JP3069288U - 汚物処理袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分別収集用のゴミ袋が透明又は半透明化され
ることにより、使用済み生理用品を廃棄するための汚物
処理袋が他人の眼に晒されるので、汚物処理袋であるこ
とが気付かれにくく、しかも使用しやすい汚物処理袋の
開発が、特に女性に待望されていた。 【解決手段】 防水紙等からなる不透明の袋部１の上部
に軟質樹脂製の環状帯２を、片面が強粘着性、他面が弱
粘着性の接着帯５を介して接着し、使用が終われば環状
帯２を剥離し、接着帯５で袋部１の開口部３を封着して
環状帯２を不燃ゴミとして、袋部１を可燃ゴミとして廃
棄できる汚物処理袋を提供する。 【効果】 袋部が不透明の紙製なので使用済み生理用品
の汚物処理袋と気付かれることがなく、環状帯が軟質樹
脂製なので汚物収納容器に装着させ易く、さらに環状帯
が簡単に剥離でき、接着帯により袋部の開口部をワンタ
ッチで完全に封着できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、トイレのコーナーに設置される女性用の使用済み生理用品などを収 納する汚物収納容器の内側に装着され、汚物が充填されると袋ごと廃棄される汚 物処理袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来は、トイレに設置される女性用の使用済み生理用品などを収納する汚物収 納容器の内側に不透明（概ね黒色）のポリエチレン製等の袋を装着し、袋内に充 填されると容器より脱抜して開口部を結束し、他のゴミと一緒にさらに一般の大 きな収集用ゴミ袋に入れて廃棄するのが日常的であった。この場合、女性の心理 として、使用済み生理用品などを入れた袋がたとえ不透明であったとしてもその 袋自体を他人に見られるのは不愉快であるため、この袋を入れる大きな収集用ゴ ミ袋に不透明のものを用いることにより不愉快さを感じることなく廃棄すること ができた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら昨今、ゴミの分別収集を徹底させる意図から収集用ゴミ袋として 透明あるいは半透明のものを指定する自治体が増加し、規制化されてくる趨勢に ある。さらに収集用のコンテナも廃止となる自治体が多く、それにより、集積所 に積まれた収集用ゴミ袋の中身が他人の眼に晒されることとなり、女性用の使用 済み生理用品などを入れた袋そのものがはっきりと他人の眼から眺められてしま うという大きな課題があった。

【０００４】 使用済み生理用品などが直接見えるわけではなくても、それらを入れた袋が他 人の眼に触れることを不愉快に感ずる同性間に於いては、上記の事態に対して、 自衛策として使用済み生理用品が充填された袋をさらに不透明な紙袋に封入した り、あるいは古新聞紙で幾重にも包装するなどしてから廃棄するという手段が講 ぜられることとなった。しかしながら上記の方法は手間がかかり、また徒に廃棄 されるゴミの量を増加させるものであるので、合理的な解決手段が希求されてい た。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するためになされたものであって、その要旨とすると ころは、使用済みの生理用品等を収納する部分を防水性のある不透明の紙製の袋 部で構成し、上部は従来のポリエチレン製等の軟質樹脂製の薄膜の環状帯で汚物 収納容器に装着しやすく構成し、上記紙製の袋部と上記軟質樹脂製の環状帯を、 強粘着面部を袋部側に、弱粘着面部を環状帯側とした接着帯にて接着し、袋部内 部が使用済みの生理用品等で充満すれば環状帯を接着帯の弱粘着面部より剥離さ せ、接着帯の露出した弱粘着面部どうしを接着することによって袋部の開口部を 完全に封着し、袋部を可燃ゴミに、環状帯を不燃ゴミに分別して廃棄できる汚物 処理袋を提供する。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案を図面を参照しながら詳細に説明する。 図１に示すのは、本考案の１実施例の外観斜視図である。本実施例においては 、１は防水性のある不透明な紙製の袋部で、上端は開口部３となり、左右側面部 分はマチ部分６，６、を構成し、下端は封着されて封着部７を構成する。マチ部 分６，６の構成は袋部１内部に収納用の空間が設けられるものであれば、図１の 構成に限らずどのような構成でも良い。また、封着部７の構成も、下端部を完全 に封着できるものであればどのような構成でも良く、封着手段も接着、圧着、ヒ ートシール等袋部１の材質に対応した様々な手段を用い得る。

【０００７】 袋部１の開口部３の内側には接着帯５が環状に貼着されている。そして接着帯 ５は図２に見るように、薄膜状で片面が強粘着面部５ａとなり、もう一方の面が 弱粘着面部５ｂとなり、強粘着面部５ａは袋部１の開口部３の内側３ａに貼着さ れ、弱粘着面部５ｂはポリエチレンなどの軟質樹脂製の薄膜状の環状帯２の下端 開口部４の外側４ａに貼着されている。

【０００８】 ポリエチレンなどの軟質樹脂製の薄膜状の環状帯２は、図１に見るように袋部 １の開口部３と同寸の下端開口部４を有し、袋部１の高さの１/２〜１/４前後の 幅を有する環状の帯体に構成され、下端開口部４は接着帯５を介して叙上の方法 で袋部１の開口部３に貼着されている。また、袋部１のマチ部分６，６に連続す る部分には、マチ部分６，６と同様のマチ部分８，８が設けられている。

【０００９】 本実施例の作用を、図面を参照しながら詳述する。図３ａは、円筒状の汚物収 納容器９に本実施例の汚物処理袋を装着した状態を示す。袋部１を手で押し広げ ながら、汚物収納容器９の本体９ｂ内に嵌装させ、環状帯２は汚物収納容器９の 開口部９ａに当接する部分で折り返して、折り返した部分を開口部９ａの周囲に 懸装させる。この場合、環状帯２が軟質樹脂製の薄膜であるので、装着は極めて 容易で、通常のポリエチレン製の袋を装着する要領と全く同じ要領で装着できる 。

【００１０】 また図３ｂは略三角柱状の汚物収納容器１０に本実施例の汚物処理袋を装着し た状態を示す。この場合も袋部１を汚物収納容器１０の本体１０ｂ内に嵌装させ 、環状帯２は汚物収納容器１０の開口部１０ａに当接する部分で折り返して、折 り返した部分を開口部１０ａの周囲に懸装させる。トイレの汚物収納容器は、高 さも容量もほぼ同一であるので、その形態によらず同一の方法で装着できる。高 さや容量の異なる容器に対しては、本考案の各部の寸法を容器に適合するものと することによって対応する。

【００１１】 図４ａ〜図４ｄには本考案の汚物処理袋が充填された後の処理方法を示す。ま ず、図４ａに見るように環状帯２と袋部１の上部を一緒に持って、両手で汚物収 納容器９から袋部１を脱抜する（矢印方向）。次に、図４ｂのように袋部１を片 手で抑え、もう一方の手で環状帯２の下端開口部４を袋部１の開口部３より剥離 させる（矢印方向）。この場合、環状帯２の下端開口部４は接着帯５の弱粘着面 部５ｂに貼着されているので容易に剥離され、接着帯５は袋部１の開口部３の内 側３ａに弱粘着面部５ｂを露出させた状態で残される。

【００１２】 次に、図４ｃのように袋部１の開口部３を、マチ部分６，６を折り畳みながら 両手で狭着し、片手を矢印方向に滑らせて開口部３を封着させる。この場合、図 ４ｂの接着帯５の露出した弱粘着面部５ｂどうしが接着されることになり、接着 力が強められて密着し、袋部１は開口部３にて完全に封着された状態となる。最 後に、図４ｄのように環状帯２は家庭内（あるいは会社内、事業所内等）の不燃 ゴミ収集容器１１に廃棄し、袋部１は可燃ゴミ収集容器１２に廃棄し、夫々指定 日に収集に出す。

【００１３】 図５には本実施例の使用前の状態を示す。本実施例は袋部１、環状帯２ともマ チ部分６，６，８，８、にて折り畳み、１枚の平面状とすることができるので、 小売店等にて市販の際も、また家庭等で保管する際も嵩張ることなく販売、保管 ができる。なお、前述のように、汚物収納容器のサイズに合わせて様々なサイズ のものを製作しうるものであることは言うまでもない。

【００１４】 以上には、特にトイレの汚物収納容器に適合する構成と作用を有する実施例を 述べたが、本考案の適用範囲はそれに留まるものではなく、容器のサイズに合わ せたサイズとすることにより、各種ゴミ容器に装着するゴミ処理袋としても機能 せしむることができるものである。さらに、袋部は不透明であれば色彩は何色で も良く、各種の図柄を印刷しても良い。また、環状帯は透明でも不透明でも良く 、色彩も問わない。各種の図柄を印刷することも勿論可能である。

【００１５】 また、図６に見るように環状帯２の幅をごく短いものとすることにより、商品 等の簡易包装用のパッケージとしても用い得るものである。この場合、袋部１の 材質は、紙に限らず、軟質樹脂製の薄膜、あるいはネット等も用い得る。袋部１ 、環状帯２とも透明でも不透明でも良く、色彩も問わず、各種の図柄を印刷する ことも自由である。

【００１６】

【考案の効果】

袋部が防水性のある紙製なので、使用済み生理用品をいれても内容物が浸出す る心配がなく、また不透明なので中身が見える心配もない。袋部外部に洒落た印 刷等を施せば、汚物処理袋であることを気付かれる心配もない。また、環状帯は 軟質樹脂製の薄膜であるので、従来のポリエチレン製のゴミ袋と全く同じ要領で 簡単に汚物収納容器に装着することができる。

【００１７】 接着帯が強粘着面部と弱粘着面部から構成されるので、環状帯側を弱粘着面部 とすることにより、環状帯を接着帯から簡単に剥離でき、さらに接着帯そのもの は袋部の開口部に弱粘着面部を露出させた状態で残るので、袋部の開口部を接着 帯により完全に封着することができる。この封着の操作はワンタッチで行えるの で、従来のように袋の口を結束する手間が不要で、しかもより確実な封着が可能 である。なお、使用前はマチ部分の効果により全体を完全に平面化できるので、 嵩張らない。

【００１８】 紙製の袋部と軟質樹脂製の環状帯が完全に分離できるので、袋部を可燃ゴミに 、環状帯を不燃ゴミに分別して出すことができる。 分別収集が徹底され、収集用の袋が透明または半透明化されていくこれからの 時代において、人口の半分を占める女性のために、大いに福音となるべき考案で ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例の外観斜視図である。

【図２】本考案の１実施例の袋部と環状帯の接着部分の
縦断面図である。

【図３】ａ 本考案の１実施例を汚物収納容器に装着し
た状態の外観斜視図である。 ｂ 本考案の１実施例を汚物収納容器に装着した状態の
外観斜視図である。

【図４】ａ 本考案の１実施例を汚物収納容器から脱抜
する状態を示す参考外観斜視図である。 ｂ 本考案の１実施例において、環状帯を袋部から剥離
させる状態を示す参考外観斜視図である。 ｃ 本考案の１実施例において、袋部の開口部をワンタ
ッチで封着する状態を示す参考外観斜視図である。 ｄ 本考案の１実施例において、環状帯と袋部を分別し
て廃棄する状態を示す参考図である。

【図５】本考案の１実施例を折り畳んだ状態を示す外観
斜視図である。

【図６】本考案の他の実施例の外観斜視図である。

【符号の説明】

1 袋部 2環状帯 3開口部 3ａ 内側 4下端開口部 4ａ 外側 5接着帯 5ａ 強接着面部 5ｂ 弱接着面部 6マチ部分 7封着部 8マチ部分 9汚物収納容器 9ａ 開口部 9ｂ 本体 10 汚物収納容器 10ａ 開口部 10ｂ 本体 11 不燃ゴミ収集容器 12 可燃ゴミ収集容器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 防水性を有する不透明な紙製の袋部の開
   口部の内側に、片面が強粘着性で他の片面が弱粘着性の
   接着帯の強粘着面部を貼着し、該接着帯の弱粘着面部に
   上記紙袋の開口部と同寸の開口部を有する軟質樹脂製の
   薄膜状の環状帯の下端開口部を貼着して袋部と環状帯の
   ２段構成としたことを特徴とする汚物処理袋。