JP3069772B2 - 仮設建造物 - Google Patents

仮設建造物

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JP3069772B2
JP3069772B2 JP8225125A JP22512596A JP3069772B2 JP 3069772 B2 JP3069772 B2 JP 3069772B2 JP 8225125 A JP8225125 A JP 8225125A JP 22512596 A JP22512596 A JP 22512596A JP 3069772 B2 JP3069772 B2 JP 3069772B2
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喜藏 山田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、各種野外会場や倉
庫等に採用される所謂テント、あるいはレジャー用のビ
ーチパラソルやアウトドアテントなどとして適用される
仮設建造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種野外会場や倉庫等に採用され
る所謂テント、あるいはレジャー用のビーチパラソルや
アウトドアテントなどとして適用される仮設建造物に
は、その構造材(すなわち支柱又は梁など)として鋼管
や丸太、合成樹脂パイプなどが用いられていた。これら
の構造材はいずれも強度が高く、該建造物の骨組として
組み立てたとき、非常に安定した構造を造り出してい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの仮
設建造物における構造材、特には鋼管や丸太は、重く持
ち運びが大変であり、例えば野外会場用テントを組み立
てる場合には何人かで共同して組み立てねばならないと
いう取り扱い上の不便さがあった。
【0004】またこれらの仮設建造物における構造材に
あっては、例えば鋼管や合成樹脂パイプなどの場合には
折り畳み式や収納タイプのものがあるが、そのコンパク
ト化には限度があり、運搬や取り扱いには手間を要して
いた。
【0005】さらにこのような構造材を用いて建造され
た仮設建造物にあっては、風などに煽られて崩れたと
き、構造材自体が固く重いことから、中に居る人や物に
落下して被害を及ぼすという危険性もあった。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、運搬時や収納時には小さく畳んで取り扱う
ことができ、建造時には空気や水を充填するだけで簡単
に所定の建造物を建造することができ、しかも建造時や
建造後に該建造物が崩れたとしても、中の人や物に危害
を及ぼすことがない仮設構造物を提供すること目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、可撓性シートよりなる袋状
物の中に空気を充填することで支柱又は梁などの長尺状
の構造材とすると共に、前記構造材周縁部に水が充填さ
れる可撓性シートよりなる袋状の補強部を設けたことを
特徴とする仮設建造物をその要旨とした。
【0008】請求項2記載の発明は、構造材を支柱とし
て適用したときに、その基部の周りに水が充填される可
撓性シートよりなる袋状のアンカーを取り付けたことを
特徴とする仮設構造物をその要旨とした。
【0009】請求項3記載の発明は、構造材が連結部材
によって相互に連結されていることを特徴とする仮設用
建造物をその要旨とした。
【0010】請求項4記載の発明は、構造材相互が連通
状態に設けられていて、一の構造材に空気を充填するこ
とで他の構造材にも空気が充填されるようにしたことを
特徴とする仮設建造物をその要旨とした。
【0011】請求項5記載の発明は、仮設建造物の両端
部に当該仮設用建造物同志を連結するための連結部を有
することを特徴とする仮設用建造物をその要旨とした。
【0012】請求項6記載の発明は、連結部が、鉤型の
係止部とこれが係止する被係止部とからなることを特徴
とする仮設用建造物をその要旨とした。
【0013】請求項7記載の発明は、仮設構造物を併設
したとき、両者間の隙間から雨水などが漏れないように
仮設構造物間に跨って固定される跨設部材を備えたこと
を特徴とする仮設用建造物をその要旨とした。
【0014】請求項8記載の発明は、跨設部材が板状を
なしており、その下面両側に接合部を有する足部分が設
けられていることを特徴とする仮設用建造物をその要旨
とした。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の仮設建造物につい
て図面に示す一実施の形態に基づいて更に詳しく説明す
る。本発明の仮設建造物は、各種野外会場や倉庫等に採
用される所謂テント、あるいはレジャー用のビーチパラ
ソルやアウトドアテントなどとして適用される。
【0016】これらの仮設建造物は、支柱又は梁などの
構造材を組み立てることによって造られた骨組構造に、
屋根部や側壁部を構成するテントシートやカーテンシー
トといった外郭素材を取り付けることで構成されてい
る。本発明は、この構造材として、空気を充填すること
ができる可撓性シートよりなる長尺状の袋状物を用いた
ことを最大の特徴としている。
【0017】この構造材は、この中に空気を充填するこ
とで、仮設構造物における支柱又は梁などとしての所定
の強度が付与されるようになっている。この構造材の素
材としては、空気を充填することから気密性を備えてお
り、かつ取り扱い時や組立時、さらには仮設後の雨風な
どによっても容易に破損したりすることがない程度の機
械的強度を備えたものが好ましい。具体的には塩化ビニ
ルシート、ポリプロピレンシート、布表面に前記塩化ビ
ニル樹脂をラミネートしたもの、あるいは強度を持たせ
るため、前述の合成樹脂製シートや布との複合シートに
合成樹脂製ネットや金網を積層一体化したものなどを挙
げることができる。
【0018】またこの構造材の大きさや形状、構造は、
該仮設構造物の形状や構造、適用箇所、すなわち支柱と
して用いるのか、或いは梁として用いるのかなど、適宜
決定すればよい。
【0019】図1及び図2に示す構造材11aは、仮設
構造物における支柱として用いられており、空気が充填
される四角柱状の袋状物である。この袋状物の一端側
は空 気を充填するための充填口12が設けられている。
【0020】またこの構造材11aには、図3に示すよ
うにその周縁部に構造材11aの長手方向に沿って水が
充填される可撓性シートよりなる長尺な袋状の補強部1
3が設けられている。この補強部13は、この中に水を
充填することで所定の強度が付与される様になってい
て、当該構造材11aに外力が加わったときに、同構造
材11aが折れ曲がったり、湾曲したりしないよう、こ
れを周縁より補強するものである。図3に示す補強部1
3は、前記四角柱状の構造材11aのコーナーの形状に
合わせて三角柱状をなしている。この補強部13につい
てもその一側端側には水又は空気を充填するための充填
口14が設けられている。
【0021】図1及び図3に示す態様では、この構造材
11aを仮設構造物における支柱として6箇所に等間隔
をおいて設置している。
【0022】またこの支柱としての構造材11aの基部
周りには、図1、図2及び図5に示すように水が充填さ
れる可撓性シートよりなる袋状のアンカー15が取り付
けられている。このアンカー15を支柱である構造材1
1a基部に取り付けることで、該構造材11aは支柱と
して安定して、後述する屋根部を支えるようになる。
【0023】尚、前記構造材11aの基部及びその周り
に取り付けたアンカー15を地盤中に埋設してしまうこ
ともできる。この場合構造材11aは支柱としてより安
定し、後述する屋根部を支えるようになる。
【0024】図1及び図2中の構造材11bは、前記構
造材11aと同じ構造を有するものである。この構造材
11bは仮設構造物において梁材として用いられてい
て、前記支柱としての構造材11a上に縦方向に2本、
横方向に3本ずつ横設されている。
【0025】尚、図1及び図2に示す梁材としての構造
材11bは、屋根部の骨組みを構成するものであること
から、内部には空気を充填することで、前記支柱として
の構造材11aへの負担を減らす。
【0026】尚、構造材11には、図4に示すように円
柱状のものであって、等間隔に補強材13を設けたもの
を採用することもできる。
【0027】これら梁材としての構造材11b及び支柱
としての構造材11aには各々外郭素材16、17が取
り付けられている。外郭素材16、17は、所謂屋根部
及び側壁部を構成するものであり、これにはビニールシ
ートその他の合成樹脂シートや布製テント生地などの従
来より知られたテント用シート、あるいはこれらのシー
ト材に合成樹脂ネットや金網を一体化させてその補強を
計ったものなどが適用できる。
【0028】この外郭素材16、17の前記構造材11
a、11b間への取付は、該外郭素材16、17を前記
構造材11a間及び構造材11b間を覆うような大きさ
としておき、これをロープなどを用いて前記構造材11
b間に固定するといった方法で取り付けることができ
る。尚、その他の取り付け手段としては、接着や融着と
いった接合手段により取り付けることもできる。
【0029】図1及び図2に示す外郭素材16、17は
蛇腹状に設けたものであり、これらが構造材11a間及
び構造材11b間に各々取り付けられている。そして、
構造材11a、11bに空気を充填することで構造材1
1a、11bが膨むと、これに伴って外郭素材16、1
7も展張し、屋根部分及び側壁部分が構成されるように
なっている。図面には展張された状態の外郭素材16、
17が示されている。
【0030】前記支柱としての構造材11aと梁材とし
ての構造材11bとは連結部材18によって相互に連結
されている。図3に示す態様では、支柱としての構造材
11aと梁材としての構造材11bとが連結部材18、
すなわちマジックテープを介して連結されている。
【0031】尚、連結部材18としてはマジックテープ
に限らず、各構造材11a、11bの端部に設けた嵌合
用の凹部と突部との組み合わせであったり、連結用の紐
を通す貫通孔を各構造材端部に設けておき、この貫通孔
に連結紐を通すことで両者を連結するようにすることも
できる。
【0032】前述の如く構造材11a、11b中に空気
を充填することで、これらを仮設構造物における支柱や
梁として適用するのであるが、各構造材11a、11b
中に一つ一つに空気を充填することは大変に煩雑であ
る。特に仮設構造物の規模が大きくなればなる程、その
煩雑さは増すことになる。このため、各構造材相互が連
通状態に設けられていて、一の構造材に空気を充填する
ことで他の構造材にも空気が充填されるようにすること
もできる。この場合、空気の充填作業における煩雑さを
解消し、よりスピーディに仮設構造物の構築を行えるよ
うになる。
【0033】また、図1及び図2に示した態様では、一
仮設構造物の側方に同様な仮設構造物を併設する場合
に、これらを連結するための構造を備えている。すなわ
ち梁材としての構造材11bであって、図6に示すよう
に、屋根部の両端側に各々横設されるものの上面に、鉤
型の係止部19と、同じく鉤型であって前記係止部19
が係止する被係止部20とを設けている。尚、係止部1
9及び被係止部20の形状としては図7に示す形態とし
てもよい。
【0034】尚、併設する2つの仮設構造物を連結した
とき、両者間の隙間から雨水などが漏れないように仮設
構造物間に跨って固定される跨設部材を併用するのが望
ましい。この跨設部材21は、図8に示すように板状を
なしており、その下面両側にはマジックテープや粘着層
といった接合部を有する足部分21aが設けられてい
て、これらの足部分21aを仮設構造物の屋根部間に各
々接合することで、両仮設構造物間に跨設状態に固定さ
れ、両者間の隙間から雨水などが漏れないようにでき
る。
【0035】尚、仮設構造物における屋根部を構成する
構造材についてのみ、可撓性シートよりなる袋状物の
に、空気を充填する長尺状の構造材を梁として用い、そ
の他の部分は従来の仮設構造物における構造材を用いる
など、特許請求の範囲に記載された範囲内で自由に変更
することができる。
【0036】
【発明の効果】請求項1〜4記載の仮設構造物は、可撓
性シートよりなる袋状物の中に、空気を充填することで
支柱又は梁などとして適用できる構造材を用いたことか
ら、運搬時や収納時には小さく畳んで取り扱うことがで
き、建造時には空気を充填することで簡単に所定の建造
物を建造することができる。
【0037】またこの仮設用構造物にあっては、骨組み
を構成する構造材が可撓性シートよりなる袋状物とこれ
充填される空気とからなることから、建造時や建造後
に該建造物が崩れたとしても、中の人や物に危害を及ぼ
すことがない。
【0038】またこの仮設用構造物にあっては、構造材
周縁部に補強部が設けられているので、当該構造材に外
力が加わったときに、同構造材が折れ曲がったり、湾曲
したりしない。
【0039】請求項5及び6記載の仮設用建造物にあっ
ては、仮設建造物の両端部に当該仮設用建造物同志を連
結するための連結部を有するので、2つ若しくは3以上
の仮設用建造物を併設するのに、特別の連結用部材を用
いることがなく、手間がかからない。
【0040】請求項7及び8記載の仮設用建造物にあっ
ては、仮設構造物を併設したとき、仮設構造物間に跨っ
て固定される跨設部材を備えたことから、併設した仮設
用建造物間の隙間から雨水などが漏れることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の仮設構造物の全体を示した斜視図。
【図2】同じく側面図。
【図3】本発明の仮設構造物における構造材の一形態を
示した拡大斜視図。
【図4】本発明の仮設構造物における構造材の別の形態
を示した拡大斜視図。
【図5】本発明の仮設構造物における支柱としての構造
材基部にアンカーを取り付けた状態を示す拡大断面図。
【図6】仮設構造物の側方に同様な仮設構造物を併設す
る場合に、これらを連結するための構造を示した拡大正
面図。
【図7】同じく別の連結構造を示した拡大正面図。
【図8】併設する2つの仮設構造物間に跨って固定され
る跨設部材を示した拡大断面図。
【符号の説明】
11a・・・構造材(支柱) 11b・・・構造材(梁材) 13 ・・・補強部 12、14 ・・・充填口 15 ・・・アンカー 16、17 ・・・外郭素材 19 ・・・係止部 20 ・・・被係止部 21 ・・・跨設部材

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性シートよりなる袋状物の中に空気
    を充填することで支柱又は梁などの長尺状の構造材とす
    ると共に、前記構造材周縁部に水が充填される可撓性シ
    ートよりなる袋状の補強部を設けたことを特徴とする仮
    設建造物。
  2. 【請求項2】 構造材を支柱として適用したときに、そ
    の基部の周りに水が充填される可撓性シートよりなる袋
    状のアンカーを取り付けたことを特徴とする請求項1に
    記載の仮設構造物。
  3. 【請求項3】 構造材が連結部材によって相互に連結さ
    れていることを特徴とする請求項1または2に記載の仮
    設用建造物。
  4. 【請求項4】 構造材相互が連通状態に設けられてい
    て、一の構造材に空気を充填することで他の構造材にも
    空気が充填されるようにしたことを特徴とする請求項
    1、2及び3のいずれかに記載の仮設建造物。
  5. 【請求項5】 仮設建造物の両端部に当該仮設用建造物
    同志を連結するための連結部を有することを特徴とする
    請求項1、2及び3のいずれかに記載の仮設用建造物。
  6. 【請求項6】 連結部が、鉤型の係止部とこれが係止す
    る被係止部とからなることを特徴とする請求項5記載
    仮設用建造物。
  7. 【請求項7】 仮設構造物を併設したとき、両者間の隙
    間から雨水などが漏れないように仮設構造物間に跨って
    固定される跨設部材を備えたことを特徴とする請求項
    1、2及び3のいずれかに記載の仮設用建造物。
  8. 【請求項8】 跨設部材が板状をなしており、その下面
    両側に接合部を有する足部分が設けられていることを特
    徴とする請求項7記載の仮設用建造物。
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