JP3069335U - 家具におけるシ―ト材の固定具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 椅子などの家具の一部に、織物、編物、皮
革、合成樹脂被覆布、ネットなどの可撓性のシート材を
ピンと張った状態で固定する作業において、効率よく美
しい仕上りの得られるシート材の固定具を提供する。 【解決手段】 椅子などの家具の本体の、シート材の周
縁端部を固定するべき場所に、凹溝を有する金属製の枠
と、該凹溝に嵌合する抑え部材と、該抑え部材を該シー
ト材の周縁端部とともに該凹溝に圧締固定する締め付け
ねじからなる固定具を設け、シート材の周縁端部を凹溝
にあてがい、上から抑え部材を当て、ねじで締め付け
る。さらに望ましくは、凹溝の底部に、締め付けねじが
ねじ込める幅の割れ目を設け、割れ目の断面には長さ方
向に細い条溝が刻まれている構成を採用する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、椅子などの家具の一部に可撓性のシート材を緊張状態に固定する作 業の改良に関し、熟練を必要とせず、すぐれた仕上りと効率を可能にする改良さ れた固定具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

椅子などの家具の一部に、織物、編物、皮革、合成樹脂被覆布、ネットなどの 可撓性のシート材をピンと張った状態で固定する作業はしばしば必要である。従 来一般に採用されてきた方法は、通常木製の枠にシート材を緊張状態で重ね、Ｕ 釘をタッカー（鋲打ち機）で打ち込んで固定する方法である。この際、シート材 を均等な張力でピンと張るためには何らかの付加的な手段、あるいは熟練を伴う ノウハウなどが必要になる。なお、飾りテープなどでＵ釘の頭を隠すことが通常 おこなわれている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、椅子などの家具の一部に、織物、編物、皮革、合成樹脂被覆 布、ネットなどの可撓性のシート材をピンと張った状態で固定する作業において 、本体以外の付加的手段や、熟練の必要な技術なしに、効率よく美しい仕上りの 得られるシート材の固定具の提供にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の課題を解決するため工夫を重ねた結果、椅子などの家具の本 体の、シート材の周縁端部を固定するべき場所に、凹溝を有する金属製の枠と、 該凹溝に嵌合する抑え部材と、該抑え部材を該シート材の周縁端部とともに該凹 溝に圧締固定する締め付けねじからなる固定具を設けることにより、シート材の 周縁端部を凹溝にあてがい、上から抑え部材を当て、ねじで締め付けるだけで上 記の課題を解決するに至った。さらに、凹溝の底部中段に、締め付けねじがねじ 込める幅の割れ目を設け、割れ目の断面に長さ方向に細い条溝が刻まれている構 成を採用することにより、締め付け作業がより効率よく、失敗もなく課題を達成 できることを見出した。

【０００５】 本考案の固定具を構成する枠と抑え部材は任意の金属から成形されるが、アル ミの押し出し成形によるものが加工性、軽量性の点で優れている。押し出し成形 された長尺の部材を必要な長さに切断して用いるが、必要に応じて家具本体の形 にあわせて曲線に曲げ加工して使用することも可能である。

【０００６】 椅子の場合に固定具を取り付ける場所は、座席あるいは背もたれの側面、裏面 、好みによっては表面のいずれも可能である。美観の点で抑え部材を別の材料で 隠すこともできるが、抑え部材自体に装飾性を持たせることもできる。

【０００７】 抑え部材を圧締固定する締め付けねじは、凹溝の底部にねじ孔を切っておくか タッピングビスを用いて直接ねじ込むこともできるが、固定具の枠の凹溝の底部 中段に締め付けねじがねじ込める幅の割れ目を設け、その間隙にねじ込む方法が 作業が容易である。割れ目の断面に長さ方向に細い条溝を刻んでおくと固定がよ り確実になる。この条溝は押し出し成形の際に形成可能である。

【０００８】

【発明の実施の形態】

以下、本考案の実施例の形態について、図面に基づいて説明する。図１は本考 案の固定具の一実施の形態の断面図である。枠１および抑え部材４はアルミの押 し出し成形材である。枠の凹溝２の底部中段に設けた割れ目３の幅は締め付けね じ５のねじ込みに適度の抵抗があるように設定する。枠１を椅子などの家具の所 定の場所に埋め込む形に固定する。この固定は上記のねじとは別の木ねじなどの 手段による。次に家具の所望の部分を覆うシート材６を所定の位置にあてがい、 その周縁端部を抑え部材４によって枠１の凹溝２に挟み込む。抑え部材４にはあ らかじめ締め付けねじ５用の孔をあけておき、その孔を通して締め付けねじ５に より抑え部材４とシート材６を凹溝２に圧締固定する。はみ出たシート材を切除 して仕上りである。

【０００９】 図２は本考案の図１の固定具によりシート材を固定した椅子の側面図である。 椅子の座席と背もたれの周囲側面に固定具が設けられている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の固定具の一実施の形態の断面図で
ある。

【図２】 図１の固定具によりシート材を固定した椅
子の側面図である。

【符号の説明】

１ 枠 ２ 凹溝 ３ 条溝つ
き割れ目 ４ 抑え部材 ５ 締め付けねじ ６ シート
材 ７ 椅子 ８ 座席 ９ 背もた
れ １０ 固定具

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 家具の一部にシート材を緊張状態に固定
   するための装置であって、該シート材の周縁部に接して
   設置された凹溝を有する金属製の枠と、該凹溝に嵌合す
   る抑え部材と、該抑え部材を該シート材の周縁端部とと
   もに該凹溝に圧締固定する締め付けねじからなることを
   特徴とする家具におけるシート材の固定具。
2. 【請求項２】 凹溝を有する金属製の枠の該凹溝の底部
   中段に、該締め付けねじがねじ込める幅の割れ目が設け
   られ、かつ、割れ目の断面には長さ方向に細い条溝が刻
   まれていることを特徴とする請求項１記載の家具におけ
   るシート材の固定具。