JP3068624U - ドア開閉時の安全カバ― - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドア開閉時の安全を図ると共に、その器具の
ドアへの取り付けが簡潔で、且つ、製造が容易な器具を
開発する。 【解決手段】 ドア開閉時の安全カバーは、開放時にド
アの隙間を覆うに充分な幅を有し、数条のＶ字型溝１１
を刻設すると共に横方向両端部に断面円形のジョイント
雄片１２を形成した可撓性素材のカバー部１０と、該カ
バー部端部のジョイント雄片と嵌合して一定範囲での回
動を許容するジョイント雌片２１を形成すると共に裏側
にドア及び／又はドア柱に粘着又は接着で固着する取付
面２２を設けた支持部材とから成り、少なくともＶ字型
溝、ジョイント雄片及びジョイント雌片とを押出成形可
能な縦方向に連続させて形成して構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ドアを開閉する際に、ドアとその取付柱とに生じる隙間に指を挟む 等の事故を防止する為の安全カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ドアを開閉する際に、ドアとその取り付け柱との間に隙間が生じ、その 間に、幼児や子供、時には大人が不注意により指を挟むという事故が頻発してい る。

【０００３】 そこで、従来、これに対する対向手段は幾つか提案されている。 例えば、実開平６−６３７７８号には、ドア開閉部の安全装置が示され、その 概要は、ドアの回動時に該ドアの外側端面と該ドアヒンジ等取付部材を介して保 持するドア枠等ドア保持体の、該外側端面に対向する内側端面との間に形成され る隙間を閉鎖する可撓性の安全カバーを設け、該安全カバーの一端側をドアの側 辺部に固定して該安全カバーにて隙間を閉鎖しつつ一端側をドアの側辺部と一体 に回動させるようになしたものである。

【０００４】 又、特開平１０−７２９７３号には、建具が示され、その概要は、建物の開口 部の周縁を覆うように固定されたドア枠と、このドア枠の一側部に複数個のヒン ジ部材を介して開閉可能に取り付けられたドアと、前記複数個のヒンジ部材の反 枢支部側のドア枠に取り付けられた前記ドアを開放した場合に生じる隙間を覆う カバーとから成るものである。

【０００５】 しかし、本考案者が実験を重ねたところ、ドアに指を挟む危険は、その空間に 何も存在しないことによって、その空間があとでドアによって閉ざされてしまう ことを予知し得ないからであって、その空間への指の侵入を予知・回避しさえす れば、器具自体はそれほど複雑であったり、厳重なものである必要はなく、むし ろドア開閉の安全を図るには、取付が簡潔で、且つ、製造が容易で、安価に提供 できる器具こそ望まれるものであることに気付いた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案は、ドア開閉時の安全を図る機能を有することは勿論、その際 、その器具のドアへの取り付けが簡潔で、且つ、製造が容易な形態とすることで 、経済的に低廉に提供できる器具を開発しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本案安全カバーは、開放時にドアの隙間を覆うに充分な幅を有し、数条のＶ字 型溝を刻設すると共に横方向両端部に断面円形のジョイント雄片を形成した可撓 性素材のカバー部と、該カバー部端部のジョイント雄片と嵌合して一定範囲での 回動を許容するジョイント雌片を形成すると共に裏側にドア及び／又はドア柱に 粘着又は接着で固着する取付面を設けた支持部材とから成り、少なくともＶ字型 溝、ジョイント雄片及びジョイント雌片とを押出成形可能な縦方向に連続させて 形成して構成される。

【０００８】

【考案の実施の形態】

本案安全カバーは、ドアＴとその取付柱Ｓとの間に生じる隙間を覆うカバー 部１０と、該カバー部を取付柱Ｓに取着させると共に開閉時のカバーの伸縮動を 保持する支持部材２０とから成る。

【０００９】 カバー部１０は、図１〜図３に示す如くで、先ず、ドアＴの開放時にドアＴと 取付柱Ｓに生じる隙間を覆うに充分な寸法の幅を有さなければならない。この幅 は、ドアＴが閉じられた状態（図２参照）と、最大に開放された状態（図３参照 ）との変化を勘案して長さを決定する。 ドアの取り付け状態は、図２の如く、ドアＴと取付柱Ｓとが直角を成す場合と 、平行を成す場合とがあり（図示省略）、ドアへの取り付け状態で変化し、その 状態に応じて、形態及び長さを決定する。 尚、ここで取付柱Ｓとは、ドアＴを取り付ける部材の総称を代表させた意味で 、通常の柱体の他、壁体、枠体等を全て含む。

【００１０】 そして、該カバー部１０は、その縦方向に数条例えば２０〜３０条程度の数 で、Ｖ字型の溝１１を刻設する。 該Ｖ字型の溝１１は、該カバー部１０がドアＴの開閉に伴って伸縮動する際に 、縮み状態にある場合にはほぼ円形に湾曲し、伸びる時にはドアＴの回動に追随 して直線状になるのを助ける為である。 そして、それを縦方向に連続させるのは、プラスチック等の可撓性材料で形成 するカバー部の素材によって、押出成形等の成形加工を容易にする為である。 このとき、縦方向とは、ドアＴが取り付けられる柱の立設方向で、長手方向で ある。

【００１１】 又、該カバー部１０の横方向への、左右両端部には、断面がほぼ円形を呈する ジョイントの為の雄片１２，１２を形成する。 これは、後述のジョイント雌片との嵌合を図る為のもので、ジョイント雌片と の間で回動が図れるよう断面円形とすると共に、縦方向に連続させて、押出成形 等の成形加工を容易にする。

【００１２】 次に、支持部材２０は、該カバー部端部のジョイント雄片と嵌合して一定範囲 での回動を許容するジョイント雌片２１を形成する。即ち、支持部材２０は、そ の断面を前記ジョイント雄片１２と雄雌嵌合するよう環状２１とし、且つ、その 環状の輪の一部を切り欠いて、その範囲でジョイント雄片１２を回動させて、カ バー部１０の伸縮動に追随できるようにする。 そして、該支持部材２０の裏側には、取付柱Ｓに固着する為の取付面２２を形 成し、そこに両面テープ等の粘着剤又は接着剤を介設させる。又、必要に応じて ネジ止めを併用させても良い。 更に、該支持部材２０は、その素材をアルミニウム又はプラスチックとし、 その形状を縦方向に連続させて、押出成形等の成形加工を容易にする。

【００１３】 次に、本案カバーの作用を説明する。 本案カバーを使用するには、先ず、ドアＴ及び取付柱Ｓの一部に支持部材２０ の取付面２２を両面テープ等を介して固着させる。 このとき、前述の如くドアＴ及び取付柱Ｓとの関係は、互いが平行になるもの と、直角となるものがあるが、その態様に合わせて取り付ける。 その縦方向への長さは、ドアＴの縦方向に全長に渡って設けるのが望ましいが 、又、指を挟む危険が上部又は下部等の一部に限定される場合は、その一部に合 わせても良い。 斯くすることで、取付は極めて簡単に完了する。

【００１４】 そして、該ドアＴを開閉させると、ヒンジを介して結ばれたドアＴと取付柱Ｓ との間に隙間が生じ、そこに指等が差し込まれると、該ドアを閉じる際に間に挟 まれて怪我する危険がある。 しかし、本案カバーでは、ドアＴを開放させた場合には、そのドアＴ端部の回 動に伴ってカバー部１０が追随して伸長し、隙間を覆ってしまうため指が差し込 まれる危険がない。このとき、カバー部１０は、単にそこにプラスチック等の軽 量で可撓性素材のカバー部１０が存在すれば良く、重量物で厳重なものでなくと も良い。何故なら、隙間に指を差し込むのは、不注意によるのであって、それを 遮れば充分だからである。

【００１５】 そして、ドアＴを閉じる際には、可撓性に素材のカバー部１０は元の形に湾曲 し、仮に指等が存在しても、それを外側に弾き出す。 このとき、縦方向に刻設したＶ字型溝１１は、カバー部１０の可撓性に加えて 伸長及び湾曲の動きに追随する働きを助ける。

【００１６】 そして、これらカバー部１０及び支持部材２０を製造するには、カバー部１０ はプラスチック等の可撓性素材で、支持部材２０はアルミニウム又はプラスチッ ク等を素材とし、且つ、その形状の設定にあたって、Ｖ字型溝の形成や、ジョイ ント雄片及びジョイント雌片を縦方向に連続させるように形成した為、押出成形 が可能であり、これによって簡潔に製造が可能となる。

【００１７】

【考案の効果】

以上の如き構成及び作用に基づいて、本案安全カバーは、ドアの開閉時に指 を挟む等の危険を回避して安全を図ることができると共に、その器具のドアへの 取り付けが極めて簡潔となり、且つ、カバー部と支持部材とを分割させると共に 、そのＶ字型溝、ジョイント雄片及びジョイント雌片等を縦方向に連続させたも のとしたので押出成形が可能となったため、製造が容易で、経済的にも低廉にな る等の極めて実用性に富んだ考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案安全カバーの側面図。

【図２】閉じたドアへの取り付け状態を示す側断面図。

【図３】開いたドアへの取り付け状態を示す側断面図。

【図４】ドアへの取付状態を示す斜視図。

【符号の説明】

１０ カバー部 １１ Ｖ字型溝 １２ ジョイント雄片 ２０ 支持部材 ２１ ジョイント雌片 ２２ 取付面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 開放時にドアの隙間を覆うに充分な幅を
   有し、数条のＶ字型溝を刻設すると共に横方向両端部に
   断面円形のジョイント雄片を形成した可撓性素材のカバ
   ー部と、該カバー部端部のジョイント雄片と嵌合して一
   定範囲での回動を許容するジョイント雌片を形成すると
   共に裏側にドア及び／又はドア柱に粘着又は接着で固着
   する取付面を設けた支持部材とから成り、少なくともＶ
   字型溝、ジョイント雄片及びジョイント雌片とを押出成
   形可能な縦方向に連続させて形成したことを特徴とする
   ドア開閉時の安全カバー。