケースとの間の柔軟材によって保持してなる構成によっても同様 に達成される。

【０００５】

【考案の実施の形態】

以下本考案の実施の形態について図面に基づいて説明する。図１は本考案の骨 伝導受話機の断面図で図示されていないがヘッドバンド１１によって対称位置に もう一組の骨伝導受話機が構成されている。図示のように分極処理した角形圧電 セラミック板２は角形金属板１を挟むように貼り付け、骨伝導受話機用駆動部が 構成されている。角形金属板１と角形圧電セラミック板２からは接続線３が半田 付け等により接続されて図示されていないがケーブル９に接続されている。骨伝 導受話機用駆動部の一端には合成樹脂などによって作られた振動伝達部５が接着 や一体成形などによって接続され、カバー７から突き出されている、また振動伝 達部５の先端には顔側面部１６と接触させるための振動伝達先端部６が設けられ ている。骨伝導受話機用駆動部と振動伝達部５はケース８とカバー７内に発泡樹 脂等の柔軟材４によって保持し収納されている。更にカバー７の外周には耳当て １０が設けられており、ケース８にはヘッドバンド１１が取り付けられ対称に設 けられたもう一方の骨伝導受話機と繋がっている。ヘッドバンド１１は顔側面を 挟み込む方向に力が働くので、振動伝達先端部６が顔側面１６に一定圧力で接す ると共に耳当て１０によって外部からの騒音を遮断する。図２には本考案の請求 項２の骨伝導受話機の実施形態を示している、以下図面に基づいて説明する。 分極処理された円形圧電セラミック板１３と円形金属板１２を張り合わせて骨伝 導受話機用駆動部を構成し、その一面のほぼ中央部に振動伝達部５を接着等の方 法によって接続する、この振動伝達部５と骨伝導受話機駆動部はケース８と保持 カバー１４に囲われる内部に発泡樹脂などの柔軟材４を介して納められるが、保 持カバー１４のほぼ中央から振動伝達部５が突き出しその先端に振動伝達先端部 ６を備えている。又骨伝導受話機への電気信号はケーブル９から接続線３を介し て円形金属板１２と円形圧電セラミック板１３に供給される。尚円形金属板１２ と円形圧電セラミック板１３は必ずしも円形でなくとも良い。ヘッドバンド１１ とケース８はケース８の一部で接続され図示されていないが対称に設けられたも う一方の骨伝導受話機とも接続されている。図３には請求項１の骨伝導受話機の 装着断面図及び図４には請求項２の装着断面図を示してある。図示していないが ヘッドバンド１１によって対称に設けた骨伝導受話機の耳当て１０が外耳１５に 圧接して全体が保持される、同時に請求項１の考案の場合は振動伝達先端部６が 顔側面１６に、請求項２の考案の場合は振動伝達先端部６が耳甲介腔１７の突き 当て面の一部に圧接される。この時の圧接力はケース８内部の柔軟材４の反発力 で得られるように構成されている。

【０００６】

【考案の効果】

本考案によれば、電気信号を振動に変換する方法を圧電セラミック板によって 行うことで永久磁石と鉄材と大量の銅線を使う電磁式に比較し大幅に軽量、薄型 小型化にすることが出来た。又圧電セラミック板と金属板を張り合わせた骨伝導 受話機駆動部と振動伝達部の保持方法を硬質な構造にせず周辺を柔軟材で保持し たことで振動エネルギーの損失を少なくすることが出来、本考案構造によって実 用に十分な骨伝導受話機を実現できた。又電磁式の骨伝導受話機では８００Ｈｚ 近傍に周波数特性のピークがあるため、音楽などの周波数帯域の広い再生には適 さなかったが、圧電セラミックを用いた本考案構造では再生帯域が広く高音質で 音楽の再生にも適する。更には保持カバー１４或いはカバー７の一部に貫通穴を 設ければ通常の空気の粗密波による音波を外耳に向けて出力できるので、難聴者 用のみでなく弱難聴者、健聴者との兼用にすることも出来る。以上のように種種 の優れた効果を奏する骨伝導受話機を提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の請求項１の断面図

【図２】本考案の請求項２の断面図

【図３】請求項１の骨伝導受話機の装着断面図

【図４】請求項２の骨伝導受話機の装着断面図

【符号の説明】

１ 角形金属板 ２ 角形圧電セラミック板 ３ 接続線 ４ 柔軟材 ５ 振動伝達部 ６ 振動伝達先端部 ７ カバー ８ ケース ９ ケーブル １０ 耳当て １１ ヘッドバンド １２ 円形金属板 １３ 円形圧電セラミック板 １４ 保持カバー １５ 外耳 １６ 顔側面 １７ 耳甲介腔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】角形金属板と角形圧電セラミック板を張り
   合わせた骨伝導受話機用駆動部の一端に該骨伝導受話機
   用駆動部の振動方向に伸ばした振動伝達部を設け、該振
   動伝達部と前記骨伝導受話機用駆動部の一部を柔軟材で
   ケース内に保持し、前記振動伝達部の先端に顔側面と接
   触させるための先端部を備えたことを特徴とした骨伝導
   受話機。
2. 【請求項２】円形の金属板と円形の圧電セラミック板を
   張り合わせた骨伝導受話機用駆動部のほぼ中央部分に該
   骨伝導受話機用駆動部の振動方向に伸ばした振動伝達部
   を設け、該振動伝達部と前記骨伝導受話機用駆動部の両
   方又は一方の一部を柔軟材でケース内に保持し、前記振
   動伝達部の先端に耳甲介腔面と接触する先端部を備えた
   ことを特徴とした骨伝導送受話機。