JP3067037U - 簡易型ガスケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】全表面が不織布で被覆して内部の繊維がほぐれ
ない不燃性のガスケットを得ること。 【解決手段】適宜幅に裁断してなる無機繊維フェルトの
全表面を包むようにして不織布で被覆するに際してこの
両者間に接着剤を介在せしめ表面の不織布を無機繊維フ
ェルト面に強固に接着した簡易型ガスケットの構成であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、無機繊維フェルトの表面が露出しない簡易型ガスケットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

室内に配管する排煙設備等の熱を伴うダクトに用いられるダクトフランジ用ガ スケットには、無機繊維系のガスケットが用いられている。この無機繊維は耐熱 性があり火災の心配がなく、しかも弾力性があり、このような熱を伴うダクトの ガスケットに用いるには最適の材質である。特に長繊維系の無機繊維、例えばア ルミナ繊維、シリカ繊維等は好適であるが、価格が高いためにこのようなダクト フランジのガスケットには使用されず、価格の安い鉱物繊維であるロックウ−ル やガラス繊維等が用いられている。近年に至り、珪肺または塵肺防止のため短繊 維で飛散し易い石綿の使用は禁止され、それより長繊維系であるロックウ−ルを フェルト状として適宜の大きさに裁断したマット状のものをガスケットとして使 用している。

【０００３】 このロックウ−ルも強度的にそれほど強くないため、繊維が折れて飛散する危 険性があり、マット状としたロックウ−ルの片面のみを繊維飛散防止処理として 、難燃処理を施した有機繊維系不織布を被覆しその表面をニ−ドルパンチング製 法により一体化したものを原反とし、この不織布層とは異なる面に粘着剤加工（ 離型紙付き）を施した後、所定の幅に裁断したものをロ−ル状にして製品化して いた。

【０００４】 しかしながら、これらガスケットは切断面が露出し、内部の無機繊維類が飛び 出し易いガスケットであり、その改善が要望され、本出願人は先に実用新案登録 第３０３１５４０号として繊維飛散の危険性の高い裁断面を露出しないガスケッ トを提案した。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来の無機繊維フェルトによって形成したガスケットはシート状の 無機繊維フェルトの原反の両縁側を対向させて円筒状に形成し、この対向面部分 の裁断面を繊維糸で縫い付ける工程を必要としていた。また、無機繊維フェルト をチューブ状にし、これを押圧して平板に形成し、この片面のみに不織布を貼付 けたものでは無機繊維フェルトの工程が複雑であった。 本考案は、上記問題点に鑑みて考案されたものであり、その課題とするところ は、不燃性を有し、内部の無機繊維フェルトの繊維がほぐれることもない簡易型 ガスケットを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため本考案に係るガスケットは、次の如く構成したことを 特徴とする。即ち、適宜幅に裁断してなる無機繊維フェルトの全表面を包むよう にして不織布で被覆するに際してこの両者間に接着剤を介在せしめ表面の不織布 を無機繊維フェルト面に強固に接着した簡易型ガスケットである。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案のガスケットは、裁断面を有する無機繊維系のフェルトの原反の表面全 体を不織布で包んで被覆してあるから従来のように無機繊維フェルトの裁断面か らの飛散を防止するための裁断面を対向させて合わせて筒状に形成する必要がな い。また、無機繊維フェルトの原反を円筒状にし、これを押し潰して厚みを持た せる必要もない。

【０００８】 本考案に使用する無機繊維系のフェルトとして使用するロックウ−ルフェルト は、ロックウ−ルの繊維と少量の難燃性有機系バインダ−とを攪拌処理し結合さ せてからマット状にしているため、切断した箇所からの繊維飛散は極めて少ない 。また、本考案の簡易型ガスケットは安全性を重視する観点から現行の繊維飛散 防止基準の指針として、切断面が露出されていないものであり、繊維の飛散を防 止できる。

【０００９】 以下、本考案を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。 図１は、本考案の簡易型ガスケットの実施の形態を示す斜視図であり、図２は 本考案の簡易型ガスケットに粘着層及び離型紙を備えた状態を示す斜視図である 。

【００１０】 本考案のガスケット１はロックウールからなる不燃性の無機繊維フェルト２の シート状の全体を包むようにして不織布３で包囲して、無機繊維フェルト２の全 面を被覆する。被覆に際して無機繊維フェルト２または不織布３の表面に接着剤 を塗布し、接着剤層６を形成してある。この接着剤としてはアクリル系、ウレタ ン系、エポキシ系等の樹脂の接着剤が使用できる。この不織布３で被覆されたガ スケット１の片面に粘着層４、この粘着層４の表面に離型紙５が貼り付けてある 。

【００１１】 このように形成されたガスケット１は離型紙５を剥し、粘着層４の面をダクト 端面に当てがい、ダクト表面にガスケット１を取り付ける。このとき表面に不織 布３があるため内部の無機繊維フェルト２が飛散することがない。しかも弾力性 に富みダクトの取り付けが容易である。

【００１２】 本考案の難燃処理有機系の不織布３で無機繊維フェルト２を包囲したものでは 、この不織布３の外表面に難燃性合成樹脂フィルムで全面を被覆することもでき る。この難燃性合成樹脂フィルムを被覆した外表面になるようにしたものではダ クト内からの水分や油の滲み出しを防止することができる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案の簡易型ガスケットは、裁断面を対向させることなく、無機繊維フェル ト全体を不織布で被覆し、この両者を接着剤によって接着してあるから無機繊維 フェルトが不織布から抜け落ちるおそれがない。しかも両者を縫いつけるニード ル工程を必要としないなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の簡易型ガスケットの実施の形態を示す
斜視図である。

【図２】本考案の簡易型ガスケットに粘着層及び離型紙
を備えた状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ ガスケット ２ 無機繊維フェルト ３ 不織布 ４ 粘着層 ５ 離型紙 ６ 接着剤層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】適宜幅に裁断してなる無機繊維フェルトの
   全表面を包むようにして不織布で被覆するに際してこの
   両者間に接着剤を介在せしめ表面の不織布を無機繊維フ
   ェルト面に強固に接着したことを特徴とする簡易型ガス
   ケット。