JP3069359B2 - 細胞傷害因子ogdf―2およびその製造法 - Google Patents
細胞傷害因子ogdf―2およびその製造法Info
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- JP3069359B2 JP3069359B2 JP1258088A JP25808889A JP3069359B2 JP 3069359 B2 JP3069359 B2 JP 3069359B2 JP 1258088 A JP1258088 A JP 1258088A JP 25808889 A JP25808889 A JP 25808889A JP 3069359 B2 JP3069359 B2 JP 3069359B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、細胞傷害因子OGDF−2およびその製造法
に関するものである。
に関するものである。
(従来の技術) マクロファ−ジまたはその株化細胞は、LPSグラム陰
性菌脂質多糖体ザイモサン等の刺激によって活性化さ
れ、プロテア−ゼ、アルキナ−ゼ、毒性酸素、腫瘍壊死
因子(以下、TNFと略記)等の細胞傷害因子を産生する
ことが知られている。これとは別に、リンホカイン、モ
ノカイン等を産生する多くの樹立細胞が報告されている
が、これらの細胞が産生する細胞産物は種々のウイルス
感染によって増産されることが知られている。
性菌脂質多糖体ザイモサン等の刺激によって活性化さ
れ、プロテア−ゼ、アルキナ−ゼ、毒性酸素、腫瘍壊死
因子(以下、TNFと略記)等の細胞傷害因子を産生する
ことが知られている。これとは別に、リンホカイン、モ
ノカイン等を産生する多くの樹立細胞が報告されている
が、これらの細胞が産生する細胞産物は種々のウイルス
感染によって増産されることが知られている。
細胞株J774Aはマウス白血病由来の細胞で、貪食能、F
cレセプタ−等の生化学的諸性質においてマクロファ−
ジ様の性状を示す細胞である。この細胞は、LPSの刺激
によってプロテア−ゼ、H2O2、およびTNFを産生する
[ジャパニ−ズ・ジャ−ナル・オブ・エクスペリメンタ
ル・メディシン(Japan.J.Exp.Med.)56巻195〜199頁
(1986年)]。この出願の発明者(本発明者という)
は、J774A細胞をウシ白血病ウイルス(以下、BLVと略
記)持続産生FLK細胞(以下、BLV−FLKと略記)と混合
培養とすると、培養物上清の細胞傷害活性が著しく向上
すること、および刺激剤を添加しなくても傷害活性の産
生が持続することを既に報告した[応用細胞生物学研究
4巻28〜90頁および5巻9〜18頁、並びにセル・バイオ
ロジ−・インタ−ナショナル・レポ−ツ(Cell Biology
International Reports)10巻、659〜665頁(1986
年)]が、これらは培養上清の活性に関するものであ
る。その後、本発明者は、分子量約1000の細胞傷害因子
を採取した(特開平1−168278号)。
cレセプタ−等の生化学的諸性質においてマクロファ−
ジ様の性状を示す細胞である。この細胞は、LPSの刺激
によってプロテア−ゼ、H2O2、およびTNFを産生する
[ジャパニ−ズ・ジャ−ナル・オブ・エクスペリメンタ
ル・メディシン(Japan.J.Exp.Med.)56巻195〜199頁
(1986年)]。この出願の発明者(本発明者という)
は、J774A細胞をウシ白血病ウイルス(以下、BLVと略
記)持続産生FLK細胞(以下、BLV−FLKと略記)と混合
培養とすると、培養物上清の細胞傷害活性が著しく向上
すること、および刺激剤を添加しなくても傷害活性の産
生が持続することを既に報告した[応用細胞生物学研究
4巻28〜90頁および5巻9〜18頁、並びにセル・バイオ
ロジ−・インタ−ナショナル・レポ−ツ(Cell Biology
International Reports)10巻、659〜665頁(1986
年)]が、これらは培養上清の活性に関するものであ
る。その後、本発明者は、分子量約1000の細胞傷害因子
を採取した(特開平1−168278号)。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者はさらに研究を続けた結果、マクロファ−ジ
様細胞株J774Aとウシ白血病ウイルス持続産生FLK細胞の
混合系から得られたJ774A細胞(Co−J774Aと略記)が細
胞傷害因子(OGDFと略記)を産生していることを見出し
OGDFの製造法については公開済みであるが、これらは主
にマウスの腹水中からの製造法であり、本OGDFを多量に
採取する製造法については、まだ知られていない。マウ
スを用いてOGDFを多量に採取するには、マウスのコス
ト、或いはOGDFの精製等で多くの難点がある。
様細胞株J774Aとウシ白血病ウイルス持続産生FLK細胞の
混合系から得られたJ774A細胞(Co−J774Aと略記)が細
胞傷害因子(OGDFと略記)を産生していることを見出し
OGDFの製造法については公開済みであるが、これらは主
にマウスの腹水中からの製造法であり、本OGDFを多量に
採取する製造法については、まだ知られていない。マウ
スを用いてOGDFを多量に採取するには、マウスのコス
ト、或いはOGDFの精製等で多くの難点がある。
本発明者は、Co−J774A細胞をホ−ロ−ファイバ−培
養による連続多量培養を試み、さらにこの培養液からOG
DFを採取しようとして物質を採取して、この物質につき
研究を続けた結果、この物質はOGDFとは若干性状を異に
していることを見出した。得られた物質は分子量約280
の脂質分画と分子量約358の糖質分画からなる細胞傷害
因子であり、この得られた物質を細胞傷害因子OGDF−2
と名付けた。
養による連続多量培養を試み、さらにこの培養液からOG
DFを採取しようとして物質を採取して、この物質につき
研究を続けた結果、この物質はOGDFとは若干性状を異に
していることを見出した。得られた物質は分子量約280
の脂質分画と分子量約358の糖質分画からなる細胞傷害
因子であり、この得られた物質を細胞傷害因子OGDF−2
と名付けた。
この発明の目的は、このOGDF−2を容易に多量に製造
出来る方法を提供することにある。
出来る方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) この目的の達成を図るため、この発明によれば、 マクロファ−ジ様細胞株J774Aとウシ白血病ウイルス
持続産生FLK細胞の混合系から得られたJ774A細胞の培養
により細胞傷害因子OGDF−2を得る方法において、細胞
をホ−ロ−ファイバ−内で培養し、培養液から細胞傷害
因子OGDF−2を採取することを特徴とする。
持続産生FLK細胞の混合系から得られたJ774A細胞の培養
により細胞傷害因子OGDF−2を得る方法において、細胞
をホ−ロ−ファイバ−内で培養し、培養液から細胞傷害
因子OGDF−2を採取することを特徴とする。
また、別の方法として、 マクロファ−ジ様細胞株J774Aとウシ白血病ウイルス
持続産生FLK細胞の混合系から得られたJ774A細胞の、ホ
−ロ−ファイバ−内での培養により培養液から細胞傷害
因子OGDF−2を得る方法において、培養物上清を親水性
有機溶媒と水を用いるかまたは親水性もしくは疎水性有
機溶媒を用いて細胞傷害因子OGDF−2を抽出することを
特徴とする。
持続産生FLK細胞の混合系から得られたJ774A細胞の、ホ
−ロ−ファイバ−内での培養により培養液から細胞傷害
因子OGDF−2を得る方法において、培養物上清を親水性
有機溶媒と水を用いるかまたは親水性もしくは疎水性有
機溶媒を用いて細胞傷害因子OGDF−2を抽出することを
特徴とする。
(作用) この発明が提供する細胞傷害因子OGDF−2は下記のよ
うな性質をもつ物質である。
うな性質をもつ物質である。
イ)外観:白色粉末の脂質分画と糖質分画からなり、灰
分若干を含む ロ)分子量:約280の脂質分画と約358の糖質分画(マス
スペクトル法、第1図(A)及び第1図(B)参照) ハ)各種溶媒に対する溶解性:(+は溶解性、傷害性共
に陽性を示す) メタノ−ル:+ エタノ−ル:+ ヘキサン:+ クロロフォルム:− 水:+ ニ)呈色反応:ヘキサン:エ−テル=7:3で展開後発
色。細胞傷害は原点から5cmの位置に認められる(第2
図参照) 対称 反応または試剤 判定 コレステロ−ル ザトキス + 糖 オルシノ−ル + りん デットマ−レスタ− − アミノ酸 ニンヒドリン − アルデヒド・ケ 2,4−ジニトロフェニル − トン コリン ドフゲンドラフ − 親水性、疎水性の区別:疎水性 ホ)生物活性: i)100μgを約105個の培養細胞(例えばXC細胞)と24
時間インキュベ−トすると、細胞をすべて死滅する。
分若干を含む ロ)分子量:約280の脂質分画と約358の糖質分画(マス
スペクトル法、第1図(A)及び第1図(B)参照) ハ)各種溶媒に対する溶解性:(+は溶解性、傷害性共
に陽性を示す) メタノ−ル:+ エタノ−ル:+ ヘキサン:+ クロロフォルム:− 水:+ ニ)呈色反応:ヘキサン:エ−テル=7:3で展開後発
色。細胞傷害は原点から5cmの位置に認められる(第2
図参照) 対称 反応または試剤 判定 コレステロ−ル ザトキス + 糖 オルシノ−ル + りん デットマ−レスタ− − アミノ酸 ニンヒドリン − アルデヒド・ケ 2,4−ジニトロフェニル − トン コリン ドフゲンドラフ − 親水性、疎水性の区別:疎水性 ホ)生物活性: i)100μgを約105個の培養細胞(例えばXC細胞)と24
時間インキュベ−トすると、細胞をすべて死滅する。
ii)熱安定性:100℃、20分間で安定。
iii)酸・アルカリ安定性:pH11およびpH2で10分間処理
すると不活性化。
すると不活性化。
ヘ)GC/MSスペクトル(第9図(A)〜(D)) ト)紫外線吸収スペクトル 特に特徴的な肩はなし(第6図) チ)元素分析: 糖部:C%1.21、H%0.37、N%0.00、Ashe0.0534mg
(1.7875mg) 糖質分画:C%10.93%、H%2.50、N%0.53、Ashe0.108
0mg(2.02822mg) 上記のように、OGDF−2は細胞傷害活性を有するの
で、抗腫瘍活性剤として有用である。
(1.7875mg) 糖質分画:C%10.93%、H%2.50、N%0.53、Ashe0.108
0mg(2.02822mg) 上記のように、OGDF−2は細胞傷害活性を有するの
で、抗腫瘍活性剤として有用である。
上記細胞傷害物質OGDF−2の製造法の好ましい実施態
様を示すと、次の通りである。
様を示すと、次の通りである。
J774A細胞は、ラルフ等[ネイチャ−(Nature)257巻
393〜394頁(1975年)]によって樹立されたマウス由来
マクロファ−ジ様細胞であり、ATCCから入手できる(寄
託番号ATCC−TIB67)。この細胞は、ダルベッコMEM培地
に10%ウシ胎子血清、ストレプトマイシン(100U/m
l)、ペニシリン(μg/ml)およびフアンギゾン(1.0μ
g/ml)を加えた培地(以下、D−MEMと略称)を用い、
5%CO2中37℃で培養し、3〜4日目毎に継代するのが
適当である。
393〜394頁(1975年)]によって樹立されたマウス由来
マクロファ−ジ様細胞であり、ATCCから入手できる(寄
託番号ATCC−TIB67)。この細胞は、ダルベッコMEM培地
に10%ウシ胎子血清、ストレプトマイシン(100U/m
l)、ペニシリン(μg/ml)およびフアンギゾン(1.0μ
g/ml)を加えた培地(以下、D−MEMと略称)を用い、
5%CO2中37℃で培養し、3〜4日目毎に継代するのが
適当である。
BLV−FLK[ビブリオグラフイア・ヘマトジカ(Bibl.H
aematol.)43巻360〜362頁(1975年)]は、本発明者は
保存している。この細胞は、D−MEMで培養し、0.1%ト
リプシンを用いて5〜7日毎に継続して維持するのが適
当である。
aematol.)43巻360〜362頁(1975年)]は、本発明者は
保存している。この細胞は、D−MEMで培養し、0.1%ト
リプシンを用いて5〜7日毎に継続して維持するのが適
当である。
この細胞Co−J774Aは昭和62年12月23日に微生物工業
技術研究所に寄託した(寄託番号FERM−P−9787号)。
技術研究所に寄託した(寄託番号FERM−P−9787号)。
J−774、BLV−FLKおよびCo−J774Aは、上記のように
して入手できる。
して入手できる。
OGDF−2は、ホ−ロ−ファイバ−内にて培養した得た
培養液からも得られるし、また試験管内で培養して得た
培養液またはその凍結乾燥物からも得られる。
培養液からも得られるし、また試験管内で培養して得た
培養液またはその凍結乾燥物からも得られる。
OGDF−2の採取は、例えば次のようにして行なう。上
記の培養液をとり、例えば遠心分離により細胞を培養液
とを分離すると、OGDF−2は培養液に含まれる。この培
養液上清または濾液に例えばメタノ−ルのような親水性
有機溶媒を大過剰、例えば3〜10倍量、通常4〜5倍量
加えて混合し、遠心分離のような固液分離手段で蛋白成
分と非蛋白成分を分けると、OGDF−2は非蛋白成分に含
まれる。この分画をカラムクロマトグラフィ−のような
分画手段により分画してOGDF−2を分離する。例えば、
上記非蛋白分画からメタノ−ルを除去し、親水性有機溶
媒と水を用いて溶解し、例えば40%メタノ−ル溶液のよ
うな溶液を調製し、適当な分離用カラム、例えばODSカ
ラムに適用し、親水性有機溶媒−水の勾配(好ましくは
直線勾配)、例えば40〜100%メタノ−ルグラジエント
で溶離すると、OGDF−2は有機溶媒高比率分画、例えば
80%メタノ−ル分画に含まれる。OGDF−2は、この分画
から例えば凍結乾燥により溶媒を除去することにより得
られる。このように操作すると、比活性は約100倍程度
に上昇する。また親水性有機溶媒(メタノ−ル、アセト
ン等)もしくは疎水性有機溶媒(ヘキサン、酢酸エチル
等)を用いて抽出するのが適当な場合もある。一方、OG
DF−2は同様の手法によって培養液からも得られる。す
なわち、培養液を凍結乾燥した後60%のメタノ−ルを加
えて溶出すると、活性はメタノ−ル分画に含まれる。そ
の性状は前記の通りであり、蛋白分画に含まれるTNF
(分子量40000〜60000の糖蛋白)とは明らかに異なる糖
脂質様物質である。
記の培養液をとり、例えば遠心分離により細胞を培養液
とを分離すると、OGDF−2は培養液に含まれる。この培
養液上清または濾液に例えばメタノ−ルのような親水性
有機溶媒を大過剰、例えば3〜10倍量、通常4〜5倍量
加えて混合し、遠心分離のような固液分離手段で蛋白成
分と非蛋白成分を分けると、OGDF−2は非蛋白成分に含
まれる。この分画をカラムクロマトグラフィ−のような
分画手段により分画してOGDF−2を分離する。例えば、
上記非蛋白分画からメタノ−ルを除去し、親水性有機溶
媒と水を用いて溶解し、例えば40%メタノ−ル溶液のよ
うな溶液を調製し、適当な分離用カラム、例えばODSカ
ラムに適用し、親水性有機溶媒−水の勾配(好ましくは
直線勾配)、例えば40〜100%メタノ−ルグラジエント
で溶離すると、OGDF−2は有機溶媒高比率分画、例えば
80%メタノ−ル分画に含まれる。OGDF−2は、この分画
から例えば凍結乾燥により溶媒を除去することにより得
られる。このように操作すると、比活性は約100倍程度
に上昇する。また親水性有機溶媒(メタノ−ル、アセト
ン等)もしくは疎水性有機溶媒(ヘキサン、酢酸エチル
等)を用いて抽出するのが適当な場合もある。一方、OG
DF−2は同様の手法によって培養液からも得られる。す
なわち、培養液を凍結乾燥した後60%のメタノ−ルを加
えて溶出すると、活性はメタノ−ル分画に含まれる。そ
の性状は前記の通りであり、蛋白分画に含まれるTNF
(分子量40000〜60000の糖蛋白)とは明らかに異なる糖
脂質様物質である。
(実施例) 以下、この発明を実施例により説明する。
実施例1(細胞培養液によるOGDF−2の採取) ホ−ロ−ファイバ−培養システムとCo−J774細胞培養 本実験では、培養装置:Bio Pro(グレ−スJapanの商
品名)にミニビタファイバ−を取付けて行なった。すな
わち、培地D−MEMの2.8を培地貯蔵庫に注入し、38℃
に保温し、流速30ml/分の割合でチュ−ブ内を循環させ
ておき、予め培養フラスコで培養したCo−J774細胞(10
7)を注入し、PHをCO2で7.2に自動制御して培養を行な
った。以降、グルコ−ス消費が100mg/dl以下になった時
点で培養液を交換し、培養を継続させた。採取した培養
液は凍結保存し、以降のOGDFの採取に用いた。
品名)にミニビタファイバ−を取付けて行なった。すな
わち、培地D−MEMの2.8を培地貯蔵庫に注入し、38℃
に保温し、流速30ml/分の割合でチュ−ブ内を循環させ
ておき、予め培養フラスコで培養したCo−J774細胞(10
7)を注入し、PHをCO2で7.2に自動制御して培養を行な
った。以降、グルコ−ス消費が100mg/dl以下になった時
点で培養液を交換し、培養を継続させた。採取した培養
液は凍結保存し、以降のOGDFの採取に用いた。
Co−J774細胞をホ−ロ−ファイバ−(Bio Pro:ミニビ
タファイバ−)にて7〜14日連続培養した培養液約2600
mlを凍結乾燥して約35gを得た。これの10gに10倍量の60
%メタノ−ルを加え十分混合した後−夜−30℃に保存し
た。しかる後、3000rpm10分遠心してその上清を採取す
ると活性は上清に認められた。これを約3倍に濃縮した
後、バイオビ−ズ(Bio Bead)カラムに入れて60%メタ
ノ−ルで溶出し、試験管当り約8mlづつ採取すると活性
は2〜4本の間に認められた(第3図)。これを約10ml
に濃縮してさらにキ−ゼゲル(Kiesegel)60(Merk)カ
ラムに入れ60%メタノ−ルで溶出し、試験管当り25mlづ
つ採取すると活性は5〜7本に認められた(第4図)。
これを濃縮して湿重量約1000mg採取した。
タファイバ−)にて7〜14日連続培養した培養液約2600
mlを凍結乾燥して約35gを得た。これの10gに10倍量の60
%メタノ−ルを加え十分混合した後−夜−30℃に保存し
た。しかる後、3000rpm10分遠心してその上清を採取す
ると活性は上清に認められた。これを約3倍に濃縮した
後、バイオビ−ズ(Bio Bead)カラムに入れて60%メタ
ノ−ルで溶出し、試験管当り約8mlづつ採取すると活性
は2〜4本の間に認められた(第3図)。これを約10ml
に濃縮してさらにキ−ゼゲル(Kiesegel)60(Merk)カ
ラムに入れ60%メタノ−ルで溶出し、試験管当り25mlづ
つ採取すると活性は5〜7本に認められた(第4図)。
これを濃縮して湿重量約1000mg採取した。
実施例2(OGDF−2の精製と結晶) 実施例1で得た活性分画(5〜7)(第4図)を60メ
タノ−ルに溶解した。これを透析チュ−ブに入れ外液を
60%メタノ−ルで透析を行なった。透析液を濃縮すると
活性は外液に認められた。この外液を蒸留水に溶解した
後、EDTA−2Naを入れると結晶化し沈澱した。この結晶
を遠心によって採取した。これに蒸留水を入れ、1N NaO
Hを添加すると溶解した。活性はこの分画に認められ
た。
タノ−ルに溶解した。これを透析チュ−ブに入れ外液を
60%メタノ−ルで透析を行なった。透析液を濃縮すると
活性は外液に認められた。この外液を蒸留水に溶解した
後、EDTA−2Naを入れると結晶化し沈澱した。この結晶
を遠心によって採取した。これに蒸留水を入れ、1N NaO
Hを添加すると溶解した。活性はこの分画に認められ
た。
実施例3(細胞傷害活性、熱安定性及び酸安定性) 24ウェルマルチプレ−トに培養継代中のXC細胞(105/
ml)をウェル当り1mlづつ添加し、37℃で24時間培養を
行なった。次に実施例1で得た5〜7分画の物質をml当
り100μg含むように培養液で調製した。傷害試験は上
記培養細胞の旧培地を除去した後にこの1mlを添加し、3
7℃に4日間培養して行なった。その活性は物質を添加
しなかった時の細胞の増殖と比較して行ない(ギムザ染
色)、細胞傷害活性の100%は全ての細胞を殺すことを
意味する。両物質共100μg添加で1日以内に100%死滅
させた。
ml)をウェル当り1mlづつ添加し、37℃で24時間培養を
行なった。次に実施例1で得た5〜7分画の物質をml当
り100μg含むように培養液で調製した。傷害試験は上
記培養細胞の旧培地を除去した後にこの1mlを添加し、3
7℃に4日間培養して行なった。その活性は物質を添加
しなかった時の細胞の増殖と比較して行ない(ギムザ染
色)、細胞傷害活性の100%は全ての細胞を殺すことを
意味する。両物質共100μg添加で1日以内に100%死滅
させた。
実施例1で得たNo6分画の40μを3μNaOHおよび
5μHClを添加してPH11、PH2とし10分間放置した後、
5μHClおよび3μNaOHを添加して中性とし、これ
をXCに添加して傷害性を検討したところ、活性は著明に
低下した。
5μHClを添加してPH11、PH2とし10分間放置した後、
5μHClおよび3μNaOHを添加して中性とし、これ
をXCに添加して傷害性を検討したところ、活性は著明に
低下した。
実施例4(OGDF−2の特性) 実施例1で得た活性分画(第4図)をシリカゲル(Wa
coge1−B5)を用いた薄層クロマトグラフィ−を行なっ
た。各分画の約10μをスポットし、メタノ−ル、クロ
ロホルム、水、或いはヘキサン(70)エチルエ−テル
(30)の溶媒で展開した後、各試験で発色させた。その
成績は第2図に示した。活性の認められる分画には脂
質、糖に反応陽性を示した。
coge1−B5)を用いた薄層クロマトグラフィ−を行なっ
た。各分画の約10μをスポットし、メタノ−ル、クロ
ロホルム、水、或いはヘキサン(70)エチルエ−テル
(30)の溶媒で展開した後、各試験で発色させた。その
成績は第2図に示した。活性の認められる分画には脂
質、糖に反応陽性を示した。
実施例2で結晶化した物質をNaOHで溶解させた成分を
分析したところ、リピド(0.5%)、糖(0.1%)からな
り蛋白は検出されなかった。
分析したところ、リピド(0.5%)、糖(0.1%)からな
り蛋白は検出されなかった。
また、実施例1で得たNo6画分の濃縮物をクロロホル
ムを添加して、クロロホルム溶出部と残渣部を得た。こ
の両分画を実施例5で示したXC細胞に添加して傷害性を
検討したところ、活性は消失した。ただ、クロロホルム
分画には添加3日後に弱い傷害が認められたにすぎなか
った。
ムを添加して、クロロホルム溶出部と残渣部を得た。こ
の両分画を実施例5で示したXC細胞に添加して傷害性を
検討したところ、活性は消失した。ただ、クロロホルム
分画には添加3日後に弱い傷害が認められたにすぎなか
った。
実施例5(OGDF−2と2−3の物質の比較) OGDF−2と培地或いは血清中の2〜3の含有物につい
て細胞傷害活性、物性について比較した。
て細胞傷害活性、物性について比較した。
1)システィン−塩酸塩 :培地中に含まれるシスティン−塩酸塩の高濃度を実
施例3で述べたように培養細胞に添加して傷害性を検討
した。しかし、著明な傷害活性は認められなかった。ま
た、顕微鏡下での結晶の様相は、OGDF−2のそれと異に
していた。
施例3で述べたように培養細胞に添加して傷害性を検討
した。しかし、著明な傷害活性は認められなかった。ま
た、顕微鏡下での結晶の様相は、OGDF−2のそれと異に
していた。
2)γ−リノレンサン、リノレンサン :γ−リノレンサン、リノレンサンを実施例3で述べ
たように培養細胞に添加して傷害性を検討した。しか
し、傷害活性は認められなかった。また、これらのマス
スペクトル分析はOGDF−2のそれと異にしていた。
たように培養細胞に添加して傷害性を検討した。しか
し、傷害活性は認められなかった。また、これらのマス
スペクトル分析はOGDF−2のそれと異にしていた。
実施例6(Co−J774細胞のホ−ロ−ファイバ−培養によ
るグルコ−スの消費) ミニビタファイバ−内を培養液で洗浄した後に新しい
細胞を2.4×107(生存率94%)個注入して実験を行なっ
た。この実験のグルコ−ス消費成績を第12図に示す。
るグルコ−スの消費) ミニビタファイバ−内を培養液で洗浄した後に新しい
細胞を2.4×107(生存率94%)個注入して実験を行なっ
た。この実験のグルコ−ス消費成績を第12図に示す。
尚、グルコ−ス濃度が100mg/dl以下になった時点で培
地を交換した。図中、曲線Iはグルコ−ス濃度、曲線II
は培養後のグルコ−ス総消費量を示す。
地を交換した。図中、曲線Iはグルコ−ス濃度、曲線II
は培養後のグルコ−ス総消費量を示す。
(発明の効果) この発明ではホ−ロ−ファイバ−を用いて細胞の培養
を行なうので、容易に多量のOGDF−2を培養することが
出来る。
を行なうので、容易に多量のOGDF−2を培養することが
出来る。
第1図(A)〜(C)は、この発明の細胞傷害因子OGDF
−2の分子量を測定するためのマススペクトルの結果を
示す図であって、 第1図(A)は、実施例1で得た培養液のOGDF−2のEI
デ−タを示す図、 第1図(B)は、実施例1で得た培養液のOGDF−2のポ
ジのデ−タを示す図、 第1図(C)は、実施例1で得た培養液のOGDF−2のネ
ガのデ−タを示す図、 第2図は、この発明の細胞傷害因子OGDF−2の薄膜クロ
マトグラフィ−で展開後発色反応にかけた結果を示す
図、 第3図および第4図は、それぞれ、活性デ−タを示す
図、 第5図は、実施例1においてこの発明の細胞傷害因子OG
DF−2の核磁気共鳴スペクトルを示す図、 第6図は、この発明の細胞傷害因子OGDF−2の紫外線吸
収スペクトルを示す図、 第7図は、実施例1においてこの発明の細胞傷害因子OG
DF−2の細胞傷害活性と添加量の関係を示すグラフ、 第8図は、マススペクトル法によるγ−リノレン酸のEI
デ−タを示す図、 第9図(A)〜(D)は、結晶化した細胞傷害因子のGC
/MS(グルコ−スまたはマンノ−ス)の成績を示し、 第9図(A)は、TICの成績:4.951脂質 12.583糖 13.528糖 を示す図、 第9図(B)は、4.963のScanを示す図、 第9図(C)は、12.585のScanを示す図、 第9図(D)は、13.522のScanを示す図、 第10図は、細胞傷害因子OGDF−2の赤外線吸収スペクト
ルを示す図、 第11図は、細胞傷害因子の加水分解後の遊離脂肪酸組成
を示すガスクロマトグラフィ−図、 第12図は、Co−J774細胞のホ−ロ−ファイバ−培養によ
るグルコ−スの消費を示す図である。
−2の分子量を測定するためのマススペクトルの結果を
示す図であって、 第1図(A)は、実施例1で得た培養液のOGDF−2のEI
デ−タを示す図、 第1図(B)は、実施例1で得た培養液のOGDF−2のポ
ジのデ−タを示す図、 第1図(C)は、実施例1で得た培養液のOGDF−2のネ
ガのデ−タを示す図、 第2図は、この発明の細胞傷害因子OGDF−2の薄膜クロ
マトグラフィ−で展開後発色反応にかけた結果を示す
図、 第3図および第4図は、それぞれ、活性デ−タを示す
図、 第5図は、実施例1においてこの発明の細胞傷害因子OG
DF−2の核磁気共鳴スペクトルを示す図、 第6図は、この発明の細胞傷害因子OGDF−2の紫外線吸
収スペクトルを示す図、 第7図は、実施例1においてこの発明の細胞傷害因子OG
DF−2の細胞傷害活性と添加量の関係を示すグラフ、 第8図は、マススペクトル法によるγ−リノレン酸のEI
デ−タを示す図、 第9図(A)〜(D)は、結晶化した細胞傷害因子のGC
/MS(グルコ−スまたはマンノ−ス)の成績を示し、 第9図(A)は、TICの成績:4.951脂質 12.583糖 13.528糖 を示す図、 第9図(B)は、4.963のScanを示す図、 第9図(C)は、12.585のScanを示す図、 第9図(D)は、13.522のScanを示す図、 第10図は、細胞傷害因子OGDF−2の赤外線吸収スペクト
ルを示す図、 第11図は、細胞傷害因子の加水分解後の遊離脂肪酸組成
を示すガスクロマトグラフィ−図、 第12図は、Co−J774細胞のホ−ロ−ファイバ−培養によ
るグルコ−スの消費を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】下記の性質を有する細胞傷害因子OGDF−
2。 a由来:マクロファージ様細胞株J774Aとウシ白血病ウ
イルス持続産生FLK細胞の混合系から得られたCo−J774A
細胞の培養液より分離 b外観:白色粉末の脂質分画と糖質分画からなり、灰分
若干を含む c分子量:約280の脂質分画と約358の糖質分画 d熱安定性:100℃、20分において安定 e酸・アルカリ安定性:pH11およびpH2において10分間処
理すると不活性化 f生物活性:100μgを約105の培養細胞(例えばXC細
胞)と24時間インキュベートすると、細胞をすべて死滅
させる - 【請求項2】請求項1に記載の細胞傷害因子OGDF−2を
製造するにあたり、 マクロファージ様細胞株J774Aとウシ白血病ウイルス持
続産生FLK細胞の混合系から得られたCo−J774A細胞をホ
ーローファイバー内で培養し、培養液から前記細胞傷害
因子OGDF−2を採取することからなる方法。 - 【請求項3】請求項1に記載の細胞傷害因子OGDF−2を
製造するにあたり、 マクロファージ様細胞株J774Aとウシ白血病ウイルス持
続産生FLK細胞の混合系から得られたCo−J774A細胞をホ
ーローファイバー内で培養し、培養液から前記細胞傷害
因子OGDF−2を得る方法であって、 培養物上清を親水性有機溶媒と水を用いるかまたは親水
性もしくは疎水性有機溶媒を用いて前記細胞傷害因子OG
DF−2を抽出することからなる方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1258088A JP3069359B2 (ja) | 1989-10-03 | 1989-10-03 | 細胞傷害因子ogdf―2およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1258088A JP3069359B2 (ja) | 1989-10-03 | 1989-10-03 | 細胞傷害因子ogdf―2およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03119994A JPH03119994A (ja) | 1991-05-22 |
JP3069359B2 true JP3069359B2 (ja) | 2000-07-24 |
Family
ID=17315350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1258088A Expired - Lifetime JP3069359B2 (ja) | 1989-10-03 | 1989-10-03 | 細胞傷害因子ogdf―2およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3069359B2 (ja) |
-
1989
- 1989-10-03 JP JP1258088A patent/JP3069359B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03119994A (ja) | 1991-05-22 |
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